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楽園

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「楽園」宮部みゆき 

最後まで書いています。注意!

 「有限会社ノアエディション」で働く前畑滋子はある雑誌社で働く知り合いの編集者に頼まれごとをされる。
 亡くなった自分の息子が超能力者ではないかと言って来る女性がいるのだ。その相手をして欲しいとの事。
 萩谷敏子と言う女性で前畑さんみたいな有名なジャーナリストに会えたらと言ってきたので、
前畑さんなら紹介出来ると言ってしまったらしい。
 敏子は話を聞いてくれるならお金を払うと言う。
 放っておけば、腹黒い人間に金を毟り取られる事になるかもしれないし、
昔の事件のツケだと思い会う事にする。
 敏子の息子は等と言った。12歳で亡くなった。交通事故で。ご主人はいない、二人だけの家族。
 等の絵をスーパーで働く同僚の秋吉さんに見せたら、等はサイコメトラーでは無いかと彼女は言うのだ。
 等君は普段はとても絵がうまいのだが、時にへたな絵を描いた。
 等によると頭の中がこういうものでいっぱいになってぐるぐるして気持が悪くなるので、
描かずにはいられないそうだ。
 灰色の女の子が仰向けになっていて、家にはこうもりの風見鶏がついている。
 秋吉さんはその家は人殺しがあった家だと言うのだ。両親が娘を殺して家の床下に死体を隠していた事件。
 時効の事件。その事件が発覚した時等は死んでいた。
 滋子はこれは萩谷さんにとって喪の仕事なんだろうと感じた。
 自分は9年前大きな事件に関わったのに、一度もこう言う事をしてこなかった。
 だから萩谷さんに付き合おうと思う。

 調べてみたら、確かにこうもりの風見鶏だった。
 殺された土井崎茜には妹がいて、その誠子の友達の今井勝男が作ったものだった。

 滋子は他の絵も見せてもらう。そこにあの山荘の絵もあった。13本の手。
 瓶の上部が突き出している所も描かれていた。
 網川達が被害者を埋めた時目印にするためにシャンパンを立てていた。それなのだろうか。
 滋子は前の事件の時の刑事秋津信吾に連絡を取る。
 シャンパンの瓶の事をどれくらいの人が知っているか聞く。
 隠したわけではないので、外部で知ってる人はいるかもしれない。
 秋津は等君の事を調べるなら、茜の事件の事を調べたほうが良いと言う。
 時間が経ってないので情報が取りやすい。秋津からあの事件を担当したのが野本と言う刑事である事を知る。 土井崎夫婦の弁護士高橋雄治の名も知る。

 滋子は等に誰が接触する可能性があるか探るため、等君の血縁、親戚の事を敏子に聞く。
 敏子は長女で上に兄の松夫、下に3人いた。兄の事業は成功している。萩谷ちや。
 敏子の祖母である、千里眼というか、拝み屋さんみたいな事をずっとやっていた。それが色々と託宣をする。
 彼女が失敗すると言うと失敗し、成功すると言うと成功する。
 その祖母が言うのだ、敏子は勝手に結婚させるな、ろくな男をつかまんからと。
 敏子はちやの世話をやらされた。
 レストランで経理をやっていて10歳になる男の子と一人育てている大上と言う男が敏子に好意を持った。
 兄も2人の結婚話を賛成した。しかし、ちやが良くない将来が見える、人死にが出ると反対した。
 兄はちやと口論し、ショックでちやは入院した。大上さんは時間を置きましょうと言ってくれた。大上さんの息子も敏子を慕ってくれた。しかしちやが入院している間に、敏子はちやの信者に乱暴された。
 彼は兄も世話になっている地元の名士だった。一度きりでは無かった。敏子は結婚話を断った。
 ちやは男が敏子を連れ出しても理由を尋ねる事も無く、止めもせずに見ていたと言う。そして妊娠。
 どちらの子かわからない。ちやは大上の子を家に入れるわけにはいかないから出て行けと言った。
 皆は敏子に同情的だったば、兄が経営するスーパーの一軒が漏電で焼け、
ちやは敏子が災厄を呼び込んだのだと主張。
 敏子は家を出る事になった。名士の男は事業を失敗し、今はすでに亡くなっている。ちやも亡くなっている。
 ちやの葬式に敏子が等を連れて出た時、ちやの遺影が倒れ、一族との関係修復の芽は摘み取られてしまう。  兄の松夫は敏子を援助してくれた。彼だけは名士の話も知っていた。
 大上満夫は松夫のレストランを止め、それ以来一度も会っていない。息子の名前は義美。

 滋子は等の学校に行く。担任と話せなかったが図画工作の先生とは話せた。
 彼女、花田早苗は前畑滋子の事を知っていて、あの事件の記録映画も見たそうだ。
 彼女は等の絵を見て、退行した絵と思う。子供が怖い思いをし、退行する。

 秋津の紹介で野本希恵と言う27歳の女性刑事と会う。彼女は土井崎茜の事件と関わっていた。
 滋子の考えでは等君が土井崎夫婦に関わった事は無いみたいだから、他に知っていた人がいて、
その人と関わった。
 野本は網川の事件の被害者日高千秋に思い入れを持っていて、あの事件の事を書かずに責任回避した癖に、べつの犯罪をネタにしてどんなつもりだと怒ったのだった。
 だから滋子と会う事を承知した。

 花田先生から電話が来る。彼女は同僚の先生と不倫していて、その事を等君から指摘された事があったのだ。 学校の人間にはばれないように注意していたはずなのに。

 前畑滋子は高橋弁護士と会い、今は土井崎夫婦と誠子に取材を申し込む。誠子が滋子に会いたがる。
 彼女はどうして両親が姉を殺してしまったのか本当の理由を知りたく、
それを滋子に調べてもらいたいと言って来る。

 滋子は等君が入っていたと言うあおぞら会の事を敏子に聞く。
 小学校三年の時の担任川崎先生に児童相談所へ行きなさいと言われ、
その児童相談所の先生に紹介されたのだ。
 児童相談所の先生は等にあまり問題を感じなかった。等君は川崎先生に何かを見ていたのかもしれない。
 あおぞら会は金川一男と言う製造業をやっている男が始めた大きな子供会みたいなものだった。
 滋子は花田先生に川崎先生の事を聞いてみる。
 川崎先生は数人の女子児童にわいせつな事をした疑いが掛けられていた。

 誠子は一度結婚して、事件のせいで離婚した達夫とまだ付き合っていた。
 その達夫が滋子に、土井崎夫婦から借金を申し込まれた事がある事を言って来る。
 土井崎夫婦は固定収入があり、生活は質素で、達夫は茜からお金をねだられてるのかなと思った。
 しかし茜は死んでいた。
 土井崎の勤めていた会社に行ってみたら、やはりそこでも誠子が体が弱くてと言う理由で借金していた。
 強請られていたのではないか。

 滋子は犯罪の取材をしていた事がばれてあおぞら会の取材が出来なくなる。

 誠子の友達の直美と勝男が茜の友達を見つけてくれた。
 彼女鳩子によると茜の男はシゲと呼ばれていたらしい。ちゃんとした名前は思い出せない。

 誠子の父親、土井崎元が滋子に会いたいと言ってきた。調べるのを止めて欲しいのだ。強請りはあった。
 相手は茜の男。元も相手のちゃんとした名前は知らなかった。

 秋津夫人があおぞら会に入って探ってくれた。30くらいの男が怒鳴りこんできた金を事務長から取っていった。 金川会長の親族らしいその男はアキオと呼ばれていた。
 調べてみたら会長には尚子と言う名の妹がいてその長男が三和明夫と言った。
 ネットで情報を集めてくれた人によるとあおぞら会で引率の先生が子供を殴ってけがさせた事件があったらしい。
 強制猥褻の事も書かれていて、そこにはMのイニシャルが出ていた。
 敏子に等があおぞら会のイベントに参加した時の写真を見せてもらう。三和明夫が写っていた。
 本人の住所はわからないが、母親の住所はわかっている。滋子がそこに行こうとすると敏子も行くと言う。
 野本刑事から知らせが来る。三和尚子の家がテレビに映っていると言うのだ。
 少女が行方不明でその少女はよく三和の家の前に立ち止まっていた。三和には性犯罪の前科がある。
 それで近所の人が騒いでいるのだ。滋子、敏子、野本の三人で現場に行く。
 尚子は近所の人ともめて怪我をして病院に行っていた。
 身の回り品を取りに運転手とあおぞら会の事務局長の人と戻ってくる。
 「荒井さん!」と滋子に名前を呼ばれ、驚いて彼は尚子から腕を離す。よろけた尚子をささえたのは敏子だった。 「奥さん。明夫さんはどこにいるんです。ご存知なんでしょう?奥さんは知ってるんです。知ってるんですよね。
息子さんを止めた事もあったじゃないですか。ねぇ、そうでしょう?奥さん。
あなたはあの人たちを逃がそうとしたことだってあったじゃないですか。鍵をー鍵を開けて。
ねえ、その緑色のカーペットの部屋ですよ。みんなそこに閉じ込められていたんでしょう?
逃がしてほしいって、その、その、髪の赤いー、爪を紫に染めたお嬢さんに、奥さんは着替えをあげた。
着替えと、お金を。だけど逃がせなかった」
 三和尚子は絶叫し、しゃがみ込んで泣き始めた。
 三和明夫とその共犯者はパトロール警官の不審尋問で逮捕された。少女、佐藤昌子ちゃんは無事だった。
 明夫達は出会い系サイトでしりあった女性達にうまい事を言って詐術や暴力を使って金品を巻き上げていた。
 犯行グループの監視下で買い物させられたり、消費者金融で借入を強いられたりした。
 逃げようとすると家族を皆殺しにするとか風俗に売るとか言って脅した。
 泣き寝入りしていた被害者たちが続々と証言を始めた。
 失踪事件が起こる十日前に監禁されていた女性が助けを求めて窓からメモを投げた。
 昌子にはメモの意味がよくわからず、家族にも見せなかった。
 女性はメモを投げた事を話しもうすぐ警察が来るから逃がして欲しいと持ちかけたが、暴力を振るわれ、
拾ったのが小学生の女の子である事も吐き、殺害された。

 土井崎の母親が滋子に会いに来る。茜とシゲの車は人を撥ねたのだ。
 車は盗難車。若い女の人で意識はあった。
 車の後ろに乗せ、所持品をあさり、どこかの掘っ立て小屋に連れ込み、
茜は彼女が高そうな物を着ていたので脱がせ、シゲはその女に乱暴した。
 二人で土を掘って、まだ生きてたかもしれない女を埋めた。その茜の告白を聞いて夫婦は殺してしまったのだ。 誠子は両親から真実の話を聞いた。

 大上義美が敏子に会いに来た。ネットにあった動画で見たのだ。親父も会いたがっている。

感想:やっぱり泣けちゃった。色々辛い目にあった敏子さんには幸せが来なくちゃね。
 茜ちゃんみたいになっちゃうと両親は辛い。体張って死ぬ覚悟で止めるしかないのか。きつい。
 明夫の親もきつかったろう。昌子ちゃんに滋子は茜を見たわけだが、それは茜に対する救いね。

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