ヒストリエ(2)

ヒストリエ 3~4

34

「ヒストリエ」3~4巻 岩明均

 エウメネスはオルビアのゼラルコスに買われる。
 カロンは彼に「どんな事があっても希望を捨てず切りぬけてゆくんだ!」と言う言葉をかける。
 カロンはエウメネスに言えなかったが、エウメネスの母親はカロンがエウメネスの首に刃を突き付けたので、
戦うのを止めたのだった。

 船に乗ってしばらくしたら奴隷の反乱が起こる。どうやらゼラルコスの奴隷の扱いはひどい物だったらしい。
 奴隷達は全員去勢されていた。しかし操船のための人手が足らず、船は嵐で沈む。

 サテュラと言う猫に起こされる夢を見て目が覚めたエウメネスの目の前には少女がいた。
 彼女は出てったが、そこにいた女の子に聞いてみるとここはボアの村だそうだ。
 後から来た母親らしき人に聞くと、一番近い町はティオス。
 村長の尋問を受けるが、どうやら怪しい人物では無いとみなされたみたいだ。
 しかし一番初めに会った少女は怪しいと言う。彼女の名、サテュラを呼んだからだ。
 エウメネスはサテュラが夢の中に出てきた猫の名前である事を教える。
 この頃猫は普及しておらず、彼女は猫を知らなかったが。

 エウメネスがお世話になっている家は夫人がベラ、娘がケイラ、亭主がラド、そして姪のサテュラ。
 サテュラの父母は亡くなっていて、母の妹のベラに引き取られた。サテュラの父親は先代の村長。
 この村には奴隷はいなかった。村の若者は剣の稽古をしてい、村は柵に囲まれていて、裏には人口のため池。 浜にはエウメネス以外も転がっていたそうだが、全部死体だったそうだ。
 男はエウメネスだけだったし、役立たずを拾って来ても仕方が無いとエウメネスを拾った男は言う。

 ここは下ばきを履く文化の所だった。エウメネスは剣の腕前は一番と言うバトに剣を習いたいと申し込む。
 エウメネスなりに村の現状を見て、この村は兵士が欲しいのかと思ったのだ。しかし最近は戦はないらしい。
 以前は地元民と小競り合いがあったみたいだが。
 ボアと言うのは何世代か前に皆を率いてやってきた女性指導者の名前。
 元々ただの荒れ地や森だった所を開墾し耕作を始めた。
 やがて多くの小麦やオリーブが収穫されだすと先住民達と衝突するようになった。
 今更ながら、よそ者は出てけ(農地を残して)というわけ。
 村人達は踏みとどまったが戦は絶えず、ティオスに地元民との調停を依頼した。
 ティオス市の仲裁で戦は無くなり、村は市へ朝貢するようになった。
 バトは剣を教えてやってもいいけど、代わりに何をしてくれると言う。
 自分が皆のために何ができるのか自分で工夫し考えると言うのが初代村長の教えだそうだ。
 エウメネスはヘロドトスを教えると言う。

 何年か経った。

 サテュラには許嫁がいた。相手はティオス市の第一実力者の息子。
 ティオスの実力者フィレタイロスとサテュラの父親が仲が良かったかららしい。

 朝貢の途中で、村人が鎧を着た人間に殺された。
 敵の正体はわからないが、ティオス市に訳を話しに行かなければならない。バトとエウメネスも行く事になった。

 フィレタイロスが具合が悪く、息子が出てきた。
 弟の方で、兄の事を聞くと、兄はボアの村に尋ねると昨日発ったさおうだ。しかし、村人は途中で会っていない。 弟は何かにきがついたようだ。エウメネスは殺されたクレドの剣を下げている男を見つけ、バト達と跡を付ける。 そこでは軍事訓練をしていた。フィレタイロス家の執事もいた。

 フィレタイロスの長男ダイマコスが村に来、サテュラに会う。ダイマコスはこの村を襲うつもりだった。

 エウメネスは一人町に残って調べる事にする。
 歩兵にティオス市民は一人もいなく、周辺地域に住む地元民でダイマコスの私兵だった。
 ダイマコスは野心家で自分の家の領地を広げたく、温厚な父が重病に倒れたので、動きだしたのだ。

 エウメネスが村に帰ったら、村人の方が良く知っていた。弟のテレマコスが来てあらいざらいしゃべったのだ。
 争っては欲しくないが、自分には兄を止める力は無い。
 内陸部に領土を開くとなれば、市民の支持も得るかもしれない。で、この地を退去してくれと言うのだ。
 しかし村は戦う事に決める。

 村長が裏のため池を見ているのでどうしたのか聞いたら、なんとこのため池、歩いて渡れるのだそうだ。
 最初の堤が残っていて、水に隠れているが、そこは歩いて渡れる。
 村人の多くは知らないが年寄りは知っていて、地元民の中にも知っている人がいるかもしれない。
 それを聞いてエウメネスは作戦を立てる。柵の内側に柵を作りそこに敵を呼んで一戦を交える。
 柵の材料は村の中央にある解体作業が外からほとんど見えない家三軒を解体して作る。
 エウメネスは遭難した時のギリシア服を着て、バトに背中を斬ってもらう。
 エウメネスはダイマコスの所に行く前に、ダイマコスは生け捕りにしろと村人に言う。
 そしてダイマコスの所に行き、
買い付けに来て行きにも泊まった村に泊まったら使用人を殺され父と捕えられたと言う話をする。
 そしてため池が歩いて渡れる話をする。テレマコスが兄を説得しに来ていた。テレマコスはエウメネスに会う。
 ダイマコスはその歩ける所から村に攻め入る。
 しかしそれはエウメネスの罠で、兵達は第二の柵の所に誘いこまれ、先を尖らされた柵にやられていく。
 エウメネスは長い槍も作らせた。戦は村人の圧倒的勝利。
 ダイマコスはエウメネスの言うとおり生かそうとするが、偉そうな態度なので、つい殺してしまう。
 村に帰ったエウメネスはダイマコスと執事とフィレタイロス家の家人の死体を綺麗にして、持ち物も盗らず、
丁寧に棺に入れろと言う。
 彼らの死体はフィレタイロス家に引き取られ、一月後、フィレタイロス家から和睦の申し入れがある。
 フィレタイロスその人が重い病を押してやってきた。
 テレマコスもやってきて、彼はサテュラを妻に迎える事を宣言する。
 エウメネスが好きなサテュラはエウメネスの腕を離さず、叔父が無理矢理離す。
 テレマコスはエウメネスの顔を見て、あの時の村の策略に気づく。
 狂ったように笑うテレマコスに、和睦は無しになったかと思われたが、エウメネスは自分一人が悪者になり、
この村を出て行く事で、和睦をなす。

 バルシネはアリストテレスを探して、一人で彼の家に入る。
 しかしそこにはアリストテレスはいず、そこにいた男は彼女に飲み物を提供し、時の波が見えると言う。
 私には大きな力があり、貴方を守る事が出来ると言う。
 アリストテレスはこの島にはいない、おそらく陸路だろうと言うので、彼女は飲まずに出て行く。
 男はその飲み物を床に捨てる。しかしバルシネはアリストテレスに逃げられる。
 あの男はカルディアまで来ている。だからアリストテレスもカルディアだろうと言うのがバルシネの考え。

感想:相変わらず頭冴えまくりのエウメネス。考え方が情に溺れず、現実的だし。
 しかし、そうそうに奴隷状態から解放されて良かった。

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ヒストリエ1~2

「ヒストリエ」1~2 岩明均 ☆☆☆☆☆

最後まで書いています。注意!

 紀元前343年、ペルシア帝国。エウメネスは海峡を渡ろうとしていた。小さな舟はあるのだが、櫂が無い。
曲がりくねったブロンズで出来た蛇を見つけたので、それに木の枝をくくりつけ、足で漕ごうと思いつく。
一方メムノンはアリストテレスを追っていた。
エウメネスはアリストテレスに舟を売ってくれと頼まれるが、舟は売るつもりは無く、
アリストテレス一行を一緒に乗せられるほど舟は大きくなかった。
アルキメデス達は別に舟を探しに行く。そこに若い女が現れる。
彼女はアルキメデスでさえ、しばらく考えなければ分からなかった蛇で櫂を作るという発想をすぐ見抜き、
40過ぎの学者風の男と若者と奴隷の3人連れの事を聞く。
アリストテレス達の事とすぐ気づいたが、エウメネスは見かけていないと言った。
いよいよ櫂が完成し、海峡を渡ろうとしたら、アリストテレスと若者が走ってくる。奴隷は荷物を持って逃げたのだ。荷物なしの二人だけならとエウメネスは二人を乗せる。
馬に乗った女も来るが、一行はなんとか逃げる事が出来た。
アリストテレスによると女はトロイアス州総督の妻バルシネだった。

 お迎えが来たアリストテレス達と別れ、エウメネスは故郷カルディアに着く。
しかしカルディアはマケドニアの大群に囲まれていた。
その中に威厳ある男を見るエウメネス、その軍の様子を見て、これはただの脅しで、
カルディアと協定を結びたいのだと見抜く。
やはり町に入れず困っていた老婦人の奴隷として、軍の間を通り過ぎる。
彼の思惑通り、軍は彼と老婦人に危害を加えなかった。しかし町の人は門を開けてくれない。
そこにエウメネスと老婦人が通るのを見て、同じように通ってきた3人組みが来る。
ペリントスの商人アンティゴノスと名乗る男と二人の連れだった。
エウメネスはアンティゴノスの荷物を見せてもらい、その中の壷を老婦人の夫の遺骨を入れた物と偽り、
主人は市の功労者だった、どうか入れてくれと大声で叫び始めた。
それでも門は開かなかったが、次にエウメネスはマケドニアの軍に向かって同じ事を叫び始める。
馬に乗っていた身分の高そうな若い男が軍の行進を止めさせる。
エウメネスの声は響き、市は外聞が悪いからと、とうとう門を開くのだった。
アンティゴノスはエウメネスにヒエロニュモスの家の場所を尋ねる。案内するエウメネス。
その途中でなぜ軍の間を無事通り抜けると思ったのか聞くアンティゴノス。
彼の答えを聞いて、その頭の良さに感心し、彼は自分の所で働かないかと三日後に会おうと言うのだった。
ヒエロニュモスの家は廃墟になっていた。アンティゴノスはヘカタイオスの事を聞いてくる。
その名を聞き「ヘカタイオスだと!?」と尋常ではない反応を示すエウメネス。彼は家は知らないと言った。
そして廃墟で過去を思い出す。

 トラキアは奴隷の一大収穫地でカルディアはアテネへ奴隷を送る中継基地だった。
エウメネスは有力者ヒエロニュモスの子で、兄の名前もヒエロニュモスだった。
エウメネスは鮮やかに人を殺していく女の夢を良く見た。
奴隷のカロンにその話をすると、その夢の事はあまり言わない方が良いと言われる。
エウメネスは頭がよく、本も良く読み、下の身分の者とも気軽に話す性格だった。夢。
鮮やかに人を斬っていた女はふとこっちを見、動きが止まり、刺されてしまう。
犯されながら切り刻まれていく女はじっと自分の方を見ている。
自分は死んだ女の視線の先に行き、女の顔を見つめる。夢を見ているエウメネスは涙を流していた。

 手と足が鎖で縛られているスキタイ人の奴隷トラクスは主人に虐待されていた。
転ばされた彼に手を差し伸べるエウメネス。トラクスはふっと笑って自分で起きるのだった。

 体育習練をするエウメネス達。
エウメネスは徒競走では一番だったが、何と言ってもニコゲネスが一番成績が良かった。
そのニコゲネスに目をつけた年長組みは年少組みがまだ習っていない拳格闘でニコゲネスをシメようとする。
ぼこぼこにやられるニコゲネス。他の友達も全員やられる。
エウメネスがヒエロニュモスの弟である事に気づき、ヒエロニュモスを呼んでくる年長組。
ヒエロニュモスは弟相手に拳格闘を始めるが、逆にエウメネスにやられてしまう。
エウメネスは夢の女の動きを思い出していた。他の年長組みもやっつけるエウメネス。

 鎖をはずされたトラクスは近くにいた主人の家人達を全員殺した。
門を閉められ外に出られなかったトラクスは向かってくる街の者達を次々と倒していく。
トラクスの動きに魅せられていたエウメネスは街の者に盾代わりにされてしまうが、トラクスはその街の者を殺し、エウメネスは殺さなかった。
後に一人死に掛けているトラクスを発見したエウメネスは父の下で働いているヘカタイオスにその事を言う。
夜、目覚めて部屋を出たエウメネスは死んでいる父とその側にいるヘカタイオスとゲラダスを見る。
ヘカタイオスによるとエウメネスはトラクスに尾行されていて、トラクスがヒエロニュモスを殺したのだと言う。
しかし瀕死の状態のトラクスにそんな力があったとは思えなかった。
エウメネスの抗弁はヘカタイオスのエウメネスはスキタイ人だと言う一言によりひっくり返ってしまう。
エウメネスは市所有の奴隷という事になる。なぜヒエロニュモスはスキタイ人の子を引き取ったのか。
あの夢の女はエウメネスの母親だった。
母親の無残な死体を見ても何の感情も見せないエウメネスを勇者だと思い、
ヒエロニュモスは彼を引き取ったのだ。
しかし奴隷カロンの考えでは違う。
女と近しい間柄とわかれば、自分もあのような目にあうかもしれないと幼いながらも感じて泣かなかった。
それはそれで大変な才能だとカロンは言う。
ヒエロニュモスの妻は思い出す、初めてエウメネスと会った時の事を。
彼女と二人きりになった時、エウメネスはしがみついて来て涙を流したのだった。

感想:ちらっと見た時は残酷シーンが一杯で、うわっ苦手と思ったが、ちゃんと読んでみたら面白くって…。
やっぱり基本、頭の良い人に弱いからな私は。
今でも残酷はあるけど、昔は残酷をちっとも悪いと思っていなかったから、もろにあっただろうな。
ギリシア文化って確かにすごいんだけど、あんな風に奴隷を使ってたし、女を一段低く見ていたし、
それを考えると、あまり好きとは言えないような。
あのかっこいい若者がきっとアレキサンダーね。本物がハンサムだったかどうかは知らないが。
金髪じゃなく黒髪だと思うんだけど、本当はどうなの?

ヒストリエ(アフタヌーンKC)
岩明 均
講談社 (N/A)
通常24時間以内に発送します。
ヒストリエ 2
岩明 均
講談社 (2004.10)
通常24時間以内に発送します。

ちっちゃん俳句「全身に 結成される バスケット」

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