ファン・ジニ(5)

空白の舞譜

「空白の舞譜(まいふ)」
ファン・ジニ 第18話 脚本:ユン・ソンジュ 演出:キム・チョルギュ

 ピョクケス(リュ・テジョン 声:桐本琢也)はペンム(キム・ヨンエ 声:藤田淑子)へを杖刑に処す事を要求する。 杖刑に処されれば、脚が折られるだろう。タンシム(イ・イネ 声:藤谷みき)はピョクケスの子を宿した事を話し、子供に免じてペンムを許してくれと請うが、キーセンの子など誰の子供かわからないと言われてしまう。
 傷心の彼女がフラフラと帰ろうと道を歩んでいた時、ミョンウォル(ハ・ジウォン 声:本田貴子)に会う。
 タンシムにはミョンウォルが何をしようとしているのかわかった。
 ミョンウォルもタンシムの気持はわかっていたが、仕方の無い事だった。タンシムにもそれはわかっていた。
 ミョンウォルはピョクケスに自分が側女(そばめ)になる事を条件にペンムの放免を請う。
 タンシムはその事をペンムに伝える。
 トクパル(ムン・チュンシク 声:飯島肇)がメヒャン(キム・ボヨン 声:高島雅羅)にペンムの危難を知らせる。
 メヒャンはキム・ジョンハン(キム・ジェウォン 声:宮内敦士)に助けを求める。
 ペンムはスマン様に少しの間牢から出してくれと頼む。キーセンとして最後の夜だからと。
 スマンはペンムの願いを聞く。彼女は自分の部屋に行き、鶴の舞用の衣装を出し、泣く。
 そこにミョンウォルが来る。ミョンウォルはこれからもいくらでも舞えると言う。
 ピョクケス様の側室になると申し出たとかとペンムが言うと、ほどこしのつもりですと返すミョンウォル。
 結局二人は口論してしまい、ミョンウォルは部屋を出る。ペンムは鶴の舞の舞譜を見る。
 そしてピョクケスに死をもって己の罪を償うからミョンウォルを側室にするなどと夢にも思うなとの文を出す。
 ミョンウォルが又ペンムの部屋に行くとそこには鶴の舞 
ファン・ジニ(鶴舞 黄眞伊)と表紙に書かれた舞譜があり、開いてみると何も書かれていなかった。
 動揺するミョンウォル。ペンムはあの白い鶴の舞用の衣装をまとい鶴の舞を一人崖の上で舞う。
 そして彼女は崖から落ちる。彼女の遺体が見つかる。
 その遺体に縋りつき泣くクムチュン(チョン・ギョンスン 声:雨蘭咲木子)達。
 ミョンウォルは怖い顔で「起きて」と遺体に向かって言う。
 「何をしているの。恥ずかしくないの。こんなのずるいわ。一人で逃げるなんて卑怯よ。私は認めない。
だから起きて。早く起きて!…目を開けて。話があるの。話があるのよ!」
 遺体を揺すぶるミョンウォル。
 「あなたは全て話したかもしれないけど、私はまだ話があるの。目を開けて!早く起きてよ!早く!」
 涙を流し遺体を揺すぶるミョンウォルをキム・ジョンハンが止める。
 彼は思わぬ結果になり傷つき荒れているピョクケスに都に帰ろうと言う。
 ヒョングム(チョン・ミソン 声:島本須美)は舟に乗ってペンムの灰を死んだらこの川に行きたいと言っていた川に撒く。
 教坊の者達は死者を悼む真っ白な衣装を身にまとい、川辺で泣いている。
 そこにミョンウォルが着飾って現れる。
 彼女はピョクケスが中断させたために最後まで舞えなかった、ヘンス(行首)が最後まで舞わせようとした、
宮廷舞を一人舞う。

感想:ペンムがやった事はキーセンとして丸っきり間違っている。
 もてなしが大事なのだから、主賓が舞を所望していないのなら、中断するべき。
 しかしペンムがどうしてそうしたかはわかる。
 ミョンウォルに彼女の鶴の舞がただただ優れた技能を披露するためだけの物で、
舞にの美しさを考えていない事を指摘され、それが正しいとわかってしまったから。
 しかもミョンウォルは鶴その物を観察し、ペンムより優れた舞を披露した。
 自分が長い間固執していた物だから、その衝撃は大きい。
 ペンムが自殺してしまい、ピョクケスは傷ついたろう。
 彼は王族なのだから、キーセンごときに侮辱されるのは許せないだろう。しかしこんな事は望んでいなかった。 でも足を折る事を要求していたから、やっぱり、あまり同情出来ない。
 彼のミョンウォルへの固執もちょっと何だったし。愛じゃないよね。
 単に彼女が人気のある女性で、しかも彼になびかないから固執したのよね。
 キム・ジョンハンがピョクケスをあまり責めず都へ帰ろうと言うだけなのには感心した。
 ピョクケス、十分傷ついてるから。彼、タンシムも傷つけてたけど、男の言いそうな事よね。
 まあ、ピョクケス、タンシムの事愛していたわけではないから。
 メヒャンが何だかんだ言って、ペンムの事をわかっていて、彼女を心配して、すぐに行動に移して感動した。
 感じ良いよね。

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愛の調べ

「愛の調べ」
ファン・ジニ 第16話 脚本:ユン・ソンジュ 演出:キム・チョルギュ

 ミョンウォル(ハ・ジウォン 声:本田貴子)にとって自分が芸を捨てる事も嫌だったが、
キム・ジョンハン(キム・ジェウォン 声:宮内敦士)が全てを無くす事も嫌だった。
 ゆえに彼の求愛を拒んだ。

 トクパル(ムン・チョンシク 声:飯島肇)はケトン(イ・イネ 声:藤谷みき)に妓夫になる事を申し込むが、
彼女は妊娠していると言って拒む。
 しかしその事をクムチュン(チョン・ギョンスン 声:雨蘭咲木子)に聞かれてしまう。
 誰の子かとケトンを責める仲間達。
 キーセンの子は女の子だったらキーセンになるしかなく、男の子だったとしても身分は賤民、
あまり幸福は望めない。
 しかしケトンの母親が出てきて、
ケトンの子が王族であるピョクケス(リュ・テジョン 声:桐本琢也)の子である事を示唆する。
 王族の子供であれば粗末には扱われない。

 ミョンウォル(ハ・ジウォン 声:本田貴子)とオムス(チョ・ソンハ 声:内田直哉)は宴に呼ばれる。
 その宴の主賓黄進士(ファン・チンサ オ・デギュ)を見て浮かぬ顔になるオムス。
 ファンはミョンウォルに見覚えがあった。彼の知っている女に似ているのだ。20年以上も前の話だが。
 松都(ソンド)にいた頃気まぐれに情けを交わしたのキーセンがいたのだが、たわむれが過ぎたのか、
危うく思いもかけぬ災難に会う所だったとファン。
 ミョンウォルはその話を詳しく聞きたがる。
 しぶるファンだったが、お話が面白ければ玉代として旦那様に共寝を申し込むとミョンウォル。
 しかし彼はそなたも共寝一度で私のおなごになった、だから一生そばに置けとせがむつもりかと言う。
 そんな事があったのかと彼の友(郷班 ヒョンパン)は言う。
 そなたはどうしたのだと聞く友だったが、ミョンウォルが「捨てたのです」とファンが答える前に言う。
 「ほかに手だてはありませんものね。
学問に勤しもうと訪れた名勝の地で、欲望に勝てず妓生を抱き、子までこしらえてしまった。
でも生ませるわけにはいかなかった」
 「チニ」とオムスが止めようとするがミョンウォルの言葉は止まらない。
 「だからおろせと言ったのですか。けれど嫌だと言われた。それでもしや、毒草でも飲ませたのですか」
 「そなた、…そなたは誰だ」
 「ヒョングムでは、ありませんか。
カヤグムの名手だったソンド教坊のヒョングムが、今お話しされた愚かなキーセンではありませんか」
 「なぜだ。なぜおまえがそれを」ミョンウォルはファンの顔に酒をかけて帰る。

 夜、チニの部屋にオムスが来る。母親が会いたがっているそうだ。今日の事を口止めするオムス。
 ファンが今夜来るとの事。
 追い返してやりますとチニは言うが、母が20年もの間待ち続けていた人だとオムスは言う。
 その希望がなければ、おまえの母は今日まで生きてこられなかったとオムス。
 丁重に暖かく迎えろとオムス、決して母を悲しませないように。
 ヒョングム(チョン・ミソン 声:島本須美)は綺麗に着飾り、嬉しそうにファンを待っていた。
 都一の楽士のオムスが、好いたキーセンの後を追い、ソンドに来てから25年経っていた。
 やってきたファンは宴の時と違って、ヒョングムに優しい言葉で答えていた。しかし様子がぎくしゃくしている。
 一人カヤグムを弾いているオムスの部屋にチニが酒肴を持って来る。
 オムスが母に会うようにファンに頼み、何を言えば良いのかも教えたのだ。
 どうしてあの人を母に会わせたのかとチニは聞き、おまえの母が喜ぶだろうとオムスが答える。
 オムス様は良いのですかと聞くチニに私は構わないとオムス。
 「愛とは、何ですか。オムス様の信じる愛とは何なのですか」
 「…緩やかな…調べだ。
速い調子で軽やかに進むのではなく、ゆったりとして、物悲しく聞こえるが、情緒に溢れる、そんな調べだ」
 「オムス様」
 「誰もが先を急ぐ世の中だが、ゆったりと流れる愛が、一つくらいあっても良いだろう。
だがおまえは、おまえはそんな愛し方をするで無い。諦められる愛ならば、自分から終えなさい。
終えるのだ。成し遂げられる愛、そういう愛を、掴みなさい」

感想:チニとジョンハンがついに結ばれましたが、あまりこのカップルに関心が無くて…。
 いえ、お似合いと思いますが、ジョンハンよりムミョンの方が好みなんだもん!
 いえ、現実にジョンハンがいれば、好きになるとおもいますが、ドラマの世界では顔の良さを求めたいなあ~。
 いや、顔が良く無くても魅力的に演じていた役者はいたな…。え、演技力………?
 いや、へたとは思わないのだが…。で、オムスの方が好み。
 そばに素敵な人がいるのに何で気付かないんだ、ヒョングムは。
 プヨン、どうしてもいつも何かを企んでいるみたいに見られてしまって、開き直ったような気がします。
 そう思うんなら、そうなってやる!と言った感じ。

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冷たい月

「冷たい月」
ファン・ジニ 第10話 脚本:ユン・ソンジュ 演出:キム・チョルギュ

 四年後。ウノの命日。
 湖畔で寝ていたキム・ジョンハン(キム・ジェウォン 声:宮内敦士)は酒瓶を持ちながら湖
(と思ったらHPによると川らしいが)にふらふらと入っていく
チニことミョンウォル(ハ・ジウォン 声:本田貴子)に気づく。
 当然止めるが、頬を叩かれる。
 彼女はジョンハンの腕の中で眠ってしまうが、
ムミョン(イ・シファン 声:川島得愛 誰?良い男♪)が彼女を連れて行ってしまう。

 綺麗に着飾ったミョンウォルは修練の時間を知らせる太鼓が鳴る中、
ペンム(キム・ヨンエ 声:藤田淑子)に出会う。
 ミョンウォルには舞を舞うつもりは無かった。

 ミョンウォルを妓席からはずせとソクチョンが言ってきたとスマンからペンムは聞く。
 キーセンを側室とする事は法で禁じられていたが、彼はミョンウォルを側室とするつもりだった。
 ソクチョンは王の御即位の際に功を立てられ、王様でさえ一目置いていた。

 ジョンハンはヤンバンなのだが、今は生活に困窮しているらしく、物乞いの食べ物を托鉢と称して食べている。  そこに綺麗に着飾って豪華な輿に乗っているミョンウォルが通りかかる。
 彼は彼女を知らなかったが、物乞い達の間でも彼女は有名だった。
 あの手を握るだけでも家一軒分はかかると言う噂。彼は輿の前に立って輿を止める。
 今宵共に過ごしたいと申し込むジョンハン。無理でしょうと彼女。
 私では家一軒分は払えぬと言う事かと彼が言うと、「今日いただく玉代はお屋敷二件分でございます。
 ですが、旦那様がそれ以上の玉代をくださるのなら、その約束を取り消しましょう」
 「私に、それだけの金があるはずは無かろう」
 「情けない事。玉代はお金や財宝だけでは無いのに。なんて愚かな男」彼女は去っていく。

 ミョンウォルは秀でた才能に最悪の振る舞いで知られていた。
 鼻を折ってやろうとピョクケス(リュ・テジョン 声:桐本琢也)は言うが、
同席していた人物にどうやってとたしなめられる。
 ピョクスケは二年間明国で暮らしていたらしく、今の世情にうとい。
 世間は彼女を得ようという男であふれていた。朝廷の名だたる方々も暇さえあればソンドに足を運ぶ。
 彼女と詩を交わした明国の使節まで恋文を送ったと言う話。いまだ詩を競って負けた事が無い。
 その話を聞くプヨン(ワン・ビンナ 声:安藤麻吹)は心穏やかでは無かった。

 ミョンウォルが野外でソクチョンの前でコムンゴ(たぶん…。6弦みたいだし…)を弾いていると、
笛の音が聞こえてきた。
 ジョンハンだった。ミョンウォルは弾き方を速めてついてこれないようにした。
 しかし、耳障りな笛の音は止まない。演奏、終わる。「どうだ、私の玉代は気にいったか」「悪くはございません」 「ならば、今宵は私と、共に過ごすか」「それも良いでしょう」何だととソクチョンは思わず言う。
 「さて、どういたしますか。
どうやらこのおなごは、貴殿が袖の下で建てられた立派な屋敷二件よりも、
この私の粗末な笛の音を気にいったようですが」
 仲間が「たわむれは止めなさい。ソクチョン様を怒らせたいのか」と言うが、
「お怒りになる事はございません。生きるも死ぬも玉代しだい。それがキーセンのさだめにございます」
とミョンウォルは言う。
 「もちろん、ソクチョン様がより尊い玉代をくださるのならば、そちらを賜りとうございます。おいやですか。
ならば、わたくしはこれで帰らせていただきます」
 ミョンウォルを待てと言って止めるソクチョンは望む物を与えてやろうと言う。彼女はご内室の座を要求する。
 驚くソクチョンに冗談だと言うミョンウォルはご内室の住まいを要求する。それなら出来ぬ事は無いとソクチョン。 人の道にもとるとミョンウォルを非難するジョンハン、彼女を叩こうとするが、彼女はその腕を掴んで止める。
 「旦那様がお手を煩わせる事はありません」彼女は役人の格好(本物?)した者達に刑罰の道具を用意させた。 「わたくしが呼びました。人倫に背いたわたくしは死すべき罪人。
ですが法を犯し、キーセンを側室にするとおっしゃったソクチョン様も、罪人ではありませんか?
ではまずわたくしが先に打たれましょうか。それとも、ソクチョン様が先にお打たれになりますか?」
 「この無礼者!」ソクチョンは怒るが、周りの女達は笑う。
 「なんとも良いざまだ。キーセンの手の上でまんまと転がされるとは。
学問を修めたヤンバンが、なんと情けない。それでも、一国の官吏と言えるのか!」
 ジョンハンは机を覆っていたキレを剥がして、食器をひっくり返し、歩き去る。
 ジョンハンを捕まえろと命令するソクチョン。ミョンウォルは声を出して笑う。
 何人もの下人に追いかけられるジョンハン。しかし、その彼をムミョンが助ける。
 ムミョンはミョンウォルの所にジョンハンを案内する。
 「お待ちし、ておりました、旦那様。貴重な、玉代をいただきましたので、心をこめてお仕えいたします」
 「いや、とんでもない。それは結構だ。私の、粗末な笛などそなたのコムンゴの足元にも及ばぬ。
あの程度の音色では玉代とは言えまい。では、これで帰らせてもらう」
 帰ろうとしたら、「罪人キム・ジョンハン。連行する」と役人に連れてかれてしまう。
 あの役人達は謀反を企てた罪人の詮議が勤め。
 しかし彼は謀反を企てた罪で引っ立てられたわけでは無かった。待っていたのは王。
 王は彼をイェージョパンソ(礼曹判書)、儀礼、外交などをつかさどる官庁の長官に命じたのだった。
 従えませんとジョンハン。またしても余の命にそむくと言うのかと王。
 王も今回は引き下がるわけにはいかないらしい。
 どうあっても従わないのなら、そちを見限るしかあるまいと言う王。ジョンハンの前に飲み物が置かれる。
 「命に服すか、毒を服すか、選ぶが良い」「それならば、毒を賜ります」
 「何ゆえに。そうも己の命を粗末にするのだ」「六年前に、とうに捨てるべき命でした」
 「…ならば、…ならば、朝鮮の楽曲を、誰が守ると言うのだ…」
 明のチャン大使は朝鮮の楽譜を低俗として燃やしていた。
 郷楽(ヒャンアク)は世宗大王の御世から百年続いてきた朝鮮の伝統だったが。
 王はジョンハンの師のソク・アンジュを斬り捨てていた。王にとっては友であったが。
 「考えてみよ、そちが明国に立ち向かい朝鮮の楽曲を守る事と、恩師に義理を立て命を捨てる事、
ソク・アンジュはどちらを望むであろうか」
 ジョンハンは王の命を受け入れる。

 ジョンハンは大使に賭けを申し込む。詩での勝負。大使は歓迎の宴を全て拒んでいた。
 朝鮮の楽曲は好きでは無いし、キーセンごときが歌い舞う低俗な芸など見たくは無かった。
 ジョンハンが勝ったら大使はその芸を見る。大使が勝てば、ヒャンアクを捨てる。大使に題を決めてもらう。

 部下の者からジョンハンと大使の賭けの様子を聞くピョクケス。書かれた詩はすでに30編を超える。
 どこまで持ちこたえるかと心配するピョクケスだったが、
プヨンはこの賭けに勝つのはイェージョパンソ様だと言う。
 使節のお勤めとはその目で見、感じられた事を詩で皇帝陛下にお伝えする事。
 チャン大使は秀でた文才をお持ちの方。ならば朝鮮をめぐられ書かれた詩は何十編にもなるだろう。
 チャン大使様が題をお決めなら、必ずやすでにお書きになった詩を元にしているはず。
 だが、イェージョパンソ様は何の用意が無くても引けを取っていない。
 ならば、チャン大使様の詩が全て尽きた時、どうなるか。

 ミョンウォルは新しいイェージョパンソがキム・ジョンハンである事を聞く。
 彼女はジョンハンを呼ばれてすぐに官服に袖を通すような権力の狗とさげすむ。

 ジョンハンは大使に勝つ。

 プヨン達が夜、稽古している所に現れるジョンハン。
 ジョンハンはプヨン達の舞を褒め、彼女達が大使の心を打つ事を期待する言葉をかける。
 「力の限りを尽くしてまいります」とプヨン。いきなりプヨンの手を取るジョンハン。
 その手に巻かれた切れはぼろぼろだった。
 「これほどまでに厳しい稽古を、重ねているのか。この手が示すそなたの気持があれば十分だ。
その熱意なら、明国大使はもとより、天の心さえも動かすであろう。私はそう信じる」
 しかしメヒャン(キム・ボヨン 声:高島雅羅)は出るのを断る。自分達では無理だと。彼女はペンムを推薦する。
 メヒョンはヒャンアクを廃すると決めている大使に何を見せても低俗だと言うに違いないと、辞退したのだった。
 彼女はヒャンアクが廃止されても、唐楽に合わせて唄い舞えば済む事と思っていた。

 ミョンウォルがいなくなった。どうしてもコムンゴを奏でる気にはなれないと寺に行ったのだ。
 ミョンウォル、明月と言う名を与えたのは和尚だった。暖かい月のような心で万物を照らすようにと。
 「その心は、もはや捨てました」「ならば、名前も一緒に捨てるべきであろう」
 「真冬の冷たい、氷のような月になるのも良(よ)いと思いませんか。その月を武器とするのです。
月の光が世の中の全ての心を切り裂き、目と言う目をつぶす刃(やいば)にもなる事を、
思い知らせてやるのです」
 「それで何を得ようと言うのだ」ジョンハンだった。「人を傷つければ、己も傷つく。それが世の理(ことわり)だ」
 一緒に戻ろうとジョンハンは言うが、彼女に従うつもりは無い。
 「そなたには、コムンゴの名手としての誇りは無いのか」
 「誇りとおっしゃいましたか。ヤンバンの輩(やから)は勝手な事ばかり。
卑しい身分と家畜にも劣る扱いをしたかと思えば、都合良く名手などと持ち上げ、誇りを持てと言うのですか。
お引き取りください。はらわたが煮えくりかえってまいります。
政(まつりごと)を盾に、私腹を肥やす事しか頭に無い者が着るその官服、見ただけで吐き気がします」
 ミョンウォルはジョンハンの前から立ち去ろうとする。
 「…そなたが言う通りだ。そなたが正しい。
腐敗したこの世の中で、ヤンバンだ役人だと言う奴らは、権力を振りかざしては、
民を踏みつけにして、私腹を肥やす事に忙しい。
民が喘ぎ苦しんでいようと、気にも留めない」
 ミョンウォル、振りかえる。
 「だが、そもそもヒャンアクは、民を大切に思い、哀しみ憐れむ心から生まれた。
その心が忘れられているために、世の中は一層腐敗しているのだ。
だからこそ、私はこの国のヒャンアクを諦めはしない。
諦めれば、民を思う、その心が、永遠に失われてしまうだろう」
 「勝ち目の無い戦でございます。ヒャンアクを葬ると決め、目も耳も閉じた者が相手。
その相手を説き伏せる、そんな音色など、この世にはありません」
 「私は真心を信じる。そなたの真心が、その指先で音色となり、朝鮮のヒャンアクを守ってくれる。
そう信じている」
 彼女は笑んで、去っていく。

 ジョンハンは戻る。大使は舞には関心を示さなかった。
 ピョクケスが楽器を奏でてはどうかと言うが、ミョンウォルがいず、困るペンム。
 「わたくしのつたない演奏でもよろしいでしょうか」
 寺でとは違って艶やかな装いをしたミョンウォルがコムンゴを手に現れる。
 彼女がコムンゴの覆いを取ると、コムンゴには弦が張られていなかった。「この私をあざけるつもりか!」
 「いいえ、そうではございません」
 「無礼者!」「そのお心に響く調べが、この朝鮮に、いえこの世に一体あるのでしょうか」「何だと…」
 「調べとは耳では無く心で聞く物にございます。
しかし、大使様はあるお考えをお持ちのため、お心を閉ざしておいでです。
今ここでわたくしがいくら真心をこめて調べを奏でたとしても、そのお心には届くはずもございません。
違いますか。ならば、大使様に感銘を与える音色はただ一つ。
…大使様が胸に秘めておられる心の音(おと)しかございません。
わたくしは大使様が、この場にいる誰にもまして、技芸を愛する深いお心をお持ちだと信じています。
そうではございませんか。
ですから今日は、このコムンゴを通し、その尊い心の音をお聞かせいただきたいのです」
 大使は笑う。「もしわたしがコムンゴの音色が汚れていると言ったならば」
 「そのお心に汚れた音が潜んでいるのです」「では素晴らしい音色だと言えば」
 「そのお心に、天の音をいだいておいでと言えましょう」声をあげて笑う大使。
 「まことに如才ない。まさに才気溢れるおなごだ」
 ソン長官(ヒョン・ソク 声:佐々木勝彦)がミョンウォルに詩を詠ませてみる事を勧める。
 大使が与えた題は「空」と「東」。彼女はすぐに詩を書く。その詩に書かれた遊人とは私の事かと大使。
 「そう思われたのなら、そうなのでございましょう」
 偉大なる明国の廬山をこの地の滝などと比べるとは明国を侮辱したと咎める事も出来るぞと大使。
 明国は大国、小国のキーセンごときの詩に侮辱を受けるなどふさわしくないとミョンウォル。
 チョンマ山が東方一の景勝の地だと、と大使。
 己が生まれ育ち、いずれは骨をうずめる地を誇りに思う事は、
身分の違いや男女に関わらず誰もが抱くべき心でございましょうとミョンウォル。
 「山河に大小の違いはございましても、天の産んだ自然に優劣や良し悪しはございません。
己を育んできた土地の、万象を愛し、慈しみながら生きる事が、人としての務めでは無いでしょうか」
 「ふん…小国ゆえ、朝鮮の楽曲など貧弱な物と思っていた。だが、今日おまえの詩に多くの事を教えられた」
 「ありがたき御言葉にございます」大使はミョンウォルの前に行き、彼女にチシマを出してくれと頼む。
 彼女は衣の裾をはだき、白い布の部分を出す。大使はそれに詩を書く。
 「ふたたび朝鮮に来た時はおまえを訪ねよう。それまでその詩心を忘れるで無いぞ。
 おまえを通して朝鮮を見るとしよう」大使はミョンウォルの前から離れる。
 しかしミョンウォルは大使が詩を書いた布を引き裂き、それを火にくべるのであった。
 大使は「この無礼者!」と怒鳴るが、彼女は片方の唇を吊り上げて笑むだけであった。

感想:ジョンハンさんとミョンウォルが恋仲になるんですか。まあ、坊ちゃんよりは好きです。
 愛嬌があるし、一本筋が通ってるし、知性と教養がある。大人の男ですね。
 坊ちゃんより、と言うか、ものすごくお似合い。しかし、私はムミョンが、カッコいいので、好きです。
 どこで拾ってきたのでしょうか。私もそこに拾いに行きたい。
 このドラマはやはりミョンウォルことチニが綺麗なので、それで見ちゃう所があります。
 ああ言う綺麗な人を見ると自分を反省します。やはり、素材が何でも、綺麗になる努力はした方が良い。
 面倒だが…。強気な人も好きです。強気ばかりだと、争いが絶えませんが…。
 ミョンウォルの気持はわかりますが、坊ちゃん、好みじゃないし、一緒になってもうまくいったとは思えない。
 二人で、世の中の片隅で、幸せになれたんでしょうか。しかし、チニは心底技芸が好きなはず。
 キーセンは確かに嫌な所が一杯ありますが、技芸をするには妓生(キーセン)しかない。
 ペンムはチニに鶴の舞を教えたいのだが、チニは舞う事を頑なに拒否。
 坊ちゃん死んじゃったから、彼のために封印しているのだろう。心底、舞う事が好きなのに。

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三千拝の願い

「ファン・ジニ」原作:キム・タックァン 脚本:ユン・ソンジュ 演出:キム・チョルギュ

第1回 三千拝の願い

 ヘンスであるペンム(キム・ヨンエ 藤田淑子)はヒョングム(チョン・ミソン 島本須美)が
教坊(妓生の養成機関)を止めたがっている事を聞く。
 ヒョングムは目が不自由だった。彼女はどうやら男の事で悩み、ここから出たがっているらしい。
 (身分上好きな男は添い遂げられないのだろう)
 しかしそれは許されない事だった。

 チニ(シム・ウンギョン 宇山玲加)は寺の子供。三千回拝むと言う事を汗をダラダラ流しながらしていた。
 大人でもなかなか出来ない事。彼女は寺の外に出て母親を探したかった。
 寺の外に出る許可を得るため三千拝に挑んだのだ。
 彼女はやり遂げ、一度だけ托鉢に付いて行く事を許される。

 明国の使節を歓迎するための宴がある。ここは都では無い。
 ペンムはどうやらソン長官(佐々木 勝彦)の気持ちを受けるのを拒んでこちらに左遷されたらしい。
(違うかもしれないが)

 チニは市場に来ている女性の服の香りをかいで母を捜した。見つからない。

 宴。それを偶然見るチニ。ペンム達の踊りに魅せられるチニ。しかし僧侶に見るのを止められる。
 ペンム達はお褒めを受ける。そこにメヒャン(キム・ボヨン 高島雅羅)達が来る。王様のお申し付けとの事。
 彼女は宮中のヘンスだった。宮中の妓生による踊りが始まる。王様のお申し付けと言うのはウソ。
 対ペンムのために来たのだ。真中で軽やかに踊る童妓プヨン。素晴らしい物だった。
 しかし少女は三か所間違えたと後でヘンス・メヒョンにぶたれる。少女の父をメヒョンは助けたのだ。
 その代り彼女は最高の名妓にならなければならない。プヨンの踊りを見てあせりを覚えるペンム。
 松都(ソンド)教坊にはあのように才能のある者がいなかった。
 ペンムは側近のクムチュン(チョン・ギョンスン 雨蘭咲木子)に才能のある者を探せと命じる。

 チニは姓生の踊りが忘れられず寺を抜け出し、どこで見れるのか探しに行く。
 市場の女性から教坊が妓生を募集している事を教えられる。
 しかしクムチュンはチニの一目でわかる寺の子の格好に追い払う。塀の外で、一度見た踊りを踊るチニ。
 それを偶然見るペンム。チニは一度見ただけで舞を覚えた。舞を舞ってどのような気持ちになったか聞くペンム。 哀しくなったとチニ。落花流水。美しい花も散ってしまえば哀しいばかり。チニは舞の意味も感じていたのだ。
 舞の続きを習ってみるかとペンム。しかし住職が許さなかった。親が許さないと言うのだ。
 チニは閉じ込められる。彼女が今日のような事は二度とせぬと約束すればすぐに出すのだが。
 三日経っても水一杯口にせず頑張るチニ。

 クムチュンはあの住職がソンド教坊に来たのを見る。住職はヒョングムに会いに来たのだ。
 チニはヒョングムの娘だった。彼女は娘を妓生にしたくなかった。しかしそれがペンムにばれる。
 法律でも妓生の娘は妓生と定められていた。一方チニは寺を抜け出し、自らソンド教坊に入るのだった。

感想:いやあ、面白いです。
 私は韓国ドラマ、「チャングム誓い」しか最後まで見ていませんが、あれが好きな人ならこれも大丈夫そうな。
 と言うか「大奥」好きな人にもお勧めしたい。女の戦いは傍から見てる分には非常に面白いから。

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