映画「ま~よ」(11)

マジェスティック

「マジェスティック The Majestic」2001年 ☆☆☆☆☆
監督:フランク・ダラボン 脚本:マイケル・スローン 音楽:マーク・アイシャム

最後まで書いています。注意!

 ピーター・アプルトン(ジム・キャリー Jim Carrey)はハリウッドの脚本家。
 B級映画「サハラの盗賊」でデビューした。時代は赤狩り旋風が吹き荒れていた頃。
 ピーターも赤狩りに引っかかってしまう。
 昔女の子目当てで戦災地救済クラブの集会に行ったのだが、それが共産党の集会だったのだ。
 失意の彼はドライブに出かけ、事故ってしまう。
 動物(オポッサム?)を避けようとして、橋から落ちてしまったのだ。
 彼は海岸で発見されたが、記憶を失ってしまう。連れてかれた町はローソン。静かな町。
 ショーウィンドウには若い兵士達の写真が飾られていた。戦争で死んだのだ。町では62人が死んでいる。
 食堂に連れてかれるピーター。
 そこには毎朝医者のスタントン(デイヴィッド・オグデン・スティアーズ David Ogden Stiers)が食事をとりに来るのだ。
 食堂のメイベル(キャサリーン・デント Catherine Dent)は彼の顔に見覚えがあるという。
 ピーターを助けたスタン・ケラー(ジェームズ・ホイットモア James Whitmore)も見覚えがあった。
 スタントンは彼を病院に連れて行く。
 スタントンに連れて行かれるピーターを食堂から見て、ハリー(マーティン・ランドー Martin Landau)は驚く。  スタントンも又彼の顔に見覚えがあった。
 ハリーは保安官のシーセル(ブレント・ブリスコウ Brent Briscoe)にあれはルークだと言う。
 ルークとは彼の戦争に行ったまま戻らなかった息子の名前だった。ハリーはピーターを家に連れて行く。
 そこは今は使われていない映画館でマジェスティックと言い、その上のアパートが彼の住居だった。
 ルークの9年半ぶりの帰宅。朝起きたら、ピーターは映画館のスタッフを紹介される。
 売店のアイリーン・ターウィルガー(Susan Willis)、
受付、修理全般のエメット・スミス(ゲリー・ブラック Gerry Black)。
 ハリーは映画館を復興させようと言う。
 しかし映画館は今にも壊れそうで、自分の事もよくわからないピーターはとまどうばかりだった。
 そんな彼をハリーは墓地に連れて行く。そこにはルークの友達が眠っていた。
 そしてハリーが紹介したのがルークの墓。成績も一番、砲弾の嵐の中、怪我人を一人ずつ助けた。
 サン・ロウで戦闘中行方不明、遺体は見つからず。
 ハリーはアルバート・ルーカス・トリンブルことルークに与えられた名誉勲章をピーターにかける。

 ピーターは町のみんなにルークとして迎えられる。
 そして帰郷してきた医者のスタントンの娘アデル(ローリー・ホールデン Laurie Holden)はルークが戻ってきた事を知らされる。
 彼女はピーターをルークとの思い出の場所に連れて行く。ルークはアデルの恋人だった。

 彼の歓迎パーティー。アイリーンがピーターにピアノをリクエストしてくる。
 彼女はリストを弾くが、ピーターはジャズピアノを弾いてしまう。エメットが教えたそうだ。

 ピータはマジェスティックを改修する事にし、町議会に行く。町の人が手伝ってくれる事になる。

 ピーターの車が海岸で見つかる。そこにはピーターの身分を証明するものもあった。

 マジェスティックは見事に改修され、多くの町の人が集まってくる。
 そしてマジェスティックで「サハラの盗賊」が上映される。そのセリフに覚えがあるピーター、すっかり思い出す。 そしてハリーが心臓発作で倒れてしまう。ハリーはピーターに見守られながら亡くなる。

 ハリーの葬式の時、ピーターはアデルに自分の正体を告白する。そしてFBIが現れる。
 非米活動委員会の聴聞会に召喚されるピーター。弁護士は共産党と縁を切ると言う声明文をピーターに渡す。  エメットはピーターがルークでない事を知っていた。
 ルークはクラシックは弾けたが、ジャズピアノは苦手だったのだ。
 聴聞会に行く彼にアデルの父親がアデルから託された物を渡す。
 それはアメリカ合衆国憲法で「答えはここに ルークより」と書かれてあった。
 そしてルークの手紙が挟まっていた。

 聴聞会、ローソンの町中の人がそれを聞いた。
 FBIは彼をもうスパイとは思っていなかったが、面目を保つために色々と追求してくる。
 それに正直に答えるピーター。そして声明文を読むよう言われる。
 しかし彼には事実とは異なる声明文は読めなかった。
 「実を言いますと、僕は強い信念を持った事など無かった。それが得だと思えなかったし。
本音を言えば、信念を持つだけの…、勇気が無かった。ルーク・トリンブルとは違います。
彼には信念と勇気があった。
会った事は無いですが、色々彼の事を知って、それで、さっきからずっと、考えていたんです。
彼ならここで何と言うか。たぶん彼ならこう言うでしょう。
この委員会が、体現しているアメリカは、彼が守って死んだアメリカでは無いと。
あなた方の示すアメリカは意地悪だ。冷酷で、度量が狭い。彼のアメリカは大きな国です。
豊か国土と自然、そして大きな心。誰もが自由な意見を持ってる!例え相手の意見に賛成できずとも。
もし彼がここにいたら、あなたはどう答えるんですか。彼のアメリカに何が起こったと、説明されるんですか」
 「アプルトンさん、あなたの発言は侮辱罪すれすれですよ」(議長 ハル・ホルブルック Hal・Holbook)
 「今日始めて賛成出来る意見を聞きましたね」立ち上がって依頼人は黙秘権を行使すると叫ぶ弁護士。
 しかしピーターは黙秘権を行使するつもりは無かった。
 「僕に最後まで言わせてくれ。黙秘権などもってのほかだ。僕が訴えたい権利は他にあります」
 ピーターは合衆国憲法を取り出す。
 「ここにいるみなさんは、ご存知でしょうか。
議会は国境の樹立(?)、もしくは宗教上の、自由な行為を、禁止し、又は言論及び出版の自由、
もしくは平和的に集会する国民の権利、及び政府、普通の救済を請願する権利を、
制限する法律を制定する事は出来ない」
 「我々は君に憲法を講義してもらう必要は無い!」
 「これが修正第一条です、議長。アメリカがアメリカたる理由の自由の精神です。
全てのアメリカ国民にとって、国と交わしたもっとも大事な契約です。
たとえこの憲法や修正箇条が、ただの契約書だとしても、ただ書類にサインをしただけの紙切れだとしても、
この条項だけは絶対に契約内容を変更してはならないものです。
書き直す事は出来ない。たとえ議長、あなたでも」
 「アプルトンさん!ただちに着席しなさい」
 「クライドさん(ボブ・バラバン Bob・Balaban)、あなたでも。誰にも変えられない、決して。
この自由を守るため多くの人々が犠牲になった」
 ピーターはルークの名誉勲章を掲げてみせる。「例えばルーク・トリンブルに…、ローソンの多くの若者達が…」 ピーターの演説を聞いていたスタンが言う「その通りだ。こんなものを守ったわけじゃない。お前達みんなは」
 「以上が僕の言いたい事だ。委員会に言いたい事はそれだけです」ピーターは出て行く。拍手が沸き起こる。

 ハリウッドに戻れる事になったピーターだが、アデルに電報をうつ。彼女から借りたものを返すため。
 そして一つ質問がある。君が駅にいなかったなら答えと思い、駅長に預けると。
 ローソンに着いたら、町中の人が歓迎しに来ていた。もちろんアデルも。
 彼の事を胡散臭く思っていた、戦争で右手を失くしたボブ(カール・ベリー Karl・Bury)も来ていた。
 彼はアデルと結婚し、映画館を経営し、子供出来…。

感想:感動しました。フランク・キャプラ映画みたいね。意識してると思うけど。
 上の方々の他は、
町長のアーニ・コール(ジェフリー・デマン Jeffrey DeMunn)とクラリネット吹きのスペンサー(マット・ジー・ウィーンズ Matt G Wiens)が気になりました。
 ブッシュ政権のアメリカって自由に意見が言えない雰囲気だったから、作られたのかな。
 赤狩りはどうみても間違ってたし。あんな小さな町で、映画館が成り立つのかとか気になるけれど。
 みんな、町の若者がたくさん死んだ事で気落ちしていたから、ルークが戻ってきたと信じたかったんでしょうね。 あの黒人はちょっと無理があるかな。
 今読んでる本に、町でたった一人の黒人が出てきて、それはそれで大変そうだから、考えちゃった。

関連サイト
Prism
DANCING BEAR
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夜霧の恋人たち

「夜霧の恋人たち Baisers Voles」1968 フランス ☆☆☆
監督・脚本:フランソワ・トリュフォー(Francois Truffaut) 脚本:クロード・シヴレー(Claude de Givray)、ベルナール・ルボン(Bernard Revon)撮影:デニス・クレルヴァル(Denys Clerval)音楽:アントワーヌ・デュアメル(Antoine Duhamel)挿入歌「残されし恋には」作詞・作曲・唄:シャルル・トレネ

最後まで書いています。注意!

 「今宵 ドアを打つ風は 昔の恋を思い出させる 消えかかる火の前で 今宵 それは秋の歌 
わびしい家の中で 過ぎ去りし日々を思う 残されし恋には あの美しい日々の 何が残っているだろう 
1枚の写真 若き日の古びた写真 恋文の言葉の 何が残っているだろう 4月のランデヴー
いつまでもつきまとう思い出 色あせた幸せ 風に乱れる髪 盗まれたくち接吻(くちづけ) 夢のうつろい 
残されし恋には いったい何が? 教えてくれ 小さな村 古い鐘つき堂 人目につかぬ風景
雲間に浮かぶ過ぎし日の面影」

 アントワーヌ・ドワネル(ジャン・ピエール・レオ)は情緒不安定の軍不適任のため永久退役となる。
 さっそく売春婦を買いに行くが、口づけはダメ、髪に触るのもダメ、風邪気味だから脱ぐのはダメとダメダメづくし。 止めて外に出るがそこで会った売春婦を買う。

 恋人のクリスチーヌ・ダーバン(クロード・ジャド Claude Jade)に会いに行く。
 しかしそこには彼女はいず、彼女の両親の歓待を受け、
ついでにホテルの夜間のドアマンの職を紹介してもらう。
 職場に訪ねてくる彼女。彼は1週間に19通も手紙を出していたらしい。ある日ホテルに二人の男が来る。
 コラン夫人と6時に会う約束だ、カレー港のロンドン便に間に合わないとせかされ、
二人の男と一緒に夫人を起こしに行く。
 夫人は裸で男と一緒に寝ていた。実は一人は夫人の夫、一人は探偵だった。
 騒ぎを起こしてしまったアントワーヌは仕事を首になる。ブラディ探偵事務所にスカウトされる。
 しかし彼の尾行はサイテイ。あっちこっちにハンパに隠れながら尾行し、まるっきりバレバレで怪しい。
 一方クリスチーヌの方も男につけられていた。家にはアントワーヌがいた。彼と地下にワインを取りに行く。
 アントワーヌは彼女にキスしようとするが拒まれる。

 探偵事務所。アルバニ氏が依頼に来る。
 この片手の黒い手袋を絶対はずさない男は、同居していた友人の行方を調べてもらう。
 友人が残していった物を届けたいそうだ。ついでに生活や交友関係も知りたいそうだ。
 件の友人、ひもを使った手品が得意な奇術師が出演しているクラブで彼女とデートするアントワーヌ。
 そしてそのまま彼女を残して尾行。男は郵便局へ。
 そこで公衆電話で彼女にあやまりの電話をするアントワーヌ。
 郵便局の入り口の前に大きなトラックが止まり、アントワーヌの所から入り口が見えなくなる。
 急いでごまかしながら電話を切って、入り口に向かうが、そのまま郵便局は閉まってしまう。

 結局奇術師の尾行は他の者に任せられる。
 タバール氏(ミシェル・ロンダール Michel Lonsdale)が仕事の依頼に来る。
 なぜ自分は嫌われているのかを知りたいそうだ。で、その仕事はアントワーヌに任せられる。
 発送係を募集して彼を雇えばと所長は提案。アントワーヌを含んで5人の男が試験を受ける。
 どうみてもアントワーヌの包装が一番ひどかったが、彼が採用される。
 店が終った後、一人の女性が靴を試していた。
 タバール夫人(デルフィーヌ・セイリグ Delphine Seyrig)だった。
 彼女にすっかり魅了されたアントワーヌ、職場に訪ねてきたクリスチーヌに冷たく当たる。
 タバール夫人は従業員のおしゃべりからアントワーヌが夫人に夢中である事を聞いてしまう。
 社長と一緒に彼の家に行くアントワーヌ。夫人と二人きりになる。
 緊張のあまり彼女を「ムッシュー」と呼んでしまい、そのまま探偵事務所に帰ってしまうアントワーヌ。
 そこにはアルバニ氏がいた。
 奇術師が結婚もしていて、妻が妊娠しているという報告を聞き狂乱するアルバニ氏。
 アントワーヌが家に帰ったら夫人から手紙が来ていた。
 夫人に気送便(なんと、潜水艦とか軍艦とかの映画で見たような、菅に手紙を入れて送る装置だ。
ホントにあるのか?)で返事を出すアントワーヌ。
 夫人が彼に部屋に来る。そのままベッドイン。
 探偵事務所では夫人が1時間半、アパートにいたがどの部屋か分からないと報告されていた。
 アントワーヌ、正直に告白。怒る所長。突然倒れる従業員のアンリ(Harry Max)。アントワーヌは首。
 アンリの葬儀の後、売春婦を買うアントワーヌ。

 クリスチーヌの父親(ダニエル・チェカルディ Daniel Ceccaldi)の車と車をぶつけてしまうアントワーヌ。
 彼はSOS社のテレビ修理人をしていた。クリスチーヌはSOS社にテレビ修理を依頼。テレビから部品を取る。
 やってくるアントワーヌ。そのままベッドイン。二人でデート。
 やってくるストーカー男「お嬢さん。私を知らないでしょう。だが、私はあなたを知ってる。
あなたをずっと見てきた。今、私は告白する。あなたは私の初めての愛だ。かりそめではない。人生は悲しい。
人と人が裏切り合う。私たちは違う。私たちは離れない。永遠の愛だ。私の人生を縛るものはない。
あなただけだ。だから…だから、あなたもかりそめの絆を断って私と生きてほしい。一時の気の迷いではない。
私の愛は絶対だ。…私は幸福だ」
 去っていくストーカー男。二人仲良く腕を組んで歩いていく。最初の歌が流れる。

感想:題名から想像するとしっとりとした恋物語みたいだが…違う。
 確かに中心は恋、その他だが…どちらかと言うと…コメディ、笑える。
 セリフのあちこちがお笑いに満ちている(映像もね)。お笑いと言うよりエスプリとか言うのかな。
 確かに恋はある意味不様だし…。フランス人だからと言って恋愛がうまいわけではないのね。当たり前だが…。 安心。
夜霧の恋人たち/アントワーヌとコレット
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ミリオンダラー・ベイビー

「ミリオンダラー・ベイビー Million Dollar Baby」2004 2h13米 ☆☆☆☆☆
共同製作・監督・音楽:クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)共同製作・脚本:ポール・ハギス(Paul Haggis)原作:F.X.トゥール(F.X.Toole)短編集「Rope Burns」より

最後まで書いています。注意!!記憶で書いているので間違いはあるかと思います。

 フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)はボクシング・ジムを経営している。
 彼は血を止めるのがうまいカットマンとして有名で今はビッグ・ウィリー・リトル(マイク・コルター Mike Colter 黒人特有の魅惑のボイス)のトレーナーもやっていた。
 しかしタイトル・マッチをなかなか許してくれないダンの元をウィリーは去っていく。
 その頃ダンの前に現れたのが女性ボクサーのマギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク Hilary Swank)だった。
 ぜひトレーナーになってくれと言う彼女を断るダン。しかし彼女はジム費を半年分払ってやってくるようになる。
 ジムに住み込みで働いているスクラップ(モーガン・フリーマン Mogan Freeman)は夜遅くにサンドバックの音を聞く。
 マギーだった。彼は彼女にサンドバックへの対し方を教え、次はスピードバックをやればいいと言う。
 彼女はスピードバックを知らなかった。彼女にフランキーの古いスピードバックを貸すスクラップ。
 彼女はウェイトレスで稼いだ金で新品のスピードバックを買い、誕生日の日もトレーニングを続けた。
 彼女は32になった。彼女は13の歳からウェイトレスをして働いている。
 父親は死んでいて、母親はトレーラー暮らし(トレーラー暮らし=貧乏では無いだろうけれど、この場合はそう)で、
弟は刑務所、妹は不正に生活保護を受けている。
 彼女にはボクシングしか無いのだ。それを知ったフランキーは彼女のトレーナーを引き受ける。
 しかしそれは本気で自分がずっとやっていくという事ではなかった。
 フランキーはマネージャーのサリー(ネッド・アイゼンバーグ Ned Eisenberg)に彼女を預ける。
 しかしサリーが別の試合のために彼女を犠牲にするつもりだと知り、試合中の彼女の元に駆けつけ、
結局彼が彼女のマネージャーとなる。
 それから二人の快進撃が始まる。
 英国チャンピオンとの試合、フランキーは彼女に「モ・クシュラ Mo Cuishle」と刺繍した緑色のガウンを贈る。 モ・クシュラはゲール語だったが、フランキーは意味は教えてくれなかった。
 しかし試合を見に来たアイルランド系の人々はゲール語の刺繍に彼らの色、
緑色のガウンをはおったマギーに熱狂する。
 彼女は英国チャンピオンに勝つ。マギーは家族に家を買ってあげる。
 しかし母と妹はこれでは生活保護を受けられなくなると喜ばなかった。
 彼女は家の名義には誰の名前も書いてないから、売ればいいと言って去る。
 マギーにタイトル・マッチの話が来る。
 相手はドイツ人ボクサー青い熊ビリー(ルシア・ライカ Lucia Rijker キネ旬に載ってったかがわてるゆきさんの記事によると17戦全勝14KOの天才オランダ人ボクサーだそうである)、
汚い手を使う事で知られていた。
 案の定汚い事をしてくる彼女。フランキーはマギーに反則なのだが坐骨神経を痛めさせる事をしろと言う。
 その通りにする彼女。
 休憩(?)の時間になり、椅子が横向きに出され、マギーが観衆の声援に応えていた時、
ビリーが後ろからマギーを殴った。
 マギーは椅子に首を強打し、第一頚骨と第二頚骨を完全につぶしてしまう。
 一生、首から下は動かない身になる。
 マギーの家族が来る。遊園地で楽しんできましたという格好で。
 彼らは彼女に病院の費用で取られてしまうかもしれないから、
家の権利を母親(マーゴ・マーティンデイル Margo Martindale 最近アメリカで低所得者は多種多様な食材を買えないから太りやすいとかいう記事を読んだ気がする。この母親もジャンクフードばっかり食べていたのだろうか)に譲れと弁護士(Tom McCleister)を連れてきたのだ。
 マギーは病院の費用は拳闘協会が払ってくれるから大丈夫だと言うが、
母親はサインのためにマギーの口にボールペンをくわえさせる。
 彼らを出て行かせるマギー。マギーの片足が壊死し、その足を切除する。
 彼女はフランキーに死なせてくれと頼む。
 フランキーにはそんな事は出来なかったが、彼女は自分の舌を切って死のうとした。
 フランキーは神父(ブライアン・F・オバーン Brian O’Byrne)にその事を打ち明ける。
 神父は「神の事も天国の事も地獄の事も考えるな。そんな事をしたらあなたが自分を失くしてしまう」と言う。
 しかし結局彼は注射針を持って夜中、彼女の病室に行く。
 「モ・クシュラ」とは「愛する者よ。お前は私の血」という意味だと教え、彼女を死なせる。
 病室から出て行くフランキーを物陰から見送るスクラップ。ジムでフランキーの帰りを待つスクラップ。
 そんな時思いがけない人物が来る。
 ジョレル・バリー(アンソニー・マッキー Anthony Mackie)に散々やられて去っていったはずのデンジャー・バーチ(ジェイ・バルチェル Jay Baruchel)が帰ってきたのだ。
 しかしフランキーは消えてしまった。スクラップはフランキーの長い間疎遠になっていた娘にこの事を書き送る。

感想:今年のベストテンに入る映画ではないでしょうか。
 細かい所にまで神経が行き届いた感じで、まず脚本が素晴らしいんでしょう。
 考えてみれば暗い映画なのに、そんなに暗くは感じなかったです。過度にならず抑えた描写。
 マギーはやる事はやったのだから、あんな体になった事は悔しいけれど、
さほど悔いは無かったかもしれません。
 タイトル・マッチは彼女の意思でした。フランキーは最後まで彼女に付いててくれました。
 彼女はあんな体になった時、フランキーの事を心配していました。
 しかし体がきつい状態がいつまでも続くというのは耐えがたかったのでしょう。
 フランキーだってあんな選択はしたくは無かったでしょうが、真に彼女の痛みに共感していたから、
悩んだ末あの選択をしたのでしょう。
 あんな選択をしない方が、人々に後ろ指指される事も無く楽なんですから。
 側についている者としては生きてて欲しいのですが、苦しい身になったら死にたくなるかもしれません。
 デンジャー君が帰ってきたのも、暗く感じない理由の一つですね。
 どう見てもボクシングの才能が無い彼ですが、ボクシングへの愛は人一倍です。
 スクラップに対して「僕はニガーに偏見が無い」(?)みたいな事を言っていましたが、
すでにニガーという言葉を使うのが間違いなのですが、そんな事はおそらく彼知らないんでしょう。
 悪意が無いのが感じられてスクラップも苦笑いといった所でしょうか。
 最後の方で映っていた手紙は娘さんからとうとう返事が返ってきたのでしょうか。
 キネ旬の佐藤由紀氏の記事によると第一稿か完成稿かはわからないけれど、
脚本には娘との出会いのシーンがあるそうです。
 フランキーは神父をからかっては、神父から4文字言葉を引き出すのを楽しみにしている感がありましたが、
救いを求めていたからこそ熱心に通っていたのも事実です。
 フランキーに救いはあるのでしょうか。
 希望としてはスクラップの手紙を読んだ娘が一生懸命捜すといった所でしょうか。う~ん。
 マギーの前向きな笑顔は良かったです。音楽も心に残りますね。
オリジナル・サウンドトラック「ミリオンダラー・ベイビー」

ミリオンダラー・ベイビー
東 理夫 / Toole F.X.
早川書房 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

関連サイト
I LOVE CINEMA+
シカゴ発 映画の精神医学
It’s a Wonderful Life
話題のナレッジベース:知識のアーカイブ
日々徒然ゆ~だけ

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マンハッタン・ラプソディ

「マンハッタン・ラプソディ The Mirror Has Two Face」1997米☆☆☆☆
監督・共同製作:バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)原案・脚本:リチャード・ラグラヴェネス(Richard LaGravenese)音楽:マーヴィン・ジェイ・ハムリッシュ(Marvin J.Hamlisch)

最後まで書いています。注意!

 グレゴリー・ラーキン(ジェフ・ブリッジス Jeff Bridges)はコロンビア大学の数学教授。
 自分の新刊の記念講演でスピーチをしていたのだが、
彼を捨てた女キャンディス(Elle Macpherson)が入ってきたのを見て調子がおかしくなる。
 キャンディスは脚線美が素晴らしい魅力的な美女だ。
 彼は魅力的な女性を見ると、めまいを覚えるようになっていたのだった。
 キャンディスは今の彼氏が浮気したのであてつけに来ただけだった。
 グレゴリーはテレビで「ホット・トーク・ガール」の宣伝を見て、電話をする。
 魅力的な声のフェリシア(実態はあやとりをするただの太目のおばさんだ。Lucy Avery Brooks)にセックス抜きの尊敬できる相手が欲しいと愚痴を垂れる。
 フェリシアは広告を出せばとアドバイスする。広告を出すグレゴリー。

 一方ノーメイクのローズ・モーガン(バーブラ・ストライサンド)は容姿がパッとしない感じのバリー(Austin Pendleton)と付き合っていたが、
今日もデートをキャンセルしてしまう。
 美人の妹のクレア(ミミ・ロジャース Mimi Rogers)はローズが密かに好きだったアレックス(ピアース・ブロスナン Pierce Brosnan)と結婚してしまう。
 ローズの母親ハンナ(ローレン・バコール Lauren Bacall)もやはり派手な服が似合う美人だった。

 グレゴリーは送られてきたものの中から同じ大学の文学を教えているローズを選ぶ。
 連絡を取ってみると、手紙を送ってきたのは妹の方だった。彼はローズの講義を聞きに行く。
 自分のと違って立ち見もいる笑いの絶えない人気の講義だった。
 グレゴリーは広告の事は言わずに、講義を聴いて感銘を受けたと食事に誘う。
 ローズはつけ毛をつけてタクシーを止めようとするが、
タクシーは彼女を無視してセクシーな女の方(Cindy Guyer)に…。
 ローズが止めたタクシーは窓が閉まらず、せっかくの髪型はひどい事に…。(不細工には厳しい世の中だ)
 双子素数論について得々と話すグレゴリー。
 ローズはその話をちゃんと理解し面白がってくれた。(貴重な相手だ。そうはいない)
 グレゴリーは今度は彼女を演奏会に誘う。その帰り、セックスには興味が無いと持論を展開するグレゴリー。
 セックス偏重で人は孤独になっている。キスしても音楽はならない。恋愛は意味が無い。
 セックスを超越して価値のある生活を送る事が出来るはずだ。友情は結婚より長続きする。
 部屋に誘うグレゴリー。そして彼女に授業をどうすれば良いか教えを請う。
 彼女は生徒を見て、お話しを作ってとアドバイスする。そんな時美人の生徒(Ali Marsh)が来る。
 とたんにドギマギしてめまいを覚えるグレゴリー。

 3ヶ月付き合ってもキス一つない二人。
 グレゴリーを食事にまねき、
友達のドリス(ブレンダ・ヴァッカロ Brenda Vaccaro)と一緒に彼へのプレゼントを選んでいたら、
妹のクレアに出会う。
 彼女は夫への不満をローズに言う。アレックスはクレアの行く所どこへでも付いて来て息が詰まるんだそうだ。  そんな事を言っていたらアレックス登場。クレアは化粧室に行く。
 アレックスはアレックスでクレアは幸せだと思うかとローズにきく。ローズはクレアは幸せだと思うわと言う。
 君のおかげでクレアと出会えたと感謝し手にキスをしようとするアレックスに止めてと言うローズ。
 「気づかなかった?」と涙声で言い、去るローズ。アレックスの事をグレゴリーに話すローズ。
 会食が終わり、帰りに素数のダイスをカフスボタンにしてプレゼントするローズ(センス良い)。
 グレゴリーは彼女が望めばセックスに応じる用意があると言い、プロポーズする。

 二人で暮らし始めるがどこかぎこちない。二人で公園に行くとそこにはカップルばっかり。
 グレゴリーは執筆で忙しくそんな状況にはきづいていないが…。ローズはバリーが彼女といるのを発見する。
 幸せそうなバリーとグロリア(Anne O’Sullivan)。

 ローズはグレゴリーに野球が数学的に面白い事を教える。グレゴリーの授業。あくびをする生徒。
 グレゴリーは野球を例にして数学を語る。活気付く教室。

 相変わらずセックスもキスも無い生活に欲求不満のローズは、グレゴリーに要求してみる。
 それなりに気分を高める演出をするローズだったが、いざとなったら出来ないと逃げるグレゴリー(あんまりだ)。 傷心の彼女は実家に帰る。
 ローズの母は彼女が子供の頃鼻が下に向かないよう人さし指で上げておけって言っていた。
 母親は覚えていなかったが。美人ってどんな気持ちと母親にきくローズ。

 グレゴリーはローズと連絡を取ろうとするが、全然取れなかった。
 そのまま予定通りヨーロッパに行くグレゴリー。グレゴリーを愛しているのねとローズに言う母親。
 彼女自身は誰かを愛した事が無かった。ローズの小さい頃の可愛い写真を渡す母親。
 父親はローズを溺愛したそうだ。
 ローズは美しくなるために、体をしぼり、食べ物も考えて摂取し、専門家の母親からメークを教えてもらう。
 グレゴリーが3ヵ月後に帰ってくると、見違えるように魅力的になったローズが
(母親は整形まですすめたそうだ)。
 めまいがするグレゴリー。結婚した相手が別人になって裏切られた気分だと言うグレゴリー。
 あまりの反応の悪さに別れを告げるローズ。

 クレアがアレックスの家から出て行った。マッサージ師との浮気現場をアレックスに見られたのだ。
 アレックスはローズを食事に誘う。
 一方ローズが去って、しっちゃかめっちゃかの心理状態のグレゴリー、
ローズがアレックスと食事していると聞かされる。
 しかしローズの方はアレックスに何も感じない自分に気づく。
 グレゴリーは友達のヘンリー・ファイン(George Segal)に介抱されていた。
 昔のローズを愛しているとグレゴリー。なかなかのプレイボーイのヘンリーもローズのユーモアセンスをほめる。 「武器よさらば」をダイエット本と言ったそうだ。
 グレゴリーはローズのアパートに午前6時だというのに押しかける。
 ドアマンのエディ(Adam LeFevre)に止められ、外で彼女の名を叫ぶグレゴリー。
 それを聞いてローズが下りてくる。
 なぜ来たのかときくローズにごちゃごちゃと訳を話し、
なかなか肝心の事を言わないグレゴリーに「早く言って。老けるわ」とローズ。
 「君は美しい」「ありがとう」「愛してる。君と結婚したい」「もう結婚してるわ」やはりめまいを覚えるグレゴリー。
 オペラが鳴り響き、キスをする二人。
(アパートの住人Carlo Scibelliの粋な計らいだ。レコード。トゥーランドットよね。
「とーたる・ふぃあーず」のは「誰も寝てはならぬ」だと思うけど、これは王子が歌う愛の歌かな。題名は知らん。
間違ってるかもしれん←CD買いました。どっちも「誰も寝てはならぬ」ですね、たぶん…)

感想:恋は人を狂わせます。
 グレゴリー、最初っから少々おかしかったですが、最後にはすっかりおかしくなってましたね。
 まあ、ローズへの対応がかなりひどかったですから(本人に悪気はないんだが)、
あのくらいはおかしくなって欲しいものです。
 最後の音楽はアパートの住人の粋なはからいでしたが、
感情が高ぶると本人には音楽が聞こえるというのはありえるのではないのでしょうか。
 私は風景を見た事があります。電気も走ります。人によっては音楽も聞こえるかと。

 セックスだけが大事なわけではありませんが、肌の触れ合いは欲しい所です。
 確かにローズは美人とは言いがたいですが、グレゴリーと楽しく会話が出来、
見た目もそれほど悪くありません。
 充分です。しっかし娘はほめた方が良いね。
 あのマリア・カラスも母親に褒められないで育ってしまったみたいだけど、どう見ても美人なのにね彼女。
 相性があるのよね、親子にも。
 見た目がさほどで無くても、本人が自信を持っていれば結構他の人にも魅力的に見えるものだし。
 後、やっぱりあのように努力すればかなり変わる。

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Uターン

「Uターン U-Turn」米 1997年 ☆☆☆☆
監督:オリバー・ストーン(Oliver Stone) 原案・脚本:ジョン・リドリー(John Ridley) 撮影:(ロバート・リチャードソン Robert Richardson) 音楽:エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)

最後まで書いています、注意!!

 ボビー・クーパー(ショーン・ペン Sean Penn)の車、64年のマスタングのラジエーター・ホースが破裂し、
彼は修理のため近くの町スペリアに行く。
 その町へ通じている道の入り口には「UターンOK」の看板があった(よそ者は引き返せという意味なんだそうだ)。 ハーリン・ガレージの店主ダレル(ビリー・ボブ・ソーントン Billy Bob Thornton)に修理をまかせ町に出る。
 そこで盲目の男(ジョン・ヴォイト Jon Voight)にソーダをせびられる。そこで大きな荷物を抱えた良い女を見る。 その女グレース(ジェニファー・ロペス Jennifer Lopez)の荷物を持ってやるボビー。
 そして彼女の家でカーテン付けの手伝いをし、そのまま彼女と濃厚なキス。しかしその最中に男が現れる。
 その男ジェイク・マッケンナ(ニック・ノルティ Nick Nolte)はグレースの亭主だった。亭主に殴られ家を出る。
 亭主が追いかけてきて彼を車で送ってくれる。
 亭主はグレースを殺してくれないかと持ちかけるが、ボビーが冗談だろ?と言うと、冗談だと亭主は言う。
 ボビー、店に入る。そこで強盗に会う。
 彼の財布と大金が入ったバックまで取り上げる強盗(Abraham Benrubi)。
 店主(ヤミラ? Aida Linares?)が散弾銃(?)を撃ち強盗二人を殺すが、彼の大金も銃でバラバラになる。
 ボビー、店主に警察には俺が居なかった事にしてくれと金をやって頼む。
 修理屋に戻ると法外な値段を吹っかけられるが、彼にはその金が無かった。
 あっちこっちに電話をかけ金策に走るが、誰も金を貸してくれず、
彼はとうとう借金返せと彼の指を二本剪定ばさみ(?)で切り落とさせた男(アルカディ?ヴァレリ・ニコラエフ Valeri Nikolayev?)に言い訳の電話をかける。
 男は彼に追っ手(セルゲイ?Ilia Volokh)をかける。食堂に入る。
 そこで若い娘(ジェニー クレア・デインズ Claire Danes)にジュークボックスのお金をねだられる。
 彼と彼女が楽しく話していたら、
そこに彼女の彼氏(トビー・N・タッカー ホアキン・フェニックス Joaquin Phoenix)に因縁をつけられる。
 しかしそこに妻子連れの保安官(ヴァージル・ポッター パワーズ・ブース Powers Boothe)が現れ、
トビーは出て行く。
 金は無いし、借金取りが間もなくやってくるしで、追い詰められた彼はマッケンナの申し出を受ける事にする。
 しかし彼には殺せなかった。
 逆にジェイクを殺して金を奪わないかと持ちかけられるが、彼には殺しは出来そうに無かった。
 ボビーはバスでこの町を出る事にする。しかしバス代には持ち金が少し足りなかった。
 ボビーの切羽詰った調子に耐えられなくなったバスの受付の人(Laurie Metcalf)は彼に切符を渡す。
 そこに借金取りが現れるが、制限速度違反と銃を持っていた事により保安官に捕まる。
 それを見届け気分良くソーダ(?)を飲もうとしたら、トビーにのされる。
 そしてトビーは彼の切符を切り裂いて食べてしまう。怒ったボビーはトビーをメチャクチャに殴る。
 イカレタカップルを残して彼はグレースに電話をかける。
 ボビーとグレースはジェイクを殺して金を奪い、その金で車を取り戻す。
 二人で車で町を出たら、保安官に止められる。保安官はグレースと出来ていた。
 彼はボビーにジェイクがグレースの父親である事をしゃべり、激したグレースに射殺される。
 二人は道路のはずれの崖下にジェイクと保安官の屍体を落とす。
 その後グレースはボビーを崖下につき落とし車のエンジンをかけようとするが、キーはボビーが持っていた。
 足が折れて動けないと言う彼の所に行くグレース。ボビーに殺される。
 ボビーは車のエンジンをかけるが、車のラジエーター・ホースが破裂する。

感想

 ジェニロペ、この役、結構しっくりきてる感じ。映画に溶け込んでいる。他の役者陣もしっくり。
 ビリー・ボブ・ソーントンは知らなきゃわからない小汚い怪しさ満天の腹ぽっこり男。
 あの腹は役のために作ったのか?それとも偽物の腹?
 しかしビリー・ボブ・ソーントンより知らなきゃわからないジョン・ヴォイトの盲目の男。うん、強烈。

 この映画は見るのきついね。主人公がバスの切符を買う場面なんか、私も切符渡してやれよと思ったもん。
 あんな暑くて、ろくでもない人間にばかり会う町なんか早く出たい。
 ホアキンが切符食べちゃった時はあんまりだと思った。
 主人公もあんな怪しい修理屋を見張りもしないで町に出たりして自ら災厄を招いているような…。
 出歩くたんびに災厄と会っているから、出歩いちゃいけないね、あんな町。
 借金しちゃいけない相手に借金したのがそもそもの間違い。
 グレースの立場じゃあんな町は人殺しても出たいだろうな。
 彼女の知られたくない秘密を知ったボビーは生かしてはおけないだろう。

 強盗、見た顔だと思ったらERの受付さんでした。
Uターン

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モーターサイクル・ダイアリーズ

「モーターサイクル・ダイアリーズ The Motorcycle Diaries」2004年 2h7 ☆☆☆☆☆
監督:ウォルター・サレス(Walter Salles)製作総指揮:ロバート・レッドフォード(Robert・Redford) 脚本:ホセ・リベーラ(Jose Rivera)撮影監督:エリック・ゴーティエ(Eric Gautier)原作:モーターサイクル・ダイアリーズ チェ・ゲバラ チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記 チェ・ゲバラ トラベリング・ウィズ・ゲバラ アルベルト・グラナード

23歳の医学生エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(ガエル・ガルシア・ベルナル Gael Garcia Bernal)は、
29歳の生化学者の友アルベルト・グラナード(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ Rodrigo de la Serna)と一緒に、
ややポンコツのノートン500で南米縦断の旅に出る。
 その旅でさまざまな人々と知り合うが…。

 実は私はガエル・ガルシア・ベルナルが好き。
 見たことのある映画は「アモーレ・ペロス」と「天国の口、終わりの楽園。」だけだが。顔が好きなのかな。
 なんとなくこの映画を見ていて、私が好きな俳優の一人トニー・レオンに似ているようなと思いました。
 いえ、似てないけど…。人の好みって何から来てるのかな。
 まあそれはともかく、だからこの映画はぜひ、見たかった。(「バッド・エデュケーション」も見たいぞ!)
 しかし、ガエルが出てなくても見たいと思ったろうとは思う。好みのタイプの映画だから。
 確かにあの有名なゲバラの若き日の話だけど、それを強調せずに作るというのは正解だと思う。
 今もエルネスト達みたいに貧乏放浪旅行をしている人達はいるし、
それによって世界の見方が変わった人達は大勢いるだろう。
 これはそういう若者達を象徴した映画だと思うから。

 ガエルはもちろんだが(あのクシャッとした笑顔も好き)、アルベルト役のロドリゴ・デ・ラ・セルナもとても良かった。 ああいう軽味のある役って、結構難しいと思うもの。
 素質が大事かな(努力でそういう演技をしている人もいるのかな)。
 女達と軽やかに踊る姿が素敵。
 山道を歩いていて、アルベルトが「歩きじゃ無理だ。」と言って道の横でへばっていると、
その横を地元の人がスタスタと歩いていく。
 笑っちゃうよね。嘘も方便、口八丁手八丁で、相手を丸め込もうとするアルベルト。憎めない。
 そしてバカ正直に本当の事を言ってしまいがちなエルネスト。
 お世話になった博士の本の感想も正直に言ってしまって…。私は笑えませんでした。
 他の人が笑っている最中、ため息をついてました。おまえもか。なんせ私もバカ正直系だから………。
 思ってもいない事はどうしても言えないのよね。
 融通が利かないとも言うが、確かにその通りだから、何も言えません。
 バカ正直は他人に対しても発揮されるが、自分に対しても発揮されて、自分に不利な事も言っちゃう。
 エルネスト、その後の人生を見てもわかるが、クソ真面目系ね。(ビン・ラディンもクソ真面目系だと思うが…。)
 私も中学の時ちょこっと喘息をしていたけど、エルネストは2歳の時から、ずっと直らずに大人になってしまった。
 喘息って死ぬ事もあるし、きついと思うけど、自分の体がなまじっか弱いから、彼は自分を試すみたいに、
無茶をやったのだろう。
 何処まで出来るか、どこまで出来るか。
 日本ではそういう人を危ないから止めろと止めがちだけど、私はサポートしたいな。
 自ら自分の限界を決める必要は無いよ。

 私は半可通人間で、ゲバラについても詳しくは知らない。
 彼がカストロとキューバ革命を行った事。
 (カストロ達の計画はハッキリ言って杜撰なものだったけど、キューバの状況はあまりにひどかったから、
成功したって聞いたけど…。)
 そして、アフリカや南米でゲリラを組織して活動したって。それだけ。
 この映画でもエルネストは銃が無ければ革命は成功しないと言っていたけど、暴力は弊害もあるし、難しいな。
 エルネストは反政府ゲリラを組織したけど、私が反政府ゲリラと言って思い出すのは、
政府軍にも反政府ゲリラにもひどい目に合わされた市井の人達だし。
 でもお金持ちが自分達に不利な政策を押し進めようとする政権を、
暴力を使ってでもひっくり返そうとする可能性があるし。
 今も南米では貧富の差がはげしい。でも昔のような独裁政権は無くなった。希望はあるよね、たぶん…。

 やっぱりあのコミュニストの夫婦との会話はハッとしました。貧乏旅行と言っても余裕があるから出来るのよね。
 ホントの貧乏にはそんな余裕は無い。エルネストは少し恥ずかしかっただろう。恥じる事では無いんだろうけど。

 政治を変えるのはエルネストみたいな危ないことをする人だ。
 良くも悪くも私達の歴史はそういう人達の犠牲の上に成り立っている。
 
 緑に覆われた水墨画みたいな山を抜けるとマチュピチュがあって…。
 行ってみたい所ですね。インカの石組みも触ってみたい。

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夕なぎ

「夕なぎ Cesar et Rosalie」フランス 1972年 ☆☆☆☆
監督・共同脚本:クロード・ソーテ(Claude Sautet)製作:アンリ・ジャッキヤール(Henri Jaquillard)共同脚本:ジャン・ルー・ダバディ(Jean Loup Dabadie)撮影:ジャン・ボフティ(Jean Boffety)音楽:フィリップ・サルド(Philippe Sarde)衣装(デザイン):イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)
 
 漫画家のダビッド(サミー・フレー Sami Frey)はフランスに帰ってきた。
彼は画家のアントワーヌ(ウンベルト・オルシーニ Umberto Orsini)を訪ねる。
アントワーヌはダビッドがかつて愛した女ロザリー(ロミー・シュナイダー Romy Schneider)と結婚していた。
しかし今は離婚して彼女はセザール(イヴ・モンタン Yves Montand)と言う解体業(?)を営む男と付き合っていると聞く。
ダビッドはロザリーの母親(エヴァ・マリア・メインケ Eva Maria Meineke)の結婚式に母親自身から招待を受ける。

 結婚式の日ダビッドはセザールにロザリーが好きだと言い放つ。

 ある夜セザールがポーカーに夢中になっていた時、ふと気づくとロザリーがいなくなっていた。
セザールはロザリーの妹の別れた夫(だったっけっか…)の死をおざなりに扱っていた。
ポーカーを止めすぐに捜しに行くセザール。ダビッドの所に行ってみたが、彼女は来ていないと言う。
しかし彼女はダビッドのアトリエに来ていた。ダビッドは知らなかったのだ。
彼女はダビッドに娘がいる家まで送ってもらう。
車中、彼女はダビッドに言う、あなたはどこかにいなくなってしまったが、セザールはすぐに捜してくれる。
セザールを選ぶと。そしてキスしてと言う。

 しかしセザールは不安でダビッドにロザリーが妊娠していると嘘をつく。
ダビッドにその事を聞かされたロザリーはダビッドの元へ行ってしまう。
セザールは怒りに任せてダビッドのアトリエをメチャクチャにするが、どうしてもあきらめきれない。
二人がいる所を訪ね、ロザリーの思い出の家を買ったと話す。ダビッドの方が離れていく。

 セザールがダビッドを訪ねてくる。心ここにあらずのロザリーを何とかしたいと言うのだ。
一度は断るが、アトリエの前のカフェー(?)で頑張るセザールを見て一緒に行く事にする。
しかしロザリーにはその事は嬉しい事ではなかった…。

 イヴ・モンタン最高!!
ギャルソン!」で見せ付けられた軽やかな身のこなしがここでも「ギャルソン」程ではないけれど見られます。
表情も豊かで、ボディ・ランゲージも豊か。高田純次かと思ってしまうほどの軽みのある役だが、とっても魅力的。
車を追い抜かれた時の表情とか笑っちゃう。怒りで一杯の表情は似合わなかったな。
 
 こういう複雑な大人の恋物語っていかにもフランス。幸い悲劇に終わる話ではなく、結構気に入りました。
井上篤夫の眼 ロミー・シュナイダー


 

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ミスティック・リバー

「ミスティック・リバー Mystic River」2003年 2h18 米 ワーナー ☆☆☆☆原作:デニス・ルヘイン(Dannis Lehane)監督:クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)脚本:ブライアン・ヘルゲランド(Brian Helgeland)
ミスティック・リバー
ミスティック・リバーハヤカワ・ミステリ文庫

 路上でホッケーをしている三人の少年。
ボールが下水に落ちる。生渇きのセメントに自分達の名前を刻んでいたら大人の男性二人が乗った車が来る。
一人が降り少年達の行為を咎める。その大人は腰の所に手錠を付けていたので少年達は彼を警察と思い込む。
大人は少年達の家はどこかと訊く。デイヴの家だけが少し離れたところにあった。
大人はデイヴの家に彼を連れて行って、親にこの事を話すと言ってデイヴを車に乗せ、連れて行く。
デイヴは監禁され、4日後に自力で逃げ出した。

 25年後。少年の内の一人ジミー・マーカム(ショーン・ペン Sean Penn)は店をやっていた。
彼が刑務所に入っている時に亡くなった前妻との間に出来た娘ケイティ(エミー・ロッサム Emmy Rossum)がやって来る。
ジミーはこの19歳の娘ケイティを可愛がっていた。
ケイティは口がきけない弟レイ・ハリス・ジュニア(スペンサー・トリート・クラーク)がいるブレンダン(トム・ゲーリー Thomas Guiry)と親に内緒でつきあっていた。
その夜バーでデイヴ・ボイル(ティム・ロビンズ Tim Robbins)は仲間と楽しく踊るケイティを見る。
デイヴが家に帰って来る。彼は血を流していた。
傷は強盗に付けられたもので、そいつを殴った、
殺してしまったかもしれないと彼は妻セレステ(マーシア・ゲイ・ハーデン Marcia Gay Harden)に言う。
しかし新聞を見てみても男の撲殺死体の事は書いてなく、夫の言う事はあいまいで矛盾があった。

 警察に血だらけの車があると言う少年の声の匿名の電話が来る。
三人の少年の内の一人ショーン・ディバイン(ケヴィン・ベーコン Kevin Bacon)は刑事になっていて
、その現場に出向く。
車はケイティの物で、車から離れた所でケイティの死体が見つかる。
ジミーは昔の悪仲間だったサヴェッジ兄弟を使って、警察より早く犯人を見つけようとする。

 デイヴの妻はケイティが殺された事を知り、デイヴのおかしな様子もあいまって、
夫がケイティを殺したのではないかと疑う。

 ショーンの同僚ホワイティー・パワーズ(ローレンス・フィッシュバーン Laurence Fishburne)はデイヴの手の傷を見て、
デイヴを疑い、デイヴの車を盗難車という事にして勝手に調べ、前のシートにB型、
トランクにO型の血が付いている事を見つけ、デイヴを連行する。
しかしデイヴに見事にはぐらかされる。

 デイヴが警察に連行された事をサヴェッジ兄弟がジミーに知らせる。
そしてデイヴの妻セレステはジミーにデイヴがケイティを殺したかもしれないと打ち明ける。

 一方ショーン達の方は事件に使われた銃の線を追っているうちにある事に気づく。

 この映画の原作はハヤカワから出ていて、「パトリック&アンジー・シリーズ」は角川から出ている。
角川はこの作者の名前を「レヘイン」と表記しているが、ハヤカワは「ルヘイン」。
「ルヘイン」の方が発音が近いみたい。ルヘインはこの話の舞台ボストンで育ったらしい。
最後のアイルランド人の守護聖人聖パトリックの日のパレードで車の上で手を振っているのが本人らしい。

 イーストウッドはワンテイク主義であまり撮り直しはしないそう。
ジミーが激してコーヒーをこぼすシーン、デイヴがマッチでやけどしそうになるシーンは偶然。
ケイティの死体が見つかるシーンで鳩を飛ばす予定が飛ばず、大事な事ではないとあきらめたそうだ。

 私はわからなかったんだけど、少年ジミーとショーンは住所をきかれた時に嘘をついたんだそうだ。
近くじゃないとわかったら車に乗せられると思って…。デイヴだけが正直に言っちゃった。
真実を言ってバカをみたデイヴはそれ以来嘘ばかりついている。

 私にとって印象的だったのはブレンダンがふるう暴力。殴りたくなる事だが、環境や血の呪いのように見えた。
ブレンダンの母親のように子供に平気でひどい事を言う母親がティム・ロビンズの近所にいたそうだ。
彼はロアーマンハッタン出身。
その地のカトリック系の学校に通っていた子供達は街を出て行くか刑務所に入るかするのが多かったそう。
ちなみにケヴィン・ベーコンの父親はタイム誌の表紙にもなった大物だそうだ。

 ジミーの妻アナベス(ローラ・リニー Laura Linney)は何もかもわかった上でジミーの事を丸め込む。
家族を守るためだが、ある意味怖い。
ローラ・リニーは「ラブ・アクチュアリーLove Actually」で黄金のマスクと体を持つロドリゴ・サントロと恋仲になりそうになるOL役の人。
180度違う役だ。マーシア・ゲイ・ハーデンは素晴らしい女優だと思う。とても痛々しかった。
ケイティ役のエミー・ロッサムは結構魅力的な娘。
雑誌には「オペラ座の怪人」のヒロイン役になりそうと書いているけれど、どうだったのかな。
ブライアン・ヘルゲランドは「L.A.コンフィデンシャル」の脚本家。

「ゴールデングローブ賞」作品賞ノミネート ショーン・ペン主演男優賞受賞 ティム・ロビンズ助演男優賞受賞 監督賞ノミネート
「アカデミー賞」作品賞ノミネート ショーン・ペン主演男優賞受賞 ティム・ロビンズ助演男賞受賞 マーシア・ゲイ・ハーデン助演女優賞ノミネート 監督賞ノミネート 脚色賞ノミネート

 メモ:ブレンダンの暴力とジミーの暴力が交互に映るシーン=インターカット
 


 

 

 

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酔っぱらった馬の時間

酔っぱらった馬の時間」2000年 イラン 1h20 配給:オフィスサンマルサン ユーロスペースにて ☆☆☆☆
監督・製作・脚本:バフマン・ゴバディ 撮影:サイド・ニクザード 音楽:ホセイン・アリザデ 編集:サマド・タウゾイ

 子供達が密輸する品が壊れないように新聞紙で包む仕事をしている。
少女アーマネ(アーマネ・エクティアルディニ)はその仕事をしながら、
障害のある兄マディ(マディ・エクティアルディニ)の面倒をみている。
そして別の所で仕事していた兄アヨブ(アヨブ・アハマディ)と共に他の子供達と一緒に密輸業者のトラックで帰る。
密輸業者はノートも密輸しようと子供達に隠して持てと言うのだが、国境でばれる。

 彼らはクルド人。イランとイラクの国境のあたりに住んでいる。
アーマネ兄弟はイランのクルド人だが、さっきのトラックにはイラクのクルド人の子もいた。
この映画はクルド語で話しているそうである。国を持たない最大の少数民族として有名である。

 兄弟の母親は末の妹を生んだ時に亡くなっていた。父親は密輸の仕事をしていた。
兄弟が帰った時、父親は地雷にやられ死体となって帰って来た。
長女、マディ、アヨブ、アーマネ、末の妹の五人兄弟。

 12歳のアヨブが家長になった。アヨブは学校を止め、15歳の兄マディの手術代を稼ぐため、密輸の仕事をする。
マディは手術しないと1ヶ月持つかどうかで、手術しても余命は7~8ヶ月と医者に言われる。
マディはしょっちゅう薬を飲み、注射を打たれる。

 アヨブは重い荷を背負い、どう見ても歩きにくい雪山を登る。国境には地雷が埋まっている。
警備隊は密輸人を見つけたら撃ってくる。非常に危険な仕事だ。
アヨブはマディにボディビルダーの写真をおみやげに持って来、アーマネにノートを買ってやる。

 叔父さんがけんかで怪我をし、アヨブは叔父さんからラバを借りて、ラバで密輸の仕事をする。
警備隊に見つかり逃げる。

 帰ったら、姉の結婚話が決まっていた。
アヨブは自分に相談もせずと姉の結婚話を決めた叔父さんを怒るが、子供扱いされただけだった。
結納金をもらわない代わりに、マディをイラクで手術を受けさせるという条件だった。

 マディを荷物のようにラバにくくりつけ(マディは小人だ)、長女はラバに乗り、叔父が傍らを歩き、
雪山を越えてゆく。
アヨブも追いかけてゆく。しかし嫁ぎ先の姑がマディは要らないと言う。10人も子供がいるのだ。
叔父は、では離縁だと言うが、それは駄目だと姑は言う。結局結納金はラバ一頭ということになる。

 アヨブはイラクでラバを売って、その費用でマディに手術を受けさせようと、マディを背負い、ラバを引っ張って、
密輸隊と一緒に行く。
警備隊に見つかりそうになり、逃げる密輸隊。
寒さ対策のためラバに酒を飲ませていたのだが、ラバはすっかり酔っ払い、なかなか逃げてくれない。
途方にくれるアヨブだが、ようやくラバが動いてくれる。密輸隊とはぐれ、たどり着いた先は国境だった。

 暗い映画と評判で戦々恐々だったが、それ程でもなかった
(「靴みがき」や「地下水道」の方が暗い)。
見てすぐ引き込まれた。

 静かで緊張感あふれる映像。マディの顔は印象的(マディ本人が難病だ)。
寒々とした中、こごえてしまいそうなマディは見ていてハラハラする。貧しくても兄弟の仲が良いのは救われる。
アヨブは12歳だが立派な家長だ。12歳で大人の役割を押し付けられると言うのは不幸なんだろうが…。

 最後、国境にアヨブが着いた所で終わるのだが、地雷はあるは、
警備隊はいるはでハッピーエンドとはとても言えない。
手術をした所でマディの寿命は幾ばくも無い。これからもつらい事が続くのは確かな事だ。

 

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マスター・アンド・コマンダー

マスター・アンド・コマンダー Master and Commander:The Far Side of the World」2003年2h19 米 ☆☆☆☆監督:ピーター・ウィアー(Peter Weir)原作:パトリック・オブライアン(Patrick O’Brian)撮影:ラッセル・ボイド(Russell Boyd)

 1805年、ナポレオンの時代、英国と仏国は敵対関係にあった。
オーブリー艦長(ラッセル・クロー Russell Crowe)に下された命令はブラジル沖にいる敵の私掠船アケロン号を太平洋に出すなと言うことであった。

 霧が濃い朝、士官候補生ホロム(リー・イングルビー Lee Ingleby)が望遠鏡を覗いていると、
霧の中にちらっと帆船の影のごときものが見えた。
戦闘態勢をとるかどうか決断を迫る同じ士官候補生のカラミー(だったと思う、たぶん… マックス・ベニッツ Max Benitz)だったが、
ホロムはなかなか決断せず、結局カラミーが戦闘態勢をとるよう命令を下す。

 影は敵の私掠船アケロン号だった。
なんとか逃げきるが、オーブリーのサプライズ号は散々にやられ、
12歳の士官候補生ウィル・ブレイクニー(マックス・パーキス Max Pirkis)も負傷し、
船医スティーブン・マチュリン(ポール・ベタニー Paul Bettany)の判断により、右腕を切り落とすことになる。

 その後又、アケロン号に追われるが、オーブリーの巧妙な計略により敵艦の後方に回り込むことに成功する。
しかし嵐に巻き込まれ、帆を巻き上げようとしていた船員共々マストが折れて海に落ち、
オーブリーは船を助けるため、綱を切り落とし、船員を見殺しにする。

 重なる苦難に船員たちは、ホロムが悪運を呼び込んでいると言い始める。
ホロムの当直の時にアケロン号が来る、マストの船員をもたもたしていて助けなかったのもホロムだと言うのだ。
下の者がそのような事を言っているのを聞いても、気が弱く叱る事が出来ないホロム。
船員がわざとホロムに肩でぶつかり、それを咎めないホロムを見て、オーブリーはその船員に罰を与える。
ますますホロムに対する風当たりは悪くなり、とうとうホロムはブレイクニーの目の前で海に身を投げ自殺する。

イギリスの捕鯨船がいるガラパゴス島に行くサプライズ号。
そこにはアケロン号にやられた捕鯨船の生き残りの船員達がいた。
アケロン号を追いかける事にするオーブリー。
博物学をやり、船の上から2種類も新種を見つけた船医のマチュリンは不満たらたらである。

 ある日船の周りを1匹の鳥が飛び回った。一人の船員が鳥を撃とうとするが、間違って船医を撃ってしまう。
彼の体から弾と一緒に入ったシャツの切れ端を取らなければいけないが、船は揺れていて助手にはうまく出来ない。オーブリーはガラパゴス島に停泊することに決める。

 船医は自分で弾とシャツの切れ端を取り出す。
しばらくして回復した船医はガラパゴス島の生物を調べるためにブレイクニーともう一人を連れて出かける。
船から見た飛べない鵜を見つけるため遠出をしたら、アケロン号を発見してしまう。

 策略を使ってアケロン号に近づき、見事アケロン号を捕獲する。しかし、その戦闘でカラミーは亡くなってしまう。

 アケロン号を副艦長のトーマス・ブリングス(ジェームズ・ダーシー James D’Arcy)にまかせ、
船を出すオーブリー。
しかし死んだと思ったアケロン号の船長が生きていたことを知り、再びアケロン号を追うサプライズ号であった。

 映画が始まって早々に出るピピン。舵をまわしています。

 マチュリンがサプライズ号を老いぼれと言うとシーンとなる作戦室(?)。
サプライズ号は船長のオーブリーが士官候補生の時に乗っていた船。
自分の事を言われたように思ったのか、それとも愛する船の悪口がいやだったのか、
この船は今が盛りだと言う船長。
私も現在乗っている船の悪口は慎んだほうが良いと思うな。物に魂があると何となく思ってしまう日本人としては。

 歌声が綺麗なホロム。そっちの方を活かせれば良かったのにね。自ら沈んでいくホロム、哀れ。

 嵐のシーンは迫力満点。マストの船員さん、可哀相な事をしました。

 
 

 

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