モンスター(36)

終わりの風景 他

「MONSTER」原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明

「終わりの風景」CHAPTER73 ☆☆☆☆
脚本:筆安一幸 絵コンテ:小島正幸、高橋亨 演出:小島正幸、鶴岡耕次郎 作画監督:津幡佳明

雨が降る中を、死体がごろごろ転がっている町を彷徨うヘルベルト・クナウプ(花輪英司)。
 「悪魔だ…。この町に、悪魔が来たんだぁ!」と頭を抱え、叫ぶヘルベルト。

 ホテル・ベルクバッハに銃を持って飛び込もうとしている天馬賢三(木内秀信)とポッペ(野沢那智)。
 そこにヴィム少年(矢島晶子)がやってくる。ニナ・フォルトナーが来た事を知らせにきたのだ。
 「ニナと、呼ばれているのか…。あの子は今、ニナと呼ばれているのか…」「ええ…ニナ・フォルトナー…」
 「良い名前だ…」泣いているポッペ。「名前は大切にしろって、ポッペさん、いつも言ってたもんね」
 そこにヨハン(佐々木望)が現れる。「ヴィムを連れて、早く物陰へ!」
 二人の前に立ち、ヨハンの方に銃を向けるテンマ。「やっと会えましたね、Dr.テンマ」
 撃とうとするテンマを銃のグリップで殴って、その前に出るポッペ。「死のう…私と一緒に…死のう…」
 ポッペ撃たれて倒れる。

 フランツ・ボナパルタを捜して町を駆けるニナ・フォルトナー(能登麻美子)。
 赤いバラの屋敷であの人はニナに言ったのだ。
 「良いかい、よく聞くんだ。…今見たことはみんな忘れるんだ。遠くへ逃げるんだ。出来るだけ遠くへ。
人間はね、なんにだってなれるんだよ。君達は美しい宝石だ。だから怪物になんかなっちゃいけない」

 倒れたポッペに駆け寄るヴィム。ポッペを殺したのはロベルト(勝部演之)だった。
 ロベルトはヨハン達に近づき、ヨハンを見て倒れる。「見せてくれ…終わりの風景を…」「君には…見えないよ…」 しかし、その声は、もうロベルトには、届かなかった。雨の雫が彼の目から涙のように流れる。
 テンマはヨハンを撃とうと銃を構える。
 「Dr.テンマ、あなたにとって、命は平等だった。だから僕は生き返った。でも、もう気付いたでしょう。
誰にも平等なのは…、死だけだ」
 ヨハンは自分の額を右手の人差し指で指差す。「あなたには見える…終わりの風景が…」
 二人の周りの風景が風吹きすさぶ荒野に変わる。「だめっ!」ニナの声が響く。ヨハンは手を下ろす。
 「あたしは…、あたしはあなたを許す。世界中にあたし達二人だけになっても、あなたを許す。
それがあたしの、あなたへの…」
 「だめだよ…取り戻せない物がある…。もう後戻りは出来ない…。Dr.テンマは僕を撃つんだ…。
そうでしょ、Dr.テンマ…」
 銃を取り出しヴィムに向けるヨハン。「そうでしょ」
 ヨハンの頭に銃弾が撃ち込まれ、ヨハンは頭から一筋の血を流しながら倒れる。

 町をとぼとぼと歩いていたヘルベルトは、ヴィムが銃を突きつけられている光景に出くわす。
 ヘルベルトはヴィムに銃を向けている男を撃つ。

 町にやっと助けがやってくる。
 ヘルベルトは角がたくさんはえた、頭が七つもある怪物が、息子に襲いかかっていたと言った。
 ルンゲ(磯部勉)は生きていた。ヘニッヒ(佐々木勝彦)は宝くじを失くした事に気付く。
 捜しに行こうとするが、フランカ(藤夏子)はもういいよと言う。
 「あんなもん、なくていいよ…。私達こうして生きてるだけで、十分だよ」
 二人見つめあい、微笑みあって、抱き合う。
 ヘリに運び込まれたルンゲの隣には頭部に重体な傷をおっているヨハンがいた。
 ルンゲはテンマを呼ぶように言う。テンマにあなたを必要としている患者がいると言う救急隊員。
 後ろでは父ちゃんは人殺しではないと叫ぶヴィム少年。あなたは間違っていないとニナ。
 テンマはヨハンの手術をする。

感想:あの荒野の風景は彼らの心には見えていたのよね。
 そしてヘルベルトにはしっかりヨハンの姿が見えていたんだ。でも、ヨハンをただ悪とは思いたくない。
 本当に優しく、人の心に寄り添えるから、あんなにも人の心が分かるんだと…思いたい…。
 でも、彼が非常に恐い人であることは確か…。やはりこの手の悪は虚無に等しい。一番恐いのは虚無か?

「本当の怪物」CHAPTER74 ☆☆☆☆
脚本:浦畑達彦 絵コンテ:小島正幸、いしづかあつこ 演出:大野和寿 作画監督:清水洋

 エヴァ(小山茉美)キッチンのコーディネイターという仕事を始めた。酒は一滴も飲んでいない。
 「けっこうだ。ゆっくりゆっくりいこう。あせっても同じように今日は過ぎ行き、明日は来る」
とDr.ライヒワイン(永井一郎)。
 「幸せっていうのはそんなもんだ…でしょ」「聞き飽きたか」
 「幸せ…か…。彼は、私が駅で待っているだけで、幸せだって言ってた」「マルティンっていう男か」
 「不思議ね、人間て…。悲しみはどんどん薄れていって、楽しかった記憶ばかりが残っていく…。
人間って、都合よく出来てるわよね…」
 「だから生きていけるんだ」

 「紹介します。この人がヴァーデマン弁護士(大林隆介)。
あなたにかけられた嫌疑を晴らしてくれた人です、グリマーさん」
 花束をグリマーの墓に手向けるスーク(菅沼久義)。
 ヴァーデマンはグリマーに関してわかる限りの事を調べ上げたが、彼の本当の名前はわからずに終わった。
 「名前だけじゃない。彼は何も語らずにいった」ルンゲが来た。ルンゲは警察大学校の教授になった。
 彼はこの頃娘とよく電子メールで会話するようになっていた。
 「これまで私達親子は何も語らずに過ごしてきた。お互い、何も知らずに生きてきた」
 持ってきたビールをグリマーの墓の前に置くルンゲ。
 「人間は、一生のうちでどれほどの事を伝える事が出来るのか…。たくさん話したい事があったろうに…。
うまいビールを飲みながら…」

 エヴァはデュッセルドルフに戻ると言う。「そうか…大丈夫かい?あそこは、君にとってはいろいろと…」
 「逃げ出そうとしても無駄だ。大切なのは事実と向き合い前に進む事だ。…でしょ」
 エヴァはライヒワインにテンマの記事を集めたスクラップブックを渡し、適当に処分してと去る。
 Dr.テンマの無実は証明された。彼はミュンスター大学医学部に教授として招請されたが、断った。
 そして国境なき医師団に参加。

 南フランス。テンマはどうやらここの養老院に何度か来ているらしい。ベンチに座っている老婦人(高島雅羅)。  彼女は双子の母親だった。
 「私は彼を愛した。彼はあの男に殺された。…それはあの男の実験だった。私はあの男を、決して許さない。
…私が死んでも、私の中でどんどん大きくなっていく子供達が、必ずあの男に罰を下す…」
 右手を少しあげ、その手を見つめる彼女。
 「手を…手を、離さないで…。手を……。本当の怪物は、誰…?あの子達は、生きているのね…」
 「ええ、元気です…」涙を流す彼女。「思い出したの」「何をですか」
 「二度と思い出さないかもしれない。今、言わなきゃ。あの子達に名前をつけたの。あの子達の名前はね…」

 息せき切って駆けていくニナ。クローネッカー教授(鈴木泰明)の部屋に入る。遅刻だ。
 彼女の卒論はトップだった。ニナにディーター(竹内順子)からの連絡が入る。
 テンマが帰ってくるとの連絡だった。

 バイエルン州立警察病院に来たテンマ。彼はヨハンの病室を訪れる。ヨハンはあれからずっと眠り続けていた。 そんなヨハンにテンマは母親と話してきた事を話す。ヨハンを愛していた事。ヨハンに名前があった事。
 カーテンが風になびく。ヨハンが半身を起き上がらせていた。
 「Dr.テンマ、あなただけに聞いて欲しい事がある。あの時、あの怪物が僕の前に現れた」
 子供達を連れて行こうとする大人達。子供を守ろうとする母親。
 「これは実験だ。どちらかを残して、どちらかを連れて行く。これは実験だ。さあ、どちらを連れて行く」
 「離さないで」(上村祐翔)「離さないで」(塚田真依)「離さないで」「離さないで」「母さん、手を、離さないで」
 「こっち…いえ、こっち!」「母さんは、僕を助けようとしたの。僕と妹を間違えたの。どっち?どっち?」
 気が付いたら、相変わらずヨハンは眠り続けたまま。テンマは病室から出て行く。風に揺れるカーテン。
 ベッドにはヨハンの姿は無かった。

感想:ヨハンが元気になって病室から出たというのと、
ヨハンが亡くなってベッドから運ばれたというのと二つ考えられるね。
 まあ、元気になっても、前のような事は繰り返さないだろう。
 ニナは彼を許したし、母親に会って話す事も出来る。ヨハンがやったという証拠は何一つ無いだろう。

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名前のない男

「名前のない男」MONSTER CHAPTER72 ☆☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:筆安一幸 絵コンテ・演出:高橋亨 作画監督:赤堀重雄

 ホテル・ベルクバッハでロベルト(勝部演之)を捜すルンゲ(磯部勉)。しかし反対にロベルトに撃たれる。
 「おまえが、ロベルトか」「俺に名前など無いよ」
 「そいつは残念だ。警官として、自分を殺した犯人の名前くらい、突き止めておかないとな」

 天馬賢三(木内秀信)達はグリマーの遺体をホテル・フェアシュテックに運ぶ。
 そしてテンマはルンゲ警部の下へ行こうとする。ポッペ(野沢那智)もついて行く。
 グリマーから預かった手紙を読むテンマ。
 「君の事をずっと見ていた。君の全てを食い尽くすために見ていた。だが逆に、君の全てが私を侵食した。
崩れかかった私が、君にはどうのように見えただろうか。崩れかかった私に、君が与えてくれた物。
君は、美しい宝石を残してくれた。あの永遠のいのちのような双子。一番罪な事は、人の名前を奪い去る事。
名前を取り戻そう。君に名前を返そう。君の名はアンナ。今はただ、悲しい。悲しい。悲しい。悲しい。悲しい。
悲しい」
 ポッペは双子の母親に恋をし、彼女や双子の事や、実験の事を知っている全ての人間を殺した。

 ロベルトはルンゲによって逆に重傷を負わされていた。ロベルトにヨハンとの関係を問いただすルンゲ。
 しかしロベルトはルンゲの問いに答えず、ルンゲの心の傷を抉り出す事ばかり言った。
 動揺したルンゲの隙をついて、ロベルトは反撃、逆にルンゲを追い詰める。
 「俺が何者かって?ヨハンとの関係がどうしたって?俺には名前が無い。国が無い。記憶が無い。
気が付けば施設から出て、仕事をこなしていた。ある日俺の前にヨハンが現れた。
彼は、俺の記憶の一つを呼び覚ましてくれたんだ。たった一つの記憶を」

 ヴィム少年(矢島晶子)は宝くじ夫婦にグリマーの事を話す。本当の名前は分からない事。施設にいた事。
 他の事はみんな忘れているのに友達の名前は思い出した事。
 その子は絵を描くのが好きで、虫が好きで、でも虫を殺すのは嫌いで、虫かごから逃がして…。
 その子の名前はアドルフ・ラインハルト。週に一度支給されるココアが大好きだった。

 「ヨハンは俺に近づき、一杯のカップを差し出した。思い出したんだ。週に一度の施設での楽しみ。
俺は、暖かいココアが大好きだったんだ」

 大雨の中、死体だらけの町を歩くテンマとポッペ。
 「雨が全てを、何もかも綺麗に流してくれれば良いのにね。恐怖も、憎悪も、悲しみも…。
だが、実際はまったくその逆だった。全てが、より一層大きくふくれあがった。あの日も、こんな雨だった」

 ポッペはテレビであの双子がリーベルト夫妻と一緒に西側に来た事を知る。彼は雨の中、双子を訪ねに行く。
 寝顔だけでもと。その夜、惨劇が起きた。

 「私には一体何が起きたのかわからなかった。
…いや、分かっていたのに、全て分かっていたのに、逃げ出したのだ。
私は、何もかも考えるのを止め、逃げ出した。絵を、描いてみたんだ。理想の双子の絵、愛に包まれたあの子達。だが、何枚描いてみてもそんなものは描けなかった。私にはわかっていたからだ。そんなものは無いと言う事が」 テンマはポッペの話しを黙って聞いていただけで、彼が話した事に対しては何も語らず、
ホテル・ベルクバッハに行こうとする。
 「私は…、私は、怪物をつくってしまったんだよ」「私は、その怪物をよみがえらせてしまった」

 ルンゲの首を右手で絞めるロベルト。しかし右手はテンマに撃たれたせいで、握力が無かった。
 ロベルトはテンマを殺せたのに殺さなかった事を話す。
 「Dr.テンマは、残る人間なんだよ。彼は最後に残って一人ぼっちになる。一人で寂しく死んでいく。
名前も無くね。これがヨハンの計算だ。Dr.テンマはヨハンの見た風景を見ることを許された。
俺もその風景を見たい。俺は見たい。ルンゲ警部、あんたは見ない。あんたは、死ぬ。これも、ヨハンの計算だ」
 右手ではなく、左手でルンゲの首を絞め始めるロベルト。
 しかしルンゲはロベルトの傷ついた左腹に手を突っ込み、反逆に出る。とうとうロベルトの上に馬乗りになり、
彼の口に銃口を突っ込むルンゲ。
 「計算だと!私の頭の中のコンピューターでは、そんな計算はなりたたん。答えろ!ヨハンはどこだ!!」

 ホテル・フェアシュテックに着くニナ(能登麻美子)とDr.ギーレン(管生隆之)。
 ヴィムはニナが絵の女の人である事に気付く。ニナはヴィム少年から、双子の絵が沢山ある家の話を聞く。

 一方ヴィムの父親(花輪英司)はヴィムを捜していた。しかし町は死体だらけで、ヴィムはどこにも見当たらない。 「みんな、死んじまってる…。悪魔だ…。この町に悪魔が来たんだぁ!」

 双子の絵がたくさんある家には誰もいなかった。しかし双子の絵が床に沢山並べられていた。
 つい先ほどまで、ヨハンがその絵を見ていたらしい。ニナはその絵を見て、過去を思い出す。
 ニナはヨハンはここで泣いていたと言う。
 そして、あの雨の夜、あたしが撃たなければ、許していれば、こんな事は続かなかったと言う。
 ヨハンは町に降りた。全てを終わりにするために。

感想:漫画と比べながらアニメを見ると、音響効果とか光とか音楽がいかに大事かがわかる。
 編集の仕方とか、いろいろ…。雨に濡れた地面に踏み出す時の音とか。
 何でも、黒澤明の「七人の侍」から外国の方々は雨の効果を認識したそうだが、ホントか。
 日本人にとって雨は日常茶飯事だが、外国だってそうだよな。
 日本の浮世絵を見るまで、雪を描く事が無かったとか。うな、バカな…。
 何で、ヨハンがああなったのかは、やっぱりわからない。グリマーさんはロベルトに会えばわかっただろうか。
 何でヨハンは本人が忘れている事までわかるんだ。

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超人シュタイナーの怒り

「超人シュタイナーの怒り」MONSTER CHAPTER71 ☆☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:林政宏 絵コンテ・演出:中村亮介 作画監督:高岡淳一 

 グリマーさん(田中秀幸)は、老夫婦を二階の部屋の椅子に縛り付ける。

 一方天馬賢三(木内秀信)は、生き残った人達を林道の方に誘導していた。
 無事誘導し終えた彼は、この町の住人にクラウス・ポッペと言う人物の事を聞き、
彼(野沢那智)がホテル・フェアシュテックのオーナーである事を知る。

 ルンゲ(磯部勉)は銃を手に、死体だらけの町を歩く。そして一人の泣いている女(大谷育江)を見つける。
 ソーセージ屋の娘だ。
 ルンゲは彼女からロベルトと言う男がホテル・ベルクバッハの4階の部屋で何か指示を出したりおかしな動きをしている事を知る。
 ルンゲは彼女にホテル・フェアシュテックに人がいるから、そこまで一人で行けるなと言うが、
彼女は一人では怖いと泣く。
 そこにテンマが現れる。
 「妄想の旅が、ついに現実になったよ。
…君と言う現実が現れた事で、ただ妄想の糸をたどっていくだけの私の休暇も終わりだ。
ここからは警察官としての職務だ。久々に仕事復帰だよ」
 ルンゲはテンマの目当ての人物がホテル・フェアシュテックにいる事を告げ、娘を託す。
 「ルンゲ警部、あなたはどこへ」「言っただろ、仕事だよ。戻ったら話そう。聞きたい話が山ほどある」
 そのまま背を向け、「Dr.テンマ…すまなかった…」歩き去るルンゲ。(か、かっこいい…)

 ホテル・ベルクバッハ。オーナーは死んでいる。椅子の後ろに男がいて、「撃たないで」と片手を上げる。
 ルンゲが銃を下げると、男は立ち上がったが、その手には銃が握られていた。素早く男を撃つルンゲ。
 男の口に銃口を突っ込み、ロベルトはどこだと聞くルンゲ。男は指を上に向ける。

 怖がって、歩こうとしない娘にてこずるテンマ。そんな時、男の泣き声を聞く。妻が殺されたのだ。
 テンマを見て、「銃を貸してくれ!エーリカを撃った奴を、私が撃ち殺す!」と叫ぶ男。
 「奥さんは、そんな事願っちゃいない。…奥さんの願いはその子が無事でいることだ。違いますか」
 テンマは赤ん坊を抱える男を林道に案内する事にする。
 娘も林道に逃げる事を提案するが、彼女は怖がって動こうとしなかった。
 テンマはすぐ戻る事を約束して、赤ん坊を抱えた男を林道の方に誘導する。

 外を見張りながら、この騒動が宝くじが原因ではないと言う事をグリマーに確認するヘニッヒ(佐々木勝彦)。
 自分達の宝くじが当たってからの普通ではない行動を省み、やっぱり普通が一番だと言うヘニッヒ。
 普通と言う言葉を少し哀しみをこめて言うグリマー。
 女房にも今度の騒動が自分達のせいではないと言う事を知らせなければ、行きかけたヘニッヒを襲う銃弾。
 上の階にいた女房(藤夏子)の方も撃たれていた。老夫婦は死んでいた。厨房の下の倉庫に皆避難する。
 「私が出て行けば、終わるんだろう」とつぶやくポッペ。「何度も言わせるな。あんたは絶対死なせやしない」
 私が何とかすると出て行こうとするグリマー。グリマーさんの事を心配するヴィム(矢島晶子)。
 「言ったろ。いざとなったら、無敵の超人シュタイナーが現れるって」
 「昔実験でそういう症例を見た事がある。
過度の怒りや悲しみ、強烈なストレスを与える事で、子供に別の人格が現れた。
その子供達は異様な暴力性を持ち、そのほとんどが自殺した。…よくその年齢まで…」
 ホテルの外に丸腰で出て行ったグリマーは自分の心で自分が何をやっているのか考えろと訴える。
 そこにソーセージ屋の娘が現れる。一人で来たのだ。駆け寄ってきた彼女の首が撃たれる。
 血を大量に噴出し、倒れる娘。グリマーは超人シュタイナーを見ていた自分を思い出す。
 『毎日、あんなに夢中でテレビにかじりついて観ていた。最終回を観た記憶が無い』
 テレビを消され、無理矢理連れて行かれる少年(河原木志穂)。
 『あのひ弱な主人公の青年は、自分が怒りに駆られて超人シュタイナーに変身していた事に、気付いたのだろうか。あの青年は、幸せになったのだろうか』
 娘の死体を抱えて立つグリマー。そのグリマーを撃つ向かいの建物に潜んでいる人間。
 グリマーの叫びがこだまする。

 ニナ(能登麻美子)とDr.ギーレン(管生隆之)は林道を抜けようとしている町の住人達と出会う。
 彼らからテンマの行方を聞いたニナ達は町へと急ぐ。

 テンマはホテル・フェアシュテックに着く。ホテルの向かいの建物から叫び声を上げながら落ちてくる男。
 テンマはその建物に入る。
 上階に上がって、部屋を覗くと、そこには椅子に座っている血だらけのグリマーがいた。
 合計4人しとめたとグリマー。超人シュタイナーが現れたんですねとテンマ。
 「いや、彼は出てこなかった。俺が勝手に、俺自身が、怒りにかられてやっただけだ」
 グリマーはルンゲが赤いバラの屋敷で見つけた手紙をテンマに渡す。ルンゲを助けてくれとグリマー。
 テンマはグリマーを治療しようとするが、「俺はいい。しばらく、休ませてくれ…」とグリマーは言う。
 「紹介するよ。彼がフランツ・ボナパルタだ」ポッペとヴィム少年が来たのだ。「グリマーさん…」
 グリマーを心配するヴィム少年。「大丈夫だよ、ヴィム…」外は雨が降っている。
 「長い雨だなあ。この辺りは、晴れたらいい所だ。なあ、Dr.テンマ」「はい」
 「晴れたらまた、このヴィムも連れて、ピクニックしような」「ええ」「うまいワインと、うまいチーズも持ってな」
 「ええ」
 「悲しい。自分が死ぬから悲しいんじゃない。自分の子供が死んだのが、今、悲しい。
人間は、感情を無くす事は出来ない。感情は、どこかわからない所に、迷い込んでいたんだ。
まるで、俺宛に出した手紙が、何十年も経ってから、届いたみたいだ。これが、本当の悲しみか…。
これが、幸せか…。超人シュタイナーの最終回、きっと彼は、人間に戻ったんだ…」
 グリマーは死ぬ。グリマーの名を叫び、泣くヴィム。「私は…、私は…」ポッペも膝をついて泣くのだった。

感想:感情…とてもやっかいな物。理性的に動こうとしても感情が邪魔をする。
 でも、感情があるから人間らしいと言えるよね。いや、人間的って良いほうにも悪い方にも取れるけど。
 やはり私は人の感情を大事にする人が好き。
 ヨーロッパの方では人前で泣く政治家を感情をコントロール出来ない人と評価が低くなってしまうそうだけど、
私としては人前で泣く政治家を悪いとは思わない。
 むしろ人の感情を大事にしない政治家の方がイヤだ。
 グリマーさん、感情を無くしたと思っていたけれど、ちゃんとあったんだね。良かったね…。

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ちっちゃん俳句「苦しみや 教育したる サンゴなり」

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殺戮の町

「殺戮の町」MONSTER CHAPTER 70 ☆☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:博多正寿 絵コンテ:伊藤智彦 演出:若林漢二 作画監督:丸加奈子

 いじめられるヴィム少年(矢島晶子)。いじめっ子達は去っていく。倒れているヴィムが握った物は銃だった…。

 酒場に入るヴィム父(花輪英司)。しかしツケも払っていない彼は酒場から追い出される。
 外にいる彼の耳に、彼をバカにする声が聞こえてくる。

 コンラートの死体を見つける警官(古田信幸)。同僚も死んでいた。彼自身も撃たれ、銃を奪われる。

 ズボンのポケットから銃を取り出すヴィム父。
 それを持って酒場に戻るが、酒場いた人は皆死んでいた。

 町中に死体。その中を歩くグリマー(田中秀幸)はヴィムを見つける。少年の目の前にはいじめっ子達の死体。  自分が殺したのかと動揺する少年。グリマーは少年から銃を取り上げ、銃口の臭いを嗅ぎ、弾を調べる。

 撃たれた警官ラウファーはホテルまでなんとかたどり着く。そこにヴィムとグリマーも現れる。
 ヴィム少年は銃は撃っていなかった。老夫婦を追及するグリマー。「孫、そっくりだったんだ」(たてかべ和也)   「何?」「彼は、私達の死んだ孫そっくりだったんだ」「彼?」「彼は、私達の事を良く知っていた」
 「彼はまるで本当の孫のように」と妻(杉村理加)「彼って誰だ」
 「あなた方は、死んだ孫に手紙を書いていた。その彼に情報を送っていたわけか」とルンゲ(磯部勉)。
 「彼って誰だ!」とグリマー。「目的は私なんだろう。その彼の目的は」ホテルのオーナー(野沢那智)が言う。  「ええ」とルンゲ。「その通りです、ポッペさん」とグリマー。「いや、フランツ・ボナパルタ」とルンゲ。

 「ニナへ。君をルーエンハイムで待っている」ヨハンからのメール。
 ニナ(能登麻美子)はルーエンハイムへ行く事を決意する。

 銃声に怯えるソーセージ屋の娘(大谷育江)。ホテル・ベルクバッハにいる。
 男(勝部演之)に早くこの町から連れ出してと言う娘。しかし男は今はダメだと言う。男の行動を不審に思う娘。  男はしょっちゅう外出を繰り返し、帰ってくるたびにシャワーを浴びるのだ。
 町中火薬と血の臭いで気持ち悪いからだと男。フロントに暖かいお茶を頼んでおいたから落ち着いてと男。
 しかしフロントにいるホテルの主人は殺されていた。
 男は娘とセックスしながら言う、「大丈夫だよ、怖い事なんか無い。雨が止む頃には全て消えているさ」
 「消えるって、何が…」「全ての記憶さ」男はロベルトだった。

 ニナはギーレン(菅生隆之)と共に町に向かう。

 ルーエンハイムに着く天馬賢三(木内秀信)、さっそく警官の死体発見。
 向こうから左腹を押さえた男が歩いてくる。倒れる男。子供達だけでも助けと言いながら男は死ぬ。

 「待っていた。私はここで、ただ審判が降りるのを待っていた。死ぬ事は怖くない。
だがどう償えば良いのかわからない。ただ全てを受け入れようとここで…」
 ポッペの言葉を聞き、グリマーは言う。
 「待っていた、だと。死ぬのは怖くないだと。
あんたがやった事がどれほどの罪だったのか、人間の善悪の根幹を破壊すると言う事が、何を意味するのか…、人間の中の怪物を目覚めさせる事で、何が起きるのか。
人間は…、人間は食事をうまいと思わなければならない、休日のピクニックを楽しみにしなければいけない、
仕事が終わった後のビールがうまいとおもわなきゃいけない…、人間は…、人間は…、子供が死んだ時、
心の底から悲しいと思わなければいけない…。
 あんたを死なせやしない…、あんたを無事にこの町から連れ出し、全て公表させる…、
あんたが目覚めさせた怪物の正体を、世の中に明らかにするんだ…。それまでは、私があんたを守る」
 ルンゲは老夫婦にヨハンがいる場所を聞く。知らないと答える老夫婦。
 殺戮を指揮している人間のいる場所を聞く。
 知らないと答えかける老夫婦に、銃を突きつけ、答えを要求するルンゲ。

 テンマは町で子供を見、彼を追いかけ、隠れていた人達を見つける。林道まで連れて行くと言うテンマ。

 老夫婦はホテル・ベルクバッハに指示を出している男がいると言う。
 宝くじ夫婦が来る。宝くじ夫婦の銃を借りるルンゲ。彼はホテル・ベルクバッハに一人で行こうというのだ。
 「ああ、そうだ、グリマーさん。…一仕事終えたら、ビールをおごらせてくれ」「ええ、ぜひ…うまいビールを」

 テンマは生き残った人達を林道へと誘導していた。

感想:音楽は場を盛り上げるな、うん。いくらなんでも、こんな事にならないよね。そんな…。

ちっちゃん俳句「飲み物に 努力されたる 気遣わし」

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安らぎの家

「安らぎの家」MONSTER CHAPTER69 ☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:裏畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:筆安一幸 絵コンテ・演出:中村賢太郎 作画監督:山本善哉 

 フェアシュテックホテルのオーナー(野沢那智)は手作りのコケモモジャムを泊り客の老夫婦に勧める。好評だ。 ジャムの製造者の写真を見せるオーナー。製造者はコンラート。
 しかしそのコンラートは何者かに撃たれて死んでいた。

 丘の上から町を見下ろすルンゲ(磯部勉)とグリマー(田中秀幸)。
 「この平和な町を、本当に襲撃するんでしょうか」
 「襲撃…。それ以外にも方法はある…。たった一丁の銃で、町が全滅した例もある。
1958年、ツヴァイフェルシュタットだ。ニーダザクセン州で連続殺人が起きた。
自分の隣人が連続殺人鬼なのではないかと、なんでもない日常の出来事にも住民はピリピリした。
そんな集団ヒステリー状態の中、住民の一人が護身用に手に入れた銃で、隣人を撃った。
そこからもう誰も止められなかった。町中に火が放たれ、手元にあるものは全て武器になった。
住民全員が殺し合い、生存者は一人もいなかった」
 「まさか、この町がそんな事に…。くい止めなきゃ…そんな事が始まる前に…」
 「いや…もうすでに始まっているかもしれない」

 いじめっ子に金を取られるヴィム少年(矢島晶子)。「坊や…、憎いだろ…?殺したいほど、憎いだろう?」
 そんなヴィム少年に話しかける誰か。

 宝くじを当てたヘニッヒ夫婦はコンラートの死体を見つける。

 犬が吠える。その犬にむかついている男。

 ご機嫌なソーセージ屋の娘(大谷育江)。自分をこの町から連れ出してくれる素敵な人を見つけたのだ。

 アル中男(花輪英司)とすれ違うホテルに泊まっている老夫婦。
 「おまえの欲しいのは…」車椅子の夫(たてかべ和也)が立ち上がってアル中男に銃を差し出す。
 「これじゃあないのかね?…お前の息子はもう受け取ったよ」銃声が響き、犬の吠え声が止む。

 プラハ。ニナ人形で劇を見せるリプスキー(平田広明)。好評だ。そこに天馬賢三(木内秀信)が現れる。
 テンマはリプスキーの事をニナ(能登麻美子)から聞いたと話す。フランツ・ボナパルタ。
 ドイツ系チェコスロバキア人。フランツ・ボナパルタは偽名。
 第二次大戦後、多くのドイツ系チェコスロバキア人が故郷のボヘミア地方を追われたにもかかわらず、
彼の一家は国内に残留した。
 彼は一度、チェコ人の女性と結婚し子供をもうけている。
 その子供は60年代中ごろすでに行われていた初期段階の彼の朗読会に生徒として参加していた。
 ペトル・チャペックはプラハにボナパルタの息子がいると言った。その少年の写真をニナに見せるテンマ。
 「優秀ではない子供。彼は優秀な子供じゃなかったから、朗読会を追い出された。
…彼はボナパルタにとっていらない子になった」
 自分が知っている人がボナパルタの息子だろうとニナは言う。「早くしないと、大変な事が起こる」「大変な事?」 「私にはわかるの、ヨハンが何をしようとしているのか」「彼は何を…」
 「完全な自殺。本当の孤独。唯一の愛情表現。早くしないと、罪の無い人が、沢山死ぬ」
 リプスキーの部屋に沢山あるボナパルタの絵本を見るテンマ。彼の作品の登場人物はすべてドイツ名。
 沢山のペンネーム、すべてチェコ名なのに、クラウス・ポッペだけがドイツ人の名前。
 もしかしてクラウス・ポッペは本名なのではないか。
 「同じ推理を展開して、父の本名を言い当てた刑事がいましたよ」「刑事?」「BKAのルンゲと言う警部」
 「ルンゲ!彼がここに…」「もう何週間も前に去りましたが」「去ったって…」
 「彼はこうも推理した。いや、ルンゲ警部は推理というよりその本人になりきるんだそうです。
私はクラウス・ポッペだ。私には帰るところが無い。心の平穏をとり戻すために、心のふるさとに戻る…ってね」
 子供の時、父親が僕らの故郷は南ドイツの山に囲まれたある町だと言ったそうだ。ニナは言う。
 「彼は…ヨハンは再現しようとしている…バラの屋敷の惨劇を…511キンダーハイムの殺戮を」

 町は川の氾濫で陸の孤島となる。

 絵本マニア(長島雄一)に会うテンマ。
 そのマニアはヘルムート・フォスと言う89年に発行された絵本を描いた人はクラウス・ポッペと同一人物だと言う。
 ある泥棒が山あいの町に逃げ込んでくる。
 泥棒はその町でもひと稼ぎしようと企むが、町の人々と交流するうちに盗み方を忘れてしまう。
 そして町の人々のために働きながら静かに暮らすようになる。タイトルは安らぎの家。
 嫌な読後感は無くなったが、絵のほうはさっぱりダメになった。ドイツの地図を見せてもらうテンマ。
 ルーエンハイムは安らぎの家と言う意味だった。

 ホテル・フェアシュッテクに警官(室園丈裕)が入ってくる。コンラートの行方不明。犬の射殺。
 殴られて重体のケムナー。殴った奴はいまだにわからない。そこに現れる老夫婦。
 ルンゲはご主人の靴が雨の中を歩いてきたみたいに汚れている事に気付く。
 ホテルから出て、車を運転していた警官、車が故障したのか、立ち往生している男を見つける。
 話しかけるといきなり撃たれる。ホテルの電話は通じなくなっていた。

感想:今回のアニメのテンマは原作よりハンサム度三割増し。
 しかしテンマってハンサムな主人公と言うより、人道派の主人公と言うイメージの方が強いな。
 「MONSTER」のハンサムキャラと言ったらやっぱヨハン…。どうして私はこんなにヨハンは好きなんだ?
 「DEATH NOTE」の主人公ははっきり言って嫌いなのに…。
 ヨハンの方はもともとは優しい人って気がするのよね。まあ、良い人もあっさり殺してるけど。虚無って感じ。
 現実の連続殺人犯は悪と言うより虚無って感じに近いんだろうな。
 どこの国でもロードショーされなかって言う現実の殺人犯についての映画を見たけど、
その映画でも連続殺人鬼をひどく虚無的に描いていた。
 愛も憎しみも無い…。
 まあ彼は家庭環境がめちゃくちゃひどかったらしいが、だからと言ってみんながああなるわけではないし、
彼は本当にひどい事をしているし…。
 月は連続殺人犯では無いな。でも人を見下している所が嫌い。ヨハンの方がひどい事をしているのにね。
 ところで、こんなみんなで殺し合いなんていくらなんでも起こらないよね。ルンゲが言った話は作り話よね。
 えっ、ユーゴの事を考えろって…。 う~ん。

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ルーエンハイム

「ルーエンハイム」MONSTER CHAPTER 68 ☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:筆安一幸 絵コンテ:坂田純一 演出:宮本幸裕 作画監督:繁田亨 

 ルーエンハイム。吠え猛る犬ルードヴィッヒ。少年が自転車を見ている。どうしてもチェーンがはずれるのだ。
 少年(矢島晶子)がゴミ捨て場から拾ってきた自転車だった。
 「やっぱりゴミ置き場に捨ててあった粗大ゴミはだめだね」と少年。
 少年のそばに立っていた老人(野沢那智)が言う、「私には粗大ゴミには見えんがね」
 「これに乗るとみんな言うんだ。ゴミだ、ゴミが走ってるって…。ゴミがゴミに乗って走ってるって…」
 「そんな事は無い。立派な5段変速のスーパーサイクルだ」
 老人がもう一度自転車を調整してみようとすると、そこにルンゲ(磯部勉)が現れる。
 老人はホテルの支配人だった。ホテルにはルンゲ以外の客は夫が車椅子の老夫婦だけだった。
 少年の名はヴィム。彼はルンゲの荷物を運ぶ。「私もゴミには見えないね」「え?」
 「なかなか立派な自転車だと思うよ」ルンゲは警察に行く。
 どのくらいの時間で何名ほど警官を補充できるのかとルンゲ。
 州警察に要請すれば小一時間でそれなりの補充は出来ると現地の警官(室園丈裕)。
 ルンゲは町に入ってくるもの全員のチェックをした方が良いと言う。
 ヴィム少年の自転車はギアチェンジをするとチェーンが外れてしまう。町のいじめっ子達が自転車を蹴る。
 ホテルにグリマー(田中秀幸)が現れる。

 駅で人のチェックをするグリマー。銃声を聞く。やはり自分の部屋で銃声を聞く男(佐々木勝彦)。
 しかし妻(藤夏子)には聞こえなかった。妻はそれより宝くじに夢中だった。犬のルードヴィッヒがいなくなる。
 ホテルの支配人に訴える飼い主のヒルマン夫人(羽村京子)。
 グリマーこと、ノイマイヤー(ここではそう名乗ってる)が犬捜しを申し出る。
 犬捜しの途中でルンゲに会うグリマー。ルンゲも犬捜しをしている。ルンゲ、何かが割れる音を聞く。
 ヴィムの父親(花輪英司)が暴れて壜を壊したのだ。
 父親はヴィムがホテルのバイトで稼いだ金で酒を買って来いと言う。
 少年が悩んでいると支配人が「ヴィム、いいんだ。それは君が稼いだお金だ」と言う。
 その様子を影から見ているルンゲ。一方グリマーはソーセージ屋の娘(大谷育江)から有力情報を聞く。
 彼女はあの犬の散歩をした事があり、その犬が骨をくわえたまま、離さず、ものすごい力で引っ張った話をした。 藪を掻き分け、犬を捜すグリマー、突然鳥が飛び立ち、驚く。「私を脅すと大変な事になるよ」
 犬は骨を埋めた所に来て、骨をしゃぶっていたのだ。犬を見つけるグリマー。そこにルンゲも現れる。
 「やあ、どうも、ルンゲさん。どうやら違う手掛かりから同じ場所にたどり着いたようですね」
 「この町で、何をしている」「あなたこそ何をやってるんですか」ルンゲを刑事と見抜くグリマー。
 ルンゲもノイマイヤーことグリマーの事を知っていた。
 「この町に何をしに来たんです?
どうやら、私達は本当に違った手掛かりから同じ場所にたどり着いたようですね。違いますか?」
とルンゲを見るグリマー。
 黙っているルンゲ。「食い止められると思いますか?この町で起きる、とんでもない殺戮を…」

 宝クジがついに当たり動揺する妻。

 いじめっ子達、ヴィムの自転車をどっかにやる。西の丘の「吸血鬼の家」に放り込んだそうだ。

 夫、銃を3丁買ってくる。念のためだそうだ。女房、宝クジの番号をコンラートの生年月日にした事を話す。
 宝クジを買った時、「なかなか当たりませんね、ヘニッヒさん」とコンラート(土師孝也)が話しかけてきたのだ。
 宝くじの番号を書こうとしていた時、コンラートが自分の生年月日はけっこう当たると勧めてきたのだ。
 コンラートが自分達が宝クジに当たった事を広めてるかもしれないと話す。
 そう言えばと、ソーセージ屋の娘が自分の事をちらちら見ていたと話すヘニッヒ。
 女房も裏の飲んだくれが自分の事をじっと見ていた事を思い出す。

 ヴィム、勇を振るって吸血鬼の家に向かう。途中で猫が殺されているのを見る。
 その家にはルンゲとグリマーがいた。グリマーが自転車なら山道の入り口あたりの茂みにあったと話す。
 猫はサブマシンガンで撃たれたようだと話すルンゲ。ヴィム少年の後ろに大量にある絵に気付くルンゲ。
 何枚もの双子の絵。10歳くらい。ルンゲがテンマ事件を担当した頃、双子は十歳ぐらいだった。その頃の絵。  「何枚描いても、満たされない…」

 コンラート、コケモモに絡まっているツルを取り去ろうとしていたら、誰かがそこにやってくる。
 その見かけない顔の男、コンラートに銃口を向ける。

感想:宝くじ、当たった方がもちろん良いに決まっているが、結構当たり過ぎると、
人によっては疑心暗鬼になって、人間関係を壊すのよね。
 まあ、当たった人の近くにいる人も、妬む心が出てこないとは言えないが。
 しかしあっちのソーセージは美味しそうだな。

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ただいま

「ただいま」MONSTER CHAPTER67 ☆☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:林政宏 絵コンテ:小島正幸 演出:池田重隆 作画監督:青山浩行

 「君の言う、本当の恐ろしい話…。僕が見た、いろいろな話…。僕が君に話した、あのいろいろな話…」
(ヨハン:佐々木望)

“「三匹のカエル」の部屋から連れ去られて、僕が入れられたところは、壁の無い真っ暗闇の部屋だった…。
どこを触ってもおかしな感触…。上下左右の感覚の無い部屋…。
でも、誰かが僕を監視しているのはわかった…。まったく音の無い部屋…。
いや…、ときどきどこからか、悲鳴のような声が聞こえた…。どこからともなく、差し入れられる食事…。
僕は、その回数を数え続けた…。5、6、7…11、12、13…21…23…。その数もよくわからなくなった頃…”
 部屋のドアが開けられる。”そこに、あの男が立っていた…”
 「いいかいよくお聞き。人間はね、何にだってなれるんだよ」(フランツ・ボナパルタ:野沢那智)

 どこかに連れて行かれる子供。部屋に集まっている人々。注目される子供。ワインによる乾杯。
 一人壁際に立ち、ワインを飲まないフランツ・ボナパルタ。

 「最初の一人が倒れた…。まわりの数人が駆け寄った…。
その駆け寄った人間も、次々とおおいかぶさるように倒れた…。
うめき声、悲鳴、叫び…。恐怖が部屋をうめつくし、その場にいた42名が死に絶えた…。
フランツ・ボナパルタ一人を残して…。僕は走った…。あそこから、逃げ出すために…。
庭のバラの刺で腕を傷つけたことも気付かずに、走った…。
「三匹のカエル」にたどり着いた僕を、君は迎えてくれた…。僕は話し続けた、何日も何日も…。
僕が体験したこと、すべてを…」
 「違う…。違う…。違う…。違うわ!」(ニナ:能登麻美子)

 廃墟にたどり着く天馬賢三(木内秀信)。銃を握りながら、中に入る。
 そこには拳銃の銃口を自分の頭につけているニナがいた。その拳銃をそっと引き離すテンマ。
 叫び声をあげるニナ。
 「違う、違う、違う!あたしじゃない!…おかえりって言ったのはあたしじゃない…。
おかえりって言ったのは…、あたしが、あたしが言ったのは…」

 扉を開く少女(塚田真依)、「ただいま」と言う。
 その少女と同じ格好の「なまえのないかいぶつ」の絵本を抱えた少女(上村祐翔)、「おかえり」と言う。

 「ヨハンは間違ってる。ヨハンはあたしの話を聞いただけ。
バラの屋敷に連れて行かれたのは、バラの屋敷に連れて行かれたのは、あたしなの!
「三匹のカエル」の、あの階段を引きずるように連れ去られたのも、壁の無い真っ暗な部屋の中で、
食事の数だけ数えていたのも、あの、たくさんの死体の中に立っていたのも、全部…全部あたしなの!」

 ニナを迎えたのはニナと同じ格好をしたヨハン。ヨハンはかつらを取り、ニナの話を聞く。

 「あたしは話した…何日も、何日も…」「もういい…」
 「あたしは自分の体験をヨハンに話した。ヨハンはあたしの体験を…」「もういいんだ…」
 「ヨハンはあたしの体験を、自分の体験だと思い込んで…。あたしのせいでヨハンは…!」「もういいんだ!」
 「すべて話したわ。さっきヨハンに。ヨハンはあたしの話を聞いて、笑ってるように見えた…。
でも、泣いているようにも見えた…。あんな、あんな人間の顔、見たこと無い…。あたしには…、撃てなかった…。でもきっと、彼は自分を破壊するわ。あたしと同じように…」
 「だめだ」「あたしも自分を破壊するように…!」
 「だめだ!…だめだ…。君が死んだら…、君に何かあったら、私はどうすればいい…。
君が死んだら、私はどこへ行けばいい…。生きていてくれ…。お願いだ、どんなことがあっても。
…お願いだから…」

 ペトル・チャペック(田中信夫)がヨハンはフランツ・ボナパルタを殺しに行くであろう事をテンマに教える。
 彼はヨハンにプラハにボナパルタの息子がいる事を教えたのだ。
 「ただ、それだけで事が終わるかどうか…。彼の崩壊が、それでおさまるかどうか…」
 一人、廃墟を離れて、原っぱの方に歩いていくペトル・チャペック。
 「妹の記憶…。彼女の記憶から、抜け落ちているもの…。ヨハンの中には、もうひとつ、あの記憶が…。
我々が創造しようとしたものは、いったいなんだったんだろう…フランツ…フランツ・ボナパルタ…」
 頭を撃ちぬかれるペトル・チャペック。チャペックが殺した赤ん坊の部下の死体が発見されたのだ。

 ドアの前で迎える男(麻生智久)。中に迎え入れ、紅茶を振舞う。紅茶を飲むヨハン。
 次は誰を殺すのかと聞いてくる男。自分の額の真ん中を指差すヨハン。銃をテーブルに置くヨハン。
 冗談と思い、笑う男。「夢から、覚めたんだよ」「疲れてるんじゃないのか?計画はどうするんだい?」
 「さめたんだ…」「ちょっと待てよ。それじゃあ何のために僕は、あれだけの資金を集めたんだ?」
 「夢から、覚めたんだ」「なんのために僕は、何人も殺したんだ?」
 「たくさんの終わりの風景…。でも、今は違う風景が見えるんだ…。本当の終わりの風景…。
僕しか知らない記憶…。本当に、行くべきところ…」
 ヨハン、銃を持って、男の方に向ける。「え?」と驚く男。銃声。家から去るヨハン。

 ルーエンハイムと言う小さな村。そこに、ルンゲ(磯部勉)が現れる。

感想:光、編集、動き、音楽、画質、どれをとっても素晴らしい回でした。
 ヨハンの絵は時々原作の方が良いと思う事があるけれど…。人をあっさり殺す所がヨハンね。
 自分の命が軽いから、他人の命も軽い。

memo:グルジアのゲデワニシビリちゃんにほれ込み、さっそく情報をと、トリノのオリンピック公式サイトへ。で、ついでに他の好きな選手も調べたわけだが…。

サーシャ・コーエン(COHEN Sasha)1984.10.26 158センチ 気が強そうで、元気にくるくる回り、一緒に出てきたサラ・ヒューズより断然好きと思った彼女。仕切り屋だそうだ。練習嫌い。どうもフリーに弱く、シルバー・メダルばっかりとる結果になっているらしい。

荒川静香 1981.12.29 165センチ 54キロ  金メダル、とっちゃった。取るとは思っていなかったので、涙が出てきた。今、フィギュア女子で一番優雅な演技が出来る人、だと思っている。日本人の演技が綺麗だと言える日が来るとは思わなかった。今の日本女子の主要な選手の中で最初に知った人。確か田村岳斗と同じ仙台の方の高校だったんじゃないかな。ドキュメンタリーを見たような。最初の頃は演技で笑顔を見せられず、不器用な子だと思った。笑顔も立派な演技だから。今は何とか笑顔を見せられるようになった。覇気が無いけれど。

エレーネ・ゲデワニシビリ(GEDEVANISHVILI Elene)1990.1.7 154センチ 38キロ 垂れ目のかわい娘ちゃん。元気な演技。彼女を見るまでは、今のフィギュア女子で一番可愛いのはイタリアのカロリナ・コストナーかと思っていたが(ファンでは無いけど)、今は彼女が私の一押しですね。浅田真央ちゃんのライバルになりそう。(しかし真央ちゃんはすごいな)

エフゲニー・プルシェンコ(PLUSHENKO Evgeni) 1982.11.3 178センチ 72キロ 趣味:車、コンピューターゲーム、バレエ 話せる言葉 ロシア語 趣味のバレエって踊るんだろうか。踊れても不思議ではないが…。彼を見たのは彼が14,5,6の時でアメリカ大会。最初っから演技がうまく、技も切れ、自信満々で、お客さんのもっと拍手をと要求していた。跳ぶという様子も見せずに軽がると跳び、演技は指の先まで神経が届いたような繊細な演技をし、しかも力強く、小揺るぎもしなかった。でもヤクディンにはなかなか勝てず、くやしい思いをした。(もちろん彼もそうだろう)彼もやっぱり人間で、怪我もするし、勝とうとして慎重になって、ミスをするという事もした(だったよね)。今まで見てきたフィギュア選手の中で一番好きな人。見ていて「カイザー」と言う言葉が頭に浮かんだ。そしたらどうやら彼は「リングの王様」と呼ばれていると聞いた。そう、王様って感じなんだよね。覇気がすごいから。最初の頃はイワン雷帝の青年の頃の髪型と同じ髪型をしていたし。威風、あたりをなぎ払う。彼を見るまでは王子様って感じの人にキャーキャーしていたが、今はやっぱり王様の方がカッコイイと思っている。今期のオリンピックは彼が金メダルを取る事を祈っていた。たとえ彼がそれで止めてもと。彼は金メダルを取り、次のオリンピックも出ると言った。ありがとう、プルシェンコ!ファンの女の子をハグする様子から女好きかと睨んでいたが、去年結婚したらしい。

ジョニー・ウィアー (WEIR Johnny)1984.7.2 175センチ 63キロ 世界に冠たる美少年、美青年好きの日本女の注目を集めたお方。アメリカ人とは思えない綺麗系の演技。バレエでもやっていたのかと思ったら、体操だった。今回のオリンピックはショートで2位になったのに、フリーで守りに入ってメダルを取れず。自分にがっかりしたと発言したらしい。

エマニュエル・サンデュ(SANDHU Emanuel) 1980.11.18 182センチ 趣味:歌うこと、踊る事、演技、モデル、ファッション 話せる言葉:英語、フランス語、イタリア語 3歳でバレエ。5年後にフィギュア・スケートを始める。英語力があるわけではないので、サンデュのモデルはモデルをする事ではなく、模型つくりとか塑像つくりかもしれないけど、あの男の感じからはモデルをやる事と言う感じがする…。確か思わぬ国の血が入っていたと思うけど、忘れた。練習嫌い。でもここ数年はフィギュアスケートが面白くなって、真面目にやっていると聞くが。だからなのか波がある。バレエをやっていただけあって、個性的な演技をする。技もわりとあるし。今回のオリンピックはまるでダメだった。

で、気付いた事。さそり座が三人いる。(山羊座が二人)そうか同じ星座の人が好きだったのか、私。プルシェンコがさそり座!そう言えば、何座だろうかとかは考えた事が無かった。サソリ座ってスポーツも得意と書いていたが、私は全然…。占いなんてこんなものさ。

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おかえり

「おかえり」MONSTER CHAPTER66 ☆☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:博多正寿 絵コンテ・演出:高橋敦史 作画監督:尾崎和孝

 男(花輪英司)はドイツ系チェコスロバキア人。士官学校出身の軍人。
 エリート。名前…、名前など、どうでもいい。女(桑島法子)はモラビア地方の小学校教師のひとり娘。
 ブロンドの髪、青い瞳の美しい女だった。
 ブルノ大学に進学、遺伝子工学を専攻、教授陣からも将来を嘱望される才媛だった。名前…、名前など…。
 二人はプラハのカフェで知り合い、恋に落ちた。女は子供を宿し、男は告白する、これは“任務”だったと。
 人種、頭脳、骨格、運動能力…、選び抜かれた男と女の間に子供をつくる。
 数十例のカップルによって、実験が行われ、自分達は、その中の一例であると。
 男はシナリオ通りに任務を遂行したが、今やその通りに動く気はなく、「逃げよう」と言った。二人は逃げた。
 しかしその行動も、シナリオに組み込まれていた。二人は捕まり、引き離された。
 女は見知らぬ部屋に隔離された。
 「彼に会わせて」と女は言ったが、彼は新しい任務に就いたと言われるばかり。
 彼女はもう彼がこの世にいないであろう事を知っていた。お腹の子は順調に発育していた。双子だった。
 よく訪ねて来る男(野沢那智)がいた。スケッチブックに自分の姿をデッサンしていく男。
 この男こそこの実験の首謀者であると彼女は気付き始めていた。
 「私は許さない。あなたを決して許さない。
私が死んでも、私の中でどんどん大きくなっていくこの子達が、必ずあなたに復讐する」
 「君は面白い事を言うね」臨月を迎え、彼女は陣痛室に入れられる。
 身重の体で、激しい陣痛に見舞われながら、彼女は幅数十センチの通気孔から脱出した。
 彼女が倒れていたのは門から数十メートルの路上。すでに破水が始まっていた。
 彼女は引き戻され、無事に双子が生まれる。「あの子達の名前を考えたの」「余計な事は考えなくて良い」
 「考えたの。あの子達の名前…」「考えなくて良い」「名前を…。あの子達に名前を…。あの子達に…」
 「いいんだ…。名前などいらないんだ」

 「フランツ…ボナパルタ…」(ニナ 能登麻美子)
 「そうだ…。ヨハンは、彼の居場所を私に聞いた」(ペトル・チャペック 田中信夫)
 「ボナパルタは生きているの?」
 「“私は許さない。あなたを決して許さない。
私が死んでも、私の中でどんどん大きくなっていくこの子達が、必ずあなたに、復讐する”…」
 「フランツ・ボナパルタは、生きているのね」「ヨハンに聞けばいい…。彼はここにいる…」
 そこには廃墟の屋敷があった。

 いくら聞いても、クリストフ(広中雅志)はヨハンの居場所を知らないと言う。
 天馬賢三(木内秀信)はエヴァ・ハイネマン(小山茉美)に病院に連絡させる。
 このままではクリストフの命が危なかった。
 エヴァがいなくなった後、クリストフはテンマ一人にヨハンの居場所を教える。
 エヴァが車に戻るとテンマはいなくなっていた。
 「あんたに伝言だ…
“これ以上巻き込む事は出来ない…。君の人生を台無しにした…。本当にすまない。幸せになってくれ”…だとさ」 涙を流すエヴァ。「どうして泣くんだ…。わからない…。僕には全然わからない…」

 廃墟に一人入るニナ・フォルトナー。太陽を背に、二階の方にヨハンは立っていた。

 息せき切って走っている。三匹のカエルの看板。
 階段を走って登り、ドアを開けると、
そこに「なまえにないかいぶつ」の絵本を握りしめた女の子(塚田真依)が立っていて、「おかえり」と言う。
 三匹のカエルの看板の建物から火が出る。逃げ去る双子。優しくしてくれた農家の夫婦。子供はいない。
 「あたし達で引き取って…」と言う妻(浅井淑子)。「バカな事を言うな」と夫(石森達幸)。
 「いや…、きつい言い方をして悪かった…。とにかく警察に電話しよう」そこに現れる男の子(上村祐翔)…。
 男の子は女の子を連れて別の所に行く。草原には、夫婦の撃ち殺された死体が残っていた…。

 「やっと会えたね。
…あの時、赤いバラの屋敷から逃げ出して、三匹のカエルの部屋にたどり着いた僕を、君は迎えてくれた。
…だから今度は僕が君に言うよ…。おかえり」
 銃口をヨハン(佐々木望)に向けながら、ヨハンを責めるニナ。

 一方、テンマもタクシーに乗り、銃を握りながら、昔の惨劇の事を思い出していた。

 「あの時みたいに撃つかい?」「ええ…。もうすべて終わりにするわ」「終わり…。終わりってなんだろう」
 赤いバラの屋敷の惨劇。511キンダーハイム。そこで彼が起こした事件。厳しい表情の母親。
 大きく手を開いて顔の前にかざすフランツ・ボナパルタ。荒野で倒れている双子。荒野。
 「何度も何度も…終わりの世界を見てきた…。終わりってなんだろう」
 「終わるわ。あなたが死んで、あたしも死ぬ。…見てきた?…何を見てきたの?あなた、何を見てきたの!?
…あなたは知らない…。話してあげるわ…。本当の恐ろしい話を…」

 扉を開け、「ただいま」と言う少女…。

感想:いや、よく出来ていたと思います。最初の古いフィルムのような、双子の父親と母親の紹介は良かった。   後、テンマが“ごめんね”と言う所を、“すまない”と変えたのも好感度大。
 “すまない”の方がテンマらしいと思う。廃墟の感じも良い。
 原作どおりに作っていて、何となく評価が難しいですが、大変に良く出来たアニメだと思います。
(フジ子・ヘミングの歌は止めにして欲しかったが…)

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無関係な殺人

「無関係な殺人」MONSTER CHAPTER63 ☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:博多正寿  絵コンテ:あきつ南  演出:若林漢二  作画監督:金東俊

 ノルトラインヴェストファーレン州警察のヴァイスバッハ警部(仲木隆司)はラインハルト・ディンガー(山路和弘)と言う連続殺人犯のタクシー運転手を護送していく。
 ディンガーはくずだと思った人間を殺していったのだったが、一人だけそれに当てはまらない人物がいた。
 ビルカー投資銀行の銀行員。彼は真面目な人物で、ある財閥の収賄スキャンダルを告発しようとしていた。
 「あれは…、後味悪かったな、うん…」仕方なくしたとディンガーは言う。
 誰かに頼まれたのかと聞くと、それは言えないと言う。ディンガーは殺人を始めたきっかけを話す。
 公園で男が犬を散歩させていた。男は犬がクソをしただけで犬を蹴った。ディンガーは男を止めた。
 男はディンガーを邪険になぎ払った。ディンガーは男をぼこぼこにし、警察に取り押さえられた。
 その時一人の男の子が現れ、その人は悪くない、犬を連れていた人のほうが先に手を出したんだと言った。
 ディンガーは連行されずにすんだ。
 ディンガーはお礼に家まで車で送ってあげようと言ったが、男の子は帰る家なんか無いと言う。
 そして公園の茂みから双子の妹を連れてくる。ディンガーは二人を自分のアパートに連れて行く。
 上着を脱いだら二人ともパジャマ姿で、男の子は頭に包帯を巻いていた。
 そして夜、めしを食った後、ディンガーはいつものように悪態をつきながらニュースを見てた。クズは死ねって。
 そうしたら男の子(上村祐翔)はあなたは正しいと言った。「そんな人達…いらないよ」
 「俺はその時、解放されたんだ」

 無事護送が終わり、ヴァイスバッハ警部は病院から失踪した双子の事を思い出す。
 急いでディンガーに聞くと、11年前ぐらいの事で、綺麗な顔のブロンドの双子だったとの事。
 定年まで後30時間。

 Dr.ギーレン(菅生隆之)は処女の血を吸わなければ生きていけないと主張する連続殺人犯をインタビューしていた。
 しかし一人だけ、その条件に合わない被害者がいた。
 彼女は16の時から名門ギムナジウムのすぐそばのカフェで働いていて、
そこの男子生徒のマドンナ的存在だった。
 そして17の時、子供を産んでいた。噂ではギムナジウムの生徒の誰かが相手だと言う事。
 出産後彼女の親は雑貨店を開店。はらませた生徒の親が金持ちで、たんまり金をもらって店を出したのとの話。 殺人犯はいつも被害者の素行調査をしていて、その事を知っているはず。「あれは…後味悪かったな…」
 本物に会ったんだそうだ、フランクフルト郊外のグリースハイムで。
 そこの公園の砂場の砂に、その本物は木の枝で女の名前を書いた。で、殺人犯は実行にうつした。

 ニーダーザクセン州に住んでいる男で、宇宙人との交信により、
人殺しをしていた男にインタビューするギーレン。
 その男はわざわざフランクフルトに出向いて、エーリヒ・クレンペラーを殺していた。
 クレンペラーは東西冷戦時に東ベルリンから亡命、東から西へ養子のあっせんをしていたと言う噂がある。
 男は交信ではなく、直接会ったと言う。グリースハイムの公園で。砂に名前を書いた。
 「あんな感激…あなたにも味わわせてあげたいよ」

 ギーレンはディンガーにも話を聞きに行くが、銀行員のオーベルト氏殺害の事は何も聞き出せなかった。
 ヴァイスバッハはギーレンに自分もあの男から聞き出したい事があると言う。
 「怪物のような子供がいて、それが成長して子供の頃世話になった男のもとへやってきて…」
 ギーレンはヴァイスバッハから詳しくその話を聞く。二人でディンガーを取調べする。
 あの銀行員は彼にとってクズだったんだとディンガー。「俺はそう信じるね」「なぜ?」「彼は正しいからさ」
 ディンガーも又、グリースハイムの公園で、砂に名前を書かれたんだそうだ。
 何も言わなかったが、殺せと言う言う意味だとわかった。

 テンマもニナもフランクフルトへ向かった。ヨハンはフランクフルトで何かを始めようとしている。

感想:いくらなんでも、ヨハン、何で誰が人殺しかわかるんだ?
 そしてどうして彼らの心を手中に収める事が出来るんだ?無理かと…。
 ヨハンが怖いのはこの、人に対する影響力ね。
 ディンガーさん、自分を正義の味方と思っているみたいでやりきれない。
 みんな、あのクリストフ(?ホントの名前はわからん…)のために殺されたわけだが…。
 クリストフがあの美人をものにしたのか?!きっと金の力だな。

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知りすぎた男

「知りすぎた男」MONSTER CHAPTER60 ☆☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:筆安一幸 絵コンテ:坂田純一 演出:宮本幸裕 作画監督:繁田亨 演出助手:渡辺温子

 ホテルに戻り、寝ているエヴァ・ハイネマン(小山茉美)の頭に銃口を向けるマルティン(池田秀一)。
 「エヴァだって、死にたがってるじゃないですか」「私を殺してよ!」「ここに置いてっとくれよ…」
 あの若者の声、恋人の声、母親の声が脳裏に浮かぶ。
 しかしエヴァの「ケンゾー」と言う寝言と、彼女の目元にたまっている涙を見て、殺すのを思いとどまる。
 『俺は…、悪魔のシナリオ通りには動かない。なぜなら誰も…死にたがってなんかいないから』

 ホテルの部屋にやってくる男達。マルティンはエヴァを逃がしていた。
 二人で出たら捕まるだけだからと、エヴァ一人を逃がした。エヴァはフランクフルト中央駅で待ってると言った。
 一緒に逃げようと。マルティンはテンマの所に行けと言う。「あんたに指図されるおぼえはないわ」とエヴァ。
 「ムチャして死ぬようなマネしないでよ」と言うエヴァに、
「俺があんたにそこまでする義理は無い」と答えるマルティン。
 それなのに、一人、二人と四人まで倒すマルティン。そして五人目の男が残っていた。
 彼は震えながらマルティンに向かって銃を構え、マルティンの銃には弾が無かった。腹を撃たれるマルティン。
 ロビー(藤本譲)によって天馬賢三(木内秀信)の元に運ばれるマルティン。エヴァはそこにはいなかった。
 彼はテンマに赤いバラの屋敷実験が続いている事を話す。悪魔が弟子を手に入れた事も。
 「あの男は…、独裁者を…つくろうとしてる…」「あの男?」
 「メガネの男…。赤いバラの屋敷の…生き残り…。ペトル…チャペック…」「ペトル…チャペック…」
 「あの男は…悪魔を操ろうとしているが…悪魔は…悪魔はもっと恐ろしく…もっと…。
ヤーレスツァイト・ホテル…606号室…。そこに悪魔の弟子が…。悪魔を、見つめちゃいけない…。
奴のシナリオ通りに動いちゃいけない…。誰も、死にたがってなど、いない…」
 「マルティン!!」息をあえがせるマルティンに向かって叫ぶロビー。
 「俺は…幸せだ…。もう悪魔を見ないですむ…。エヴァ…エヴァが俺を…フランクフルト中央駅で…。
きっと…二人分のチケットを買って…できるだけ遠くへ…できるだけ…」
 「エヴァが…待ってるのか…」「守ってくれ…エヴァを…。エヴァを…」マルティンのまぶたが下りていく。
 「死ぬな…。駅に行かなくちゃ…な…。死ぬな…死ぬな…!」目を閉じたまま、動かなくなるマルティン。

 駅には一人待つエヴァ。そんな彼女を見て駅を掃除している人(宝亀克寿)が話しかけてくる。
 「そんな所にいても、始発まではまだまだ時間がある…。誰か待ってるのかい?」横を向くエヴァ。
 「ははーん、男だね。だいたいわかるんだ。長年駅で働いているとな」「じゃあ、相手が来るかどうかもわかる?」 「そんなのわかんねえよ。占い師じゃねえんだから。ただ待つ相手がいるってことは、幸せなこった。
相手が来ようと来まいとな」
 「幸せ?」「そっ!この年になると、なかなかそういう気分にもならねえ」微笑むエヴァ。「幸せか…」
 「おっと、待ち人来るかな?」顔をほころばせ、振り返るエヴァ。しかしそこにいたのはテンマだった。
 マルティンが亡くなった事を知らせるテンマ。エヴァはテンマを喫茶店に誘う。
 マルティンにひどい事をしたとエヴァ、テンマに贈ったスーツとネクタイ、同じ柄のものを彼に着せたと。
 自分の事を最低だと言うエヴァ、なんでまだ生きてるんだろうと。
 「あなたにも嘘の証言をして、罪を着せ続けた…。なんであたしはまだ、のうのうと生きているんだろう…!」
 「マルティンが君を守ったからだ」「なぜ守るの…!?あたしみたいな女をなぜ守るの!!?」
 「誰も死にたがってなどいない…マルティンはそう言ってた…。幸せだって言ってた…。
君が駅で待っている…それが幸せだって言ってた…」
 号泣するエヴァ。テンマは彼女にミュンヘンのDr.ライヒワインの所へ行けと言う。
 そして赤ん坊の事もロベルトの事も全て警察に話せと。
 あなたの事も話すとエヴァは言う、だからあなたも一緒にミュンヘンへと。
 しかしテンマはヨハンが目の前にいるからと断る。
 「もう終わりにしなくちゃ…。もうこれ以上…マルティンのような人間を出しちゃいけない…。わかるだろ…?
もう、終わりにするんだ…」

 テンマに見送られ、列車に乗るエヴァ。
 列車に揺られながら、彼女はペトル・チャペック(田中信夫)がヨハンの居場所を言った事を思い出す。
 ハルデッカー通りのアパルトマン。「ヨハン…。私でも…終わりに出来るわ…」

 テンマは悪魔の弟子の所に行く。そしてエヴァは悪魔を撃つために銃を買うのだった…。

感想:どうやら脇キャラとしてはグリマーさんと人気を二分するらしいマルティン。まんまハードボイルドだもんなあ。 そうだね、誰も死にたがってなどいないんだよね。苦しみから解放されたいだけ。
 どなたかが書いててああと思ったんだけど、そうだね、
マルティンは母親のトラウマ(ホントはトラウマって本人も気づいていないような物の事を言うらしいけど)があるから、ドラック中毒の彼女とか、アル中気味のエヴァとかに惹かれるのね。
 エヴァも、本人も悪いけど、男運が無いわね。エヴァ、まともにしてれば、ハッとするほど美人さんなのになあ。
 しかしこの回は演技力を試される回ですね。頑張りましたね、池田秀一さん。
 シャアの声の呪縛から逃れるのが難しいのがお気の毒ですが。

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