攻殻機動隊 2nd GIG(12)

橋が落ちる日 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」
原作:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸、西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司、常木志伸 音楽:菅野よう子 制作:Prodeuction I.G 

「橋が落ちる日 MARTIAL LOW」☆☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:神山健治 作画監督:浅野恭司 絵コンテ・演出:河野利幸

自衛軍の出動が正式に決定した。
 荒巻大輔(阪脩)は茅葺総理(榊原良子)に時間をかせぐために国連に判断を仰いでみてはと提案する。
 荒巻は草薙素子(田中敦子)に国連の査察団が来るまで逃げ切れと電通で言う。
 彼らの会話の途中で電通が途絶する。有事法制に伴う局所的通信の規制だ。
 少佐は出島に潜入して、クゼを捕らえ、プルトニウムとセットで引き渡す事にする。
 少佐は入院中のイシカワ(仲野裕)に連絡し、
プルトニウムの半分をタチコマ(玉川紗己子)に持たせて寄越すから、
それを持ってスプリング8に向かってくれと頼む。

 クゼヒデオ(小山力也)は荒巻洋輔に声をかけられる。中国茶を出す店で会話を交わす二人。
 洋輔「一度向こうで見かけた事があってな」「そうですか」
 「台湾では大勢の人に取り囲まれておったが、出島ではお前の顔を知る人間は少ないようだ」
 「ここは、電脳化している人間が多かったので」
 「成る程。それで難民達に思想は伝播している訳か…。
最も、三百万人からの問いかけに答え続ける精神力を持っていてこそ出来る、神業ではあると思うがね」
 「でも、そこに落とし穴もありました」「落とし穴?」
 「そうです。水は低きに流れ、人の心もまた、低きに流れる(中国茶の急須にお湯をかけながら言うクゼ)」
 「ほお…」
 「思想ウイルスを乖離し、出島に戻った俺に、難民の多くがすぐに結線し始めました。
俺はその時から、彼らの意思を重視し、彼らの望みに助力する事だけを唯一の行動原理と決めた。
それで彼らのリーダーになる事は、さほど難しく無かった。
それ以外の意識にはフィルタリングをかけ、絶えず結線してくる難民の意識を、
俺の抱く理想と並列化できる様に努める。
俺は大戦直後、ユーラシアを彷徨し、システムの中の個人の存在意義を捜し求めた事がありました。
その途上、人は本来、他者の介在があって始めて存在しうる物だという事を、難民に教えられた」
 「自分の義務と権利を秤にかけて、権利に先に錘を乗せなくば、社会の規則に従いしも自身を失う事なし」
 「はい。その普遍的な思想が、とても口当たりの良い物に感じられました。
しかしその難民も、ひとたびネットを介し、ヒエラルキーの上層の存在を知ると、
その事を忘れ皆低きに流れていってしまう。
力を持てばそれを誇示したくなる。武器を持てば一度は使ってみたくなるのと同様に」
 「それが分かっていてなぜ事態をここまで引っ張った。
革命などという世迷い事が簡単に成就出来ると本気で考えていたのか?」
 「いいえ。ですが、俺が考える革命はもう少し先にある。
今はその革命のゴールである上部構造に、人々を向かわせる為の前段階だと考えています」
 「上部構造?それはヒエラルキーとは違うのか?」
 「ええ、違います。
今この地上を覆いつくさんとしているネットワークは、既に下部構造と化し、本来の目的を終え、
別儀を創造している。
そこからは不可分ながら土台たる下部構造に対し、確実に新義ある反作用を及ぼす存在となり、
上部構造へとシフトする。
(白いカラスが黒いカラスを伴い空へ飛び立つ。羽が舞い落ちる)それが俺の考える革命の定義です」
 「よくは分からんが、それを難民と共有することは出来るのかね」
 「潜在的には共有しているはずですが、具体的にはまだ」
 「儂も昔、人への興味から野に下った人間だ。
その老いぼれから一言言わせてもらうなら、今は理想より現実を優先するべきだ。
お前ならまだこの事態を止められる」

 素子達は軍の駐屯地に潜入し、ヘリに乗り込み、飛ぶ。
 それを予想していた合田一人(西田健)、出島一帯にジャミングをかけ、難民をクゼから引き離す事にする。
 そうすれば、難民は暴走するとの読みだ。クゼは電脳に素子からのメッセージを受け取る。
 それは素子達がプルトニウムを持って出島に来ると言うものだった。
 クゼはネットが断絶している事に気づき、戦闘が始まる事を予感し、大橋のバリケードに向かう。

 一人の難民の若者が命令も無いのに、自衛隊員を一人撃ってしまう。撃ってくる自衛軍。応戦する難民。
 戦車が出、難民が橋を落とす。

感想:液体の表現が素晴らしかったです。
 中国茶の色が足りないような気がしますが、ま、私は詳しく知らないし、液体の表現に魅せられたので良し、
って感じ。
 攻殻機動隊を見ると他のアニメの絵の質の低さが際立ち、困ります。音も良いし。
 戦争って一部の偉い人だけが起こす物ではないですね。戦争はなぜ起こるのかを書いた本があったけかな。
 戦争はいけないと言うだけではなく、どういうプロセスを経て起こったのかをこそ知りたいです。

「出島、空爆 NUCLEAR POWER」☆☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:神山健治 作画監督:新野量太 絵コンテ・演出:橘正紀

 無人攻撃ヘリが出される。
 茅葺総理は独断での国連査察団要請は有事法制化での国家反逆罪と見なされると、更迭される。
 荒巻課長等も、国家反逆罪教唆の嫌疑がかけられ、軟禁される。
 クゼが武器を仕舞っていれば奴らは攻撃してこないと言って、難民達に武器を下ろさせようとするが、
無人攻撃ヘリが建物を爆破、応戦する難民。
 クゼは何人かの腕の立つ者を集めてくれと命じる。

 「以前、新浜難民居住区で行われた合同演習そのものですね」とタチコマ。
 無人攻撃ヘリ、ジガバチは自分と形状の違う機体に対して、無条件で攻撃を仕掛けてくる。
 それでもいかなければならない素子達。出島はどこも瓦礫だらけでヘリの着陸は無理。
 ロープで下りようと半分ヘリから出かけた所で、ジガバチが来る。逃げる9課のヘリ、舵をやられる。
 少佐、ビルの屋上に飛び降りる。

 荒巻等が軟禁されている部屋。
 プロト(杉山大)がタチコマ達と連絡を取るために机の下の床下の機械をいじっている。
 総理の更迭は事態が収束するまでマスコミにはふせられ、事後の責任を彼女にかぶせるつもりだろうが、
公式発表が無い限り、彼女は内閣総理大臣だ。
 まだ彼女の力が功を奏する局面はあると言うのが荒巻の考えだった。
 タチコマと連絡がついたプロト、少佐達がプルトニウムを持って出島に入ったという事を伝える。

 バトー(大塚明夫)達のヘリは不時着。そこにヘリが来、武装した者達が下りてくる。
 彼らは陸自のスペシャルチーム。

 ネット内で会話を交わしているタチコマ達。
 少し前から出島を囲んでいたイージス艦やヘリ空母が離れ始めている。
 掃海艇が放射能除去のマイクロマシンを散布し始めていた。
 核爆弾が使われた場合には先に散布しておかないと放射能の影響を最小限に抑えられない。
 なぜこんな事をしているのか、議論するタチコマ。
 「プロト君ならこの事態をどう推理する?」と突然聞かれ、どぎまぎするプロト。一体のタチコマがある事に気づく。 沖縄環礁から東に370キロ先、排他的経済水域ぎりぎりの内側の所に、
何か巨大な鉄の塊が浮上してきていた。
 そのシルエットは米帝の原子力潜水艦…。出島に核ミサイルを発射するために…。
 合田は初めからそれを想定してコントロールしていた。
 官房長官(武藤与志則)が日米安保を急がせていたのもそのため。
 合田の最後の筋書きは自衛軍により追い込まれた難民が核爆弾による自爆を試みるといったもの。
 ポセイドンとの贈収賄で作った金も、外務省から消えた公金も、
米帝に核ミサイルを発射させるために使われた、全てを極秘裏にリセットしようという思惑を持つ者たちによって。 トグサ(山寺宏一)は茅葺総理を連れ戻そうと課長に言う、彼女なら核攻撃を止められるかもしれないと。
 課長は脚に隠した拳銃を出し、トグサに渡す。
 プロトは総理が軟禁されている場所を検索するが、攻性防壁にやられ、倒れる。
 トグサはプロトを抱き起こし、プロトの目や口から白い液体が流れているのを見てハッとする。
 総理の部屋がわかったと切れ切れに言うプロト。彼はバイオロイドのプロトタイプだった。

 クゼは、数人の難民達と一緒にジャミングを仕掛けているBP-3Cに向かって、
赤外線誘導弾を装填したスティンガーを構える。
 最後に放ったクゼの弾がBP-3Cに命中する。

 4課に囲まれたバトー達。
 バトーは他の三人を墜落したヘリから先に出し、自分はプルトニウムを持って、最後に出る。
 バトー達が使っている熱光学迷彩に気づき、四課は彼らがただの自衛官では無い事に気づく。
 命令ではプルトニウムを持って逃走したのは下級兵士5人という事だったが…。

感想:出島のビルの絵が素晴らしいですね。本当に細部が素晴らしいアニメ。合田、醜い!
 自分がプロデュースした日本の奇跡をもう一度クローズアップさせたいのでしょうか。
 人の命も、痛みも、完璧無視ですね。官房長官も気色悪い。天誅下れ!と願っています。

「楽園の向こうへ THIS SIDE OF JUSTICE」第25話 ☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本;神山健治 作画監督:中村悟 メカ作画監督:寺岡賢司、玄馬宣彦 絵コンテ・演出:松本淳

 ジガバチの攻撃にあい、クゼは難民達から離れる事になる。

 トグサ、茅葺総理の軟禁から解放する。

 合田、哨戒機が撃墜されたことを聞き、艦砲射撃を行わせる。

 ジャミングが無くなり、タチコマと連絡出来るようになった素子、米帝の原潜の事を聞く。
 素子はバトー達に橋を閉鎖している自衛軍にプルトニウムを渡せと命じる。クゼと出会う素子。
 素子から難民の自爆を装った核攻撃がなされるであろう事を聞くクゼ
(えっー!!衛星は他の国も持っているし、自爆とは誰も思わないんじゃないか?)。
 原潜のハッチが開き始める。この型は一度成層圏まで打ち上げるタイプ、攻撃を目撃されないようにするため。 艦砲射撃が始まり、瓦礫が後ろからぶつかってき、吹っ飛ばされる素子。クゼも素子も瓦礫の下に埋もれる。
 瓦礫の下に閉じ込められた素子とクゼ。素子はおまけに右足を鉄骨に挟まれていた。
 クゼが考えている革命とは人の上部構造への移行、人とネットが融合すると言うことだった。
(グレック・イーガンが書いているような存在?ネットと融合した素子みたいな存在の事かな)

 四課に囲まれたバトーは光学迷彩を解き、四課の前に姿を現す。バトーを見て、ハッとする四課。
 バトーの目と四課の目は同じだった。つまり、バトーは元レンジャーだった。

 クゼの話を聞いているかのように窓を開ける難民達。
 クゼは語る「俺は半島での出来事で、人生を達観した。矛盾した秩序、強者による搾取、腐敗した構造。
だが最も俺をがっかりさせたのは、人々の無責任さだった。
自分では何も生み出す事無く、何も理解していないのに、自分にとって都合の良い情報を見つけると、
いち早くそれを取り込み、踊らされてしまう集団。
 ネットというインフラを食いつぶす、動機無き行為が、どんな無責任な結果をもたらそうとも、
何の責任も感じない者達。
 俺の革命とは、そういった人間への復讐でもある」
 「復讐?」
 「俺は子供の頃から全身義体だった為に、心と体の不一致を絶えず感じていた。
出来る事なら、不自由な体を捨て、ネットの海へ漕ぎ出したいと考えていた。
そんな俺にアジア難民達は、少なからず生きる希望を与えてくれた。
彼らは、俺の作りものの顔をとてもいい顔だと言い、ゴーストが顔に現れているのだと褒めてくれた。
俺はそのとき初めて、心と体は不可分な存在なのではないかと実感し、
自分も肉体を持つ人間なのだと思うことが出来た。
だが、そんな彼らも口当たりの良い情報に出会うと、やはり都合の良い方向へと簡単に流れていってしまう。
人間は元々、低きに流れるように出来ているものらしい」
 「で、復讐をどう果たすつもりだ」
 「俺に結線してきている者達の記憶とゴーストを、ネット上に運び去る。
核が投下されれば、それで彼らも肉体を喪失するが、強制的な進化を遂げる可能性が手に入る」
 「彼らがネット上で個を特定し続けられる可能性は?」
 「それは分からない。
だが先駆者として、下部構造に残った人間に対し、絶えず上部構造を意識させ、
啓発していく存在にはなれるだろう。
太古の昔から、人類が霊的なものに対し、尊敬や畏怖を感じてきたようにな」
 「それがお前を落胆させた者達への復讐と救済か」
 「俺は革命と信じているがな。お前も全身義体のようだな。
なら心身の不一致という疑心暗鬼に悩まされた事は、少なくはあるまい」
 素子に弾痕の跡がある左手を差し出すクゼ。「どうだ。俺と一緒に来るか」
 素子、クゼの手を黙って見ているだけで、手を取らず、上体を起こし「難民は、行くつもりなのか」
 クゼ、素子の隣に腰を下ろし、「ああ。残念ながらな。
彼らの多くは、核による自爆テロというシナリオを実践する事の方を望んでいる。
自分達は負けなかったと思い込みたいんだろう。それもまた、低きに流れる行為だというのに」
 「そうか」
 素子、バトーにクゼの言う方法で難民を救出してみると言い、核攻撃の事実を自衛軍に知らせろと命令する。
 バトー、瓦礫の街を走っている。「馬鹿やろう。お前を一人で逝かせやしねえ。待ってろ。逝かせやしねえぞ!」(おお、ラブ素子モード炸裂だな)
 難民達、広場で何をするでもなく、同じ方向を向いて、黙って座ったり立ったりしている。

感想:実際には宗教があるし、ここまでの人体改造は難しいかもしれない。
 全身義体はやはり心身の不一致を感じるものだろうか。
 二人ともかなり高性能な体なのだが、だからこそ違和感があるのか、
それとも高性能と言っても克服出来ないものがあるのか。
 まあ、クローンより、高性能の義手とか義足とかの方が人の意識を変容させるよね。
 武器だって、一種の自分の攻撃力強化で、自分が強くなったように感じ、意識が高揚するらしいし。
 無責任って確かに怖い。
 誰かのためとか言ってひどい事したり、みんなやってるからとか言ってひどい事したりってよくある事だし。
 まあ、私もしっかりしているとは言いがたいが…。
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「憂国への帰還 ENDLESS ∞ GIG」第26話 ☆☆☆☆
脚本・絵コンテ:神山健治 演出:吉原正行 作画監督:西尾鉄也、後藤隆幸 メカ作画監督:寺岡賢司

 素子はタチコマ達に難民をサルベージするため、今すぐ電脳空間にある可処分領域を集めて、
300万人の記憶とゴーストを転送できるスペースを確保しろと命じる。

 原潜は通信を全くしていず、発射時間はすでに決まっていると考えられる。
 イージス艦の距離やマイクロマシン散布のタイミングから見て、AM10:00あたりが怪しい。
 タチコマ達には難民の記憶をネットに上げた所で、ゴーストが保持されるという確信は無かった。
 このままではバトーさん達も助けられないから、少佐の命令を無視しようと思うと一体のタチコマが言う。

 茅葺総理は米帝に連絡を取ろうとするが、出来なかった。
 彼女は自分のやり方でこの事態に収拾をつける事にする。

 大気圏に突入する衛星。これで八個目。後一個で確実にミサイルの軌道に弾幕を張れる。
 うまくいっているのに、提案者のタチコマが考え込んでいる。
 落とした衛星が自分達のAIが乗っている衛星みたいなのだ
(衛星にAIを乗せるという発想に無理があるって…。黒点嵐もあるんだぞ)。
 それは米帝の衛星なのだが、タチコマのAIは日本から打ち上げた米帝の衛星に間借りしているらしいのだ。

 イシカワと一緒にいたタチコマ、イシカワに
「僕、みんなと一緒に行かなくちゃならない所が出来たんですが…」と言ってくる。
 「ん?…そうか…」「ゴメンね」「まあいい。少佐達の事、頼むぞ」「うん!」その場にくず折れるタチコマ。

 瓦礫の下の素子「クゼ」「何だ」「お前、鶴を折れるか」「鶴?」「ああ。それも左手だけで」
 「…制御ソフトを使えば、誰でも折れるだろう」弾痕の開いた左手を見るクゼ。「そうじゃなくて…」
 「お前は折れるのか、左手で」「今はな」
 「…お前も孤独を生き延びた人間らしいな。名は?聞いていなかったが、何と?」
 「忘れた。偽名はあるがな。それはお前も一緒だろ?」
 「そうだな。いくつかの名を、難民からもらった。
俺は彼らを救うつもりで行動を共にしていたが、 本当は孤独を埋めたくて、一緒に居ただけなのかもしれん」
 「だが、結局は埋まらなかった。頼られる事はあっても、頼る事は出来なかった」
 「お前には、心を許せる誰かがいるか?」「いなくはない」十字架のような鉄骨を持ち上げているバトーが映る。  「そうか。 俺は、ずっと探している」

 難民をゴムボートに乗せる手助けをしている荒巻洋輔。
 橋の陸自の方に向かってプルトニウムを掲げながら走っていくパズ(小野塚貴志)、サイトー(大川透)、
ボーマ(山口太郎)、レンジャー4課。
 にやりと笑って端子を引き抜き、何処かへ向かう合田。発射される核ミサイル。
 「素子ー!」と叫びながら、鉄骨を振り下ろすバトー。
 青い林檎をクゼに渡す素子(林檎って確かあなたを愛していますとかって意味なのよね)。
 二人、左手をお互いの肩に回し抱き合う。見開いた目。林檎を口にしようとして、歌声に気づく素子。
 バトーも気づく。「手のひらを太陽に」のタチコマ達の合唱が聞こえてくる。サイトー達が空を見上げる。
 ミサイルが飛んでいる。
 「なんて事だ。君達にはきっと、ゴーストが、宿ってるんだね」とつぶやき、倒れこむプロト。
 ネットで合唱しているタチコマ達。
 やはりネット上で「TACHIKOMA’S ALL MEMORY」を操作し
(タチコマの記憶をネットのどこかにやったんだよね)、みんなの所に戻って歌うタチコマ。
 ミサイルとぶつかる衛星。歌声が途切れる。
 プロトは荒巻にタチコマが衛星ごと核ミサイルに衝突したようだと告げる。

 携帯に出る合田。ミサイルが駄目だった事を知らされたらしいが、まあいいと言う。
 茅葺の行動如何で冷戦構造が完成するのだ。

 空を見上げている難民達。爆発のせいで中心から煙が湧きいで、白いかけらが降っている。
 空を見上げる十字架上の鉄骨を肩に担いでいるバトー。
 素子とクゼがいる所に、瓦礫を崩してバトーがやってくる。クゼにレーザーポイントするバトー。 
 素子と繋がっていた有線をはずすクゼ。

 官房長官の部屋に入る荒巻達。官房長官と合田の間に連絡は無かった。
 高倉は国家の将来を考えた上で安保を前倒ししたまでだった。これを難民との戦争と考えて。
 非公式ながら厳しい査問を受ける事になりますがと言う荒巻。
 「元より覚悟は出来ている。それより、君は私が考えていた以上に女だったな。
感情に任せて何処に助けを求めたか知らんが、この国は米帝無しには立ち行かん国だよ」
と茅葺に向かって言う高倉。
 「何か考え違いをされているようですね」
 原潜。
 二発めを発射するかと聞かれ、
北東から南下してきている機影の正体を確認してからにしようと言う艦長ライアル(たぶん… 望月健一)。
 「ですが、もし機体に81の軍旗のマークがあったら…」と言う副官(保村真)。
 茅葺 「一身独立して、一国独立す。私は初めからそう考えて行動してきたつもりです。
茅葺政権はこれまで通り、米帝、米露連合、中国、そしてアジアEU両諸国とも同様の距離を保ったまま、 
独自の判断で動く国連協調路線を模索していくつもりです」
 日本の軍旗を見せて通り過ぎる二機の軍機。
 「航空自衛軍の秘密部隊か…。日本サイドの意志は確認した。撤収する」

 うずくまっているクゼ。総理の命令できたヘリが下りてくる。心がここに無いかのようなクゼの顔。
 バトーが立ち上がらせ、取り上げられた自分のナイフを返してもらう。
 自衛軍に取り囲まれ、手をあげているサイトー達。
 素子はサイトーにそのまま自衛軍に事態の詳細を報告してくれと命じる。俯きながら少し微笑んでいるクゼ。
 ヘリの外を見ている素子。外を見、クゼの方を振り返るバトー。クゼが持っている林檎には齧った跡がある。
 目を見開き「おまえ…」と言う素子。齧られた林檎。微笑んでいるクゼ。
(彼は禁断の果実を齧ったと言う事か…。つまりネットと融合しようとしているとか…)

 プルトニウムを持ってスプリング8に駆け入ろうとするイシカワの前に車が割り込んできて、止まる。
 車を運転していた者が、イシカワに銃を向け、そいつを渡してもらおうと言う。
 イシカワ、彼を殴りつけ気絶させ、「なめるんじゃねえよ。9課は荒事と情報戦を得意としてるんだ」と言って、
去る。
(「ボーン・スプレマシー」見たばかりだから、ボーンがナポリで殴るシーンを思い出しちゃった。
銃を持ってるからと言って、安心できないのね)

 サトウ(後藤敦)「奴隷の国が奉仕をおこたれば、消費の国が餓えるのは必然。
 人手不足は奴隷製造業を潤すが、権利を主張し過ぎれば、資本主義の血脈が硬化する」
 合田「わが国は脳こそ資本主義を名乗ってきたが、実情は理想的な社会主義国だ。
だが老廃物が溜まれば、血の配分を操作出来る脳が必要になる。それは自由と平等を謳う貴国とて同じだろう」 「勿論。だが本音と建前は別腹だよ。ふふふふ」機動隊に囲まれる合田達。
 現れた荒巻に「荒巻さん。これは何かね」と言う合田。
 「合田一人。内乱の予備陰謀、外国に対し私的に戦争をする目的の予備陰謀の容疑だ。一緒に来てもらうぞ」
と言う荒巻。
 しかし合田は官房長官とは関係無いし、彼が犯したと言われる犯罪に関しては、
自首する事でその罪を一切問わないと刑法で約束されていた。
 彼は報告書を警察庁に送っていた。そして自分をより買ってくれる国、米帝に行くつもりだ。
 総理からの書簡を読むトグサ。
 総理は合田の能力を高く評価してい、それが国外に流出する恐れがある場合は全力で阻止せよとの事だった。 「状況によっては対象を殺害する事もやぶさかで無いともある」少し顔をあげる合田。
 「気にするな。単なる脅しだ。行こう」とサトウ。「ああ」「あ~ら、そう」と少佐の声が聞こえる。
 エレベーターのドアが開き、「なら死になさい!」。撃たれる合田。
 サトウの姿を見て、ただならぬ物を感じる9課。荒巻が「急げ!奴を消させてはならん!」と叫ぶ。
 少佐はエレベーターのガラスを銃撃で壊し、そこから外にダイブする。

 ヘリの中。右手をかすかに握ったり開いたりしている倒れているクゼ、白い折鶴を見ている。
 クゼにマイクロマシンを打ったワタナベ(小形満)
 「君はとても興味深い人物だが、我々にとっては危険な因子だ。
貴国には、コントロールできないカリスマ指導者は要らない。従順な消費者がいればそれで良い」
 「先に…いくぞ」と口を動かしてささやき、目をつむるクゼ。

 桜の花びらが散っている寺っぽい所。9課の面々がいる。そして緑色のカニっぽくなった戦車も。
 荒巻から新浜4区でアズマ、プロトと合流しろとの命令が来る。「ウチコマ、インフォメーション」と素子。
 「イェッサー」と機械っぽい声で答えるウチコマ(まあ、あんなに人間っぽいタチコマが異常なんだが)。
 荒巻 「なあ少佐、今度の事では多くの犠牲が出た。
難民問題も振り出しに戻っただけだし、茅葺総理の掲げた独立共闘路線も国民にとっては茨の道となるだろう。
これからは、我々のような人間がますます必要になる」
 「かもね」「なんだおい、ずいぶん他人事じゃねえかよ」
 トグサ「少佐、まさか全てに達観しちゃったとか言うんじゃないでしょうね」
 ウチコマ「少佐、第329期国家審議会にて予算通過のレポートがあります」
 「よし。桜の二十四時間監視は中止。今から仕事に復帰するぞ」パズ「やっとか」ボーマ「ああ」
 サイトー「退屈で死ぬかと思ったぜ」イシカワ「暖気しときゃよかったな」トグサ「やっぱり少佐はそうでなくっちゃ」 バトー「ブリーフィングはどうする。脳潜入で済ませるか?」
 「いや、お前が先行して指揮をとれ。私は後から合流する」 ウチコマに乗って先に行く9課の面々。
 一人残り、素子を見るバトー。「なに」「いや、何でもねえよ」去っていくバトー。
 一人彼らとは反対方向に走る素子。その先にはビルの群れが…。

感想:タチコマな日々でバトーさん独り占めタチコマが会ったのはやっぱりクゼタチコマ?
 クゼもタチコマも楽園にいるのではなく、ネットにいると思いたい。
 合田と高倉が嫌いな私は、ふざけた名前のサトウとワタナベが好きだったりする。
 どっからどうみても立派な悪人なのに…。
 タチコマがあの曲を選んだのは権利料が安いからとか…ではなく、タチコマも生きてるからね。
 茅葺が中国に支援を頼むと高倉は思っていたのかな。
 他の国に支援を頼んで、その国に支配されちゃうと言うのはある話よね。チベットがそうだったと思うが。

関連サイト
攻殻機動隊PKI-B-Wiki
野良犬の塒
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ちっちゃん俳句「通常や 保管されたる 一つかな」

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無人街 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」
原作:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸 西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司 常木志伸 美術監督:竹田悠介 東地和生 音楽:菅野よう子 制作:Production I.G

「敗走 EMBARRASSMENT」☆☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:神山健治 作画監督:小西賢一 絵コンテ・演出:吉原正行

 バトー(大塚明夫)の銃の照準がクゼ(小山力也)の心臓のあたりをポイントしている。
 「PKF仕様の義体を過信してるのか」「とっくに耐用年数は過ぎている。優位性は無い」
 「それでも貴様が勝つってか。気にくわねえな」クゼに向かって銃を撃つバトー。
 クゼは手でそれを何発か受け止めて(貫通してるが)、バトーの弾をよけながら、バトーに素早く近づく。
 ナイフでバトーを攻撃するクゼ、バトーの銃を足で払いのける。
 銃を落としたバトーはナイフを取り出し、クゼを攻撃する。大きく飛んだクゼを追い、飛び移るバトー。
 クゼは足を使いバトーのナイフを払いのける。丸腰になってしまったバトーをナイフで攻撃するクゼ。
 バトーのひじがクゼの顔にヒット(ウワー、クゼの顔が…。作ったもんだけどさ…)、
クゼはナイフを落とし、バトーのこぶしがクゼの顔に炸裂。
 「痛覚を切ってる義体をノックアウトするには、脳を揺らすしかねえ」バトーの攻撃を防御するクゼ。
 バトーの足を掴み、そのまま倒してバトーの足をねじる。
 バトーは上の方にあった金属の棒をひっぺがして、クゼを攻撃するが、逆に取られて、
コンクリート面に串刺しにされる。
 それをこっそり影から見ている赤いパーカーの若者(保村真)。クゼ「お前、元レンジャーか」「だったら何だ!」  「強いな。俺が勝てたのは僅かな動機の差だろう。俺にはまだやらなければならない事がある。俺を追うな」
 クゼは走り去る。

 サイトー(大川透)、コードを踏んだ跡を見つける。
 パソコンが落ちているのを見つけサイトーが近寄ると、上からコイルが飛び降りてくる。
 サイトーはかわして、銃撃し、コイルは倒れる。 しかしコイルは立ち上がってくる。
 コイルに脳殻は無く、リモート死体。
 コイルはサイトーに襲い掛かり、サイトーはコイルに乗っかられるが、
タチコマ(玉川紗己子)がコイルを銃撃して倒す。
 「バカヤロウ!俺まで殺す気か!」
 「御安心ください。射撃制御ソフトの向上により、サイトーさん以上の精度でピンヘッド出来ますから」
 「…。ちっ。どういうことだ。こいつ、いつから前頭葉を焼かれてたんだ。異臭がしてるぞ。
それに、リモート死体だとして、この大深度地下までどうやって電波を飛ばす」
 「んー…」あたりを見回し、「あれを使ったのでは?」SAGAWAと書かれた装置が稼動していた。

 タチコマとアームスーツが戦ってる所に、草薙素子(田中敦子)ともう一体のタチコマが現れる。
 素子はバトーの名を呼ぶが答えは返ってこない。素子とタチコマはアームスーツを攻撃し破壊する。
 タチコマからバトーの行方を聞き、後を追う。素子はバトーを見つけ、棒を引き抜く。
 素子はバトーを残してクゼを追う。

 クゼは船の係留場所に着く。あの若者は船を下りたらしいと聞く。難民が撃たれる。
 クゼがロープを解き、船は出港。素子はクゼ本人を見る。クゼも船を追う素子を見る。船は外に出る。
 武器を入れた箱の上においてある8個の白い折鶴。素子はそれを一つ持って行く。

 アームスーツのパイロットもリモート死体だった。佐川の人間か現地の労働者。
 スーツは陸自に納品される前の代物。素子はそれらの報告を聞き、先を急ぐ。若者がそれを見ていた。

 クゼ達。空からきた場合を想定し、対空砲を準備する。

 ティルトローターが下りてくる。バトーの様子を見てトグサ(山寺宏一)が飛び降り、駆け寄る。
 若者がティルトローターに乗り込み、イシカワ(仲野裕)は彼が爆弾を体に巻いているのを見て、
ティルトローターから飛び降りる。
 ティルトローターが若者ごと爆破される。イシカワが倒れている。

 ほうえい丸。何かに気づいたかのように後ろを見、スイッチを押すクゼ。穴が3つ開いている左手を見る。
 スーツケースを開くと、プルトニウムがあり、蓋を閉めようとするが、異常に気づき、プルトニウムを確認する。
 カラカラだった。蓋には重しとして鉛が仕込んであった。外にいる難民「来ないな」と上を見上げ言う。
 クゼが出てきて「彼が止めてくれたようだ」と言う。
 プルトニウムが手に入ったと言う難民の言葉を否定しないクゼ。クゼは独りで船で出島に行くと言う。
 難民達は色丹で降りる事になる。
 「今、俺の行動を、300万の難民がリアルタイムで見つめている。ここで退くわけにはいかない」

 素子はパズ(小野塚貴志)とボーマ(山口太郎)を連れて、佐川に行く。
 見慣れない人間に佐川のセキュリティは身元を調べるが、上沢写真館の人間と出る。
 彼は主任に、写真屋の予定なんてあったかと聞くが、
あれは40年来の出入りの写真館の跡取り娘だ言われる(偽の記憶を咬まされましたな)。 誰もいない廊下。
 難民が段ボール箱で家を作って住んでいる。
 「難民か。無人化し過ぎね。特化した才能だけでは生きていけないのかもな。
お前達は情報処理室と記憶管理室をあたれ。私は社長室に行く。
この取引、内庁の演出とすれば、クゼにプルトニウムが渡っていない可能性が高い。その証拠を見つけたい。
合田の狙いは既に十中八九完成しているが、奴は難民が先に核武装したという既成事実を創り上げ、
自衛軍の派兵を決定的なものにするつもりだろう。何かを見つけて戻るぞ」
 「了解」
 「このままいけば、難民との内戦は実現し、現政権の軍拡という思惑を達成できる。
だが、悪化の一途をたどる難民問題はどう決着させる、合田」

 社長室。裸の女の義体が倒れている。加賀崎が倒れていた。
 しかしそれも義体で、どうやら倒れている女の義体で逃亡しようとして殺されたらしい。
 ジャブロフとその部下も血を流して死んでいる。データは全て消去されていた。
 情報処理室にも記憶管理室にもデータは無かった。「いまだ合田の手の上と言う事か」
 素子はポケットから折鶴を取り出す。「お前はどうする、クゼ」

 話し合う9課の面々。
 クゼの乗った船を長崎沖、天草灘で、海上保安庁の巡視船が発見したとの報告が入り、ライブ映像を見る。
 巡視船は、クゼの船を銃撃する。
 クゼが反撃、巡視船も撃つが、船長(鈴木勝美)が「燃料タンクは避けろ!
プルトニウムが吹っ飛んだらどうする!」と叫ぶ。この映像はマスコミにも流れる可能性が高く、素子は懸念する。 船が発火、巡視船が船に近づくと、異変が起きる。長崎の街の燈が次々と消えていった。
 船の陰から逃げようとするクゼもそれを見る。難民が起こしたのかとバトー。
 荒巻(阪脩)の考えでは難民がそこまではやれるとは考えにくい。では…。
 素子「憎しみの連鎖の果てにある物は、難民との泥沼の戦争」

感想:クゼとバトーの戦いを見られて幸せです~♪でも、タチコマの大活躍を見られてもっと幸せです~♪
 つまり、私は機械萌えか……。タチコマの素早い動きに萌え~♪
 やっぱり、タチコマフィギュア、買うべきでしょうか。今、私の中で欲望とのすさまじい戦いが始まっています。
 クゼの合田に対する鮮やかな反撃を期待したい所です。
関連サイト
アニヲタ西中★萌える部
式船です。

「無人街 REVERSAL PROCESS」第22話 ☆☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:佐藤大、神山健治 作画監督:後藤隆幸 絵コンテ・演出:川崎逸朗

 十時、駅には誰もいない。街に人影は無く、カラスだけ。軍の車が走り、軍のヘリが飛んでいる。
 九州電波塔上空からヘリに乗ったアナウンサー(檜山修之)が情勢を伝えている。
 5日前、地下鉄の通路内で発見された不発弾が大戦時に使用された戦術核兵器ではないかと疑われ、
半径30キロ内から3500万の一般市民を避難させた。
 一部では難民によるテロではないかという憶測も出ており、政府からの具体的な発表もなされぬまま、
街はまるで戒厳令下といった様相を呈している。

 ヘリの中。バトー「戒厳令ね。確かに政府の対応にも問題はあるが、軍に三権が委譲された訳じゃねえだろ」
 素子「そうだな。
クゼの乗った擬装船が出島沖で沈んだのは事実だが、そこにプルトニウムがあったかは確認出来ていないし、
偽装船の逃走を助けるかのように起きた大停電テロも、本当に難民が起こしたのかは、藪の中だ。
国民は難民に対する怒りを政府にぶつけ、政府は難民排斥への後ろ盾を強くする。
その結果が何を意味するか、誰も自分の頭で考えようともしない。
これが全て内庁による情報操作の結果だとしても、最早流布したデマは灰に戻らん」
(はっ、私も難しい事は投げちゃう方ですから、耳に痛いお言葉です)
 少し沈んだ感じの素子に、荒巻からバトーだけへの電通が「バトー、少佐の奴はどうしたんだ?」
 「出島でクゼの電脳に潜ってから少し変だって、報告書にも書いたでしょうが」
 荒巻はトグサとプロトを連れて総理に会いに行こうとしていた。
 荒巻は現場に介入できるように取り付けたそうで、そこから何かを掴めと言ってくる。
 バトーが素子を見ると、爪を噛んでいる。「なあ少佐、難民はここへ来て、なぜ口を噤んでいると思う?」
 「真実は既に現象の前に沈黙した。クゼはそう判断したんだろう。
今は口を噤み、難民にも真実を隠したまま、何処かでもう一度状況を転倒させるチャンスを探している」
 「何故そう思う?」「私が奴でもそうするからよ」爪を噛む素子。
 「心ここに在らずって感じだな。
俺達はな、お前の才能に惹かれてここに居るのは確かだが、
お前の支えになれねえ程依存してる訳でもねえんだぞ」
 「ありがとう。そういう言い方、嫌いじゃないわ」
 素子はボーマとパズに爆弾処理の作業に参加させ、自分はサイトーと行くことにする。
 バトー「おい何だよ、全員で乗り込むんじゃねえのか」
 「考えがあるのよ。それにバトーには、私の代わりにやってもらいたい事がある」又、爪を噛む素子。

 総理の部屋。日本の奇跡の手配は完了したそうだ。(合田プロデュースの日本の奇跡ね、きなくさいね)
 茅葺総理(榊原良子)はすでに自衛軍の出島侵攻を許可するつもりだった。
 荒巻はプルトニウムが出島に持ち込まれた可能性は限り無く低い事を訴えるが、
政府は既にプルトニウムが出島に持ち込まれたという前提で事を進める方針だった。
 総理は課長にこのまま待機してもらい、部屋を出る。

 バトーとパズとボーマが自衛軍の会議している所に来る。
 パズとボーマは現場に連れっててもらい、バトーは合田一人(西田健)から聞いておきたい事があると言い、
合田は了承する。

 爆弾が仕掛けられている箱には「To 茅葺 with Love」と書かれてあった。
 ボーマによるとファットマンやスカッドの弾頭にも似たようなメッセージが書かれたそうだ。
 核弾頭にする技術は無かったらしく、ただのプルトニウム爆弾に過ぎないが、
それでも爆発すれば30キロ圏内は放射能に汚染される。
 時限装置は無いが、振動式圧力センサーと光導電素子による二重の起爆装置が仕掛けてある。
 ボーマが裏蓋にも何かあるのに気づく。
 あんた本当に公安かと聞かれ、大戦中には軍にいて、仕掛けるのが専門だったと話す。

 エレベーターで上がる合田とバトー。
 どこまで状況を悪化させるとつもりなのかと聞くバトーに、難民か軍事アナリストにでも聞けと合田。
 「はっ。そんな事無えだろ。模倣者を生み出す為の媒介者の創造。あんたが昔研究していた分野の話だぜ。元々この社会は、こういった事態を生み出しやすい要素を内包している。
人類の歴史は、神話や伝説といった類をプログラムした権力者達によって作られてきた訳だからな。
そんな世界で、誰にも知られず、自己顕示欲だけを肥大化させてきた誇大妄想狂が、
自分の身の丈以上の英雄をプロデュ―スしたくなった。
個別の十一人ってのはそんな犯罪者が作った、エセ・スタンド・アローン・コンプレックスだったんじゃねえのか」  「ほう、興味深い話だ」「食えねえ野郎だ。だがお前はやはり、二流だな」合田、目を見開く。
(二流に反応する所が二流ね。自分に自信があれば、そんな言葉にびくともしない)

 プルトニウム爆弾を入れてある箱の蓋をはずし、平行反射型スイッチに、反射鏡を入れて、光を反射させ、
光導電素子を全て切除。
 下に爆縮型爆弾の模型があり、どうやら核爆弾を作れるのに作らなかったのだと言いたいらしい。

 たくさんのカラスが飛んでくる。中に一匹、白いカラスがいる。回収班、別の回収班が通過したと言われる。
 カラスたちはビルの屋上あたりに集まっている。

 ボーマに連絡を入れる素子。
 使われている爆弾は米軍のM112で、今まで難民が使用していたコンポジションC4ではなかった。

 屋上。合田「私が二流とは、どういう意味かね」
 「俺達は以前スタンドアローンタイプの天才ハッカーと出会った事があってな。
どうしてもそいつの起こした現象とこの事件とを比べちまうのさ」
 花束と蝋燭と線香の跡がある。
 「そいつと比べると、どうにもここで自決した連中が、大した存在に思えなくなってな。
それで個別の十一人の外部記憶を調べ、奴らがウイルスによって現れた、
ただの模倣者だって事実を知った訳だ」
 「ほう」
 「奴らはどっかの犯罪者が、
おそらくは中国大使館を占拠したテロ集団の名前を上手い事引き継ぐ形で作った、
思想誘導装置だったって事さ。
それでもウイルスをばら撒いたヤロウは、さぞかし自分を優秀なハッカーだと思ってるんだろうな」
 「そのウイルスを作ったのは私だとでも言いたいのかね」「そうは言ってねえ」「では私に何を話せと」
 「そういうお前は、連中をどう見てるんだ!」
 「ふん、いいだろう。
君が言うように個別の十一人がウイルスによって現れた者だとして、
君の言うスタンドアローンタイプのハッカーとやらと同様、今だ状況を拡大し続けている彼らの方こそ天才、
いや英雄と言えなくは無いかね」
 「確かに集団自決というパフォーマンスでその意志を広めはした、だが奴らは誰の英雄になった。国民のか?
そんなことはねえ。せいぜい奴らは難民問題を拡大するきっかけを作った道化でしかねえ。
現にやつらの死なんざ、既に忘却の彼方だ」
 「成る程。
だが事の本質が彼らの記憶では無く、今の状況を作り出す事であったとするなら、
個別の十一人をプロデュースした犯人こそは、天才的なハッカーだと言えなくは無いかね」
 「ああ、残念ながらそれは否定できねえ。それでも天才かと言われると、俺にはいささか疑問が残るね。
奴らの思想やウイルスから見えてくる犯人像は、自身の劣等感から抜け出したいという欲望に支配された、
個別主義者の顔だけだ。
所詮個人的な思いつきを他人に強要しているだけでは、人の心を打つ事は出来ねえ。
そこには善意でも悪意でもいい、何かしら確固たる信念の様な物が無い限り、
天才とか英雄と呼ばれる存在には成れねえ」
 黒いカラス達が屋上の柵に一列に止まっている。そして一匹の白いカラス。
(黒は合田、白はクゼのイメージ。本来は白いカラスはいじめられやすいと聞いたが)
 「信念」
 「そうだ。少なくとも俺はそう思ってる。そしてもう一つ。絶対に必要になってくる最大の要素。
運、ってやつも不可欠だろうな」
 「ほう。それは何故」
 「決まってんだろ? 天才とか英雄の存在なんてものは、詰まる所第三者の主観による処が大きい。
英雄を英雄たらしめる為には傍観者によるレスポンスが、まずは必要なんだ。
そしてそのレスポンスの内容が、英雄を高みにも上げるし地に貶めもする。それこそは運でしかねえ」
 「成る程。面白い仮説だな。それにしても君がこれ程お喋りだったとは知らなかった」「そいつは褒めてるのか」  「そう取ってもらっても結構だ」「なら褒められついでにもう一つ。この事件の中にある、不確定要素についてだ」  「ん?」…
 「あの日、個別の十一人の中で唯一自決しなかったクゼヒデオ。
奴はその後何処へともなく姿を消し、再び姿を現した時には難民達の指導者になっていた。妙な話だよなあ。
こいつは偶然なのか? それともはじめっから仕組まれていた事なのか?」
 「他の十一人とは真逆の行動に出たのだから、それは不確定な要素なんだろう。
だがそれとて結果的には、難民排斥に寄与していると、取れなくは無い。
行動の種類こそ違えど、同一の結論に向けて事態を牽引している事から考えれば、犯人は見事、
不確定要素までプロデュースしていたという事になるだろう」
 「そう来るか。ま、確かに奴の行動は、難民排斥を早めていると言えなくもない。
全国ネットで流れた擬装船での逃走劇を、さらに印象づけた長崎大停電テロ。
そして今俺達の真下に仕掛けられている核爆弾。クゼにここまでやられたら、政府も本気にならざるを得んだろう。だがしかし、これをやったのは本当にクゼなのか?
実は奴をプロデュースしている犯人の捏造なんじゃねえのか?
もっと言えば、そのプロデュースしている犯人は、自分でも気付かないうちにクゼに手を貸し、
奴の行動を模倣し始めてると言えなくは無いか?」
 「どういう事だ」
 「クゼは択捉から出島に戻ったが、その手にプルトニウムは無かった。
本来ならその事を難民に告げ、一旦事態を収拾したかった筈だ。なのに、プルトニウムを使ったテロまで起きた。ではどうするか。自分をプロデュースしようとする者の思惑に乗って、ブラフで宣戦布告するか?
だが奴は何もしなかった。今は口を噤み、難民をも黙らせ、事態を逆転出来るチャンスを窺っている。
いやむしろ、口を噤んだ事で状況をコントロールできるカードを得たのは、
もしかしたらクゼの方なんじゃねえのか?
本来不確定要素でしかなかったクゼが、実は真の天才、英雄なのだとしたら、
いつのまにかプロデュースしていると思っていた奴の方が、
いつしかクゼの模倣者に成り下がっちまっていたとは、考えられねえか」
 白いカラスの一声で他のカラス達が一斉に飛び立つ。

 武装した難民達が列をつくって歩いてい、他の難民達が応援している。それを屋上から見るクゼ、顔を上げる。

 バトー「捏造された思想を信じて自決までしたのに、誰の英雄にもなれなかったあいつらのゴーストは、
今頃何処を彷徨っているんだろうな」
 煙草に火をつけ、ふかし、それを花束等がそなえられている所にあった空き缶の上に置き、
手を合わせて軽く拝む。
 バトー、少佐に電通で連絡を取る。少佐はプルトニウムを無事回収。このままスプリング8に直行するつもり。
 プルトニウムが新宿原発から発見された物と一致すれば、内庁の仕業と証明できる。
 「合田!俺達もクゼ同様、何一つ諦めた訳じゃねえぞ」と言い、立ち去ろうとするバトーだったが、
一つ聞き忘れていた事があった。
 ウィルスの発症因子の最後の一つをお前なら何にすると聞くと、義体化以前、
童貞だったという因子にするそうだ。
 民衆のための英雄に殉教する覚悟を求めるなら欠かせない要素だそうだ。
 合田は自分も童貞だと告白し、「君とのお喋りは楽しかった。いや、参考になった。感謝する。
私の戦いもまだ終わりではない。
君達が私を止めるのが先か、私の思いが帰結するのが先か、ここからは、不確定要素が鍵を握るだろう。
失礼する」と言い、立ち去る。

感想:この前読んだ「永遠の王」には童貞で無くなると強い騎士で無くなると本気で考えているランスロットという騎士が登場していた。
 次代の世界一強い騎士ガラハッドも童貞だし。
 カフカも確か、結婚すると良い話が書けなくなるとか思っていたんじゃなかったけ。
 ルノワールも結婚すると良い絵が描けないと晩年まで結婚しなかった。結婚と童貞は違うか。
 合田は童貞で無くなると頭の切れが悪くなると思っているわけじゃないよね。
 チェ・ゲバラなんか女好きなんだが…。カラスだって放射能にはやられちゃうよね。
 うちの近くにはカラスのねぐらがあり、一列に並んだカラスなんて、時期によっては毎日見かけるが、
白いカラスは見た事無いです。
 何かの時にはカラス達が野生の本能で危険を知らせてくれる事を願っています。
 ちなみに私は地震の前に目が覚めるタイプです。
関連サイト
野良犬の塒
攻殻機動隊PKI-B-Wiki

攻殻機動隊 1
士郎 正宗著
講談社 (1998.5)
通常24時間以内に発送します。


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北端の混迷 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd.GIG」
原作:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸、西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司、常木志伸 美術監督:竹田悠介、東地和生 音楽:菅野よう子 制作:Production I.G

「相対の連鎖 CHAIN REACTION」第19話 ☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:神山健治 作画監督:新野量太 絵コンテ・演出:布施木一喜

 船。武装してる人々。
 赤いパーカーを着た若者(保村真)が荷から銃を取り出し、「本物だ。…これで戦争が出来る」と言うと、
ニット帽の男が「これは戦争をする為に買った訳じゃない。戦争をしなくていい力を持つ為の武器だ」と言う。
 「それは同志クゼの教えなのか?」「そうだ」
 「俺はまだ、クゼと直に会ったこともないし、ネットも出来ないから、分からないけど、
奴は本当に革命家なのか?日系っていう噂も聞く」
 「本当の革命家かかどうかは分からんが、彼には高い志と、目的に向かって行動を起こせる実行力がある」
 あまり納得した感じではない若者。

 クゼは大停電の仕方を難民達に教え、そのようなテロを起こす可能性をネットに流布した。
 合田一人(西田健)はそれを部下達から聞き、
「自爆テロを思いとどまらせ、犠牲者の出ない方法で難民解放を指導する。
この短期間に難民を手なずけた方法だけは理解できんが、考えている事は良く分かる。
君には最高のシナリオを用意しよう」と思う。

 出島から自治区宣言が出された。9課はクゼを取り押さえることにする。橋の上で対峙している難民と機動隊。
 トグサ(山寺宏一)「だいぶ集まってきてますね」
 バトー(大塚明夫)「国民感情の反動として、難民にも一体感が出たって事もあるんじゃねえのか」
 イシカワ(仲野裕)「こういった事態の場合、精神的に追い詰められてる方が行動も結束も早いからな。
現に国民の行動はせいぜい、行政機関へのデモ程度だ」
 トグサ「国民の総個別主義、いや、むしろ事なかれ主義化が進んでる、って感じですかね。
これは難民からの宣戦布告でもあるってのに」

 プロト(杉山大)の運転する赤い車に乗っている荒巻大輔(阪脩)。
 今日会う予定だった外務省職員(マエダ・ミツオ、54)が列車に轢かれ死亡したとの連絡が入る。
 安保と関わりがあるらしい。荒巻は本部に戻る事にする。

 草薙素子(田中敦子)、ネットでクゼの居場所を突き止めようとしている。
 タチコマ(玉川紗己子)「少佐―!
出島内にある派出所の勤務記録に、全身義体の、しかも婦警さんが勤務中となっています」
 「いい仕事をしたな。映像を回せ」
 素子、婦警(伊藤静)をハッキング、婦警は派出所の外でうずくまっている難民と有線で繋がる。
 難民はちょうどクゼと繋がっていて、そのままルートを辿ることにする。婦警は倒れる。
 クゼへのルートは防壁迷路。ゾーニングで難民だけをアクセス可能にしているらしい。
 ものすごい数の難民がクゼとアクセスしていた。クゼの中に入る。個別の11人ファイルがある。
 素子はクロマファイルでゴーストラインを越える。(クロマファイルってネット内での感覚を鋭くしたものかな)
 重苦しい記憶のマトリクス。
 素子がそれに近づくと「やめておけ。これ以上深く繋がると死ぬぞ」とクゼの声(小山力也)で警告が。
 「(もう全感覚マスクが破られたのか)攻性防壁は効かないわよ」
 「そうじゃない。俺の意識とリンクすると不幸になると言っているんだ」
 素子はマトリクスに触れ、ほうえい丸という船の映像を見る。しかし素子ははじかれ、気を失う。
 イシカワが素子の頬を軽く叩くと、意識が戻る。素子はイシカワにクゼの潜伏先の特定を急がせる。
 素子はクゼを知っている事に気づく。

 クゼ、船着場で「俺だ」と船の中にいる者とネットで連絡を取る。「クゼか。何かあったか」
 「悪いが、しばらくしたら警察か軍の特殊部隊が急襲してくる可能性がある。
だが無駄に戦闘をする必要は無い。武器を隠して極力戦闘は避けろ。無駄死にはしないでくれ」

 闇医者(中博史)に話を聞いているバトー。
 闇医者はクゼになら喜んで顔くらい作る奴はいる、自分もそうだと言う。「奴はどうやってそこまでの求心力を?」 「えーさあな、私らが勝手に奴の志のサイズに当てられているだけなのかもしれん」「志のサイズ」
 素子からバトーに連絡が入る。出島北東の港にいる漁船にクゼがいるだろうとの事。バトーらはそこに向かう。

 船内に入ってくるクゼ。彼を見て赤いパーカーの若者は個別の11人の一人じゃないかと言う。
 個別の11人はデンセツを殺した敵じゃないかと言い募る若者。クゼは自分が個別の11人である事を認める。  「俺が信じられないならそれでいい。人は根本的に分かり合えない。
今は、俺が理解できないということが分かっていれば十分だ。
俺の役目は、君達が俺と同じ処まで追いつけるよう誘導してやるという事だ。
だがそれは言葉ではなく、行動でしか示せない。
それを見た後でまだ納得出来なければ、後は自分から降りるという選択肢が、君には残されている」

 港に集まる素子ら。待ち伏せされ、銃撃戦になる。難民達を倒していく9課。船の中には中継器が…。
 倒れている難民に駆け寄る素子。  「クゼを捕まえに来たのか」素子は難民と有線で繋がり、驚愕する。
 「間抜けめ…クゼは、お前らなどに捕まらん。あいつは…本物の…英雄だ」

 ほうえい丸の船上のクゼ「何故戦闘を…。無駄に死ぬなと言ったのに」

 新人の矢野(望月健一)が死んだ。
 クゼはロシアマフィアからプルトニウムを買い付けるため択捉(えとろふ)にいた。

関連サイト
有閑市民のすすめ

感想:ポカをする素子…。ショックね…。でも、私はクゼ様の美しいお顔を拝見できただけで幸せ。
 お声もよろしいし。合田のシナリオはいらないな。難民独立というのは今の所聞いたことが無いわね。
 まあ、私の知らない事はいっぱいあるから、世界のどこかであったりして…。とうとうクゼの正体を知る素子…。

「北端の混迷 FEBRICATE FOG」第20話 ☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:神山健治 作画監督:中村悟 絵コンテ:松本淳 演出:竹下健一

 荒巻によると、元ロシア軍士官で、
今はマフィアのボリス・ジャブロフがプルトニウムを持って択捉に入ったそうだ。
 内偵を続けていた諜報部員が仲間のサイボーグに2時間前に殺された。荒巻は公安部からの情報を披露する。 択捉市省の佐川電子社がベルタルベ区の地下工場を許可無く拡張しているらしい。
 ベルタルベはロシアの潜水艦基地があった所。
 ロシア軍が引き上げる際爆破して埋めたそうだが、
佐川の拡張工事が順調に進んでいれば今頃は基地に到達しているだろう。
 潜水艦基地なら偽装船を隠すのにもってこい。

 ヘリ内。爪を噛む素子にサンドイッチをやるバトー。
 イシカワが電脳活性をチェックしてみるかと言うと、素子はクゼの妄想のサイズに戸惑っただけと言う。
 それを聞き「まるで思春期のガキが運命の相手と出会っちまったってツラだな」と言うバトー。
 クゼの妄想は端的に言えば、世界征服ってことだそうだ。
 クゼは個別の11人ウィルスが一度は発症したものの、
もともと持ち合わせていた資質や思想が今の行動を生んでいる。
 彼は独裁者になることで、世界を平和に出きると本気で考えている、そんな感じがしたと素子。
 クゼのアドレナリンの分泌量は常人の致死量に達している。
 素子、サンドイッチの包み紙を引っ張りながら「クゼは既に、聖域に入っていると考えるべきだろうな」
 バトー「何だよ、聖域って」
 「バカになってる、って事よ。歴史的に見てもそういう奴は信じられない力を発揮する。
たとえばチェ・ゲバラやマルコムX、カシアス・クレイなんかがその典型だな」
 「ヒトラーとは違うのか?」
 「ある意味同類だが、思想的に近いのは、ガンジーやキング牧師だろう。
常時接続の難民たちは、ゾーニングとフィルタリングのかかったネットを介し、
奴の行動のライブ中継に酔っている。
 だがバイアスをかけ、意識を共有しようとしないのは、
奴のゴーストラインより先がキルゾーンと分かっているからだ。
 私も危なかったって事ね」
 折りかけの折鶴を見つめる素子。

 択捉の島に降り、街を歩く素子とトグサ。
 「死ね、軍国主義者が!」と声が聞こえ、そちらを見ると、斧を持った男がい、その前に男が倒れていて、
その倒れた男を棒で殴っている男が。
 「物騒な所ですね」とトグサ。「返還されたとはいえ、ロシア系とヤマトンとの摩擦はすぐには無くならん」

 クゼが一人いる部屋に赤いパーカーの若者が入ってくる。
 彼は言う、俺達に最初に革命を教えてくれたのはデンセツだ、
今では出島のほとんどの人間が同志クゼの事を知っている、
しかしクゼの招待を知っている人間はほとんどいないと。
 若者が上着をめくると、そこには爆薬があった。「俺は今でもデンセツの教え通り、自爆をやる覚悟はある」
 「下らんな。そんなものは自己満足でしかない。革命とはゴーストが在ってこその産物だ」
 「だからお前の事が知りたいんだ。俺にもお前を信じられる根拠をくれ」
 起爆スイッチを取り出し安全装置をはずす若者。
 「今日我々が手に入れようとしている武器は、プルトニウムだ。
それで俺は、出島を独立国であると日本政府に認めさせる」

 トグサを外で待たせ、一人クロルデンの館に入る素子。クロルデンは攻性防壁で死んでいた。
 まだ焼かれた直後。
 素子はネットを逆送してみるが、まだ相手とダイレクトに繋がっていて、急いで止める。
(内庁のダイブルームでダイブ中の男に繋がっていたみたい)
 クロルデンはフロッピーを外部記憶にしていた。
 「佐川の裏帳簿か。“出物、レモンケーキ二十キロ。”レモンケーキ?“キロ50万ドル、MAU取引から撤退。
ブローカーSAGAWA・K、BJレモンケーキ二十キロ、K取り分40%退職金。買い手BP紹介”
私の読み通り、プルトニウムの取引情報に枝を付けていたのね。佐川のK。Kは北端特務課長の加賀崎か。
奴が仲介屋となってキロ当たり50万ドルで売買。売り手がボリス・ジャブロフ。買い手は、…アジアンBP。
アジア難民って事?するとさっきのハッカーは…」
 新しい画面を開く。
 「加賀崎の取り分の内容が円となった様だな。すでに前金が佐川に振り込まれている。2億4千万円?
難民のどこにそんな金が。クゼが用意したというの? だとしたらどうやって」
 フロッピーには「内閣情報庁 調 非公式白書」と書いてあった。

 若者はクゼにプルトニウムを買う金をどうするのか聞く。クゼはちゃんと金を払うんだそうだ。
 「からくりはこうだ。未だ、暖衣飽食に無自覚な国民の総貯蓄額は、900兆円を軽く超えている。
もっとも、この額にさえ、彼らは無自覚だがな。
そしてその貯蓄に対する利子の中に、表面上存在しない額が存在するのを知っているか?」
 「表面上存在しない?」
 「一円以下の金額の事だ。端末のデータにも通常表示されない小数点以下の数字。
その僅かな何銭かの金額をネット上の口座から徴収するだけで、一日数千万単位の金額になる。
そいつが俺の架空の銀行に振り込まれる様、プログラムを組んだんだ。金はそこから用意した。
一般人は自分の口座に、小数点以下の預金がある事など、知りもしない。銀行も、今や口座の管理はAI任せ。難民は本土で働けば源泉を徴収されるのに、決して帰化を認められる事は無い。
国民は国民で、システムからの重大な搾取に気付きもせず、口当たりの良い、
受け入れ易い情報のみを摂取している。何ていんちきな社会だ。俺はそのことを啓蒙していきたい」
 「その金、今は一体いくら位あるんだ?」
 「ざっと、107億6000万だ。これが俺達の革命に使える軍資金となる」「すげえ…あんた一体…」
 「俺は単なるテロリストだ。ただ…今は少しヒロイズムに酔ってはいるがな。お前は残れ。
いつでも船を出せるように、準備しておいてくれ。任せたぞ」
(あっ、私もクゼ様に寄付している事になるのね。カッコイイから良いか…、っていうか、素敵な稼ぎ方。
どっかのハッカーが言わなければ永遠にお金を搾取出来たとか言っていて、どんなやり方だったか忘れたが、
こんな感じだったのかな)

 大深度地下にタチコマに乗った形で降りたサイトー(大川透)とバトー。
 そこにいた現場責任者によると、ちょっと前に本社のアームスーツが2機、
その前にロシア人の怪しげなサイボーグが一人、でっかいスーツケースを2個ぶら下げて降りてったそうだ。
 アームスーツは陸自。バトー達は現場に急ぐ。

 5人の難民と共に現れるクゼ。そこにはコイル(長島雄一)一人がいた。
 ジャブロフも加賀崎も公安にマークされていて、彼一人で来たそうだ。
 クゼが指定された口座への入金記録を確認させようとブツ(パソコンかなんかかな)を渡すと、
アームスーツが2体降りてくる。
 難民を撃ち殺すアームスーツ。
 コイルが「取引は成立だ。中身を確認できないのはお互い様だ」と言って、逃げ出す。
 一つ目のスーツケースを取るクゼ。タチコマがアームスーツを攻撃する。
 タチコマ、地面に降り立ち、ライトをつけ、
「武器を捨てて出て来―い。兵器規制法と核物質不正取引の容疑で逮捕する~」
と場に似合わぬ可愛い声で言う。
 アームスーツがタチコマを攻撃してき、二体が戦っている間に、クゼはもう一つのスーツケースを取る。
 難民二人と逃げるクゼ。バトーはサイトーにコイルを追わせ、自分はタチコマから降り、クゼ達を追いかける。
 「止まれー!クゼー!」当たりにこだまするバトーの声。クゼの背中に突き刺さるバトーの照準。
 「そいつは下に置け!」スーツケースを下に置くクゼ。
 「なぜすぐに撃たない。こいつが何だかわかっているからか?」
 「そっちはどうでもいい。俺の獲物はおまえの首だ!」「そいつは無理そうだな」
 クゼは難民達に目配せをし、「早く、ケースを持って船に行け」「しかし」「行け」
 スーツケースを持ち走り去る難民。

感想:クゼとバトーの男くささ溢れる対決ー!キャー、ステキー♪時がこのまま止まっても良い…。
 でも、ダメよね、素子がいないと。この世界ってハッキングされたり、脳、焼き殺されたり、怖い世界よね。
 記憶も簡単にいじられちゃうし。コイル、わりと可愛いキャラ。
 クロルデンの屋敷の人形達は、フィギュア大好きな男達の夢か。
 でも、私もタニス・リーの「銀色の恋人」がいたら、耽溺しまくりそうだから、人の事は言えない…。

関連サイト
攻殻機動隊PKI-B-Wiki
野良犬の塒
有閑市民のすすめ
NO SAKURA、NO LIFE
特訓 PDCA式で学ぼう情報セキュリティ
アニヲタ西中★萌える部

ちっちゃん俳句「条件や 管制しては 賢太郎」

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天使の詩 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」
原作:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸 西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司 常木志伸 美術監督:竹田悠介 音楽:菅野よう子 制作:Puroduction I.G

「修好母子 RED DATA」第17話 ☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:菅正太郎 作画監督:浅野恭司 絵コンテ・演出:川崎逸朗 

 おそらく食べ物屋の店。多くの写真が飾られていて、クゼが映っているものもある。千羽鶴も飾られている。
 草薙素子(田中敦子)「この男と写真に納まる事がそんなに嬉しかったのか?
みんな、ずいぶん良い顔をしている」
 公安刑事(竹若拓磨)「ああ。文字通り難民どもの英雄だったようだ。
もっともこちらではクゼヒデオではなく、ロウと呼ばれていたようだが」
 「ロウ?」「時には狼のように無慈悲で凶悪。時には晴天のように、朗らか。
だがまたいつどこへともなく彷徨い消えてしまいそうな、浪人のようでもあった事から、
難民どもにはそう呼ばれていたらしい」
 素子、クゼの写真を一枚貰っていく。

 ここは台湾。難民を統率する指導者のような男がいるという噂があった。
 難民による密輸、地元やくざとの組織だった抗争が頻発し、調べてみたらクゼの姿を確認した。
 コンポジションC4の密売ルートも彼が開拓。改造漁船を使った海賊行為は難民のおはこになった。
 クゼがここを離れた理由は義体のメンテナンスをする為との事だが定かではない。
 大陸の西の方の難民街にもクゼの歓迎した写真が今も至る所に残っているという噂だ。
 素子は今日の航空便が取れず、明日帰る事となる。

 街を歩いていたら、路地で男数人に脅されている少年チャイ(高山みなみ)を見つける。
 どうやら少年はブツを盗んで、それを返す事を条件に取引しようとしたらしい。
 男、少傑(シャオジェイ 望月健一)が少年に剣を振り上げるに及んで、素子は剣を銃弾で折り、男達をのし、
少年を助ける。
 少年は素子についてくる。
 あの男達は新興やくざシャオジェイで、
あんな事をしたらもっとひどい仕返しをされるかもしれないから責任とってと言って来る。
 素子はもちろんそのつもりはないが、少年が警察を呼ぼうとしたので、面倒なので少年を引っ張っていく。
 少年は全身義体が夢で、ロウを知っていた。少年は素子を倉庫に連れて行く。
 そこにはRED DATEシリーズと銘打たれたフェギュアが沢山あった。フィギュアはコカインで出来ていた。
 これもロウが考え出した事だ。
 少年は素子が非合法で全身義体を手に入れられるルートを知っているのではないかと思ったのだ。
 シャオジェイがここを嗅ぎつけ、二人は逃げる。素子は少年を高級ホテルのスイートに連れて行く。
 部屋のテレビでは日米安保締結後の米軍駐留問題をやっていて、少年が別のチャンネルに変えると、
今では食用としてのみ飼育されるダチョウの生態が語られていた。
 素子は少年に警察に保護してもらえと言うが、少年は難民には何処にも居場所が無いと言う。
 「俺達はあんたらブルジョワを食わせるためのダチョウだよ!」「クゼが、…ロウがそう教えたの」「…ああ」
 「彼は、ここではどんな人間だったの」「全てさ。英雄であり、神」「義体化は彼の勧め?」
 「違う。でもロウと同じ事をする為には、俺も義体化しなくちゃ駄目なんだ!」「若いわね」
 「ロウは、自分はとっくの昔に一度死んだ人間だから、
ゴーストの残り火は自分を知ってくれた者の為に使うんだ、って言ってた。
何か、全てに絶望してた俺に、その言葉は希望を与えてくれたんだ。
コピーでも良い、この人なら全てを模倣する価値がある、ってね」
 「あんた電脳化もしていない様だけど、彼の思考をどうやって並列化させたの」
 「は? 簡単さ。ロウと話せばいいんだ。たった一度彼と話をすれば、それでみんながロウを好きになる」
 「話す?妙な男だな」

 素子が眠ったと思い、素子の荷物を調べるチャイ。クゼの写真をみつけ、そのまま部屋から出て行く。

 素子は空港に向かうタクシー内で財布の中身をチェックする。
 パスポートと一緒に「瀧泉温泉」のロッカーの鍵が入っていて、彼女は風呂屋の方に向かう。

 食べ物屋で他の子供達に話しているチャイ。今回は一人で行くと言う。
 ロウの教え通り無駄死には止めようとチャイ。

 素子は「瀧泉温泉」のロッカーからバックを出す。そこには大量のコカインが入っていた。

 チャイはホアンロンと取引しようとしていた。しかし彼らにはその気は無く、シャオジェイを呼んであった。
 機関銃を持った素子が現れ、コカイン入りバックを投げ出し、その子を引き取りたいと言う。
 難民に報復を加えるのも止めて貰うと。老板(ラオバン 納谷悟朗)「お前もロウと同じ人種か」「見ての通りよ」 見詰め合う二人。「わかった。行け」
 シャオジェイ達は追おうとするが「止めておけ。敵を知り己を知れば百戦危うからず。この取引は終わった」

 空港のトイレ。
 「ロウはお前に義体化を勧めたり、ましてや命を落としてまで危険な抗争をしろと教えた訳では無いだろう。
お前には勇気も才能もある。だが死んだら何も残らん。今は矜持を仕舞って未来を作れ。じゃあな」
 少年、鏡で自分の顔を見、それまでの怯えた表情が消え、不敵な笑顔になる。

感想:映画「グロリア」へのオマージュと言った所かな。
 どうもチャイの顔が攻殻世界に合わない気がしたが、元々のマンガの絵とも違うから良いか。
 クゼ、難民に汚い商売のやり方を教えていたのね。目的のために手段を選ばず。
 地道で手堅く、政治力を高めるというのが良いと思うけどなあ。
関連サイト
アニヲタ西中★萌える部画像ありんす。

「天使の詩 TRANS PARENT」第18話 ☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:神山健治 作画監督:芝美奈子 絵コンテ:吉原正行 演出:河野利幸

 バトー(大塚明夫)「退廃と復興が共存している街ベルリン。
ここは第三次核大戦と第四次非核大戦の際、二度に渡りミサイル攻撃の標的とされた、
数少ない国際都市のうちの一つだ。
だがゲルマン民族にとって特別な意味を持つこの街は、その都度ドラスティックなまでの復興を繰り返し、
三度、この国の首都として、今またその息吹を取り戻している」
 バトー、金色の天使像の上に姿を現す。

 夜、パン屋の店先。光学迷彩したバトーに向かって犬が吠えている。
 「京レの3003式熱光学迷彩も、犬の嗅覚までは誤魔化せねえか」
 素子「何してるの、バトー。遊んでると痛い目見るわよ」
 「ついな。大体俺ははこういった長時間の監視任務は向かねえんだ。それに、この雪も具合が悪い。
光学迷彩の視認値を上げる」
 「ここまで過酷な監視任務に向いている人間など、そういるもんじゃない」「早いところ終わらせて帰ろうぜ」
 「それとてあと数日中には結論が出る。バトー、もう切るぞ。
いくら暗号通信とはいえ、枝が付かないとは限らない。早く持ち場に戻れよ」
 「分かったよ」バトー、屋根から屋根に飛び、犬、しつこくバトーの方を向いて吠える。
 バトー、天使の像に降り立つ。その前を車椅子の少女が通り過ぎていく。

 会議室。バトー「よく間に合ったな。台湾から直通便があったのか」
 素子「一旦香港に寄ってから、一番早い便を空けさせたわ。
にしても、これほどの大捕物を混成チームで行うとは驚きだな」
 「ああ。俺も課長から任務の内容を聞かされた時はガセネタなんじゃないかと一瞬疑った位さ。
まあだが、天使の羽って言やあ、先進国首脳会談ばかりを標的にしてきた、超大物テロリストだ。
各国に花を持たせるってのが、この作戦形態に落ち着いた一応の理由なんだろうよ」
 「で、私とバトーが名指しで選出。
このタイミングでの国外任務、やはり内庁の推薦があったと思うのが自然だな」
 ローランド(大木民夫)が出てきて説明を始める。画面には男の顔が現れる。名はアンジェリカ。
 全身義体の自称代理商だ。国籍はオランダ。
 この男が単独犯としては史上最大の犠牲者を出したテロリスト、天使の羽だと判明した。
 天使の羽は一握りの先進国がグローバルな意志決定権を独占する事に異議を唱え、
サミットが開催される国の何処かでガラス張りの高層ビルを爆破することを予告。
 爆破時大量のガラス片を降らせる事により多くの犠牲者を出す事から、この名前が付いた。
 捜査当局は爆破されたビルのIRログから、天使の羽の顔を割り出そうとした。
 しかし彼は全身義体により毎回顔を変え、全くの別人になっていた。
 今から二ヶ月前、オランダ人の義体医師が一人の男の義体換装手術の際、
誤って患者を意識不明の状態に陥らせた事から、この男が、
天使の羽ではないかという幾つかの記憶が発見された。
 その時に抽出した記憶の中から、この男が過去に行った爆弾テロについての詳細や、
その都度乗り換えた義体の顔データなどが、次々に出てきた。
 その顔データと同一の人物が、爆破現場のログから全て確認出来た
 。オランダ人医師は、数日間倫理と道徳の狭間で悩んだ末、地元警察に通報した。
 ではなぜ、彼らは来月サミットが行われるリーズではなく、ベルリンに集められたのか。
 捜査当局は、この男の過去の顔データを世界中の空港のIRシステムと照合、その結果、天使の羽は、
爆弾テロを起こす前にここベルリンに立ち寄り、二日前にテーゲル国際空港から現地に向け、
出発するという事実を発見した。
 上海サミットの際には2028年2月17日、モスクワサミットでは2029年11月25日、
そしてパリサミットでは2030年7月13日と、全て二日前だ。
 今回もサミット前にベルリン入りし、数日間ここに滞在する可能性は高い。
 その間に使用する名前義体は、データと変わっていないと思って間違いない。
 これは最初にして最大のチャンスと言うわけだった。

 金色の天使像の上のバトー、又犬に吠えられ、光学迷彩で消える。
 車椅子に乗ったテレジアが現れ、犬をなで、天使像を見上げる。
 テレジアはここ数日、今頃の時間、いつも一人で何処かへ出かけていた。定時連絡の時間。
 ベルリンの各地で光学迷彩で姿を消しながら、監視をしている者達。天使の羽は見つかっていない。

 朝(?)、新聞を買うバトー。ベンチに座って新聞を読む。
 新聞には駅や空港で透明なモンスターを目撃という記事と、
日本の出島でアジア難民らによる自治区宣言という記事がのっている。
 テレジアが現れバトーの方を見る。
 自分の存在が気づかれてるのかと、立ち去る彼女を光学迷彩で消えながら後をつけるバトー。

 教会。
 テレジア(林原めぐみ)「天使様、なぜかしら、メールはもう二週間も前に来ているのに、
どうしてパパは現れないの?」
 「パパ?」下に降り、少女の方に近づく光学迷彩使用のバトー。
 「でも、気配は感じるの。きっと何か別の用事があるのね」テレジアが後ろを振り向き、バトー、隠れる。「誰?」  「勘が鋭いのか」「もしかして」鳩が飛び立ち、少女はため息をつき、教会を出て行く。後とつけるバトー。
 少女は養護施設に入り、車椅子で階段を昇っていく
(車輪が巴状になって三つあり、それで階段を昇っていく。こういうの出来たら良いのに。それとももう出来た?)。 少女は部屋に入り、バトーはその部屋の窓の所に飛び移る。
 そこからは金色の天使像が見え、ここから自分の事を見ていたのかと思うバトー。
 少女、金色の天使像の方を見ながら「天使様、いつもパパには欲しい物なんて無いって言ってきたけど、
今度は欲しいものがあるんだ。
 パパは又違う義体で帰ってくると思うけど、私には」
 テレジア、下から呼ばれて下りていく。バトー、中に入りパソコンを調べる。
 「パパだよ。二週間以内に逢いに行く。いつもの教会で会おう」との音声メール(堀勝之祐)があった。
 具体的な日付は無し。引き出しから日記を見つけチェック。2030年7月12日。夜パパが来た。
 教会の礼拝堂で会う。2029年11月24日。約束通りパパが帰ってきた。一ヶ月早いクリスマス。
 教会の礼拝堂でもらったプレゼントは、カシミアのコート。2028年2月11日。突然パパから連絡があった。
 教会の礼拝堂で会う。プレゼントにミトンをもらった。全部アンジェリカがベルリンを発つ一日前だ。
 そして「義体を変えたパパと会った時、もしパパと分からなかった時の合言葉。
“天使は今日、何をしに行くの?”“ 世界中に天使の羽を降らせに行くよ”」
   
 夜。少女部屋を出る。定時連絡。バトーは少女の部屋の前にいる。
 何故場所を変えたと聞かれ、犬が多いからと答えるバトー。そして移動を始める。
 規定の位置(どっかのドームの上)にいる素子、光学迷彩を解く。少女が養護施設から一人出て行く。

 教会にリボンのついた大きな包みを持った男が入って来、ひざまづいて祈りを捧げる。
 バトー「大勢の罪もない人間を殺してきた事への懺悔か」光学迷彩使用のバトーに押さえ込まれるアンジェリカ。 「自分勝手な思想の為に大勢の人間の命を奪っても娘の父親ではありたいのか?
お前が爆破し、ガラス片を降らせたあの場所にも、プレゼントを待っている子供や母親がいたはずだ。
そういった人達の命を奪ったお前だけが、何食わぬ顔で娘に会えると思ったら大間違いだ。
残念だがもう二度と娘に会うことは出来ないだろう」
 アンジェリカ、娘にプレゼントを渡してくれと頼む。
 バトーがプレゼントの方を見ると、その隙を見て腕に仕掛けていた銃でバトーの方を撃つアンジェリカ。
 素子が現れアンジェリカを殴り、バトーが撃ってアンジェリカを動けなくする。
 素子、アンジェリカに電脳錠をつける。素子はバトーがたるんでいるので視覚素子に枝を付けていたのだ。
 音がし、銃を構える素子達。テレジアが現れる。「パパ?パパなの?今すごい音がしたけど、何があったの?」 テレジア、両手を前に出しながら、戸惑った様子で移動してくる。
 バトー「お前、見えてたんじゃなくて、目が視えなかったのか」「誰?パパ?」車椅子から立ち上がる。
 アンジェリカは娘の方に顔を向けようとするが、声は出せない。「パパよね?私には解るわ」
 椅子につかまりながら近寄ろうとする。「ね、パパ。ワッ!」転ぶ。
 「パパ。怖いよ、返事して。ねえ、そこに居るんでしょ。パパ。天使は今日、何をしに行くの?」
 立ち上がり、バトーの方向に手を伸ばす。「天使は今日、何をしに行くの?」「天使は」「天使は」「天使は」
 テレジア、バトーに触れる。「もう」テレジア、手を引っ込める。「何処にも行かない」

感想:今度は「ベルリン 天使の詩」への明らかなオマージュ。
 グロリアも好きだが、「ベルリン 天使の詩」は特に好きな映画の一つだ。静かで、優しさに溢れている。
 天使の羽が降るシーンは三菱重工爆破事件を思い出す。
 あんな事があり、日本は地震大国なんだが、やっぱりガラス張りのビルは後を絶たない。見栄えがするから。
 ガラスも丈夫になったかな。地震が起きてみないとどういう事になるかわからないし。
 あの手のテロは今の所無いし。しかしテロの危険性はあるのよね。無闇に怖がってもしょうがないけど。
 少女はこれから稀代のテロリストの娘として生きるのかな。犯罪者の親族というのはつらい。
 しかしあの日記、点字じゃないとおかしいんじゃないか。文字を読む機械が出来たか(もう出来てたりして)。
 経済大国と貧乏国との確執は確かにある。なんでもバランスが大事よね。
 ブッシュは自分では信仰深いつもりらしいが、そのわりには弱者へのいたわりが無い。
 まあ、他の経済大国も結構自分勝手だから。それを言うならどこの国もか。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 09
関連サイト
攻殻機動隊PKI-B-Wikiセリフが網羅してあり大変にお便利。
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ちっちゃん俳句「7月の 傷害すなる カッコイイ」

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そこにいること 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd.GIG」
原作:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸 西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司 常木志伸 美術監督:竹田悠介 音楽:菅野よう子 制作:Puroduction I.G

「機械たちの午後 PAT.」第15話 ☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:櫻井圭記 神山健治 作画監督:中村悟 絵コンテ:布施木一喜 演出:竹下健一 

 タチコマ(玉川紗己子)がメンテナンスのために集まっている。
 警察庁のサーバーアレイに個別の11人に関する極秘ファイルがあったと他のタチコマに知らせるタチコマ。
 そんな所に勝手に潜り込んではいけないよとプロト(杉山大)。
 まずいデータを拾ってきたら消去すれば良いと鑑識(関口英司)が言う。
 「先輩は甘すぎますよ。そんなお土産につられるなんて」とプロト。
 タチコマ「赤服が赤福、甘党が甘すぎ」(赤い服の鑑識は“赤福”というお菓子を食べている)
 「面白くありませんね」とプロト。タチコマ達がブーイングする。
 そこにバトー(大塚明夫)とトグサ(山寺宏一)が入ってくる。
 タチコマは彼らに個別の11人について調べた事を説明する。ワクチンはまだ作れない状態らしい。
 彼らは元自衛官や、警察官や傭兵。義体化率は50パーセント以上。
 ウィリスキャリアはわかっているだけでも2万はいて、被害者が増える可能性がある。
 しかしそれはお前らの仕事じゃねえとバトー。
 自決した個別の11人に関してはスプリング・エイトに調査を依頼している。
 それで現地で少佐と落ち合うことになっているが、一機連れて来いと言われたそうだ。
 メンテ機に繋がっていたタチコマがメンテが終ったと名乗りを上げる。それはいつものバトー専用機。
 自分達の個性化について話し合うタチコマ達。大人しくしろと鑑識に言われ、ネット内で話し合う事にする。
 「ここなら誰にも邪魔されずに話せるねー」「うん。時間の流れも関係ないし」
 「話を戻したいんだけどさ、ウイルスで発症したと思われる個別の11人はともかく、個別主義者ってどう思う?
個を強調する割には没個性的な人達だと思わないか?」
 「確かにそうだね。
ネット上での孤立や、自我の存在証明を追究して、各自の差異に価値を求めているくせに、
違う思想の人間を排斥しようとする行為においては一様に団結している訳でしょう?」
 「そうなんだ。主体性があるようで無い集団。個を求めんとするあまり没個性に陥っている人達だと思うんだ」
 「それって、ある意味僕達とは対極にある人達って気がする」
 「そうだね。僕らは並列化を義務付けられながら、何故か一度は個を手に入れた訳だから」
 「そして今ではその差異を個性として尊重してもらった上で、必要な情報のみを並列化すればいい。お?」
 もう一機現れる。
 「じゃあさ、個別主義者が本当に個別で在ろうとするが故に、差異の無い集団になっているんだとしたら? 
彼らの集合体としての意志を決定しているのは…誰なの?」
 「個別の11人に関しては、その意志決定をしたのは内庁の合田ってことかな」
 「でも中国大使館を襲撃したテロリスト達は、
ウイルスとかに関係なく台頭してきたインディビジュアリストって言われてるんでしょ」
 「笑い男事件の時に大挙して現れた模倣者達こそがその起源、と言っている社会学者もいるけどね」
 「だとすると、個別主義者達の意識の中には、合田の思惑が介在する以前から、
現在の状況に近いイメージが共有されていたって事になるのか」
 「国民の総意としての難民排除って事ね」
 「それを言うなら、難民だって個別の11人が台頭してくる以前から、テロ行為は繰り返していた訳でしょ?」
 「不思議だよねー、誰かがコマンドを出してる訳じゃないのに、みんな自然とおんなじ方向を向き始めている」
 「あるいは、個人と集団以外の第三の意志決定の主体が、人間には在るのかもしれない」
 「どういうこと?」もう二機加わる。
 「例えば、遺伝子と言うミクロなレべルで主体の新旧を見いだそうとしたドーキンスと、
極めてマクロな地球規模の主体に思いを馳せたラブロック。
両者はほぼ同時期に相反する主体を題材にほぼおんなじ結論に達していると言ってもよいような著書を残しているんだ」
 「どんな事が書かれてるの?」
 「人間は最も合理的な主体や意思を宿す最小単位で、自身より大きかったり小さかったりする、
ある種のホロン型構造の存在について思考し言及する、みたいな」
 「つまり、個別主義者や難民もその行動を決定する因子は、自身よりミクロな、
あるいは集団を超えたマクロなレベルに存在するという事を言い当てている様な所があるって事さ」
 「むずかしいなー」
 「簡単さ!
人間がその存在を決定付ける以前には存在していなかったネットの在りようが、
彼らの神経レベルでのネットと今や地球を覆いつくさんとしている電子ネットワークの双方によって自身の意志とは乖離した無意識を、
全体の総意として緩やかに形成しているって事だよ。
だろ?」
 「つまり人間は自分の肉体と精神とがすでに一致していないけど、
その事については気付いていないってこと?」
 「ありていに私見を述べればね」
 「ひえー! 肉体と精神は不可分だって結論に傾きかけてたのに、なんと言う真理の反転」
 「とするなら、合田ってその緩やかな流れを加速するための媒介を、意図的に作り出した、って事になるのか」
 外から呼ばれ、ネット内から離れるタチコマ達。メンテが終って交代しなければいけないのだ。
 メンテ中で議論に加われなかった一機も議論の内容を並列化させてもらう。「なるほど。そいつは興味深いな」  「だろ」「だけど僕も最近は自分の意識と体が一致していない気分になることがあるんだ」「どういう事?」
 「自分を遥か上空から見下ろしている自分がいるような感覚かな」
 「ああそれ僕もある! 僕達の主体って一体一体のボディに宿ってるの?
それとも集団としてのタチコマに共有されてるの?」 
 「そりゃあ基本は並列化を前提としている訳だから、後者でしょ」
 「僕らにとっての神である少佐の意志も、介在している訳だからね」
 「でも天然オイルを禁止された今となっても、個性化の進行は止まらない。
完全に均質化された筈の僕らが個を宿し、かつボディと情報の乖離を無意識下で体験しているって事は…」
 「もしかして」「もしかして」「もしかしてー!」「ゴー…」
 「まあ待て、結論を性急に出してはいけない。
それは単に僕達にエージェント機能が追加された事による遊離感なんじゃないのか?」
 「それもあるけど、肉体と精神以外の第三の主体が、何処かに在るような気がしてならないんだ」
 「それってわかるよ。
僕もさ、
前にジガバチと戦った時に死の恐怖を感じることなく少佐の服としての役割を瞬時にこなす事が出来たんだ。
あの時、僕の体はもう僕自身の物では無いんだって、どこかで割り切ってた所があったもん」
 「それは、バトーさんを助けたいと感じた時の、あのえも言われぬ法悦感とは違ったの?」
 「違うね。もっと即物的でプログラムチックな行動だった」
 「だとしたら、残念ながら君が感じた第三の主体は、人間のそれとは違うのかもしれないな。
それにさ、僕らの共有情報を溜めているサーバーが何処にあるかって事も僕らは知らされてないわけじゃない。
その存在が、第三の主体の正体なのかもしれない」
 「僕達にゴーストが宿ったと思ったのは錯覚だったのかー」
 「でも、君が感じた第三の主体については、もっと詳しく思考してみる必要があるかもね。
その感覚、並列化させてよ」
 「しひひひひ。いいよ」

 スプリング・エイト。パイロットの血中からマイクロマシンを形成していたたんぱく質の溶解片が見つかった。
 個別の11人の電脳からは何も発見されていない。火薬は半島で作られたコンポジションC4。
 台湾ルートから国内に同様の物が多く入っている。爆発音と振動がする。
 駐車場にいるタチコマにそこから何か見えるかきく草薙素子(田中敦子)。
 目の前の建物から黒い煙が立ち昇っている。バトーとトグサが駆けつける。
 逃げ出してくる人が一人もいず、ここは無人かときくバトー。
 警備員(原田正夫)によると数日前から爆発物を仕掛けるという犯行予告があり、警戒はしていたそうだ。
 ただ主任研究員の有須田(あすだ)博士がいた可能性がある。
 爆発はガス爆発程度で、建物内には誰もいなかった。
 有須田博士の顔をどこかで見た記憶があるとタチコマが言う。ただはっきりとした記憶が無い。
 素子は伊丹と新浜両空港にアクセスできる道路と空港内のIRを調べろと本部のオペレーター(大野エリ)に言う。
 バトーとトグサは素子の指示で新浜空港に行く。
 タチコマは他のタチコマ達に有須田博士について問い合わせる。
 他のタチコマ達も有須田博士を見たような気がするのだが、メモリに該当データが無い。
 騒ぐタチコマを叱る鑑識。タチコマ達、ネットで会合する。「ムキー!思い出せそうで思い出せないー」
 「シナプスが繋がらないねー」「シナプス?そんな有機的なアナロジーはやめてよ」
 「ねえねえ、なんかさ、
この記憶に関してのみ電脳内に切り分け区画があるのにアクセス出来ないって感じしない?」
 「うんうん」

 素子によると有須田博士はタチコマのAIに使われているニューロチップの試作モデルをたった一人で開発した科学者だった。
 エージェント機能の追加や、
記憶に二重構造を持たせる事で経験値を失うおそれを取り除く方法を考案したのも彼。
 おそらく爆破事件は彼によるもの。目的は研究成果を携えての亡命。博士は国定研究員。
 画期的なAIを発明したものの、彼個人のパテントは認められない。
 タチコマの構造解析を博士が出来るようにしていたが、その時の記憶はタチコマ達からその都度抹消している。 タチコマの博士に関する記憶が曖昧なのは博士が自分の功績をどこかに残したいと考えてメモリーの一部に自分の記憶を書き込んだからだろう。
 素子の話を聞き、タチコマの一体がメンテ中のタチコマの頭を開けさせてもらう。
 AIのどの部分に切り分け区画を作ってるのか確認しようとしたのだ。しかし…
 「無い!無いんだ!こいつのAIが! もしかしたら僕達って、全員脳無し?!」
 「じゃあ僕らのAIは一体何処にあるんだ?!」

 有須田博士(土師孝也)を捕まえるバトーとトグサ。武器輸出規正法違反。
 資金と設備の無償提供と引き換えに国定研究員になったのだから、彼に自由は無かった。
 有須田博士にあなたは僕のお父さんですかときくタチコマ。「…お父さんか」
 有須田博士は衛星に組み込んだハブ電脳の第8区画にあるC9ファイルに自分の記憶を書き込んでいた。
 タチコマ達のAIは衛星上にあったのだ。タチコマ「ということは、サーバーもその衛星上にあるって事か」
 「人工衛星からの超鳥瞰的視座を第三の主体として感じていたって事―?」
 「僕らのAIには感覚器官が備わっていないから、
今まで自分の意識がどんな経路を巡って思考していたか気付かなかったんだー」
 「それでプログラムとボディとの心身合致がもはや不要になったって事なのかー」
 「僕が死を恐れなくなった理由もそれで理解できたよ」「それにしても宇宙とは…壮大だなあ…」
 タチコマ達上を見上げる。タチコマ「でも、あなたの記憶は、消したくないって気がするんですけど」
 有須田 「気にするな。私の思い描いたAIへの理想は、ネットの何処かに残るだろう」

 バトー「少佐、あいつはこれからどうなるんだ」
 「私達が確保した事で、いくらか酌量の余地はあるだろうが、運がよくて実刑判決」「運が悪かったら」
 「播磨の施設内で、一生日の目を見ない研究に、従事する事になるかもね」…
 「たまにはタチコマでも連れて、会いに行ってやるか」
 「それもどうかしら。私達がそうであるように、自由を求めた彼に、最早自由は無い」
 タチコマを優しくさすっている有須田博士。 

感想:お父さんの記憶ぐらい残してあげたいけど…。
 博士もタチコマと親しく会話出来たら他所の国に行きたいとは思わなかったろうに…。こんなに可愛いのに…。
関連サイト
アニヲタ西中★萌える部画像あります。

「そこにいること ANOTHER CHANCE」第16話 ☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:神山健治 作画監督:後藤隆幸 絵コンテ・演出:橘正紀

 出島に難民が集まってきていた。反難民デモも急増している。
 対策をとるべく会議を開いても、お互いに非難するばかりで、何ら前向きな提案は出ない。
 茅葺総理(榊原良子)は一旦休憩をとる。
 総理が総理大臣室に戻るとそこには荒巻大輔(阪脩)と草薙素子がいた。 素子が有線で総理に報告をする。  どうやら難民の中に彼らを懐柔し滞留させて置けるだけの能力を持った者が出現したらしく、
それが長崎流入の原因だと。
 総理がもう一つ調べて頂きたい事があると言う。
 日米安保にからみ国防族議員の中に旧大日本技研と癒着しているものがいるようだと。
 総理大臣室から出る課長と素子。総理の言っていた国防族議員とはおそらく高倉官房長官。
 高倉は親米にして親保守。米帝猛進主義を捨てきれない軍産複合の最古参。
 大戦終結でその商品価値をなくした放射能除去技術が米帝と再び組む事で、
他国への新たな抑止力としてその商品価値を上げれば、贈収賄は成立。
 高倉は内庁のトップであり、合田には旧大日本技研で日本の奇跡をプロデュースした経歴がある。

 茅葺総理が総理大臣室を出ると、
後ろから彼女の耳に口を寄せて「待ちくたびれたよ、茅葺総理」と言う高倉官房長官(おそらく…武藤与志側)。
 びくっとして体を離し(当たり前だ、バカにしてるな)、「すぐに行きます」と答える。
 彼が去った後、ため息をつく総理(ため息はなるべく止めよう)。

 イシカワ(仲野裕)が半島でクゼヒデオ(小山力也)について調べて来て、
素子と課長を抜かした9課の面々(アズマ(尾形雅宏)達、新人さんも抜き)に報告する。
 4回の大戦を経て各国が疲弊しきっていた2024年、
米帝が大戦終結を機に内線の続く半島に国連軍派兵を呼びかけたのが自衛軍派遣の直接のきっかけだった。
 米帝の真の目的は北半島に眠るウラン鉱脈の採掘権を統一政府に取り付ける事だったが。
 戦争特需に沸いていた日本は国連にノーとは言えず、二つの大戦を経て尚、
根室での奪還戦以外では実戦を避けてこられた自衛軍の初の試練をなった。
 バトーや少佐なんかは戦時中非公式に海外へ行っていたが。
 爆弾テロで殺された当時の首相は国際的視野を持った数少ない政治家だった。
 国内世論を押さえ込むべく厳重な報道統制をし、PKFの派遣地を比較的安全とされた新義州に決めた。
 報道統制を行うべく裏で暗躍したのが今の内調の前身、内閣報道庁だった。
 クゼが配属されたのは本体の中でも最後に現地入りした機動部隊だ。
 当時新義州は特別行政区で、貿易の拠点だった事から、攻撃の対象外だったが、
統一政府樹立後敗走した人民軍の残党が、最後の戦地に選んだのも、
そこから東へ20キロほど行った農村地帯だった。
 そこは標高800メートルほどの峠でゲリラ戦に持ち込むにはうってつけの場所でもあった。
 到着早々ゲリラ討伐隊として二個中隊で出陣する事になった義体化歩兵部隊は極寒の山間部へと移動を始める。
 本隊は人民軍の最後の精鋭部隊が新義州攻略を企てていると言う情報を受け、警戒を強めていた。
 クゼの部隊はそれを北から回り込んで先制攻撃を仕掛ける手はずになっていた。
 だが、クゼの一個小隊は情報に無かった難民キャンプで、人民軍とは名ばかりの、
ほとんど山賊になり下がった兵士達の醜い略奪行為を見る。
 義憤に駆られたクゼ達は戦闘を始めてしまう。
 120対30の戦闘だったが、クゼのいた一個小隊は義体化された精鋭部隊、
キャンプを襲っていた連中は元軍人とはいえ、ほとんど生身の上、やせ衰えた連中ばかりだったので、
雌雄はあっと言う間についた。
 その後何度か人民軍の情報は入ってきたが、実際の戦闘はその一回きり。
 しばらくすると農村部の小隊キャンプに問題が発生する。PTSD,心的外傷後ストレス障害。
 初めての戦闘で一方的に相手を殺戮してしまった経験が若い兵士達の精神を蝕み始める。
 自分の肺や臓器が残っている者は、難民が持ち込んだ合成アルコールやハシシに手を出し、
フラッシュバックしてくる殺戮の悪夢から逃れようとした。
 日本のマスコミは心無い言葉を浴びせ始める。
 難民キャンプでの殺戮の事実は報道規制によりマスコミには届いていなかった。
 兵士の醜態を報道させまいと規制がかかった事により彼等の自由は制限され、
ついには帰国も許可されないという事態になる。
 国境沿いの難民キャンプでの虐殺が一部のマスコミに漏れ、
それが日本の自衛軍によるものだったのではないかと言うデマまで流布し始める。
 農村の住民達は事情を説明しろと糾弾。
 厳しい報道統制下に置かれていた若い兵士達はもちろん、上官達でさえ自分達を弁護する事が出来なかった。

 ある日ハシシを吸っている兵士の一人に報道陣がこんな事を言った。
 「おい、お前、アサシンって言葉の意味を知っているか?
 そいつはアラビア語でハシシを食らうものの意味だ11世紀エルサレムを奪還した十字軍を殺した、
イスラムの刺客達は、ハシシを吸い夢見心地で暗殺を決行した。
それを見た十字軍は、彼らをアサシンと呼んで恐れたそうだ。お前らもそいつでここが楽園にでも見えたか。
ひとの国に乗り込んで来ていつまでお客気分でいるつもりだ。この人殺しどもが」
 警戒任務についていたクゼが記者に近づく。「確かに。お客気分だったかもしれないな」
 ヘルメットを取り、銃を突き出し、カメラと交換してもらう。 そしてクゼは難民キャンプに入る。
 カメラを持ち、難民の暮らしを時折ファインダー越しに眺めたり、折り紙を作ったりしていた。
 しばらくすると妙な現象が起こり始める。
 イシカワ「まずは老人たちが徐々にクゼに興味を持ちはじめやがて酒を勧める。
次は子供が紙飛行機を折れといった具合に、彼らは物言わぬクゼに次々と近づいていった。
そして翌日には、女や大の男までが、交互にクゼに何か話しかけると、クゼはその様子をただ楽しそうに眺め、
写真に収めたりしていたそうだ」
 バトー 「ふむ。それから」
 「人民軍が投降し自衛軍の任が解かれた三ヵ月後までクゼの行動は続き、
マスコミの連中はそれ以後虐殺の話をする者はいなくなった。
そして自衛軍が帰国する前日クゼは、キャンプから忽然と姿を消す」
 その後国境を越え西に向かったという話だが定かではない。
 台湾の難民街から戻ったと言う男がクゼと思われる男に会ったそうだ。
 義体の髪はすっかり白くなっていたが、彼の周りには絶えず人が楽しげにたむろしていたそうだ。
 バトー「ん? 何だ少佐。戻ってたのか」「ええ、聞いていたわ。確かに、興味深い話ね」

 内庁。合田一人に難民の電脳を逆送出来たと報告している男、黄村(朝倉栄介)。
 探していた人間は出島にいたようで、NSAに確認を依頼、じきに映像で確認できるとの事。衛星からの映像。  出島、その中の広場、歩いているクゼ、彼に話しかける叔父さん、空を見上げるクゼ、夕日、歩き去るクゼ。

感想:出島に難民が集まっているのはそこにクゼがいるから。合田はすでにその事をつかんでいる。
 彼は官房長官と強い繋がりがある。そして旧大日本技研とも。
 日本は自立せずに、米帝の庇護の下にいたほうが繁栄できるという考えか。
 合田が小さな欲で動いているとは思えない。クゼは一種のカリスマ。
 難民に強い思い入れがあったから、合田のウィルス通りには行かなかった。
 しかしオープニングの映像におけるクゼは打ちひしがれている。先行き不安だ。
(アサシンって言葉はマルコ・ポーロの東方見聞録に出てきて広まったと聞いた様な気がしたけどそうじゃないのか。
麻薬を使って、暗殺者を操る老人の話し…)
他の方のサイトを見ての感想:間違ってましたね、私。アサシンについては私より攻殻機動隊が正しい。
 勉強になりました。十字軍が相手と言うわけではないらしいけど。ハブ電脳についてはスルーしてました。
 確かに電脳世界なんですから、今とは違うコミュニケーションがとれますね。
 うん、確かにアメリカが帝国と言う言葉を使う事は無いでしょう。
 彼らにとってカエサルは独裁者で、悪いイメージらしいし…。
 1回の戦闘ではPTSDにはならないとは言えないと思いますが、相手はひどい事していた奴らなんだから、
あまり罪悪感は無いかな。
 電脳なんだから、戦闘用に調節も出来そうだし。
 茅葺総理が端子を拭いて素子に渡していた事は気づきませんでした。やっぱ、うかつな人間だな、自分。
付記:今、ニュースで、アメリカでPTSD対策として兵士や911体験をした消防士に、傷となっている体験をコンピューターで映像化し、何度も体験させ、治療するというのをやっていました。
関連サイト
野良犬の塒いつでも参考になります。
アサシン派面白かったです。
アニヲタ西中★萌える部
攻殻機動隊の日本地理
笑劇!!ヘタレ人生日記画像あります。
有閑市民のすすめわかりやすくまとめてあります。

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 08


  


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左眼に気をつけろ 他

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 
原作:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸、西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司、常木志伸 音楽:菅野よう子 制作:Production I.G 美術監督:竹田悠介

「顔 MAKE UP」第13話 ☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:大松裕 神山健治 作画監督:新野量太 絵コンテ:布施木一喜 演出:川崎逸朗 

 電波塔の屋上。ずらりと並ぶ男達12人。
 「聞け!名も無き者達よ。我等個別の11人。個が個のままに集い、世界を刷新していく者だ。
もはやこの国はシステムとしての寿命を終えようとしている。
難民による自爆テロ、政治不信、諸外国からの軋轢。この国を取り巻く情勢を、集合体となりし個が救うのだ。
目覚めろ!名も無き者達よ。そして、システムの一部たれ!」
 ヘリコプターから映像を撮っている者達、男達の不穏な様子に気づく。
 彼らはお互いに対峙し自らの剣を鞘から出す。「我々の意思を継げ!」
 彼らはお互いの頭を切り落とすが、クゼヒデオ(小山力也)は「待て」と相手に呼びかける。
 しかし相手は「問答無用!」と斬りかかって来、クゼは相手を倒し逃げる。その映像を見ている9課の面々。
 個別の11人は捏造されたもので、それ自体がウィルスであり、
ウィルス感染した者は最終的に自決するようプログラムされていた。
 すでに難民は自爆という手段で行動を起こしている。
 今度の自決報道でどれだけの模倣者が現れるかわからないが、一般市民も難民問題に気づいた。
 9課は内調に的を絞り動く事になった。その為にはクゼを捕まえる必要がある。
 なぜクゼだけが自決しなかったのかとバトー(大塚明夫)。それは本人の電脳を解析しなければわからない事。 鑑識は同一ウィルスに感染しておきながら、全く違う行動を起こす者を突発性異変体と呼ぶことにしたそうだ。
 クゼはしゃべる時に口を動かさない。
 これは表情筋のネットを形成するマイクロマシンをほとんど使用していないという事だった。
 それでいてずいぶんと良い顔をしている。
 表情筋を排してなお、これだけ人間らしい顔をしていられるのは、おそらく腕の良い造顔作家に作らせたから。
 彼の顔は超一流の造顔作家が作ったもの。
 鑑識(関口英司)の読みでは作者は大企業に囲われていない芸術家。国内には二人しか存在しない。
 トグサ(山寺宏一)とバトーは造顔作家のもとに向かう。向かった先の造顔作家は殺されていた。
 県警の刑事達ともみ合っている最中にパズ(小野塚貴志)が来る。その顔を見て驚く刑事(小村哲生)。
 それは防犯カメラに映っていた犯人の顔だった。指紋も唇紋もパズと一致した。
 偽造は出来るが、DNAデータを知らなければ出来ない事だ。

 バーにいるパズ。壁に飾られた番(つがい)のデスマスクを見上げる。ママの新しい趣味だそうだ。
 そこに刑事が現れ、犯人はパズと関係があるに違いないから張り付かせてもらう、
その挨拶だと言って店を出て行く。
 ママ(沢海陽子)がパズの隣に座る。
 「初めてね、男の連れがいるなんて。たいてい一人か、いつも必ず違う女性」「知らない男さ」「そう」
 「趣味が変わったか」「あれのこと?最近、素敵な造顔作家の先生と知り合ったの」「造顔作家?」
 「その人にあたしの新しい顔を作ってもらうことにしたんだけど、彼が作る顔を試着していて、
ある事に気づいたの。
それは、ゴーストって脳殻の中じゃなくて皮膚、特にその顔に刻まれた皴に宿るんじゃないかって。
その造顔作家の先生は、戦場で負傷した兵士の為に新しい顔を作っていたらしいんだけど、ある時、
顔の傷の深さがその兵士の心の傷の深さと同じなんだって、気付いたそうよ」

 居酒屋を出た刑事、パズと同じ顔をした男に出会う。その男は銃を構え、刑事逃げ出す。

 イシカワ、クゼヒデオのデータを見つける。身長178、髪、白、瞳、茶、B型。全身義体化。PKF仕様。
 顔にはほとんど神経ネットを定着させていず、造顔作家の腕だけで表情や皺を表現した物。当然ワンオフ。
 素材は自己再生プログラミングを組み込んだナノカーボンと人工生体皮膚のハイブリッド。
 殺された造顔作家は好んで退役軍人の顔ばかりを作成していたらしいから、
そんな噂を聞きつけ作ってもらったんだろう。
 軍人時代の記録は消されているので、イシカワ(仲野裕)が半島に飛んで調べる事になる。
 イシカワは半島で顔が利くそうだ。バトーから連絡が入る。パズと会ったばかりの県警の刑事が殺された。
 落ちていた薬莢から使用弾薬はセブロM5の専用弾だと分る。明らかにパズを嵌めようとしている。
 パズ、殺された造顔作家の顧客データを新しい方から見せてもらう。
 カワシマカオリという人物に心当たりがあるらしい。
 パズ、至極個人的な事なので俺一人でこの事件を追わせてくれと草薙素子(田中敦子)に頼む。許す少佐。
 パズはバトーの外部記憶にこれから向かう場所のアドレスを入れ、もし俺が戻らなかったら、
そこを探してくれと頼む。

 バスローブ姿のバーのママ。クローゼットに男の義体が入っている。その背に体を預け、愛しそうにさするママ。 義体をクローゼットから出し、裸になって体を重ねる。

 朝、ロングコートにスカーフ(?)で顔を深く包んだ人間が脳殻を捨てていく。

 水上バスに乗るパズを見張っているタチコマ(玉川紗己子)に乗ったバトー。(光が美しい。背景が素晴らしい)  廃墟の街を歩くパズ。(立方体があっちこっちに突き出した建物。どっかに実際にあったな…)
 女の声で「遅いわ。やっぱりあたしの事なんか忘れていたのね。たった五年前よ。ここで暮らしてたの」
 タチコマの映像で見張っているバトー。「いつからその女の義体をのっとった」
 「三ヶ月位前かしら。あそこで偶然あなたの姿を見つけて。全然気づかなかったでしょ」「その女の脳殻は?」
 「さあ。今頃は夢の島かしら」「俺の指紋もあそこで取ったんだな」「そう」「何故、俺になろうとする」
 「あたしは…あなたがあたしの前から消えた理由が全くわからなかった。
別の女が出来た訳でもない、あたしが嫌いになった訳でもない。
あなたについて何も聞くなって言われてたからその通りにした。なのに、あなたは消えてしまった。
あたしと初めて会った時に言った言葉、覚えてる?“俺は同じ女と二度寝ることは無い”
初めは何?って思ったけど、二度目の時にはもうはまってた。それはあなたも同じだったはず。ひどい男。 
あたしは気が狂いそうなほどあなたを憎んだ。なのに、あなたが消えた理由についても考えつづけた」
 「それで顔を?」「そう」「何か分ったか」
 「あたしへの、愛の、深さ…。あなたとあたしとでは、まるで別の世界を見ていたのね。
あなたはそれをあたしに見せない為に、姿を消した」
 「買いかぶるな」
 「いえ。あなたはそういう人。でももういいの。あたしはあたしの中にあなたのゴーストを手にいれたから。
だからもう、本当のあなたはいらない」
 女が顔のスカーフ(?)を取り、コートを脱ぐとパズそのままの姿が現れる。驚くバトー。
 「まだ愛があるなら、ここで…死んでっ」ナイフを取り出す女。「ああいいよ。お前に殺されるなら、本望だ」
 口にくわえていた煙草を捨てる男。本望だと言って置きながら、女の攻撃をかわすパズ。
 胸に浅い傷を受け、自らも同型のナイフを取り出し、応戦し、走り去る。追う女。光学迷彩を解くタチコマ。
 そこから出るバトー。バトーもタチコマも二人を追う。戦う二人。追うバトーとタチコマ。
 バトーとタチコマが開けた所に出ると、一人が立っていて、一人が右目をナイフに突き刺され死んでいた。
 「やったのか」とバトー。振り向いたのは胸に浅い傷を受けた男。
 しかし倒れている方にも胸に同様の傷があった。

 バトー「詳細は報告した通りだ」素子「パズらしい話だな」
 「まあな。それにしても、もっと早く気づきそうなもんだろ」
 「どうかしら。彼を殺したいって思ってる女性、結構多いかもよ」「ホントかよ」
 「確かめた事無いけど。
私が最初にスカウトしに行った時も、“俺は同じ女と二度寝ない主義だ” とか言ってたし」
 「ハア?まいったね」「それにしてもそのパズ、本物なんでしょうね」「多分な」

感想:ハァ~!、“俺は同じ女と二度寝ない主義だ”と言ったんですか、少佐に…。怖いもの知らず…。
 まあ、危ない仕事をしてるからかもしれませんが、罪な男だ。
関連サイト
師匠の不定期日記画像があります。

「左眼に気をつけろ POKER FACE」第14話 ☆☆☆☆
協力:士郎正宗 脚本:櫻井圭記、神山健治 作画監督:西尾鉄也 絵コンテ・演出:吉原正行

 日本風の大きな建物。周りには池も配置され、寺や神社を思わせる。
 ライトアップされ、頭上にはヘリも飛んでいる。ズラリと並んでいる警察の車。
 パトカーに先導され走ってくる公用車っぽい車列。茅葺総理に付き添う荒巻とスーツ姿の素子。
 外ではバトーが見張っている。安保再締結のため米帝のシュレイダー国務長官がやってきたのだ。
 建物の前にあるビル。その駐車場に止まっている車にはタチコマ達が。

 車の中。ポーカーをしている9課の面々。
 タチコマ「ねえねえ、何で今更安全保障を結ばなきゃならないの? 日本にも軍隊は在る訳でしょ?」
 別のタチコマ「現政府は超タカ派政権だけど、米帝が経済的に疲弊している今こそ、
自分達が主導権を握った状態で安保を締結したいんだよ。
前世紀の屈辱を晴らしたいって事かな」
 「前世紀の屈辱って?」
 「まあ簡単に言っちゃえば敗戦の記憶って事だね。
それに憲法第九条っていう不確定な装置が今でも稼動しているから、自衛軍は公に外に出て行けないし、
核兵器も所有できない。
前世紀の安保は、屈辱の上での合意だったとはいえ、
アメリカが矛で日本が盾っていう暗黙の不可分がうまく機能していた訳。
でもここにきて、経済問題という新たな敵が見えてきた事で、
お互いの弱点を補い合いましょうって事での合意なんだよ、きっと」
 「ふーん。君って大人なんだなあ。今のデータ並列化させてよ」「別に良いけど」
(個性化だ、個性化。並列化しても、やっぱり個性化していくんだろう。タチコマに大人や子供があるのか)
 ポーカーに夢中でタチコマにうるさいと言うミニミ(志村知幸)と黙ってろと言うアズマ(尾形雅宏)。
 「何だよ、アズマ君まで。新入りのくせに生意気なんじゃないの?」
 「ポーカーなんて所詮確率のゲームなのに、どうしてサイトーさんばっかり勝ってるの?」
 「僕もさっきからそれがすっごく気になってるんだ。
特に今やってるルールだと、全員のカードを記憶しておいて、
最初と最後のカードから相手の手を予測すれば良いわけだから、
必ずしもサイトーさんばっかりが勝つとは限らないんだけど、何故か最後はサイトーさんがチップを取っていくんだ」 ミニミ「はったりが上手いだけだ。もうじきその仮面をひっぺがしてやる」
 アズマ「そういう事。それをポーカーフェイスって言うんだ。覚えとけ」
 サイトー(大川透)「お前らには無理だな。
俺がやってきた命の駆け引きに比べたら、ポーカーなんてガキの遊びだ」
 ミニミ「言ってくれるじゃねえか。
あんたが一流のスナイパーだってことは認めるが、それとポーカーを比べられても説得力はないな」
 「俺は一度、腹の底から震えが来るような相手と一対一のスナイピングを経験した事がある。
あの時ほど相手との心理戦を怖いと思った事はない。
その勝負を経験して以来、たいていの奴の思っている事は一目見れば予測できるようになった」
 「信じられねえなそんな話」
 タチコマ「ちなみにそれはどんな相手だったの?」「聞きたいのか?」「「聞きたい聞きたい!」
 …「全員レイズなら話してやってもいい」…ミニミ「別にあんたの話を聞きたいわけじゃない。誤解するなよ」
 「あれは2020年の夏、ユーラシアが不毛な消耗戦に明け暮れ、
奇妙な政治バランスの狭間で外罰的鎖国状況を享受しつづけている日本に嫌気がさしていた俺が、
メキシコ暫定政権に味方する義勇軍、赤いビアンコに傭兵として参加していた時の話だ。
そしてあの時はまだ、俺の左目は無事にそこに収まっていた。中東の石油に南米の麻薬。
利権が発生する所には常に争いがつきまとう。
先の核大戦で分裂し、くたびれきっていた米帝は、
新大陸の麻薬市場を壊滅させる事で無駄な国家予算の流出を抑える事を本気で考え始めていた。
メキシコの涜職政権を打倒するという名目で国連を焚き付けた米帝は、英日で編成された国連軍を南米に派兵。まずは迅速な首都攻略を理由に絨毯爆撃を敢行し、
その後抵抗するゲリラを一掃すべくモントレーに機械化師団を送り込むとう荒業に出ていた。
爆撃後、国連軍の機甲部隊により味方が全滅した俺は、潮時とばかりに投降する機会を窺っていた。
そんな時だ。敵の通信を傍受していた端末が、戦術核を持った特殊部隊との接触を告げてきた。
それまで大した戦果を挙げていなかった俺は、スリルという土産と引き換えに、
給料分の仕事をしてやろうと考えた。
戦術核なんてとんでもない代物を持ち込もうって不届き者に、神の目線からの恐怖を与えてやるのだと、
本気で考えていたわけだ」

 爆撃でメチャクチャに壊された街。雨が降ってくる。特殊部隊には草薙素子とイシカワとバトーもいた。
 5時、時計台の鐘が鳴り始める。サイトー、戦術核を持った男、マザー伍長(松尾まつお)を狙撃する。
 イシカワに命じて敵の居場所を突き止めさせる素子。「衛星は使ってない。半径1km以内に攻撃ジャマー」
 「ジャマーの発信源から相手の位置を割り出せるか」「やってるよ」バトー「手際が良いな。あんたら古いのか」  「無駄口きいてる暇があったら索敵しろ。新入りが」
 ロッド軍曹(たぶん 藤原啓治)、ジンジャー(杉山大)にマザー伍長を助けに行かせ、自分達は援護するが、
ジンジャー撃たれる。
 敵は西側の建物にいると西側をいっせいに攻撃する特殊部隊。
 サイトーは遠隔操作で東側から20ミリを撃ち、車を爆発させる。敵の居場所が分らず混乱する部隊。
 素子「待て! 撃つのをやめろ!やめるんだ!」皆撃つのを止める。「ジンジャーはどっから撃たれた?」
 スノー(竹田雅則)「西だ」
 ロッド「何を言ってる!今車が吹き飛んだのを見たろう!敵は東だ。いや、囲まれた可能性が高い!」
 素子「イシカワ、ジャミングの出所(でどころ)は」
 「おおよそだが三ヶ所。一つは東の建物、後の二つは教会と病院だろう」「東は囮だと思うか」
 「多分な。20ミリが来る前、ジャミングが一瞬途絶えてる。それに太陽を背にするのは基本だろ」
 「軍曹!東は囮で多分無人だ。囲まれていたらもっと撃たれてる。
もしかしたら相手は狙撃手一人かもしれない」
 「なぜそんな事が言える!」「状況がそう教えている! 提案がある」素子,上着を脱ぎ始める。
 「今から私が東の建物を廻ってそっちに行く。建物が無人とわかったら合図する。
そうしたら一斉に教会と病院に向けて撃ちまくれ。その隙に伍長と戦術核を回収しろ。
あれが無ければ前進も後退も出来ない」
 「よし。スノーと二人で行け」

 東の建物を確認する素子。もちろん無人だ。

 雨が上がる。
 素子「やはり無人だった。御丁寧に弾は一発。食えない相手だ。でも敵はおそらく一人だ。数で追い込む」
 軍曹「ようし、スナイパーは教会だ。一気に落とすぞ」
 「いや病院かもしれない。
ジャミングを一度切っている事から、発信機が確認できない廃墟は除外しても、病院の線は捨てきれない」
 「あそこから直線距離にして何mあると思う!教会だ!」
 「なぜそう言い切れる。あえてGPSを使えなくしてまでスナイピングで挑んでくる奴だ。
コリオリの法則まで熟知した手練だったら全員殺されるぞ!」
 言い合う二人を見てバトー「めんどくせえ。どっちでもいいだろうが!」
 イシカワ「あわてるな。戦場じゃ勇猛さより慎重さが生き延びる秘訣だ。あのメスゴリラをよく見とけ。
本当のプロってのはああいう奴のことを言うんだ」
 「メスゴリラ?」

 索敵するサイトー。ピクルスを狙撃する。素子、素早く敵を見つけ、イシカワに援護させ、戦術核を回収する。
 狙撃兵と戦う事にする部隊。サイトーも決戦の時が近づいていた事を悟った。

 現代のサイトー「戦場での殺し合いは誰が誰を殺したかわからん。だがその中で一つだけ例外がある。
それはスナイパーだ。狙撃にはその行為自体に始めから名詞が付いちまってる。
だからスナイパーだけは捕虜になれない。
自分達の仲間や指揮官を殺したかたきとして、必ずその場で殺される運命だ」

 軍曹を狙撃するサイトー。無反動砲を建物に撃ち込むイシカワ。
 スモーク弾を撃ちこみ、素子とスノーが突入する。
 サイトー、素子を狙うが、彼女は素早く、狙撃する事が出来ない。スノーを狙撃するサイトー。
 バトー、弾切れになる。イシカワ「もういい。少佐に任せるんだ。後はあいつが何とかする」
 「少佐だ? 何なんだよ、メスゴリラだの…。あいつは何モンだ?」
 「さあなあ。ただあいつは戦闘の天才だって事だ。そして俺達は彼女の事を少佐と呼ぶ」

 一人階段を駆け上る素子。上から水が流れ落ちていて、彼女の顔にかかる。
 壁に体をくっつけ、少しづつ先に進む素子。開いた戸口状の所に鏡を伸ばして中を見る。誰も見えない。
 柱の裏にいるサイトー。
 銃からケーブルを引っ張り、首に繋ぐ素子、素早く飛び出して、撃ち、サイトーの足元のパソコンを壊す。
 サイトーと素子、銃を構え対峙する。一瞬、又柱の後ろに戻るサイトー。

 「俺は少佐と対峙したそのわずか1秒足らずの間にこの撃ち合いの結末を想像し、戦慄した。
それは、俺のスナイパーとしての経験が、あらゆる状況を想定した上ではじき出した結論だった。俺はやられる。ライフルを腰だめに構え、まばたきすらしないその身のこなしから、
彼女が全身義体のサイボーグだとすぐに理解した。
そしてその手にあるライフルはフルセンシングのセミオート。
当然、射撃制御ソフトは長中短距離をフルインストール。
試しに俺は、イメージの中で一発、少佐に向けて発射した。
少佐に初弾を打ち落とされ、ボルトアクションの俺は柱に身を隠す間に二発目をくらう。
それは、何度シミュレーションしても同じだった」
 タチコマ「でもでも、そのままでは…!」
 「ああ。このままではいずれやられる。俺はこの状況から、どうすれば逆転できるかを、必死で考えた。
そして、あるものに気づいた。それは最初に少佐が撃った、ジャミング装置だった。
少佐はなぜ初めに三発も使ってこいつを壊したのか?
まてよ、もしかして奴は、中距離射撃の制御ソフトはインストールしていない?いや、そうにちがいない。
奴はスナイパーのポジションにありながら、フルセンシングのライフルをショートバレルにしていた。
それは中距離時、サブマシンガンの代用とする事を前提にしている為だ。
なら、俺とここでスナイピングするためには、制御ソフトがいる!
奴は今制御ソフトを、衛星からダウンロードしている最中か!間に合え!」
 サイトーが撃つ。素子も撃ってくる。
 二つの弾丸は交差し、サイトーの弾丸は素子の頬をかすめ、素子の弾丸はサイトーの左目をかすめる。
 走ってくる素子、サイトーが取り出した銃を叩き落し、腕を取り、ナイフで左目を切りつける。
 「貴様、いい腕をしているな。今から私の部下になれ」「あんた、初めっから…」
(怖い女…。でも私が言われたら何か嬉しい)

 「そう、俺は初めから少佐のポーカーフェイスにはめられていたんだ。
そして、俺に断る権利は残されていなかった。それは、少佐からの最初の命令だったからだ」
 シーンとする車内。サイトーがラストカードを要求する。
 ミニミ「面白い話だったが、このゲームとは関係ない。有り金全部レイズだ」「じゃあ俺も全部だ」
 「強がるな!今度ばっかりはハッタリでどうにかなる勝負じゃねえ。
お前の狙いはスペードのロイヤルフラッシュだろ。だがお前はブタさ。
何故ならスペードのエースは俺に来ているからさ」
 手持ちの札をその場にさらすミニミ。エースのフォーカード。
 「お前に勝ち目はねえ。それに今の話も嘘だろ。
面白い話だったが、たしか昔の映画に似たような話があったっけなあ」「ああ、その通り。全部作り話だよ」
 タチコマ「えっ、そうなの?」サイトー、立ち上がり、たぶん狙撃銃を入れてるケース(?)を持つ。
 「今日はこの辺で勘弁してやる。アズマ、精算しとけよ」
 ミニミ「へっ、恥ずかしくなったか。おい新人、立て替えとけよ」「ちぇっ、わがままな先輩だぜ」
 タチコマ「サイトーさん、ホントにブタだったのかな?」カードを見る。
 「おおっ!!みんな見て見て!サイトーさん最後にスペードの9でストレートフラッシュが出来てるよ!」驚く皆。  「ってことは、さっきの話も、ホントかも…。かも…」

感想:二人が対峙するシーンが美しい。いや、素子の顔が水に濡れるシーンから美しい。弾丸が美しい。
 またたかない素子の顔が印象的。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 07
関連サイト
野良犬の塒クゼヒデオって九世英雄なのね。
攻殻機動隊PKI-B-Wikiセリフが網羅されています。

今回から支障のない程度にブログペットのちっちゃんの俳句を残していこうかと思います。
「振り回し 監督したら 神話かな」


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草迷宮 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」 
原作・協力:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸 西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司 常木志伸 音楽:菅野よう子 制作:Production I.G 美術監督:竹田悠介

「草迷宮 affection」第11話 ☆☆☆☆☆
脚本:大松裕 神山健治 作画監督:中村悟

 草薙素子(田中敦子)がレストルーム(一階ではない)に入る。彼女を密かに見張っている二人の男。
 誰かと通信。窓ははめ殺しとの情報。
 彼女は外に通じる窓を開け(はめ殺しじゃない)そこから勢いをつけて飛び出す。
 そのまま向かいにビルの壁をけり、そのようにジャンプしながら屋上に行く。
 空には真昼の月と飛行機雲。(さすが少佐、カッコイイ!)新規採用のテストだった。
 男達は偽の記憶を咬まされたのだ。後三組6名のテストをしなければならない。

 「これで最後?」と素子。「ああ、残念ながらな」とバトー(大塚明夫)。下町。素子の後をつける男二人。
 階段状の路地に入る素子。上から黄色いボールが転がってくる。それを手にして階段を上がっていく素子。
 男達、彼女を見失ってしまう。「申し訳ありません。ターゲットをロストしました」
 バトー「ほう、で、どうするんだあ、これから」「もう一度捜索してみますが」「あ、そう。じゃ、がんばれや」
 トグサ(山寺宏一)「冷たいんじゃないの?」「同情してどうする」…「少佐、終わりだ。帰ろうぜ。…少佐?」
 「少佐?」「つながらねえ」「怒って帰ったのかな?」
 トグサの顔を見るバトー。(トグサ、少佐がこんな事で怒るわけないだろ)

 不自然に人が誰もいない下町。素子はバトーに呼びかけるがアクセス出来ない。ハッキングされたらしい。

 突き当たりにある「牢記物店」という看板を掲げた店。
 皮膚触素への感覚は明らかに現実なのに、まるで現実感がない。中に入る。香炉から煙。二階に上がる素子。 そこには緑の車が置いてあり、中には子供の姿をした義体があった。少年と少女。
 少女は首に赤、青、緑の三色の折鶴のレイを下げている。「可愛いでしょ,その子達」(谷育子)
 急に呼びかけられ、後ろを振り向く素子。LPレコードを手にしたショールを羽織った年配の女。
 「あなた、ここの店主?」「そのようなものね。お預けになりたいものは何かしら?」「預ける?」
 「そうよ。ここはお客様の外部記憶を預かる商いをしているの。
ここにある物は他人から見れば何の価値も無い物ばかりだけど、
一つ一つには持ち主の思いだが沢山詰まってるの。
だから時々この物達から発せられる残留思念で息が詰まる事があるわ」
 沢山あるLPレコード、ビデオ、本(ミュシャのポスターが一杯)。
 彼女のピアスが光り、下げられたスーツにある万年筆が光る。「残留思念・・」
 「あなたも、それに惹かれてここに来たんじゃないのかしら?
全身義体としてはかなり初期に作られた珍しいものよ。この子達にまつわる思い出はいつも私をつらくさせる。
でもそれと同時に、他人の記憶を預かることの喜びも味あわせてくれるのよ」
 「この子達の間に、どんな記憶が?」柱時計が鳴る。6時。
 「いけないもうこんな時間、申し訳ないけど今日は早仕舞いなの。
又時間のある時にいらして。その時にゆっくりお話しして差し上げるわ」
 腕時計を見(7時5分かな)、顔を上げたらそこは店の外。暗くなる店。人々がちゃんといる。花火。
 「そうか、あの妙な感覚は…郷愁…」

 9課に帰ってくる少佐。
 本採用にこぎつけそうなのは課長の知り合いからの推薦で、陸自情報部上がりの男一人だそうだ。
 帰る素子。トグサが自分だって9課に来る前だったら、少佐に5分で撒かれていたと言う。
 バトーは最後までストーキングできるそうだ。(ホントかよ?)

 少佐をストーキングするバトー。ボールを手に持ちながら階段を上がる少佐。バトー、少佐を見失う。

 牢記物。この二つの義体は今では成人になった男の子がずっと大切に保管していた物だそうだ。
 男の子は6歳の時に飛行機事故に遭遇。
 乗客のほとんどが死亡、救助された人々も間もなく全員が亡くなった、
男の子と隣に座っていた女の子を残して。
 女の子は意識が戻らず、男の子は左手以外全く動かなかった。
 男の子の両親は亡くなり、最初の頃は来ていた親戚の足も遠のいた。
 男の子は女の子をたった一人の友達と思い、彼女が目を覚ましますようにと左手で折鶴を折り続けた。
 最初はベッドの横の紙の端を破って口も使いながら折り、出来た折鶴を見て涙を浮かべ、隣の女の子を見る。  初期は綺麗に出来なかった折鶴も綺麗に折れるようになった。しかし女の子の容態が急変。
 女の子は遠くへ行ってしまったと聞かされる。
 それから二年、男の子は誰とも口を利かずに、黙って折鶴だけを折った。それまでと違い白い紙だけで折った。 親類と共に若い医師がやってきて体を全部取り替える治療法があるが、
受けてみる勇気があるかと言って来る。
 うまく行けば普通の生活が出来るようになると。
 しかし男の子には普通の生活に戻りたいという動機がなかった。
(他に誰もいないICU。ありえないが、象徴的な場面ね…)
 一人の女の子が男の子の心を開くきっかけになった。それが義体の少女。
 少女は全身義体の治療を受けて成功していた。医者に連れられてやってきた彼女。
 笑顔のない彼女の頬を引っ張り無理矢理笑顔らしき顔にする医師。それを嫌がる少女。
 毎日のように会いに来る少女。そこらに撒き散らされてる白い折鶴をダンボールに片付ける少女。
 ダンボールが何箱も積まさっている。キックボードで大部屋を乗り回す少女。
 折にふれ、義体化する事を勧める少女。
 「君は義体で折鶴が折れるの?もし出来るならば僕も全身義体になってもいいよ」
と黄色いボールを握りながら言う男の子。
 少女にはまだ繊細な動作は出来なかった。うまく折鶴が折れない。
 「死んでしまった女の子の為に鶴を折る事も出来なくなるなら、このままでいい」
 「今度は私があなたのために折鶴を練習するね」と悲しそうな笑顔で言って女の子は病院から消えてしまう。
 その瞬間男の子は気づく、少女は隣の女の子だと。
 男の子は全身義体化をし、女の子に会いに行く事を決意する。しかし女の子は見つからなかった。
 女の子の義体は男の子が大学の研究室で見つけたそうだ。男の子は大戦末期、外国に出兵してそれっきり。  「そう」素子は立ち上がり「話してくれて有難う。
きっと女の子も初めて好きになった男の子を今でも捜しているんでしょうね」
 車の中に砂糖の包み紙で折った(左手で)折鶴を置いていく素子。右手には黄色いボール。
 ボールを階段状路地に落としていく素子。

 9課。窓際に座っている素子。バトー「アイスティーの氷が溶けてるぞ~」「わかってるわよ。何?」
 「実は連中の試験の事なんだが、難易度設定を再考の上でもう一度トライさせてやりてえんだよ。どう思う?」  「どういう風の吹き回し?」
 「いやなあ、俺も入隊したばかりの頃は、意外に実力出し切れなくて上官に怒鳴られてたっけかなー、
なんて事を思い出しちまってさ」
 「そうね。確かに始めから上手く出来る人なんて、いないかもね」「ああ、そう言ってもらえると、俺も、助かるよ」  夜、月の影になる飛行機。

感想:この男の子はこれから出てくるんでしょうか。それとももう出てる?(くぜ?ああ、わかんないよ~!)
 ドアノブの描写から何から素晴らしかったです。(もしかして音響も…。こういうのの良し悪しはわからないが)
他の方々のサイトを読んでの感想
 クゼ、みたいですね…何でも、トラックを運転してるシーンに折鶴があるとか…。
 それからクゼメインの時はタイトルが白いらしい。そして経歴的にも合うらしい…。
 私にとってはこのブログが外部記憶だな。後他サイト。 
参考サイト
読観日記+遊(牢記の意味を教えてくれました)

「名も無き者へ SELECON」☆☆☆☆☆
脚本;大松裕 神山健治 作画監督:後藤隆幸 絵コンテ・演出:橘正紀 

 金色に輝くネット内。タチコマ(玉川紗己子)2体が走っている。ボーマ(山口太郎)と一緒にだった。
 防壁を解除し始めるタチコマ。北半球経由でヨーロッパの衛星網を通らないと行けないステルスゲート。
 そこにあるのはカワシマの外部記憶。
 個別の11人がウィルスによって発症するという証拠が残されている可能性がある。
 素子が潜ろうとすると荒巻課長(阪脩)から至急来てくれと言って来る。
 素子は潜るのをボーマにまかせ、自分はバトーとサイトー(大川透)、パズを連れて課長の元に行く。
 ゲートに向かうイシカワ(仲野裕)、トグサ、ボーマ。
 彼らのネット上の姿はタチコマみたいに3次元じゃない、ただの円。ボーマがゲートを潜る。
 第6レベルに怪しいファイルがあるそうだ。ファイル名はインディヴィジュアル・イレヴン。
 個別の11人を融和するウィルスかどうか確認するためにボーマの電脳に落とし込む事にする。

 一方課長の部屋。今から22分前に長崎沿岸で撮られた映像にクゼが映っていた。
 長崎に飛びクゼを捕らえろと指示を出す荒巻。

 ボーマは話しかけても何の反応も無い。強制終了させる。ボーマによると中身は出来の悪い評論文だそうだ。

 クゼは個別の11人が現れた因子を、そのまま電脳内に保有している可能性がある。
 しかしPKF仕様なので各器官が個別に稼動するイモータル義体だった。頭を撃たなきゃ止まらない。

 ボーマは発症しない。トグサは個別の11人の評論文の紙媒体の原書を見つけるよう荒巻に命じられる。
 ボーマとイシカワはカワシマの外部記憶の構造解析をする。

 沖縄県慰霊の碑。
 外国人戦没者慰霊碑に手向けられた線香を踏みにじる男、手に布で巻いた刀状の物を持っている。
 「やめておけ。その思いはこれからの行動に向けて取っておけ」と言われる。
 続々と集まる手に刀状の物を持つ黒っぽい服装の男達。

 オペレーター(大野エリ)からクゼを見失ったという情報が入る。
 鹿児島方面に向かっていたそうだが、車をリモート運転にかえ、自分は貨物車両に移ったらしい。
 車のAIから情報を探ろうとしたらネットが切れた。彼には電子戦の心得もあるらしい。
 素子達は鹿児島に向かう。

 鹿児島県戦没者慰霊之塔。
 一人白を基調とした衣装のクゼ(髪も白いし 小山力也)、黒っぽい服の集団に合流する。
 もちろんクゼも日本刀を持っている。

 新浜大学社会学部。
 個別の11人の原書はパトリック・シルベストルがルーマニア革命に身を投じ、
その生涯を閉じる直前たった20冊のみ出版されたそうだ。
 トグサに見せようと本棚の前に行く教授(宇野? 北川米彦)。ところが原書も復刻版も見当たらない。

 車上の男達。「時に貴様はどのような手段で奉仕を?」
 「俺は難民問題に対し融和政策を唱える国賊議員を刺殺しただけだ。貴様は何を」
 「俺達はJNNテレビの経理ネットに進入し、難民支援の義援金不正流用を演出した」「ほう」
 「我々は、もっと直接的な行為で難民開放を促してやった」
 「うむ。難民支援団体帰難会爆破、あれは俺達の奉仕だ」
 「帰難会爆破は大きく報道はされたが、所詮は難民同士の繋がりを断ったに過ぎん。
我らは本当の国賊である、裏切り者を消去した」
 「難民に義体を無償提供していたNPOを狙ったのだ」
 「爆破は失敗に終わったようだがな。
確かに国賊を討つのも一興だが、やはり開放すべき難民の動脈を断つことが重要」
 「ならばお前は何をした」「ネットバンク頭取の首を取った」
 「難民出身でありながら、ネットバンク設立で財をなした、ジマ・イチヒロ会長をやったのはお前だったのか」
 「難民の動脈を断つという意味では貴様に負けるが、世論に与えた衝撃では、自分の犯行も負けてはいない。人気電脳ラッパー、デンセツを殺したのは俺だ。
それともう一つ、政府の隠し原発より掘り出された燃料棒を難民が襲撃するといったブラフを流したのも俺だ」
 「やるな。確かにあれは国民と難民の双方の心理に多大な影響を及ぼした」
 「デンセツは、難民の若者達にとっての精神的支柱。それを失った彼らの心に憎しみが宿るのは当然。
さらに蜂起を促すブラフか」
 「貴様の奉仕の後では我らの所業は霞むな」
 「残念ながらな。
だが、国賊である医師の命を絶つことにより難民の血脈を断つという意味においては、右に同じ」
 「貴様は、どういった奉仕を」クゼ「茅葺を、暗殺しようとした」
 「ほう、ずいぶんと大胆な手に出たな。だがそのような事件があった事、一度も聞いてはいないぞ」
 「個別の11人の犯行声明同様、無視されたのだろう。それは大した問題ではない。
だが時に、お前達の言う難民開放は、彼らに絶望を与えているだけにしか見えんが、それは何故だ?」
 「国賊や同胞からの支援を断ち、自立という名の解放を促してやる。
それが国民に難民という異物の存在を自発的に気づかせてやる最良の手段だからだ。違うか」
(明らかに矛盾した事を言っているのに、全然気づいてないクゼ以外の男達。
合田の撒いたウィルスというのはこんなにも人の脳を歪めるのか)

 ボーマが気づく、
 初期革命評論集の評論文全部と個別の11人の評論文を読むとウィルスを発症させるのではないかと。

 少佐達は鹿児島県戦没者慰霊塔にいるクゼを発見する。

 国会図書館にも個別の11人は無く、トグサは別の心当たりに行ってみる。

 車上。男達が誰が最後の演説をするかを話し合っている。ある男に決まりそれで異存ないかときかれるクゼ。  「ああ。だが、一つ頼みがある。我らが個別の11人、差し支えなければ貴様のそれを見せてくれないか。
版数は初版か?」
 「うむ。待て。(探すが見つからない)版数を知りたいのなら俺のも確か初版だ」「本当か?」「あ、ああ」
 「今日ここの赴くに当たり、俺も個別の11人を懐に忍ばせてくるつもりだった。
しかし、いくら探しても見つからない。
(今まで口を開かずしゃべっていたクゼがここから口を開いてしゃべる)何故だ?!(皆も探すが見つからない)
頼む、誰か、個別の11人を!」
(20冊しかない初版をこんなに大勢の人間が持っているはずが無い。偽の記憶か。
しかし教授も持ってなかったのはなぜ。合田が回収したのか。
どなたかがクゼは口を開かずにしゃべると書いてあり、今さら気づきましたが、
口開けてしゃべる事も出来るんですね)

 「土橋文也事務所」があるビルに入るトグサ。
 上から三橋(乃村健次)が2,3段とびで降りてきて、トグサを見ると無理矢理上の方に引っ張っていく。
 事務所、土橋(保村真)が大型カッターナイフを自分の首に当てていた。

 ボーマはシルベストルの「初期革命評論集」を全部、電脳に入れたが(たぶん、そういう事よね)何とも無い。
 で、最後に個別の11人を又入れたら、そのとたんおかしくなる。
 イシカワはボーマを殴り倒し、ボーマの電脳活性をオフ、記録を再生禁止にする。内務省から緊急連絡。
 どこかのビルの屋上にいるクゼと男達。課長は素子に連絡を入れる。あのビルは九州電波塔。
 チャンネル・ダブルスリーでクゼ達の映像を放映している。お互いに頭を斬り落とす男達。
 しかしクゼは相手の頭を斬り落とすが、自分は生き残り逃げる。土橋事務所。
 トグサが土橋を落ち着かせようと個別の11人の評論の事を聞く。
 「個別の11人なんて評論は初めっから存在していなかったんだ。
あるのはただ、個別の11人という作られた思想だけだ。俺は個別の11人!とうとうこの時を迎えた。
ふんん!!」
 土橋、首を切る。事務所のテレビには11人の死体。

感想:合田、コワイ男…。しかしクゼはなぜウィルス通りに動かない。クゼは何のために男達と合流したのだ。
 何に呼ばれたのだ?土橋もウィルスに犯されてたのか。「個別の11人」の評論は合田が作ったものなのか…。 日本のためになると思っているから、彼の部下達も動いているのよね。
 合田は正しく評価されない事への意趣返しか…、表向きは日本のためでも…。
 安い労働力が欲しいから、難民を受け入れ、うまくいかなくなると難民を排除。
 でも又、安い労働力が必要になり…。今も世界中で起こっている事だけど、解決法は無いのか。
下記に書いた神山監督の語った事を聞いて
 以前書いたゴーダ嫌い発言撤回。まだわからないから、保留。基本的にいやには違いないが…。
 人を平気で踏みにじっている感じだから。
(私も悪の道に入るなら、武器商人が良いななんて思う人間だが…。
人をおだて、さもその人が望んでるような形にして、商売をするというのが…良い感じ…。
人殺しの機械をさも素晴らしい物のように言うのも魅力的だ。まあ頭がついていかないから、無理だが)
 ユーゴは金がある方の国が独立していった。
 アメリカでも金持ちが、税金がひたすらに貧しい人達の地域に垂れ流されるのがいやと、
わかれたいと言っていたような…。
 難民独立ってそういう感じ?まあ、まだゴーダの意図はわからんが…。
 でも金持ちだって家政婦とか、学校とか安い労働力が必要だったりするのよね。
 アメリカでは犯罪を恐れて、金持ちだけで土地を囲い、後は排除したりしているが、
他の所だと家政婦が通いやすいように直通バスだか電車だかを作ってたりするそうだ。
 今、日本もフィリピンから看護婦を入れたと思ったけど。
 最初の個別の11人はゴーダプロデュースじゃないのか。という事は「個別の11人」の評論はほんとにあるの? 教授の記憶を変える理由が無いもんなあ。
 それとも、最初の個別の11人を元にシルベストルの思想を流用しながらゴーダが作った。
 ボーマが出来の悪い評論だと言ってるもんな。クゼは違和感を覚えなければそのまま自決したって事?
 クゼはもともと難民側に立つ動機があり、それゆえにゴーダプロデュースのウィルス通りに動かなかったのか?
他サイトを読んでの感想
 クゼヒデオは救世英雄。難民を救うための真の英雄になるということか。ゴーダの英雄は偽の英雄だし。
 後「個別の11人」は無いんですね、合田の作り話。教授が発症してないのは元々の人間性によるのかな。
 クゼもゴーダが思った方向には行かなかったし。
 大体「初期革命評論集」を読み、
「個別の11人」を苦労して探して読むというだけで人間の振り分けがある程度出来る。
 土橋はしゃべりで戦う人なのね。
参考サイト
攻殻機動隊PKI-B-Wiki(セリフが網羅されています)
師匠の不定期日記(画像あります)
蒼い髪と黒いノートと黄色いドロボウ(攻殻機動隊諸情報あり)
族長の初夏(タチコマの日々のネタ)

神山健治監督が語る!

 第三次核大戦と第四次非核大戦というのが過去にあった。
 日本が被害を受けたのは第三次核大戦の方で、何ヶ所かに核が落ちている。
 そのまま放置されている都市もあるし、復興した部分もある。
 復興していく中で、
大陸の方から難民になった人達を労働者という形で日本政府が受け入れたというのが招慰難民。

『個別の11人事件』を振り返る

 九州の方に首都が移っているが、
今の日本みたいに首都機能が全部一極集中しちゃってると戦争とか起きた時に困るという事で、
他の所にも各機能を分散している。
 新浜とその首都、福岡の関係はアメリカのワシントンD.Cとニューヨークみたいな関係。
 比較的中心は福岡の方にあるのかなと分けている。
 福岡を復興するに当たってアジアの難民というのが随分来た。
 そういった人達が貴重な労働力として復興に力を貸してくれたわけだけど、
その人達を仕事が無くなったらどうするかということで、
何の対策も講じないままいるという事実だけが残ってしまった。
 彼らを招いた時に住まわせるために作った所が出島という所だが、
それ以外に街にあふれちゃった人達が復興されていない関東その他に勝手に住むようになっていて、
スラム化している所に暮らしてしまっている。
 治安も悪くなっているし、その部分に関しては政府もノンタッチの状態になってしまっていた。
 第一話で出てきた個別の11人は難民排除、難民居住区撤廃、
難民を受け入れない中国政府に対しての抗議という形で現れますけれど、
後から出てくる個別の11人は難民を解放するという言い方をしている。
 思想的な背景は右なのか左なのかわからない。
 開放という裏側にあるものが額面どおりの解放ではなく、排除していくという事と実は同義語。
 日本という国に根をおろし始めている難民自体、彼らの生活基盤、
彼らが築いてきたインフラみたいなものを絶っていうようなテロも起きている。
 その中でクゼという男は難民政策を行っている茅葺を暗殺未遂という形で難民解放を促すというテロを起こす。
 この三つ、ちょっとずつ非常に似ているけれど、ずれている個別の11人というものがいる。
 笑い男篇で言うと模倣者を伝播させていくオリジナルが、実は一番最初に出てきた連中の方がオリジナルで、それ以降に出て来てる方がむしろ模倣者なんじゃないだろうかというのが38話までの流れの中で出てくる。

ゴーダの存在と企み

 個別の11人自体というのはゴーダがプロデュースしてたウィルスによって発生した模倣者って言うか、
作られた英雄達であった。
 集団自決してしまうというのはゴーダがね、
個別の11人を演出する時に参考にしたパトリック・シルベストルの思想書の中にある
「英雄のラストは死をもって締めくくられる」という言葉を、その言葉どおり実践して、
自分達の思想みたいなものを伝播した後で、みんな死んでしまう。おそらくその場に居続ける事によって、
憎しみの連鎖のね、憎悪の対象に自分達がなってしまう可能性もあるわけですよね、
テロ行為を続ける事によって。実は開放という裏には排斥していこう、
難民の血脈を絶っていこうというもくろみが最初からあったという事で、難民も怒らせるし、
実はこういう難民がいるから税金が上がってるんだよとか、そういった地道な宣伝活動ですよね。
 それがある程度、導火線に火がついて、止まらなくなったら自分達は表舞台から去ると。
 そういうふうな筋書きを最初から用意されていた人々だったと。
 自決もおそらくゴーダが最初に個別の11人をプロデュースする段階のラストにそういうふうに最後は自決してしまうんだというふうにプログラムされていた人達。
 最初に1話で登場したその大使館を占拠した人達、
 その哲学みたいなものをゴーダは上手い事パクッて持ってきたりとか、
シルベストルの思想をうまく紛れ込ましたりとか。

動機ある男、クゼ

 彼だけが、難民を解放しようとした。茅葺が難民政策を行っていく中で、それが遅々として進まないと。
 それに対する抗議の意味での暗殺未遂。
 彼だけが聖典個別の11人を持って来ようと思ったが無い、何処に行ったんだろうなあ。
 最後に自決プログラムが発症する寸前で、クゼだけは何かおかしいんじゃないかと気が付いたんでしょうね。
 すんなり自決を受け入れる事が出来なかった。
 自分にはやる事があるというか、動機というものをわりと持っている人間。
 他の個別の11人は作られた思想、ウィルスだったためにすんなり自決してしまってますけど、
クゼにだけは別の確固たる動機がおそらく存在するのだろう。

今後のゴーダ、クゼ、そして9課

 この後クゼがどういう形で現れるかというと、ホントに難民を解放するという形で革命家として、
難民側の人間として姿を現す事になると思う。
 ゴーダがやりたい事というのも、とりあえず、導火線に火がついただけで、
最後の落とし所は一体何なんだろうと。
 難民が自分達でね、出島に集まってきて、独立していきたい、そういう流れになってますよね。
 国民は難民なんかもういらないんじゃないかと。
 憎しみの連鎖はもう始まってるので、それ自体は後戻りさせる事は出来ないという状態になった。
 じゃ、それがホントに目的なのか、ゴーダの…。
 今後の展開の中で、9課が、ゴーダが仕組んだ大きな波の中に、9課も排除していこうという思惑もあって、
見事に排除されてしまってるわけですけど、クゼっていう男がそこに現れる事で、
9課がそれを事件として唯一コミットしていく入り口になっていく。
 そのキーワードにもなっていくわけですよね、クゼが自決しなかった事で。そこを突破口に、
ゴーダが仕掛けた事件にもう一度9課が挑戦していく唯一のカードがクゼなんだ。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 06

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絶望という名の希望

「絶望という名の希望 AMBIVALENCE」攻殻機動隊 2nd.GIG 第9話 ☆☆☆☆
原作・協力:士郎正宗 監督・シリーズ構成・脚本:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクター・デザイン:後藤隆幸 、西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司・常木志伸 音楽:菅野よう子 演出:吉原正行 脚本:佐藤大、松家雄一郎 作画監督:浅野恭司 絵コンテ:岡村天斎 演出:竹下健一

 何処かのコンピューター室。ハッキングがしかけられる。
 保安課主任(志村知幸)「ポセイドンのデカトンケイルにバックアップを申請しろ」
 コンピューターの画面ではタチコマが密かに動いていた。

 ショッピングモールで爆発。
 バトー(大塚明夫)、トグサ(山寺宏一)、ボーマ(山口太郎)、イシカワ(仲野裕)が来る。
 ネジクギを仕込んだプラスチック爆弾を使っての、自爆である。どうやらこういう事が前にも会ったらしい。
 予告を出しての自爆テロ。予告では後もう一件あった。イシカワの考えでは恐怖が目的の犯行だ。
 バトー「課長。これじゃどうにも追いつけねえ。犯行予告の中に、時間や場所のヒントは見つからねえのかよ」
 荒巻大輔(阪脩)「今の所、
本日中に5件の自爆テロを新浜市内で起こすというメールが県警に送りつけられただけだ。
 先週福岡で起きたタイプと同様なら、間違いなく最後の1件も、ここ新浜で起きるだろう。
 お前達は現場を県警に引き継ぎ、次の犯行をなんとしても食い止めろ」
 「新浜中の義体化した人間を拘束しろとでも?」トグサがこの自爆テロが起こっている現状を嘆く。
 バトーが「そんな事言ってられる程、平和じゃなくなってきたって事さ、この国もな」と言うと、
「確かに。難民問題はいつ火がついてもおかしくない火薬庫だし」とトグサが言う。
 バトー、トグサの言葉により、犯人が難民である可能性に気づき、
課長に自爆した人間の生きていた時の姿をそろえてくれと頼む。
 「こういった事件はな、他人に強要されたり、上からの命令なんかで、
そうそう大規模に起こる様なシロモンじゃねえ。
 自爆テロってやつは、自分が生きていく上で、一切の希望が持てなくなった時にやらかすもんなんだよ」

 どこかの建物に入っていく草薙素子(田中敦子)。彼女の前に警備が次々と解除されていく。
 どうやらエージェント化させたタチコマ(玉川紗己子)の働きらしい。
 距離的なロスをほとんど考える必要がないそうだ。
 一番最初に出てきたコンピューターだらけの部屋、保安室、
そこに素子が入ってきて男(この部屋でただ一人の人間)に直接ジャックする。
 「なんでもかんでもAIまかせだと、ネズミやネコにも出し抜かれるわよ」

 爆破された店舗の最初の2件は個別主義者達が集うサロンとして使用していたビルで、
次の2件は難民措置法を隠れ蓑に実利を上げていた団体の持ち物と判明。
 先程の爆破されたレストランも背景は同様だった。
 荒巻「至急県警に連絡。
個別主義者の集う集会所、ならびに、難民措置法で資金調達を行っている暴力団関係の事務所、
店舗などに警官を巡回させろ。
 難民キャンプ出身者と思われる20歳前後の人物を見つけたら、男女を問わず職質。
 義体化率の高いものほど注意してかかれとな」

 トグサ「恐怖の大きさが目的なら、爆破予告すら出さずに決行したほうがより効果的だと思うんだけど。
やつらは何で最初に予告を出して来るんだと思う?」
 バトー「さぁな。誰かに知っといてもらいたいんじゃねえのか。自分のとった最後の行動を」

 素子「予想通りか。
合田の経歴からポセイドンとのパイプが太いことも確認していたが、ここまでマニュアル化されているとはな。
罠か、あるいは…」
 ネットに没入する素子。

 デカトンケイル、大量のデータを元に仮想人格を構築しシュミレーションしている。
 素子、そこにクロマファイルを使って現れる。男が一人座っている。「お前は誰だ」
 合田一人(西田健)「私は合田一人。
かつては大日本技研で放射能粉塵除去、分子工学ロボットプロジェクトにも従事していた」
 「(放射能粉塵除去?日本の奇跡のことだな)技術者としてか?」
 「とんでもない。私の脳は言語機能に特化している。
 二度にわたる大戦後、私のプロデュースした放射能除去技術を用いて、
この国は再び経済大国にのし上がった。
私もその時に、人としての最上部構造へ行くはずだった。
しかしこの国が国際社会の中でたいした地位を獲得できなかったように、
私もシステムの中で大きな位置を占めることが出来なかった」
 「社会は口だけの人間に具体的な評価を与えてくれなかったって事かしら?」
 「私は、ずいぶん以前から今の社会システムには、致命的な構造的欠陥があることを発見していた」
 「それは?」
 「本来変質しないはずの情報の変質と、個性という名の幻想的オリジナリティが、
今の社会システム内において、いとも簡単に並列化を起こしてしまうという事だ。
 それを私は、“消費という名のクリエイト行為”と名づけている」
 「ネットに引きこもった個がたどり着きそうな結論だな」
 「スタンド・アローン・コンプレックス。幸い私には孤独に対する強固なまでの耐性があった。
しかしだ、私が社会に及ぼした功績を、システムが真っ当に評価しなかった理由を、
私が生まれもって持ち合わせた資質がそうさせていたのだと気づくのに、随分時間がかかったよ」
 「つまり、自分に劣等感があった」
 「いや、存在そのものに問題があったのだ。社会にはシステム自身が望む人格というものが確実に存在する。  人はそれを渇望する。なのに、そのことに対しては悪戯なまでに無自覚だ」
 「今の自分には満足を?」
 「予想以上にね。
物理的身体とは逆説的にその存在が確認されているゴーストが、
実は体の変化に応じて変容するという事実を知っているか」
 「さぁ。かつて革命に自身の存在意義を見出した思想家が、それを実践して見せたことがあったみたいだけど」  「パトリック・シルベストルか。私も彼の思想に傾倒したことがある。
英雄に憧れ、カリスマを得たいと本気で望んだ。私は人の上に立つはずの人間だ。
その思いは、物心がついた頃から私の中にあった。結果、体がそれを邪魔したわけだが、運命は私に味方した。死線をさ迷う事故に遭遇し、私の体は変貌を遂げ、期せずしてゴーストも変化した。
革命と遭遇する事で先の思想家がそうしたように私も使命を得たのだ。
国家というシステムを私が再構築するという使命をね」
 「国家改造論者?それとも誇大妄想狂?」
 「今この国が求めているものは、第三者を消費することでのみ成立する桃源郷の再現だ。
かつて、この国は偶然にもそれを体現した歴史がある。動機なき者たちは今もそれを無自覚に欲している。
私は彼らにそれを与えてやるだけだ」
 「それで自分が英雄になると?」
 「ふっふっふ。今の私にその願望はない。私の役目はその英雄をプロデュースする事。
動機なき者達が切望し、しかし、声を大にして言えないことを代弁し実行してくれる行動者を作り出す事だ」
 「消費の果ての桃源郷とは冷戦構造下の日本の事か。
…では、お前がプロデュースするという英雄とは誰だ?…個別の十一人か?」

 合田本人達が部屋に入って来、「ああ!まずい!!」とコンピューターの画面から逃げ出すタチコマ。
 そこにいた保安部員がフリーズされている事が見つかってしまう。「予想より遅かったな」と合田。

 デカトンケイル内。タチコマがバレた事を報告してくる。
 「わかった。では、お前のいう英雄の敵は難民か?彼らを仮想敵とすることで国民の思想を誘導する。
違うか?!」
 「思想誘導は必要だろう。そのために法を曲げることもな。結果が手段を正当化する。
これはテロリストにも、民主国家にも通用する理論だ」
 「難民の排除が国民の総意だと?」「奥ゆかしさが我が国民の美徳だ」タチコマ「少佐!」
 「わかってる。最後に一つ、公安9課をどう思っている?」
 「9課。そうだな。…不在による憎しみの連鎖はもう止まらない。
彼らは総意としての国民の意思と自身の正義、その狭間で苦悩するだろう」

 地下鉄駅に来たバトーとトグサ。。所轄が職質したら自爆すると脅しながら地下鉄に逃げ込んだそうだ。
 列車が乗客を乗せたままほぼ駅構内に侵入している。犯人は少女(松浦チエ)だった。怯えている。
 両手を後ろで組むようにと言うトグサ。その通りにする少女。囲んでいた機動隊が少女に接近していく。
 ハッと怯える少女、決意したように顔をゆがめる。バトーが銃を構えながら走って来る。
 「どけ!」との声にどくトグサ。バトーが少女を撃つ。列車に乗っていた乗客達の前で撃たれる少女。
 口の中に信管があった。

 素子、ハッキングを止め、天井の空調扉(?)から逃げる。合田達が来る。天井の扉を見上げる合田。

 荒巻「何とか最後は抑えたか…」バトー「辛うじてな…。だが尾を引くぞ。こいつは難民達からの宣戦布告だ」
 素子「バトーの読み、残念ながら正解よ。
個別の十一人は、おそらく合田のプロデュースしたインディビジュアリスト。その目的は難民の蜂起。
落としどころは、さしずめこの国に彼らの自治区を作り出すってことじゃないかしら。ここまでは完敗ね。
合田が考える憎しみの連鎖は、確かに始まっている」

感想:哲学本を読んでも右から左へスルーする頭の持ち主の私にはさっぱりわかりません。
 自分達と異なるものを排除するという事は良くある事だけど、そういう行為が英雄に繋がるか?
 どちらかと言うと異分子も取り入れてしまうのが英雄だと思うが…。
 自治区って言うとパレスチナを思い出しちゃうけど、
日本人は難民に自分達の土地を半永久的にやっちゃう事を納得するのか?
 パレスチナとは明らかに違う。まあ、この問題は今も世界中でギクシャクしてるね。
 外国人が今自分のいる国を裏切りやすいというのは嘘。外国人が貢献したというのは歴史上実際にある。
 コミュニケーションと理解する努力と寛容さが大事なのかな?難しい。
 確かに私だって感情的には違和感を感じちゃうだろう。
 合田嫌い。
 あの人格シュミレーションはわざと見せた感じだからまだ彼が何を考えているか分からないけれど、
どう見ても人の痛みを何とも思ってない感じ。
 頭デッカチバカって気がする。
 何となく「終戦のローレライ」の浅倉良橘大佐と同じ匂いがするような…。
(じゃあ何でよはんは好きなんだ、自分?あっちの方が質が悪いぞ。もしかして、顔?)
From 攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG 草薙素子 in CG (忍者服 Ver.)
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 05
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野良犬の塒
式船です。前段として…
式船です。情報の果たす機能…

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狂想は亡国の調べ 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」原作:士郎正宗 シリーズ構成:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸 西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司 常木志伸 美術監督:竹田悠介 音楽:菅野よう子 監督:神山健治 制作:Production I.G

「狂想は亡国の調べ Pu239」 ☆☆☆☆
脚本:藤咲淳一、神山健治 絵コンテ:西村純二 演出:川崎逸朗 作画監督:村田俊治

 ボート上。商人から武器を買う男(三宅健太)。
 男がスーツケースを開けると受領書だけで金は入っていなかった。その受領書には個別の十一人のマーク。
 そして物品受領書には「1702式自動ライフル 200丁、18式無反動対戦車砲 22丁、手榴弾 180発、
ガンシップ 4隻、 ジェットスキー 8台、携帯式ミサイルランチャー 15丁、義体用フローター 48機」とある。
 海上保安庁がやってきて商人達を一掃するが、男はそれを予期しており、無事逃れる。

 公安9課は新宿大深度地下原発のプルトニウム燃料棒の移送をまかされる。
 実は別の者が極秘裏に海路を使って移送するはずだったのだが、テロリストの脅迫状が来たのだ。
 そこには「新たな国民として開放が待たれる難民の足元で政府が行った愚行に対し、
我々は天罰を加える所存である。
 難民の手で難民の土地より掘り出されし物は難民の手に返されることが妥当であると我々は考える。
 個別の十一人」と書かれてあった。
 テロリストの残した受領書から海上での襲撃が予測されるため、陸路での移送となったのだ。
 移送には合田一人(西田健)も同行する事になっていた。

 陸自から燃料棒が入ったトランクを預かり、移送開始。難民達が見守る中走るバス。
 車と並んで走る少女を見て陸自の隊員が言う。「無邪気なもんだな」
 それを聞いた合田が「おい、知ってるか?
 長崎の難民居住区じゃ、あの位の少女が警官に発砲した事件が起きたばかりだ」と言う。

 前の方に横倒しになっているトラックと数人の難民達。
 草薙素子(田中敦子)とサイトー(大川透)が難民に対処する事にする。
 合田も同行を申し出、陸自からも一人連れて行きたいと言う。
 得物を持って近づいてくる難民達。
 中の一人がおそらくパイプの一部を持って横倒しになっている自動車に降り立つ。
 それを見て合田が陸自の隊員に「おい、あいつ銃を持っているぞ」と言う。隊員、銃を乱射する。

 スーツケースにはプルトニウムは入っていなかった。陸自の第2架設小隊が海上に送ったのだ。
 バトー(大塚明夫)が「俺達を何だと思ってやがるんだ」と言うと、
合田は「お前達こそ自分を何だと思っているんだ。少数精鋭の選りすぐり部隊か?
 そんなもの流出した重火器で武装した難民共が大挙して押し寄せていたら手も足も出なかっただろう。
 私の演出で囮役を演じられただけでもありがたいと思いたまえ。失礼する」と言い放つ。

感想

 合田を初めて見た時セクシーだと思った。でも今回の合田は平気で人の心を操り楽しんでいた。好きではない。 人死にも出したし。必要とは思われない。
 彼は頭が切れるし、一見穏やかそうに見えるのだが、なぜ公安9課の心証を必要以上に悪くするのだろう。
 必要なのか?そうとは思えない。最後の彼の言葉、少数精鋭を気取っている公安9課が癇に障るのだろうか。

 イタリア人質事件。彼女は自分と知っていてわざとやったのだと言っているがそれは信じられない。
 しかしアメリカ軍の言う事も信じられない。
 車に乗っていた人達がわざわざ危ない真似をする必要性はないからだ。
 今のアメリカ軍は疑心暗鬼に囚われていて、大勢の何の害も無いイラク人を殺しているのだと思う。
 テロでピリピリしている。イラク人にとってはたまったもんじゃないだろう。

「素食の晩餐 FAKE FOOD」☆☆☆
脚本:佐藤大、神山健治 絵コンテ・演出:布施木一喜 作画監督:新野量太 

 警察庁指定広域重要104号事件こと個別の11人事件。
 「JNNテレビ義援金不正流出事件」、「難民支援組合爆破事件」、
「無償義体を難民に提供していたNPO団体脅迫事件」、「闇義体医師溺死事件」、「ネットバンク頭取轢殺事件」、「民政党代議士刺殺事件」、「人気電脳ラッパー『デンセツ』射殺事件」、「南陽新聞社脅迫事件」、
そして「茅葺総理暗殺未遂事件」が個別の11人と名乗る者達が起こした事件だ。
 これらの事件のうち容疑者が目撃されている事件は首相暗殺事件のみとされていたが、
他にも容疑者らしき人物が目撃された事件が見つかった。
 南洋新聞は今までに3度社屋に銃弾を撃ち込まれているが、
その全ての事件発生時に防犯カメラに映っていた男がいた。
 名前はカワシマショー。一月ほど前から台湾素食の調理人として南洋新聞社近くの料理店に勤めている。
 元自衛官だ。
 バトーとトグサ(山寺宏一)、サイトー、パズ(小野塚貴志)がカワシマショーの身柄を確保するよう素子に命じられる。

 カワシマはアパートには四日以上帰っていないし、店にも出てきていなかった。
 数をカバーするためにタチコマ(玉川紗己子)三機を送る素子。
 危ぶむトグサにタチコマ達は自分達が機能アップされた事を強調する
 (まあ、情報欲しさにトグサから離れたタチコマがいたからな。彼の危惧は当然…)。
 「やだなぁ、トグサくぅ~ん。
 僕達、個体差を維持したまま並列化できるようになって、エージェント機能が追加されたんだよぉ~。
 エッヘン~!」
 「いわば幽体離脱できるようになったって感じー」
 「これで身体を現場に留めたまま、絶えず情報の摂取に行けちゃうんだよねぇ」
 「僕達はこれを情報の宴と呼んでいるんだ」

 イシカワ(仲野裕)が合田の学生時代の卒論を見つける。
 「電脳は社会性を営む上で個性と協調性のどちらを尊重するか。
 プロデューサーとしての立ち位置からの英雄論」というものだ。
 「意外に興味深い内容だ。
 タイトルにもあるように今の社会構造には電脳が個の消失と共に無意識下での協調性を望む傾向にある事を示唆しているんだが、
そいつを応用して大衆の無意識を意識的にコントロールするリーダーをシステムの一部として創造するという内容だ」
 素子「笑い男事件を構造解析したような内容ね」
 「あぁ。だが日付を見る限りでは、こいつが書かれたのは笑い男事件より随分前ってことになるな。
 その後ヤツは情報科学、情報倫理、応用情報論などを学び、1度民間企業に就職している」
 「民間?」
 「今や義体技術やマイクロマシン製造でその名を知らないものはいない超多国籍企業ポセイドン・インダストリアル。
 当時の大日本(にっぽん)技研だ。」

 店に設置したカメラに映っている料理を見てうらやましそうなトグサ。
 その料理はウナギの料理に見えたが、実はグルテンとシイタケを素材にした偽ウナギ料理だった。
 台湾素食とは僧侶が編み出した料理で、豆やキノコの類を細工して肉や魚を再現しているものだった。
 トグサ「でもさ、なぜ台湾の坊さんはそんな面倒な料理法を思いついたんだ?
 初めから肉の味を知らなきゃ、そんな必要ないわけだろ?」
 バトー「そりゃそうさ。だがな、誰だって仏門に入る前はなんでも食えるんだ。
 いくら修行の身でもその頃の記憶を消すことは出来ねえよ」
 「なるほどね。でも、やけに詳しいんだな。もしかして、旦那も本物の味が懐かしくなるとか」
 「たとえサイボーグでも脳が求める食欲はある。だからこそ娯楽としてのサイボーグ食も作られるって事だ」

 テレビの討論番組を見ている合田一人。
 「今夜のテーマは難民問題とテロリズムですが、この所の流れをもう一度整理しておきたいんだけれど、
政策目標を失った政府の怠慢が個別主義者の台頭を促し、義心に答えを見出す過激因子が登場してきた、
ということでしょうか?」
 土橋文也(保村真)「それは違う。今の政権が弱いから出てきたわけじゃないです。
 現政権が発足する前から国防族議員は新日米安保の締結を考えていた。
 今ならアメリカからイニシアチブを奪えるってね。個別主義ってのはその流れに並行して既にあったわけ。
 むしろインディビジュアリスト達を過激にさせたのは、税金を無駄に食いつぶす三百万の難民だ。
 いい加減奴らを何とかしなきゃならない時期に、この国は来てるってことですよ」
 土橋の前に置かれているネームプレートの「土」という文字が見ようによっては十一とも見える。
 それを見て面白いとつぶやく合田。録画させる。
 「もし難民を急速に刺激したら、それこそ彼らも収まりが着かなくなる。
 俗にいう自爆テロなんかは、自らの未来に一筋の希望も持てなくなった時に起こす最終手段なんです。
 だから彼らには自発的に自立を促していく必要があるんです。解放という名の自由を与えてね」

 やはり同じ番組を見ているトグサ。土橋に気づく。
 「恐らく事件自体は皆さんも知っているとは思うんですが、
中国大使館立て篭もり事件以後に8件ほどテロ事件が起きているのをご存知ですよね」
 「電脳ミュージシャンや、難民に対して宥和政策を掲げていた議員が刺殺された事件のことか?」
 「そうです。それらの事件で警察庁はマスコミに対して全く発表していない事実があるんです」
 「勿体つけないで、早く教えてよ」「このマークを見たことはありますか?」個別の11人のマークを見せる。
 「犯行声明文として送りつけられた手紙に、全て共通して書かれていたマークなんです」■
 「では、このマークの読み方を知ったら、あなた達も少し驚くかもしれませんよ。
 このマークは個別の11人と読みます。
 この呼び名は半世紀前に書かれたある評論集のタイトルから取られたものですが、
この名を使って事件を起こしている者達は、難民を解放するという動機の下に、
横のつながりを持たずに現れた個別の集団なんです。
 難民街の上空を自衛軍のヘリが飛びまわったのを機に姿を見せ始めたインディビジュアリスト、
彼らは難民を本気で解放しようとする動機を持った…」

 黄村(朝倉栄介)が合田に南洋の感染者に関しては公安一課を操作しているから、
じきにパージ出来ると言っている。
 首相暗殺事件の感染者はPKFで半島に行っていて、名はクゼヒデオだと。

 荒巻大輔(阪脩)は久保田(鈴木泰明)から、
公安一課がウォン・チューレンという殺し屋がカワシマの顔を盗んで中華街に潜んでいるから顔のデータをくれと言ってきたと聞かされる。
 それを素子に伝える荒巻。ウォン・チューレンは台湾出身の国際的テロリストで暗殺命令が出ていた。
 一課によりカワシマは殺される。カワシマの顔は義体化されておらず、彼はウォン・チューレンではなかった。

感想

 個別の11人の仕掛け人は合田達なのか?
 今のところ難民自身が動いている感じではない(それとも動いている?)。
 こうやってテロを起こし、政情を不安定にして、そして狙っているのは何?
 土橋が言っていた新日米安保が狙い?クーデターする気じゃないよね、いくら何でも。
 合田が義体技術やマイクロマシン製造で有名な企業に就職していた事も関係あるのかな。

 合田のような仕事で目立つ容姿と言うのはデメリットの方が大きい気がするが、
前の平凡な容姿がイヤだったのかな。
 インパクトの影響力の方をとったか…。事故にこだわりがあるのか…。

 全然関係ないけど轢死体と言うと下山事件を思い出す。調べれば調べるほど闇が深いとわかるとかいう事件。 うん、日本の黒い霧って感じ。他にはマルコムXの父親が轢殺されたという事も思い出す。
 何か轢死体って言うといや~な感じがしてしまう私。
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 04

参考になるサイト
攻殻機動隊PKI-B-Wiki
野良犬の塒
攻殻機動隊の日本地理


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動機ある者たち 他

「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」
原作:士郎正宗 シリーズ構成・監督:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクターデザイン:後藤隆幸 西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司 常木志伸 音楽:菅野よう子 制作:Production I.G 美術監督:竹田悠介

「動機ある者たち INDUCTANCE」☆☆☆☆☆
脚本:佐藤大、神山健治 作画監督:後藤隆幸 絵コンテ:布施木一喜 演出:竹下健一

 茅葺総理(榊原良子)が出島キャンプを視察して車に乗り込むと、渡された花束から封筒が落ちる。
 その封筒には難民解放機構と書いてあり、何を意味するかわからないマークがあった。
 首相暗殺をほのめかす脅迫状だった。荒巻大輔(阪脩)が呼ばれる。
 中国大使館占拠事件以降、目に付いてきた多数のテロ群の中に、
そのマークが印してある犯行声明文は警察が把握しているだけで今までに7件あり、
南洋新聞社への脅迫状にもそのマークがあった。
 そのマークの事件にはこれといった共通点が無く、それぞれ単独犯をにおわす物だったので、
マークの統一性に気づいたのは最近で、まだ関連性はわかっていなかった。
 9課で総理の身辺警護を行うことになる。

 ニュース映像には茅葺総理が映っている。その前に瞑目し端座している男クゼ(小山力也)。
 彼の前には総理の難民キャンプを一面で報道している各新聞と、一振りの日本刀。
 「予告状についてのリアクションは無しか。
 一旦は難民の解放を口にしておきながら、一向にその行動を起こせぬお前に、
その理念を貫くことは荷が重かったように見える。
 しかるべき制裁を加えることで、お前の背中を押す。だが彼女との密会は、一期一会。
 一度立ったからには、その目的を果たさずして身を引くことは許されない。
 だが目的無く立てば、どのような思想も容易に敗北し、挫折する。我は動機ある者、個別の十一人」
 彼は刀を抜き、画面に刀を向ける。

 さまざまな情報が映し出されている画面の前で新聞の切抜きをしている合田一人(西田健)。
 官房からの情報を受け取る。首相暗殺の件だった。
 彼はうちからも総理に張り付かせ、予告状を出した奴の姿を確認させ、
もし9課の手にそいつが落ちそうになったら、こっちで引き取れと命令する。

 トグサ達はマークについて調べていた。
 トグサ(山寺宏一)の既存のモチーフを使っているのではないかと言う言葉に、
イシカワ(仲野裕)がネットで情報を検索する。
 そこで見つけたのは、このマークはこれで「個別の十一人」と読むと言う事。
 元はパトリック・シルベストルの「国家と革命への省察 初期革命評論集」から来ている。
 「第三身分の台頭」「支配からの脱却」「王朝の終焉」(この三つはフランス革命についてかな~。わからん)
「社会主義への希求」「狂喜前夜」「神との別離」
(この三つはロシア革命?「神との別離」の所に載っている写真はロシアっぽいし)
「カストロとゲバラ」
「虚無の12年」(文革かな~。←間違いでした。「野良犬の塒」を見て、お願い。ポル・ポトでも無いよね)
「原理への回帰」(イラン革命よね)の9編と作者自身が遭遇した「五月革命」の10編でなっている。
 しかし日本で起きた事件を革命と見出せなかった作者がお蔵入りにした幻の一編が、
「個別の十一人」と言うんだそうだ。
 トグサは陸自のヘリ暴走事件のパイロットの部屋にこのマークが書かれたメモがあった事を思い出す。
 そして中国大使館占拠事件の犯人達が名乗った名前が「個別の十一人」である事も。

 トラックを運転しているクゼ。
 「目覚めた同志からのメッセージ。その意味を考えろ。我が闘争の聖典『個別の十一人』。
 あれが何故素晴らしいか。それは彼が五・一五事件を日本の能と照らし合わせ、その本質を論じた所にある。
 能とは、戦国の武士達があらゆる芸能をさげすむ中、唯一認めてきた芸事だ。
 それは幾多の芸能の本質が、既に決定された物事を繰り返しうるという虚像に過ぎないのに対し、 能楽だけは、その公演をただ一度きりのものと限定し、そこに込められる精神は現実の行動に限りなく近しいとされているからだ。 一度きりの人生を革命の指導者として終えるなら、その人生は至高のものとして昇華する。
 英雄の最後は死によって締めくくられ、永遠を得(う)る。 
 それが、シルベストルによって記された『個別の十一人』の内容だ」

 総理がいる部屋に入ってくる草薙素子(田中敦子)。
 彼女宛の小包を荒巻に見せようとするが、総理も見たいと言う。

 トグサ達。評論の内容自体は発見できなかった。
 この評論が取り上げているのは五・一五事件。
 11名の被告達は弁護を拒否し、死刑を覚悟、涙ながらに陳述し、
それを聞いて裁判官も検察も報道も傍聴席も涙を流した。
 公判までは殆ど見られなかった減刑運動が起こり、35万の嘆願書が寄せられ、
11本の指が公判廷へと運び込まれ、世論は最高潮に達した
 (「野良犬の塒」さんによると指は9本だそう。
 浅間山荘事件の時も、俺に犯人を説得させてくれと指を送ってきた人がいたそうだ)。

 小包の中身は11本の指。おそらく廃棄された義体から切断されたもの。

 夜、寺に屏風を運び込むクゼ。

 朝?寺への山道を登るタチコマ(玉川紗己子)三体。 
 「ねぇねぇ。座禅って宗教的意味よりも、むしろ人間の業を雑念から解放する意味合いが強いんでしょ?」
 「僕達で言うと、溜まったキャッシュ上のデータを消去するって事かもしれないね。
 それと並列化を足したような意味かな」
 「じゃあ、座禅を組んでる人と繋がったら、悟りがダウンロードできちゃうかも!」「うん!」
 いつもながらに楽しい会話。

 寺で座禅をする首相。9課は本堂には入れない。代わりに首相は素子とインターセプターで繋がる事を同意した。  首相の前に現れる日本刀を持ったクゼ(光学迷彩使用)。光学迷彩を解く。 「正義は我にあり。消去!」
 日本刀を振りかぶり、首相に振り下ろそうとするクゼ。素子がクゼに発砲。
 体に弾丸が何発も撃ち込まれているのに、クゼは全然傷ついた様子が無い。
 再びクゼが首相に振り下ろした刀を銃で受け止める素子。
 バトー(大塚明夫)が現れ、クゼは屋根を突き破り逃げる。
 タチコマ達が屋根に現れるが、クゼはものすごいジャンプ力を示し、光学迷彩で消える。
 荒巻達に「申し訳ありませんでした。もしあなた方がいなかったら今頃は…」と言う首相。
 「どうかしら?犯人に殺す意志がなかっただけかもしれない」と厳しい顔で素子。
 彼女の言葉に驚きを示す首相と荒巻。その場をそっと去る男。クゼが作った天井の穴を見上げる素子達。

感想

 有難う、攻殻機動隊PKI-BーWiki
 セリフが書いてあって助かります。自分でセリフを聞き取り、書くのは骨だ。

 金城武をモデルに作られたと言うクゼ。金城よりカッコイイ。
 金城って結構男から見た良い男の代表なのね(もちろん女から見てもハンサムだが)。
 二・二六も五・一五も今から見れば立派なテロだけど、あの頃は結構同情的だったのよね。
 あの頃の兵士は地方出身者が多く、地方の現状を憂えたって聞いた事があるけれど、
いつものようにちゃんと調べたわけではない。
 殺された人達、別に悪くは無かったから、やっぱあまり同情できない。
 「個別の十一人」ってネットでゆるく繋がってるのかな。合田一人達は何を考えているのかな。

「潜在熱源 EXCAVATION」第6話 ☆☆☆☆☆
脚本:藤咲淳一、神山健治 作画監督:浅野恭司 絵コンテ:下司泰弘 演出:河野利幸

 壊れた義体を前にして立つトグサと荒巻。この義体はエネルギー省を脅迫したという男の物。
 脳殻に確実なダメージを与えるように轢かれた可能性が高く、事故に見せかけた他殺らしい。
 しかし事故を起こしたトラック運転手は居眠り運転で記憶が無いと言う。
 義体は2902式トヨダケミカル製、脳殻はデルモ式改。型落ちながら新品の国産機種。
 外装は市販の標準モデルで、顔はオートクチュール。脳殻にある刻印に注目するトグサ。
 旧首都の新宿区(大戦で水没)のマークで、脳殻はガラスと鉛でコーティングされていた。
 男の所持品はルポライターの連絡先が書かれてあるメモとマリッジリング。

 カウンターのある店でルポライターの三橋タカシ(乃村健次)に会うトグサ。
 連絡は東京の公衆端末から、証拠として送ってきた物は真っ黒く感光しているフィルム
 (今時フィルムを扱える人は少なく、デジタルデータより証拠になる)。

 東京、気持ち良いほど晴れ。
 半袖のトグサ、残留放射能が気になるらしく、ガイガーカウンター付き腕時計をチェック。
 タチコマがポッドに入れてあげても良いと言うが、断るトグサ。

 ゴチャゴチャとした露天街。タチコマにとって気になる物が一杯。
 トグサが男の写真を見せて街の人に聞いていると、声をかけて来た男(坂口候一?)が。
 彼によると、この男は知らないが、4,5日前に物騒な顔した黒スーツの男がこの男について聞いてきて、
ついさっきも若いネーチャンが寄せ場のあたりでこの男を捜していたそうだ。

 コタンカンジという男について街の人に聞く女(林原めぐみ)。相手は知っていると言って彼女を導く。
 彼女の後をそこにいた二人の男もついて行く。それを見守る黒いきちっとした服装の男二人。
 そして寄せ場に来たトグサも女に気づく。一方店にあった脳殻を堪能したタチコマ。
 トグサを見つけようとするがどこにもいない。トグサに繋いでおいた糸も切れていた
 (バトーは「さん」付けで、トグサは「君」付けなのね)。
 路地裏で男三人に囲まれる女。
 その時強化版メリケンサック(?スタン機能付き?)を付けたトグサが彼女を助ける。

 小汚いホテルの一室。荒巻に連絡するトグサ。
 女、アサギルリコは写真の男をコタンカンジと認め、指輪もコタンの物だと言った。
 彼女は難民支援のNGOに参加し、関東招慰難民居住区にいたコタンカンジと知り合った。
 一週間前に別れを告げるメールが届き、彼女は秋田から捜しに来たのだ。
 ピンクの携帯と二つの指輪を置いて、シャワーを浴びている彼女。
 シャワーを終え、バスローブを纏い、トグサの横に腰を下ろす。
 コタンはIDを取得しようとしたのだが、義体が規格以下で審査を通れなかった。
 しかしニイハマで見つかった彼の義体は国産品。彼らの部屋の前の路地には窓を見上げる人影。
 寄せ場を洗ってみる事にする二人。

 荻窪駅前。人が一杯。人の名前が書き連ねてあるPDAを持っている男(手配師 辻親八)。
 一月くらい前、ウチカンナナ(水没している)に行く気のある奴にはただで義体をくれると言う話しがあったそうだ。
 周りの人間に、例のただで義体がもらえる場所を知っている奴はいねえかと男が声をかけると、
周りと違う顔つきでこっちを見ている男(古本新之輔)がいる。
 その男はトグサと目が合うと逃げる。
 行き止まりに追い詰められ、男は公園でトグサとルリコに知っている事を話す。
 仕事は黒松電設のもので、戦争で埋まった施設を掘り起こすという事だった。
 大深度地下まで潜るので全身義体は必須。彼はコタンと一緒に「ネッコウ」とかいう作業をやった。
 彼が全身義体では無いと聞いたコタンは、ここを出ないと死ぬと言った。
 しかし彼は金が欲しく、そのまま作業を続けた。
 コタンはフィルムを渡し、これが黒くなったら逃げ出せと言った(放射線に被曝すると黒くなるのかな)。
 突然サイレンが鳴り、ひどい状態の技術者が担架で運ばれて行って、黒づくめの連中が入って来、
彼とコタンは逃げた。
 逃げ切れなかった連中は鉄の扉に閉じ込められた。
 コタンは、トンネルの奥で見た物を世間に広めなけらばいけないと言っていた。

 ウチカンナナ。陸自がいた。男に案内された地下鉄跡に入っていく二人。ビルから影が見つめる。
 階段の先には巨大な縦穴。穴にコンクリート(?)を流し込む作業をしている。大勢の作業員。
 「フィルムバッジの着用を忘れずに」と書かれてある足元にあった板(?)には「東京原子力発」の文字。
 ガイガーカウンターを確かめると458と言う数字が…。現れる二体のアームスーツ。トグサ達を追う。
 エレベーターで逃げ、廊下の先の扉を開くと、海上のはるか上。
 手を上げてアームスーツに対峙するとタチコマが助けに来る。
 そこは廃墟の、二つのビルから煙(湯気?)を上げている東京都庁。3台のヘリが来る。

 荒巻に報告するトグサ。
 報告を終えると、通りすがりの人が抱える新聞に、
コタンと一緒に作業をしていた男が解体されていたという記事が載っているのを見る。
 ハッとするトグサ。新幹線(?リニアらしい)に乗って行ったトグサを見送る黒シャツ。
 トグサが携帯をかけると、駅のプラットフォームに置き捨てられたピンクの携帯が空しく鳴り続ける。

感想

 荒巻は軍は事情を把握していないと言っていたけど、じゃあ、あの陸自は何?
 都庁の下に原発作ったのは、原発は絶対安全と言い切った石原都知事か
 (「野良犬の塒」さんによると原発には大量の水が必要で、戦後に作られたんだろうとの事)?
 原発掘り起こして、核でも作る気?もしかしてトグサ、被爆したんじゃないかな。大丈夫?

 半ば水没している廃墟の東京は魅力的でした。

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