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白鳥異伝

「白鳥異伝」荻原規子

最後まで書いています、注意!

 遠子は母の真刀野に小倶那を守の大巫女のもとで新年を迎える橘の一族儀式に連れて行けとせがんでいた。 小倶那は拾い子だが、母が我が子同然に育てた子だった。
 しかし儀式に橘の一族以外の者がいてはならない。断られる。
 大巫女は遠子の従兄である明(あかる)姫の夢を聞いて、まほろばの大王に嫁ぐ事になると言う。

 遠子と小倶那は二人で都の工人が造っている池を見に行く。丸太の杭を渡っていく二人。
 夕陽を背景に白鳥がこちらへ来るのを見て遠子は不吉な物を感じる。
 それは明姫の見た夢の光景と同じだった。
 遠子は杭から落ち、それを追って小倶那も池に飛び込み、二人は男に助けられる。男は小倶那と似ていた。
 男は一の皇子、大碓、大王の命を受け、明姫をもらい受けに来たのだ。
 皇子は自分に似ている小倶那に自分の御影人にならないかと言ってくる。小倶那は皇子について行く。

 四年後、小倶那は明姫と出会う。彼女は下働きをしていた。
 大碓を愛した彼女は大王のために勾玉を輝かせる事が出来なかったのだ。
 大碓は父を倒す事を決意する。大碓達は明姫を連れて、彼女の故郷三野へ向かう。
 大王の手の者の動きは、大碓の行動を予想していたかのように早く、彼らは追い込まれる。
 小倶那は大碓の影の役割を引き受け、大王に捕えられる。彼は大王の妹、百襲(ももそ)姫に助けられる。
 姫は小倶那の母親だった。彼女は息子に鏡の剣を取らせる。それは大王の血筋の物しか扱えない物だった。  父親は、おそらく、大王。
 小倶那は大王が大碓が都に戻れば許す、明姫の事も忘れる、謀叛は無かった事にすると言う事を聞き、
三野に行く。
 しかし彼も大王の考えが別にある事を感じずにはいられなかった。
 彼は大碓と二人きりで会合し、そこで皇子に斬られそうになり、剣の力が発動、一面焼け野原になり、
大碓は死ぬ。
 明姫は後を追う。

 三野の劣勢は明らか。遠子と明姫の妹、象子(きさこ)は勾玉を探しに伊津母(いづも)に行く事になる。
 勾玉をそろえて、剣の力に立ち向かうため。伊津母で菅流(すがる)と言う男に出会う。
 彼の持っている勾玉こそ探していた物だった。その勾玉は彼によってしか光らない。
 遠子は彼に一緒に勾玉を探す事を頼む。
 象子は伊津母の巫女、豊青姫(とよあおひめ)のもとで修行する事になる。
 遠子と菅流は日牟加で勾玉を見つけ、まほろばの勾玉と、大王のもとにあった三野の勾玉も手に入れる。
 菅流から勾玉を譲り受け、小倶那と対決する遠子。
 しかし彼女は自分には小倶那を殺す事は出来ないと思い知るのだった。

 菅流は気がついたら、四つの玉、玉の御統(みすまる)を持っていた。
 遠子を助けに、彼女がいるはずの小倶那が乗っている船に飛ぶが、そこには彼女はいなかった。
 菅流は傷ついている小倶那を助ける。菅流は遠子を探したが、見つからなかった。
 しかし小倶那は遠子の存在を感じていた。菅流は小倶那の遠征に同行する事にする。
 
 遠子はまほろばの勾玉を守っていた神に助けられ、日高見にいた。
 菅流は遠子を見つけ、小倶那に彼女が必要だと言うが、遠子には小倶那の下に行く事は出来なかった。
 菅流は日高見の勾玉を探しに行く。

 遠子の話を小倶那は聞き、彼女は長により小倶那に差し出される。
 再会し、お互いを求めている事を認める二人。

 小倶那は夜、いつも外出をした。遠子は小倶那をつける。そんな遠子に訳を話す小倶那。
 母、百襲は自分の命を絶って、剣の力と同化し、大王の刺客の手から小倶那を守っていた。
 毎夜、小倶那は剣の力である母と対決する。彼女は小倶那の女を許さないだろう。
 遠子は殺されそうになるが、菅流に助けられる。菅流は日高見の勾玉を見つける事が出来なかった。

 小倶那の戦闘が始まる。
 敵はエミシのはずだったが、小倶那の軍団とそっくりな軍団で、小倶那の軍団は苦戦する。使者が訪れる。
 彼らは小倶那を皇子の名を騙る不敬な一団と言い、小倶那一人が死ねば、捕虜の命は助けると言う。
 将は大王の影である宿禰(すくね)だった。宿禰は剣の力を振るった。
 遠子は一族の記憶を持つ日牟加の岩姫に会いに行くが、五つの勾玉は超越した力なので、
日高見の勾玉は遠子から隔てられている事を教えられる。
 彼女は小倶那の望むとおりにする事にする。それは小倶那が死ぬ事を認め、自分はその後も生きる事。

 宿禰と会う小倶那。宿禰も又、大王の子だった。だから剣の力は宿禰にも宿ったのだった。
 宿禰は日継(ひつぎ)の皇子として小倶那になりかわって凱旋するつもり。剣の力が発動し、小倶那は死ぬ。

 玉の御統は役目を終え、輝きを失った。
 小倶那の部下達は小倶那を慕い、この地で小倶那のために塚を築き、この地を離れないと言う。
 しかし小倶那は帰って来た。彼の血には勾玉の力もひそんでいたのだ。小倶那は剣の力を全部宿禰に渡した。 二人はただの人間としてこの地で生きる事にする。

感想:菅流、カッコいい!菅流、素敵!象子、うらやましい…。
 出来の良い姉の下で忸怩たる思いをした象子の、春。
 小倶那、どう見ても、悲劇のヒーローでしたが、ハッピーエンドで良かったです。
 やっぱり遠子みたいに、不満をバンバン言う人間の方が幸福ですね。
 何もかも自分の中に押しとどめちゃうのは、傍から見れば辛すぎます。
 まあ、世間的には、わがまま人間ばかりだと、困りますが…。
 遠子が大王を殺さなかった事が正しい事かどうかわかりませんが、あまり人は殺したくありません。

関連サイト
白鳥異伝の地


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