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2008年3月

白鳥異伝

「白鳥異伝」荻原規子

最後まで書いています、注意!

 遠子は母の真刀野に小倶那を守の大巫女のもとで新年を迎える橘の一族儀式に連れて行けとせがんでいた。 小倶那は拾い子だが、母が我が子同然に育てた子だった。
 しかし儀式に橘の一族以外の者がいてはならない。断られる。
 大巫女は遠子の従兄である明(あかる)姫の夢を聞いて、まほろばの大王に嫁ぐ事になると言う。

 遠子と小倶那は二人で都の工人が造っている池を見に行く。丸太の杭を渡っていく二人。
 夕陽を背景に白鳥がこちらへ来るのを見て遠子は不吉な物を感じる。
 それは明姫の見た夢の光景と同じだった。
 遠子は杭から落ち、それを追って小倶那も池に飛び込み、二人は男に助けられる。男は小倶那と似ていた。
 男は一の皇子、大碓、大王の命を受け、明姫をもらい受けに来たのだ。
 皇子は自分に似ている小倶那に自分の御影人にならないかと言ってくる。小倶那は皇子について行く。

 四年後、小倶那は明姫と出会う。彼女は下働きをしていた。
 大碓を愛した彼女は大王のために勾玉を輝かせる事が出来なかったのだ。
 大碓は父を倒す事を決意する。大碓達は明姫を連れて、彼女の故郷三野へ向かう。
 大王の手の者の動きは、大碓の行動を予想していたかのように早く、彼らは追い込まれる。
 小倶那は大碓の影の役割を引き受け、大王に捕えられる。彼は大王の妹、百襲(ももそ)姫に助けられる。
 姫は小倶那の母親だった。彼女は息子に鏡の剣を取らせる。それは大王の血筋の物しか扱えない物だった。  父親は、おそらく、大王。
 小倶那は大王が大碓が都に戻れば許す、明姫の事も忘れる、謀叛は無かった事にすると言う事を聞き、
三野に行く。
 しかし彼も大王の考えが別にある事を感じずにはいられなかった。
 彼は大碓と二人きりで会合し、そこで皇子に斬られそうになり、剣の力が発動、一面焼け野原になり、
大碓は死ぬ。
 明姫は後を追う。

 三野の劣勢は明らか。遠子と明姫の妹、象子(きさこ)は勾玉を探しに伊津母(いづも)に行く事になる。
 勾玉をそろえて、剣の力に立ち向かうため。伊津母で菅流(すがる)と言う男に出会う。
 彼の持っている勾玉こそ探していた物だった。その勾玉は彼によってしか光らない。
 遠子は彼に一緒に勾玉を探す事を頼む。
 象子は伊津母の巫女、豊青姫(とよあおひめ)のもとで修行する事になる。
 遠子と菅流は日牟加で勾玉を見つけ、まほろばの勾玉と、大王のもとにあった三野の勾玉も手に入れる。
 菅流から勾玉を譲り受け、小倶那と対決する遠子。
 しかし彼女は自分には小倶那を殺す事は出来ないと思い知るのだった。

 菅流は気がついたら、四つの玉、玉の御統(みすまる)を持っていた。
 遠子を助けに、彼女がいるはずの小倶那が乗っている船に飛ぶが、そこには彼女はいなかった。
 菅流は傷ついている小倶那を助ける。菅流は遠子を探したが、見つからなかった。
 しかし小倶那は遠子の存在を感じていた。菅流は小倶那の遠征に同行する事にする。
 
 遠子はまほろばの勾玉を守っていた神に助けられ、日高見にいた。
 菅流は遠子を見つけ、小倶那に彼女が必要だと言うが、遠子には小倶那の下に行く事は出来なかった。
 菅流は日高見の勾玉を探しに行く。

 遠子の話を小倶那は聞き、彼女は長により小倶那に差し出される。
 再会し、お互いを求めている事を認める二人。

 小倶那は夜、いつも外出をした。遠子は小倶那をつける。そんな遠子に訳を話す小倶那。
 母、百襲は自分の命を絶って、剣の力と同化し、大王の刺客の手から小倶那を守っていた。
 毎夜、小倶那は剣の力である母と対決する。彼女は小倶那の女を許さないだろう。
 遠子は殺されそうになるが、菅流に助けられる。菅流は日高見の勾玉を見つける事が出来なかった。

 小倶那の戦闘が始まる。
 敵はエミシのはずだったが、小倶那の軍団とそっくりな軍団で、小倶那の軍団は苦戦する。使者が訪れる。
 彼らは小倶那を皇子の名を騙る不敬な一団と言い、小倶那一人が死ねば、捕虜の命は助けると言う。
 将は大王の影である宿禰(すくね)だった。宿禰は剣の力を振るった。
 遠子は一族の記憶を持つ日牟加の岩姫に会いに行くが、五つの勾玉は超越した力なので、
日高見の勾玉は遠子から隔てられている事を教えられる。
 彼女は小倶那の望むとおりにする事にする。それは小倶那が死ぬ事を認め、自分はその後も生きる事。

 宿禰と会う小倶那。宿禰も又、大王の子だった。だから剣の力は宿禰にも宿ったのだった。
 宿禰は日継(ひつぎ)の皇子として小倶那になりかわって凱旋するつもり。剣の力が発動し、小倶那は死ぬ。

 玉の御統は役目を終え、輝きを失った。
 小倶那の部下達は小倶那を慕い、この地で小倶那のために塚を築き、この地を離れないと言う。
 しかし小倶那は帰って来た。彼の血には勾玉の力もひそんでいたのだ。小倶那は剣の力を全部宿禰に渡した。 二人はただの人間としてこの地で生きる事にする。

感想:菅流、カッコいい!菅流、素敵!象子、うらやましい…。
 出来の良い姉の下で忸怩たる思いをした象子の、春。
 小倶那、どう見ても、悲劇のヒーローでしたが、ハッピーエンドで良かったです。
 やっぱり遠子みたいに、不満をバンバン言う人間の方が幸福ですね。
 何もかも自分の中に押しとどめちゃうのは、傍から見れば辛すぎます。
 まあ、世間的には、わがまま人間ばかりだと、困りますが…。
 遠子が大王を殺さなかった事が正しい事かどうかわかりませんが、あまり人は殺したくありません。

関連サイト
白鳥異伝の地


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夜を撫でる手

「夜を撫でる手」蟲師6より 漆原友紀

 夜の山。果実酒のようなすえた匂いを感じるギンコ。匂いの源は人の影。こっちを見ている。動けない。
 相手は人と気づき、見逃してやると去る。動けるようになる。次の日、市で干し肉を求めるギンコ。
 地元の人によると獲物がさっぱりいないそうだが、一人の少年が売っていた。
 しかしその肉は腐ったような匂いがした。うちになら新しいのがあると言う。
 その家からは昨日の夜の匂いを同じ匂いがした。家にあった肉も腐さった匂いがした。
 家にいた青年には腐った匂いは感じられないらしい。青年は新しいのを取ってくると言う。
 こっそり後をつけるギンコ。青年は鹿を見つけると、鹿は青年に近づき、青年が右手で触ると死んだ。
 腐酒(ふき)。その手で狩った獲物はどんなに新しくても不味い。意のままに獲物を狩る手は代々伝わる。
 青年の父親がそうだった。掌に目玉のようなあざ。腐酒とは生命の素たる光酒の腐れてしまったモノ。
 本来成るはずの蟲に成れず、赤い泥状となり地下水から地上に湧き出る。
 果実酒のような匂いがするが毒性があり、高い濃度で口にすれば死に至る。
 だがごく稀に毒に耐える体質の者がある。
 腐酒単体には意志もなくただ更なる腐敗を待つだけのモノだが、動物の体内に入り血に紛れると命を得、
宿主もまた特殊な力を得る。
 甘い匂いを掌から出し獲物を酔わせ引き付け酔わせたやすく狩りをする。
 そしてそれは血を介して子々孫々まで伝わってゆく。力を得る者はごくわずか。
 力を得なかった者は毒のため長くは生きられない。ばあちゃんは血を吐いて死に、弟も同じ病。
 光酒を一定量飲めば腐酒は消滅する。調達してこようとギンコ。兄の分も。父親は異常な死に方をした。
 ギンコが去った後、薬を飲んでくれるよねと兄に念を押す弟。元の辰兄に戻ってほしい。
 「何言ってんだ。俺は別に何も変わらんだろ」辰兄の目玉模様の掌が卯介を撫でる。

 光酒を持って又訪れたギンコ。兄は又宵の口に獲物を狩りに出かけていた。
 山のあっちこっちに無残な姿をさらす獲物達。父親がいなくなってから辰兄は父ちゃんに似てきたと卯介。
 父親もよく余分な狩りをした。父親は体が透けて見えるようになり、影を無くし、消えた。
 自分より強い先代がいなくなると枷が外れたようにその子孫の力が増すと言う。
 腐酒の浸食が進み、やがて体を完全に乗っ取られる。父親は死んだわけでは無い。
 実体をなくし、心もなくして、今も山を彷徨っている。兄には光酒を飲む気は無かった。
 蟲に踊らされてるだけとギンコ。
 「俺はなァもう二度とごめんなんだよ。親父がいた頃みてえに、狩られるかもしれねえ側に戻るなんてな」
 「辰兄やめてよ!!…大丈夫だよ。怖い事なんてないよ。おれ襲われない方法知ってっから。だから…」
 兄は去る。

 掌の目玉模様を見ながら元の俺に戻ってやらねえと思い悩んでいる辰兄、熊と間違えられ、右腕を撃たれる。  彼は穴に隠れ夜をやり過ごす事にする。卯介の呼び声に穴から出る辰兄。
 穴の外で待っていた沢山の鳥に襲われる。鳥にとって目玉模様は恐ろしい。
 しかし血で模様は隠れ、果実の匂いのする腕は鳥にとって甘美な餌だった。
 辰兄に自分も狩りを覚えると言う卯介、辰兄も早く元気になって一緒にしよと言う。
 彼は残った左腕で卯介の頭を撫でるのだった。

感想:結構怖い作品です。漆原さんは蛇に睨まれたカエルを見たそうで…。
 あの右手、人間狩りにも使えるんですね。 辰兄はそんな事はしていませんが、今にしそうで…。
 動物をむやみやたらと殺していると言うだけで怖い。しかもその肉は腐臭を放ち不味い。
 鳥があのぐらいの目玉を怖がるかどうか疑問ですが…。そう簡単に人間は襲わないと思うし。
 でも、相手は血を流してますしね、襲うか。「天辺の糸」はアニメで見ましたね、良い作品です。
 「囀る貝」父親が恩讐を超えて良かったです。
 「雪の下」自分の不幸は自分を思ってくれている人の不幸ですね。「野末の宴」おお、その酒、飲みたい!!

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ハジマリ 他

「ノエイン もうひとりの君へ」
監督:赤根和樹 キャラクターデザイン:岸田隆宏 アニメーション制作:サテライト

第22話「ミライへ」
脚本:佐藤和治 絵コンテ:渡辺信一郎 演出:菊地康仁 作画監督:うつのみや理 高橋裕一 入江篤

 アトリ(鈴村健一)は家が転移した場所がどこか知っていた。シャングリラだ。

 ノエインは藤原イサミ( 宮田幸季)達の不幸な未来を見せると言う。

 イサミ達、家を出る。

 親代わりの祖母が亡くなった。
 イサミの他の兄弟は遠い親戚が引き取り、イサミは亡くなったお父さんの友達が引き取る事になる。
 向井ミホ(名塚佳織 )はいじめを受ける。イサミ(喜安浩平)、不良になる。

 上乃木明日香( 岡村明美 )、後藤美有樹(田中敦子 )の家に行く。美有樹を連れていく明日香。
 家のあった場所には何も無かった。


 カラス(中井和哉)と一緒に歩いている後藤ユウ(瀧本富士子)、
城みたいな山が思いの外近くにある事に気づく。カラスには相変わらず遠いが。
 デコヒーレンス化した空間だからと気づくカラス。ここも存在が確定していないあいまいな存在。
 ハルカを助けたいと言う強い想いがあいまいな場所を確定させた。
 ユウがもっとハルカの事を思えば、道は開けていく。遊撃艇が来る。伏せるカラス達。

 イサミ、他の不良との争いで、片目を傷つけられる。(それで、フクロウが…)

 実験船は全部で5隻。函館山を中心に円周状に並べて、素粒子を打ち出す。
 5隻の船でその素粒子を加速させ、円周状にそって進むように量子ポテンシャルを湾曲させる。
 打ち出す素粒子は三種類。
 アルファ、ベータ、ガンマの各素粒子を高速を得るまでマジックサークルで加速する。
 全ての素粒子が高速に達した時、空間が臨界に達し、シータ素粒子が生まれる。
 トビ(白石涼子 )達の歴史より5年ぐらい早い。因果律の侵犯のせい。
 内田涼子(大原さやか)と郡山京司(藤原啓治)、トビとコサギに連れられて、
篠原真琴(咲野俊介)がいる旗艦に乗る。

 遊撃艇が去り、顔を上げるユウ達。城山遠くなる。恐怖心のせい。

 ミホは引きこもる。イサミはナイフを手にする。
 長谷部アイ(千葉紗子 )は左足を三か月以内に切断しないとと言われる。ミホは離人症と言われる。
 イサミは自分の目を傷つけた相手を狙う。アイは病院の屋上の手すりから身を乗り出す。
 ミホは大量に薬を飲もうとする。

 ノエインは上乃木ハルカ(工藤晴香)の龍のトルクがあれば、
不幸な未来を全てシャングリラへ変える事が出来ると言う。
 龍のトルク出現。ユウ、ハルカのみんなを助けてと言う想いを感じる。ユウ、消える。
 イサミを止めるユウ、長谷部を助けろと言う。薬を飲もうとしているミホをアトリが止める。
 イサミ、長谷部を止める。(つまり、家を出たとたん、ノエインが選んだ未来世界に入り込んだわけだ)
 ユウ、戻る。

 気がつくと、イサミ達、家の前に戻る。あれはシャングリラに飲み込まれた未来。あり得るかもしれない未来。


第23話「オワリ」
脚本:大野木寛 絵コンテ:安田賢司 田中孝行 演出:鹿島典夫 作画監督:結城信輝

 ノエイン(中井和哉)は自分の過去を話す。ノエインのハルカは17歳の夏に死んだ、彼の目の前で。
 天井にアイ達がハルカを探している姿が映し出される。「みんな、ここにいたらダメ!」
 ハルカの声がみんなに聞こえる。ウロボロスの輪出現。アトリ、みんなに家に入れと言う。
 「友達を残して逃げるなんて出来ないよ、アトリ」とミホ。過去を思い出すアトリ。「逃げろ、アル…」
 戦争中と思われる地域。やられちゃうよと言う友達(ジル 本田貴子)。
 「バカ、おいてけるかよ」(12才 岡村明美)友達は足を失くしていた。その友達をひきずっているアル。
 「みんなで、南へ行こうって、約束しただろ。南へ行けば、もう凍え死ぬ事も無いんだ。
大人達にいじめられたりもしない。俺達だけで生きていけんだろ、ジル…」
 爆弾が近くに落ちる。アルが握っていたのは、友達の腕だけだった。
 アトリ、ミホの頭に手を置き、「俺が必ず見つけてやる」と言う。龍のトルク発動。アイ達、その衝撃を感じる。
 「僕と君は一つになる。僕の悲しみを消し去るために、君はいるんだ」ハルカに近づくノエイン。
 たくさんの城山が出てくる。時空の収束。家が点滅する。ハルカの力を感じるアトリ。
 カラスによるとハルカの力をノエインが使っている。遊撃艇達も続々出現。
 アトリ、強制的にイサミ達を家の中に入れる。「ハルカがお前達を返そうとしてるんだ」「ハルカが?」とアイ。
 「でも、このままほっとけるかよ」とイサミ。「俺があの二人を必ず連れ戻してやる」とアトリ。「俺は残る」
 「ったくなあ。少しは信用しろよ」「アトリ、妹さん、見つかると良いね」とミホ。「妹はとっくに死んじまってるよ」
 「えっ」「地雷踏んでバラバラになっちまった。まぬけな奴だよ。おまえらもそんなドジ踏むなよ。じゃあな」
 アトリ、家を出ようとする。「あ、待って」腕を取るミホ。「又、会える?」
 「先の事なんてわかんねえよ。でもよ、未来なんてわかんねえから面白えんだろ」優しく腕を離すアトリ。
 「仲良くやれよ」ドアを閉める。家、消える。「さあて、あの不幸面のバカを探さなきゃな」
 アトリ、竜騎兵の服装になる。(つまり、あの物騒な斧の絵のパーカーはアトリのイメージで作られた物か?)

 「帰してやったのか。この時空に統合してやろうとしたのに。おまえはいつも私を悲しませる」「あたしが?」
 「全ての時空のおまえは、全ての時空の私を悲しませる」

 遊撃艇達、ユウ達を狙う。ノエインがやらせているのだ。カラスはハルカをユウに託し、戦いに専念する。

明日香達の前に家出現。そこに家が無くなったと聞いた二条雪恵(中原麻衣)が駆けつける。

 実験始まる。コサギ(本田貴子)倒れる。トビも座り込んでいる。
 マジックサークルの量子の揺らぎで存在が消えかかっているのだ。郡山と内田、先に行く。

 ユウの前にタツノオトシゴ機現れる。「我々は間違いを犯した」ハルカを探している事を伝えるユウ。
 「おまえはノエインを止められるのか」「わかんないけど…、ハルカをたすける!」
 「ならば習合の間へ、おまえを送り届けよう」

 「この時空はねえ、全ての悲しみが集積した時空。だから人は存在を消した。人の存在が悲しみを生む。
認識は誤解の始まりでもあるんだよ。だからねえ、人は認識する事を止め、個の存在を消し、習合と化した」
 ユウが現れる。
 「ああ、奴も呼んだのか。なら見せてやろう。さあ、ハルカ、龍のトルクよ、未来を選択する必要などない。
全ての時空は一つになり、消え去るのだ」

 郡山、真琴ちゃんに銃を突き付ける。篠原も銃を突き付ける。ウロボロスの輪が立ち上がる。

 ラクリマの十皇会は消滅を感じていた。最終障壁リメスが崩壊。

 ウロボロスの輪に気を取られた郡山、篠原に撃たれる。

 ノエインに飲み込まれそうなハルカを、ユウ助ける。
 「クズが、邪魔をするな。私に刃向うきか。全時空に後藤ユウは、一人で、良いのだよ…」
 ノエイン、ユウを捕える。
 「愛しいほど君が憎い」ノエインの体から、痩せさらばえたカラスの体が現れる。その顔と対峙させられるユウ。  「カラスは…」「そう、私は君だよ。ああ、もう一度戻れたら、君のような少年の頃に」「ふざけるな!」
 「君の瞳はまだ純粋だ。そこに深い悲しみが刻まれると思うと、私は悲しい」「何言ってんだ」
 「君はいずれ大いなる悲しみを経験する。生きているのを呪わしく思うほどに」
 ユウの頭をつぶしにかかるノエイン。「信じない」ハルカの声に、ノエイン振り向く。「あなたの事は信じられない」 「では、君に見せてあげる」

 雪恵の車に乗っているイサミ達。彼らは17歳になっていた。助手席にはユウ(中井和哉)。
 後ろの席にはアイ(千葉紗子)、イサミ(喜安浩平)、ハルカ(工藤晴香)。
 後藤は久しぶりに東京から帰って来たのだ。
 アイに、ユウをハルカの隣に座らせなかった気の利かなさを責められるイサミ。「止めてくれよ」「ねえ」
 顔を赤らめるハルカ。「なんか、余計悪い気がしてきた…」
 イサミ、前に乗り出し、「先生、もっと飛ばそうぜ。先生の腕ならあっと言う間じゃん」
 「駄目よ。これでも、結構飛ばしてるんだから」カーブ、ブレーキ音をきしませ、ものすごい曲がり方をする車。
 反対車線のトラック、パンクして反対車線にはみ出して来る。ぶつかる車。気がつくと、ユウは車の外。
 ユウに助けてと言うハルカの声。血だらけのハルカの手が、車のウィンドウを叩く。車が爆発する。
 「私は一度に、友人も、愛する君までも失った。この悲しみを、残された者の悲しみを、君はわかるかい?
世界が意味を失くした瞬間を私は経験した。なぜだ。なぜ私の前から消えた。私だけ残して」
 ハルカにすがりつくノエイン。「なぜなんだ」ノエイン、涙を流している。
 ハルカ、なぐさめようと手をのばしかけるが、「なぜだ」声の調子が変り、ハルカの手が止まる。
 「なぜ私がこんなに苦しむ。私はおまえを求めて無数の時空をさまよった。私のハルカを求めて。
しかし、知ったのだ。無数の時空には、無数の悲しみや苦しみしか無い事を。どこにでも死があった。
どこにでも苦しみがあり、悲しみに満ちていたのだ。…人はねえ、この時空にただ存在するのでは無い。
求める時空を人は認識する事により、その時空は存在する。絶対的観測者は、一人ひとりの人間なのだよ。
だから私は絶望した。全ての時空は不幸の連鎖から逃れられない。初めが悪かったんだ。
だから時空をシャングリラに統合し、無に帰る。
無に帰れば又初めから時空は生まれ、枝分かれてゆき、新しい宇宙が生まれる。
今度こそ予良き時空が生まれるだろう。おいで、私の元へ。人々をあらゆる苦しみから解放するために。
新しき時空を無から生み出そう。おいで。おいで。もうおまえには未来は無いのだから」


第24話「ハジマリ」
脚本:大野木寛 赤根和樹 絵コンテ・演出:赤根和樹 安田賢司 田中孝行 演出:松田清 榎本守
 作画:サテライト

 アトリ、巨大化し、遊撃艇をつぶしていく。「カラス、俺がこいつらをやる。おまえは行け」「しかし…」
 「うるせえよ。早くハルカを取り返してこい。早く行け」

 ノエインとハルカ一つになる。光が発生し、ユウもカラスもアトリも飲み込まれる。

 函館山が赤くなる。「時空の重ね合わせが」と黛拓也(三宅健太)。臨界域に飲み込まれた。
 この場自体が量子状態になりつつある。「もうすぐ全ての存在が不確定となり…」黛に掴みかかる篠原。
 「このマクロ世界で量子状態なんてありえねえんだよ」
 「それだけじゃない。最悪のケースが起こりつつあるんだ」「時空の収束の…」と内田。
 「不確定な物を強制的に確定した事により…」と黛。「だからなんなんだよ」
 「消えるのよ。無限の選択肢を収束させた事によって、無限にある時空を一つに収束させる場が発現するの。
それに巻き込まれて全てが…消えるわ」と内田。

 ウロボロスの輪を見て「ありえねえ…」とつぶやく雪恵。
 (つまりイサミの口癖は雪恵からうつったとか…。反対も考えられるが、イサミの方が雪恵に憧れていたから)
 ウロボロスの向こうにシャングリラが見える。函館山に行くイサミ、ミホ、アイ。

 「ハルカ」時の放浪者(宮田光)の声。ユウの姿が見える。
 「そうだよ。可哀そうに、あの時空を選んでしまったのだよ」ユウの姿、ノエインに変わる。
 「憎しみと悲しみで満ちた未来だ」「未来?」「そう、いくつもある未来の一つだ」「私はどうしたら良いの?」
 「おまえは、どんな未来が見たいのかな」「あたし、悲しい未来は見たくない」
 「人がより良き未来を創造するために、時空は選択出来る無限の未来を存在させている」
 「未来が一つだったら?」「選択肢の無い時空は崩壊し消滅する」「みんな消えてしまうの」
 「そう、空も大地も消え、全て無となる」「どうすれば良いの?」「…おまえは全ての時空の中で選ばれた」
 「どうして?」「おまえでなくても良かったのかもしれない。だが、おまえは選ばれた」「あたしが決めるの?」
 「全ての時空、全ての生き物の声を聞けば良い。感じれば良い」「感じる?全てを…」
 時の放浪者、ウロボロスに変わる。

 ラクリマでは暴動が起こっていた。アイはリリの家に行く。母さんを呼んできてとアイ。
 「地上に出ましょ。みんなで、この世界を見るの。目を逸らさず、もう一度私達の世界を。
そうすれば必ず私達の世界を認識できるわ」

 アトリ、サラ(中原麻衣)にお帰りと言われる。しかし、「まだ消えねえぞ」と、抜け出す。

 トビ、ストレージバッテリーをコサギに渡し、ラクリマに戻ってと言う。
 「全ての時空がシャングリラの因果律の流れに巻き込まれているんだ」「因果律?」
 「それに逆らう事が出来れば、全時空が収束する流れを、押し戻せるかもしれない」
 「押し戻す…。レイズシュミレーターを破壊するのか」「そうだよ」「ラクリマ界の存在記述データが失われる」
 「違うんだよ。レイズシステムでバーチャルな観測者を作り出してもダメなんだ。
存在を確定させるには、人が人を観測し、認識する事が重要なんだ。
お互いを認識し、わかり合えれば、存在は確定できるんだよ」
 「トビ…」
 「この時空に来て、ハルカと出会って、わかったんだ。人は存在を認識する事で、それを確定できるんだよ」
 (仮面ライダー電王と同じ世界観か)

 函館山には一杯人がいた。輪から遊撃艇が大量に出てくる。逃げる人々。
 イサミとアイとミホ、逃げずに手を握る。

 アイ達と一緒に地上に出る少数の人々。ウロボロスの輪の向こうにシャングリラが見える。
 「綺麗。ママにも見えると良いのにね」「何が見えるの、リリ」
 「空に浮かんでる大きなリングの中にね、綺麗な景色が見えるんだよ」
 ミホの目は、何も見る事が出来なかった。
 (薬を飲んで、目をつぶす結果になったのか。しかしアイは自殺してない。
あのままでも、自殺しなかった可能性がある。彼女の左足が切断されてるかどうかはわからない。
未来は無限だから)

 コサギ、ラクリマに戻る。

 アトリ、遊撃艇の流れの向こうのハルカの時空に行く。巨大化アトリをアトリを認識するすぐれたミホ。
 アトリ、遊撃艇をつぶしていく。

 あらゆる不幸な時空をさまようノエイン。
 地球のあちこちで核が爆発する様子を見て、にやりを笑うノエイン、シャングリラに戻る。そこにはカラスがいた。 龍のトルクの力を手に入れたとノエイン。
 「時空は今収束に向かっている。全ては始まった。そして終わる。おまえもそれを望むだろ?おまえは私だから」 カラスを飲み込むノエイン。
 「わかるだろ?私の悲しみと、怒りが!愚かだよ、人はなあ。知らなければ良かったのだ。
存在する意味など…」

 全ての遊撃艇をアトリ、つぶしたが、ウロボロスの輪から又、大量の遊撃艇が出現しようとしているのを見て、
アトリ、自分の巨大化した体で輪を覆う。

 船、分身が現れる。動揺し逃げ出すスタッフ達。撃たれていない郡山も現れる。
 新郡山、撃たれている郡山を見る。「これが内田ちゃんの言ってたさいころの目の話かい?」
 近づいてくる新郡山に向かって撃つ篠原。弾外れる。郡山、篠原を殴る。トビが来る。

 「全ての時空のあたしは、幸せだったと思うよ」ハルカ。湖の岸。カラスがいる。(と思ったら、ノエインらしい)
 「ユウと出会えたから…」湖には教会が沈んでいる。「あたし、幸せだよ」ノエイン、ハッとする。
 「あなたはカラスとは違う。忘れたんだね」
 「私は忘れてなどいない!今もあのハルカが、鮮明に蘇る。あの時の、悲しみが」
 「違う。あなたはユウの記憶を持っているけど、忘れてしまったのでしょ」ハルカの墓の前のユウ。
 「ハルカ、やっぱり俺は東京よりこっちが良いよ。なんかさあ、落ち付くよ。もうすぐ四年目か。
ハルカがいなくなって、早いよな」
 「この時空のハルカも、もういないよ。でもユウは、忘れない」「違う。私は忘れてなどいない」
 「あなたはカラスとは違う。忘れたんだね」「私は…」「忘れたんだね」沢山のハルカに言われるノエイン。
 「もう止めてくれ。消すのは止めてくれ」タツノオトシゴ。沢山のタツノオトシゴを攻撃するノエイン。
 「くずどもの欠片が!お前達は逃げだしたのだ、生きる事の苦しみから。想像の楽園で腐れはてろ!」

 「この時空だけでも、その流れに逆らうんです。
マジックサークルを止めて、量子状態から抜け出す事が出来れば」とトビ。
 黛、バックアップコンピューターを起動させる。
 内田、マジックサークルが消えた時、撃たれなかった郡山さんを観測して確定させなきゃいけない。
 「ダイジョブさ。神様は良い目を出してくれるんだ」

 黛、マジックサークルを緊急停止する。コサギ、攻撃を上に向け、レイズシュミレーターと一緒に爆散する。
 ノエインからカラス抜け出す。カラスの姿、ユウに変わる。
 「おまえの過去が見えたよ。おまえの過去はぼくだったかもしれなよ。でも今のおまえは、僕じゃない!
もし僕だったらハルカを忘れたりしない。イサミを殺しもしない」
 「おまえは私だ」「違う!おまえは僕じゃない!僕は絶対おまえにはならない。未来をあきらめない!」
 ユウ、カラスに変わる。「おまえの存在は確定されていない。おまえこそ幻だ!」「まぼろし…」
 「おいでハルカ。一緒に帰ろう」ユウ。龍のトルク現れる。ハルカ出現。ハルカ達消える。
 ウロボロスの輪、消える。ラクリマのも消える。
 ハルカの時空の輪も消え、アトリ一緒に収束し、青い雪が函館に降る。「ありえねえ」と雪恵先生。

 撃たれてない郡山が残る。しかしトビは消えていく。

 ノエイン、自分が誰かわからない。ノエインの体の表面にたくさんの顔がぞろぞろと出てくる。
 「私の存在は確定しないのか」倒れるノエイン。そこからたくさんの者達逃げ出す。
 「習合の時は終わった。選択の場がよみがえった。認識は復活した」タツノオトシゴ機。
 「おまえたちに選択する事などできはしない…」ノエインの体崩れていく。
 「お前達は必ず戻ってくるよ。この時空にね」

 ハルカ、オレンジ色の場所に出現。カラスによると時空の地平だそうだ。周りに雪が降り始める。
 「一緒にいてくれないの」「俺はいつも君の側にいる、必ず」ハルカを抱き寄せるカラス。「15年後に」
 「カラスはユウだから」「そうだ」カラス、ユウに変わる。一緒に時空を跳ぶ二人。アイ達ハルカの声を聞く。
 二人、戻る。

 冬。ユウが東京から帰ってくる予定。ハルカ、一人教会の前に立ち尖塔を見つめる。
 「カラス、ユウがね、もうすぐ帰って来るんだよ」

感想:あれはありうるかもしれない未来。でも、イサミのお婆さんは死ぬんだろう。
 死なないようにイサミが気をつければ大丈夫かな。アイは左足(?)を切断しないといけないんだろう。
 アイも体の状態を気にして生きていけばいいか。取りあえず、サッカーはあきらめないといけないだろう。
 足切断しなくても、サッカーし続けるのは危険だ。ミホのいじめだけは避けたいね。
 ノエインの過去では、雪恵先生とアイ、イサミ、ハルカが死んでしまう。
 ノエインがあんなに力を持ったのはシャングリラの選択で体を失くしたからか。
 意識体として色々一人で力が使えると。
 習合の間と言っている所を見ると、ノエインの全ての時空を一つにと言う選択は、
シャングリラの選択だったのかな。
 ノエインは不幸な時空ばかり見たみたいだが、無数にあるのだから、幸福な時空もきっとある。
 おそらく彼が無意識的に不幸な時空だけを選びとっていたのだろう。
 無数の時空があると言う事は人間がいない時空とかもありそうだし、ハルカがいないとか、ユウがいないとか、色々と…。
 あの時の放浪者が適切な介入をして、少し方向性を持たせているのかな。
 しかし、アトリ、トビ、コサギは死んだのかな…。ラクリマで生きてると思いたいが…。
 ラクリマはアイ達の行動のおかげで大丈夫だったと思いたい。カラスはユウの意識に沈んでいるんだと思う。
 違うかな。ノエインの体から出て行ったのは、彼が色んな時空で飲み込んでいった人達か。
 基本、ほとんどユウかもしれない…。
 ノエイン、ハルカが死んだ時の記憶は離れないが、ハルカとの楽しい記憶は忘れて、
ただひたすら自分と同じように他の人も不幸にしたかったんだと思う。

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Naturalist


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アメリカン・ヒストリーX

「アメリカン・ヒストリー・X American History X」
監督・撮影監督:トニー・ケイ(Tony Kaye)脚本 :デイヴィッド・マッケンナ

最後まで書いています、注意!

 ダニー(エドワード・ファーロング Edward furlong)は車のガラスを割る音を聞いて外を見る。
 彼は兄のデレク(エドワード・ノートン Edward Norton)に知らせる。兄は銃を持って外に出る。
 いきなりドアの前の黒人を撃つデレク。もう一人も撃ち、後の黒人は車に乗って逃げる。

 ダニーは「我が闘争」を題材にヒトラーを英雄として称えるレポートを出し、
マーレー先生(エリオット・グールド Elliott Gould)は
ボブ・スウィーニー校長(エイヴリー・ブルックス Avery Brooks)に訴える。
 しかし校長はダニーを退学にはしない。デレクは今朝出所した。
 校長は自分がダニーに歴史を教えると言う。クラスの名前はアメリカン・ヒストリー・X。
 明日までに兄についてのレポートを書けと命じる。

 黒人三人組の少年達が白人の少年を先公にばらしたと暴行を加える。
 トイレから出てきたダニーは黒人少年に煙草の煙を吐きかける。ベルが鳴り、黒人少年達出ていく。

 スキンヘッドのベニスビーチ・ギャング達。
 デレクはその若者達の黒幕キャメロン・アレクサンダーの右腕だった。
 デレクの父親は消防士で、麻薬取引の黒人に、消火活動の途中で射殺された。

 ビーチのバスケットコートの試合を見るダニー。試合をしているのは黒人。
 あのトイレの少年が彼の事を生意気なガキと話している。過去を思い出すダニー。
 白人と黒人のバスケの勝負。
 セス(イーサン・サプリー Ethan Suplee)は相手の黒人と口論になり賭けをする。
 しかしその賭けをデレクは変える。自分が加わる代わりに、コートの使用権を賭ける。
 デレクの活躍により白人の方に点が入り始める。
 トウモロコシのような爆発頭の黒人(デレクが後に二番目に撃つ人間だ)、デレクにひじ打ちをかます。
 しかし白人チームが勝つ。

 出所したデレクは髪を伸ばしていた。

 デレクはカリスマリーダーだった。彼は不法移民の外国人を雇っていたスーパーを襲撃する。

 母のドリス(ビバリー・ダンジェロ Beverly Dangelo)と付き合っていたマーレー先生との家族の会食。
 デレクは有色人種を攻撃する論を熱烈に展開。反発する妹ダヴィナ(ジェニファー・リーン Jennifer Lien)。
 その話を嫌がる母。デレクはサビーナに暴力を振るう。先生は母親との付き合いを止める。
 母親はデレクに家から出て行けと言う。次の朝に出ていくとデレク。

 あの夜、とうもろこし頭の黒人に石段のヘリを咥えろと命令するデレク。
 止めてと叫びながら兄を止めようと走るダニー。兄は石段の縁を咥えた黒人の頭を踏みつけた。

 キャメロン・アレクサンダーのデレク出所パーティーに顔を出すダニー。そこには兄もいた。
 デレクは抜けるとキャメロン(ステイシー・キーチ Stacy Keach)に言う。
 変わってしまった兄にショックを受けるダニー。ダニーにデレクは刑務所での事を話す。

 刑務所ではもちろん白人仲間に入るデレク。裸になって鍛える彼の胸にはかぎ十字の刺青。
 デレクはクリーニング仕事の担当になる。
 仕事仲間はおしゃべりな黒人(ラモント ガイ・トリー Guy Torry)だった。
 白人仲間ミッチ(Alex Sol)がメキシコ人と商売しているのを見て批判するデレク。
 ミッチにはお前だって何かにつけて世話になってるだろうと言う仲間に、俺は誰の世話にもなっちゃいねえ、
一匹狼だって十分やって行けると言うデレク。
 ミッチはメキシコ人から麻薬を買って白人に売っていた。笑いかけるミッチに背を向けるデレク。
 しかしデレクは仕事仲間の黒人と談笑する関係になる。黒人は電気屋からテレビを盗んだのだった。
 隣がおまわりが良くたむろしているドーナツ屋だった。なぜ6年の刑期なのかとデレク。
 おまわりにぶつかってテレビを落とし、おまわりの足にひびが入った。
 わざとやったと言う事になったが、わざとでは無い。有色人種達とバスケをするデレク。
 それをじっと見ている白人達。デレクは白人達に暴行を受ける。
 一人になるデレク。それを仕事仲間の黒人は心配する。仲間がいなけりゃ、黒人に暴行を受ける。
 しかし、彼に黒人達はちょっかいを出さなかった。
 出所の日、デレクは仕事仲間の黒人が彼を守ってくれたのだと知る。

 デレクとダニーはナチ関係の旗その他を片付ける。

 あの黒人少年三人組、夜の街に車を走らせている。

 ダニーは始まりがいつかわかっていた。父親(William Russ)自身がデレクにその考えを植え付けたのだ。

 キャメロンとセスが黒人に襲われた。ダニーを学校まで送るデレク。
 デレクは夕べ家の周りを妙な車がうろついていた事に気づいていた。その事をダニーに注意するデレク。
 ダニーは学校のトイレであの黒人少年に撃たれる。
 デレクはあの車が自分の前を通り過ぎたのを見て、学校に駆け戻る。
 「僕は何を学んだか、最後に結論を書いておきたい。憎しみとは、背負いきれない重たい荷物のような物。
短く貴重な一生を、憎しみだけに生きるのは、あまりにも空しすぎる。
レポートの最後は引用文が良いとデレクは良く言っていた。
先人の力強い言葉は、時として自分自身以上に、雄弁に心情を語ってくれるから。僕の選んだ言葉はこれだ。我々は敵では無く、友だ。敵であってはならない。一時の激情に流され、友情の絆を断ち切るな。
それぞれの心に住む天使の指が我々を繋ぐ細い弦を弾いた時、それはきっと美しく、
高らかな音色を奏でるだろう」

感想:やたらとスローにして盛り上げる曲を付ける演出が多く、うざったい気がしましたが、
良い映画だと思います。
 と言うか、悪人が善人になる話が好きなだけですが…。
 エドワード・ノートンは繊細そうな見た目から、ああいう筋肉つけたコワモテまで、何でも似あいますね。
 彼が注目されたのは、善人と悪人、両方の表情を演じ分けた映画でしたから、最初っから演技派ですし。
 エドワード・ファーロング、麻薬だったかアルコールだったか、とにかく問題が多く敬遠されがちだと聞きました。  今はどうなんでしょう。この映画でも過不足無く演じているかと思いますが。
 「グラスハープ/草の竪琴」なんて好きな映画ですし、他のも良かったと思うんだけど。
 ロバート・ダウニー・ジュニアは問題多くても、演技力があるからなのか、憎めない性格なのか、
今もやっぱり活躍しています。
 まあ、ロバートもエドワードも、子供時代からちょっと問題多そうだったし、そうなると、
そういう物に走りやすいのかな。
 ロバートなんか、子供の時、父親から麻薬だったか、アルコールだったか、もらったと聞いたし。
 まあ、あいまいな記憶だが。麻薬が手に入りやすい環境と言うのは怖いです。
 最後、デレク危ないと思ったらダニーが殺されショック。デレクの弟だからか、生意気だからか。
 どちらにしろ、殺人を犯してしまったあの黒人少年の将来も危ぶまれます。
 デレクは弟を黒人に殺されても、前のようにはならないと思いますが、ああいう環境は生きにくいですね。
 しかし、母親が悪い感じでは無く、そこが救い。母親がひどい人も多いから。

他の方のブログを読んで:ロシアにもネオナチはおり、今も活動しているかどうか知りませんが、
黄色人種を襲っていました。
 ヴェトナムから出稼ぎに来ている人達がいたからだったと思うけど、韓国人が襲われたと思う。
 まあ、私にも、ヴェトナム人も韓国人も日本人も区別はつかないが、
不満鬱憤が溜まっていたネオナチには外国人なら誰でもよかったろう。
 今は景気が良いのよね、ロシア。でも、恩恵に預かれていない人もいるだろうな。
 国境辺りで中国人達がロシア人を雇って商売していたが。
 アクターズ・スタジオでドン・チードルがゲストになった時、
「クラッシュ」関係の話でインタビュアーのリプトン氏は日系アメリカ人の妻が一人で高級住宅街を歩いていた時、警察の尋問を受けた話をした。
 そうしたら、ドン・チードルも一人で歩いていたら捕まって手錠をはめられたそうだ。
 手錠を嵌めてから警官、彼がスターである事に気づき、サインをねだったそう。
 「クラッシュ」で描かれたように、誰の心にも差別したい気持ち、固定観念にとらわれる気持がある。
 いじめも差別と似たような物だと思う。
 まあ、デレクはかなりの怒りを持って差別心を持っていたが、
いじめは割と軽い気持ちでやっている人達がいるのが腹が立つね。
 軽いのなら、やるなよ。差別されると、人は委縮し、能力が発揮できない。
 「青い目 茶色い目」と言うドキュメンタリーでは、実験として、子供達の承認の下に、
目の色で差別したのだが、一日目は青い目の子が優秀で、茶色い目の子はダメと言う設定。
 青い目の子が茶色い目の子に「や~い、茶色い目!」と言い、言われた子は、その子に掴みかかった。
 差別されると、自分に自信が持てず、それゆえ言葉で対抗したり、受け流す事が出来ず、
それでも違う!と言う気持ちがあり、暴力に走るのだろう。
 あれは小学生達だったが、確か高校生達対象で(大学生だったかな、覚えてない)、
ナチについての実験をした。
 ナチ的に行動したのだ。そうしたら、テストの結果は上がったが、暴力的傾向が高くなった。
 あんな風に規律良く、努力すると、秩序をちょっとでも乱す奴が許せないのかな。
 まあ、学生達、後に自分達の変化に愕然として、傷ついていたと思う。
 確かに黄色人種は特別枠が無くても、大学に入りまくっているのだが、黒人には自信も無いが、
良いロールモデルも無いんだと思う。
 白人からすれば逆差別なんだろうが、少しは引き揚げる努力をしないとね。
 オバマさんが良いロールモデルになると良いのだが。ヒスパニックは低賃金労働についている。
 駐車場には必ずいると聞いた。いや、必ずと言うのは言いすぎか?
 デレク達はWASP以外は皆敵と思っていたが、低賃金労働の後ろには安い料金、安い値段がある。
 今はどうだか知らないが、アメリカではリストラをした経営者達が自分達の給料を上げていた。
 そう言えば、あるホワイトカラーはインドに住むインド人に仕事を取られていたな。
 失業した彼は持病があったが、メディケアだったかな、
お金が無い人の医療保険に入っている人が受けられる病院は2,3時間待ちで、仕事と両立しづらかったと思う。
 仕事探しと、だったかな。
 アメリカがWASPだけの国になったら、憎む者がいず、レッドネック、プアホワイト、駄目白人の自分を痛感し、
もっと惨めになると思うが。
 アメリカはネイティヴ・アメリカン以外は皆移民なんだけどね。消防士と警官はブルーカラー。
 アイルランド人がその職業に多くついた事で有名。
アイルランドは元々地味が豊かそうには見えないが、イギリスにいじめられて貧乏で、じゃがいもに頼り、
じゃがいも飢饉になり、大量にアメリカに移民。
 いつの時代も、後から来た移民には冷たいもの。しかも彼らはカソリック。
 で、ガタイが立派な人が多かったので、警官、消防士になった。
 日本人はあまりブルーカラー、ホワイトカラーと差別しないが、
桐野 夏生さんの「OUT」がアメリカで出版された時、あちらの人に、
どうしてホワイトカラーの夫の妻がブルーカラーなんだと聞かれたそうだ。
 ローマ人の物語によると、ローマ人は今の人達より、どこ出身か言う事は全然気にしていなかったそう。
 ローマ人が出来るんなら、我々にも出来るかと思うが。
 幸せの国としてデンマークが紹介されていたが、あそこは税金のせいで物の値段が高い。
 しかし、教育システムが充実していて、失業しても、勉強して別の職につく機会がある。
 失業率が驚異的に低いらしく、あまりに低くて建築業の人手が足りない恐れがあるそうだ。
 ベンチャー企業を経営していた若い人は、失敗してもなんとなるから、挑戦できると言っていた。
 近くの異分子のせいにするのは実に安易。社会の問題なんだろう。
 今はグローバル化で、世界のどこかの問題が、自分達に影響する。
 日本の縫製工場で中国人の研修生達の給料が払われなかった。
 政府はその工場に注文していたアパレルメーカーにもっと下請けに金を出せと注意した。
 アパレルメーカーだって、中国の安い衣服に苦しんでいる。
 そして世界の工場中国の安い人件費を支えているのは、貧困にあえぐ中国の田舎の人達だ。
 

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マボロシ 他

「ノエイン もうひとりの君へ」
監督:赤根和樹 キャラクターデザイン:岸田隆宏 アニメーション制作:サテライト

第19話「オモイデ」
脚本:大野木寛 絵コンテ:安田賢司 絵コンテ・演出:田中孝行 作画監督:中屋了 山崎秀樹

 「ハルカ七才夏」と題されたビデオにはお婆ちゃんが写っていた。

 上乃木ハルカ(工藤晴香)は昔の約束を思い出し、ポストを覗くが、手紙が今頃来ているわけが無い。
 内田涼子(大原さやか)と郡山京司(藤原啓治)が来る。
 彼女がポストを覗いていたのを見て郡山は誰かの手紙でも待ってるのかいと言う。
 昔の事を思い出したからと言うハルカに郡山は
「お嬢ちゃんの昔は俺の最近だ。大人になったら思い出す事より忘れてる事の方が多くなるからなあ」と言う。
 郡山は軽く言ったのだが、「郡山さんも一杯忘れた?大事な人の事も忘れた事あるの?」と深刻に訊くハルカ。 「どうだったかなあ。今まで長く生きてきたし、出会った人間は一杯いるさ。きっと忘れちまった奴だって…」
 「忘れないよ、あたし。あたしは忘れないよ、おじさんの事」

 シャングリラ遊撃艇の事は気象現象として片付けられた。
 腹が立たないのかと訊く内田に郡山は大人が考えそうな事だよと言う。「殺されても、見ないふりも出来ちまう」 内田は佐々木委員長と直接話をするつもり。

 花を持っているアトリ(鈴村健一)にいきなり攻撃をするコサギ(本田貴子)。花が散る。
 「おまえの顔を狙ったのに、なぜ花に当たる」コサギ、アトリを蹴る。トビ(白石涼子 )が止める。
 痛いよと言いながら四つん這いになっているアトリの顔は確かに正気の時の表情に近い物があった。

 内田は佐々木教授(関根信昭)と電話。彼は篠原君と話してみると言う。
 「誤解しないでくれ。
 私は君の報告書にあるような、
時空間の重ね合わせが発生する絶対臨界の発現を信じたわけでは無いのだよ。
ただね、君の研究の過程をもう少しだけ見守りたい」

 佐々木は篠原真琴(咲野俊介)に話すが、彼は聞く耳を持たない。
 「こいつで量子力学の扉をこじ開けるんだよ。新しいネットワークの革命が起きるんだ。
いや、通信だけじゃない、世界そのものが変わるんだ。変化の時さ!新しい世界を作るんだ!
それを止めろってどの口が言うんだよ!!」
 「止めろとは言っていない。計画の一時見直しをしてくれと言っているんだ」
 「おや、随分軟化してねえ。そうだよねえ、今これ止めたらあんたの研究室にも金入らないもんねえ。
ケチくさく見直しなんて言わずにさあ、全面推進で行こうよ。量子力学の黛解釈が証明されるんだぜ」
 「それは出来ない。危険を犯す可能性がある実験の許可は、わたしには出来ない」

 ハルカは都電の停車場に立っているかつての友達アヤちゃんに気づく。アヤちゃんに駆け寄るハルカ。
 アヤちゃんのお母さんはハルカを覚えていた。観光に来ていたのだ。
 しかしアヤちゃん(本多陽子)はハルカの事を覚えていなかった。前田あやは手紙を出すと約束した子なのに。  ハルカ、お使いがあると言って仲間達から離れる。
 長谷部アイ(千葉紗子 )、ハルカがショックを受けている事に気づく。
 アイの言葉を聞いて、後藤ユウ(瀧本富士子)、ハルカを追いかける。

 クイナ(小山力也)、ラクリマ司令部に龍のトルクの逆算固定を提案。
 「龍のトルクの量子構成のデータは保存されています。
そのデータ通りにレイズを再構成すれば、龍のトルクをこのラクリマへ」
 しかし逆算固定するにはラクリマのレイズシュミレーターの計算能力をフルに使わねばならず、
そうなればリメス(?)が一時的に失われる。
 その時、シャングリラに襲われたら…。しかし他に方法は無い。

 アイと藤原イサミ( 宮田幸季)と向井ミホ(名塚佳織 )は先にハルカの家で待つ事にする。


 郡山に出向終了の命令が出た。絶臨の佐々木委員長が辞任した。
 後任の戸部とか言う男は内田を絶臨からはずす意向。「いつものやり口だぜ」郡山は過去を思い出す。
 郡山は刺され、仲間の刑事は列車の前に突き落とされた。
 殺された同僚は発作的に自殺したと言う事で片付けられた。事件は駐在大使めで絡んだスパイ事件。
 表ざたに出来なかった。マスコミにリークしても篠原にもみ消されるだろう。
 「今度はあきらめねえ。死んでも止めねえ。行こうぜ内田ちゃん。今俺達に出来る事は黛博士を探す事だろ」

 公園のブランコに乗っていたハルカを見つけるユウ。
 「お婆ちゃんの事、忘れかけてた。あんなに大好きだったお婆ちゃんなのに。
お婆ちゃんの笑った顔も、声も、どんどん忘れていくんだね」
 「ハルカのお婆ちゃんが亡くなったのって二年前だよね。
しょうがないよ、いなくなった人の事、そんなに覚えてられないよ」
 「みんな忘れていっちゃうんだね。あやちゃんが私の事を忘れちゃったみたいに。
私がお婆ちゃんの事忘れたみたいに」
 「忘れない事だってあるよ」「えっ」
 「俺は、ハルカと初めて会った時の事は今でもちゃんと覚えてる。二年生の夏休みの時だ。
バロンとおばさんとで、うちに来たんだ。おまえ、忘れてんだろ。…ったく、ハルカは忘れっぽいんだよ」
 「そんな事ない。覚えてるよ、あたし。あたし、ちゃんと覚えてる。こっちに引っ越してきて、とても不安で。
だからね、ユウが優しくしてくれた事、とっても嬉しかったんだよ」

 家に帰ったハルカ。ハルカの周りに青い雪が現れる。逆算固定。
 ユウ、ハルカを助けようと飛びつくが、二人一緒に消える。


第20話「モウイチド」
脚本:佐藤和治 絵コンテ:黒森鷹治 演出:榎本守 作画監督:小美野雅彦

 二人ラクリマに着く。ユウを見たクイナ、ユウにカラスの面影を見て、ユウを襲う。
 龍のトルク発動、ハルカとユウ、どこかに転移する。

 トビにラクリマへ送れと迫るカラス(中井和哉)。ここにある物で転位装置を作るのは無理。アトリが止める。
 アトリの表情はあの穏やかな表情では無く、かつての表情だった。おまえなら出来るんだろとアトリ。
 トビ、内田の量子コンピューターを借りる。

 ユウとハルカ、リリと出会う。リリに連れられアイに会う二人。
 「本当にアイ?なんか優しすぎない?」と失礼な事を言うユウ。

 トビ、手造り装置を起動させる。失敗。パワー不足。コサギがクイナが残したストレージ・バッテリーを渡す。

 ユウ、突然倒れる。体が点滅。ハルカを無理矢理表に出すアイ。あなたは見ちゃダメと。

 インサイダー・ポイントがラクリマ時空に侵入。鳥が帰って来た。カラス、ラクリマに来る。

 「量子革命の起こった私達の世界では、全ての物体が量子的な状態に陥ってしまった。
時空全体の存在が、確定できない世界。私達人間自身もね。観測者がいない不安定な存在なのよ、私達は」
 「観測者?」
 「だから私達は全てをレイズ記述データ化し、それを量子コンピューターに保存する事で、
この世界を安定化したの。
その世界をラクリマと名付けてね。言いかえれば、データの記述の無い者は、ここでは存在出来ない。
だからユウは」
 「でも私はちゃんといるじゃない」「ハルカは特別だし、前に来た時に記録されているのよ」「そんな…」
 「いい、ここからが大事な事なの。確かにユウは死んだように見える。
でもその存在が不安定である以上、ここでの死も又曖昧な物なのよ」
 「何言ってるかわかんない」「つまりユウは今死んでいる時空と生きている時空が重ね合わせの状態にあるの」 「死んだユウと、生きてるユウ?」「そう」「生きてるユウもいるの?」
 「ええ。だから、あなたが見たらいけないの。
龍のトルクのあなたには観測した物を固定化する力があるかもしれないの。
今あなたが死んだ状態のユウを見れば、ユウの死は確実な物になってしまう」
 「そんな…」
 「でもね、生きてる状態のユウを見る事が出来れば、互いに存在を認識し合う事が出来れば、
ユウは生きている状態に確定されるわ、きっと」
 「じゃあ、生きてるユウはどこにいるの?」「それが…」「シャングリラだ」クイナが現れる。

 シャングリラで意識を取り戻すユウ。ノエインが現れる。
 「まさかおまえがこの地に来るとは。私にも時空の意志は読み切れないと言うわけだ」

 シャングリラ遊撃艇、ラクリマに現れる。地下に潜る遊撃艇。
 クイナ、自分と共にシャングリラへ行く事をハルカに提案。「クイナ、あなたラクリマを裏切ったの!」
 「フッ、龍のトルクを逃がしたお前に言われたくないな。どけ!
それとも又フクロウを殺したカラスの手助けをする気なのか」
 ハルカ、ノエインがフクロウを殺した事を話す。カラスが現れる。クイナを攻撃しようとするカラスを止めるハルカ。

 シャングリラは意識だけで存在する世界。ユウの後ろにフクロウが現れる。

 ハルカ、クイナと共に遊撃艇に乗って、シャングリラへ行く。

 「僕とイサミを助けてくれた?」フクロウが藤原イサミの十五年後の姿である事を話すノエイン。
 「でもねえ、そのイサミは殺されたんだ。誰にだと思う。君だよ殺したのは。十五年後の君が殺すんだ」
 「十五年後のって、カラスに?」「違う、そうじゃない。私だ、私は君だから。君の未来は親友を殺す」

 クイナ、シャングリラへ着いたら、体がバラバラになって崩れる。その過程で、ハルカ、遊撃艇から落ちる。
 カラスが彼女を救う。ユウの叫び声。遊撃艇を操って、ユウの叫び声が聞こえた先に向かうカラス。
 ノエインに追い詰められていたユウ、落ちる。ハルカ、ユウに向かって跳ぶ。
 ノエイン、邪魔だと遊撃艇を爆散させる。龍のトルク発動、ハルカ、ユウを捕まえ、跳ぶ。
 カラスもハルカの跳躍に巻き込まれる。跳んだ先は草原。ユウの体、発光、透けていく。
 消えないでとユウを抱きしめるハルカ。ラクリマの世界のユウの体はアイ達の目の前で消えていった。
 一度は消えたユウの体だったが、ハルカの腕の中に戻る。

第21話「マボロシ」
脚本:浅川美也 絵コンテ:森田宏幸 演出:松田清 作画監督:高田晃

 トビはカラス達のデータを見失い、探していた。
 心配のミホ、女性(が得意な)必殺うるうるお願いの目でアトリを見る。「なんだその顔は」
 「ハルカ達、本当に帰ってこれる?」「そんなのは、やってみなきゃわかんねえよ」
 「アトリ…そんな言い方止めなさい!」立ち上がるミホ。
 「みんな心配してるのに、そんな言い方しちゃ、気分ブリブリで悪いわよ!
アトリも未来人なら手伝ってあげたらいいでしょ」
 アトリ、むっとした顔でミホをじっと見ていたが、表情を柔らかくし、「俺には出来ねえんだよ」と言う。「えっ」
 「時空間の操作はトビの専門だ。俺が手伝っても奴の邪魔になる」
 「なんだそうなの。しょうがないなあ。じゃあこっちへおいでよアトリ」「そうだな」
 「あいつ、何か企んでるのか」とコサギ。「完全に元に戻ったわけじゃないんだ」「しかし…」「大丈夫だよ」
 キーボードを操作するトビの手が一瞬青い空気状態になる。

 霧が深くなり移動するハルカ達。先が全然見えないとユウ。
 「目で見える物など、ここでは無意味だ。この世界は全て幻だ。
ここはお前達にとって存在が確定していない世界だから。この時空はラクリマと並列した時空。
お前達から見れば未来と言う事になる」
 「未来?」とユウ。「未来の可能性の一つだ」
 「もしこの世界が幻でも、ユウも、カラスも、ここにいるでしょ。二人がここにいるから、あたしもここにいるよ」

 存在すると仮定される無限にある時空は相互リンクしてる。それをリアルタイムでグラフィック化したトビ。
 ハルカはたぶんシャングリラにいる。内田に黛拓也(三宅健太)から電話が入る。佐々木教授から聞いたのだ。

 都市のような所に出るハルカ達。誰もいない。「この街も実体では無い。幻影だ」見上げるハルカ。
 「ハルカ。気をつけるんだよ、ハルカ。ここは揺らぎの街。心揺らぎ、想いが揺らぐ街。
君の望む未来を、見失ってはいけないよ」
 消える時の放浪者(宮田光)。ちょっと疲れた感じのハルカを見て、休むために家の中に入る事にするカラス達。 ベッドで休むハルカ。

 黛博士に会う内田。マジックサークルの実験は止めるべきだと博士に訴える内田。
 「博士、マジックサークルから発現させた多量のシータ素粒子が量子リンクしてしまった場合、
強力な場が発生する可能性があります」
 「あくまでも、それは臨界が発生する場合です」「これを見てください」データを差し出す内田。
 「この中に、この地域の量子ポテンシャルマップのデータを入れてあります。
この地域は、今量子的揺らぎの様相を示しています。
もしここで臨界現象が発現すれば、時空間の接触干渉が起こり、全時空、
宇宙そのものが消滅してしまうかもしれないんですよ」
 「この地域の量子ポテンシャルが…」
 「それに、その中心にハルカちゃんの存在が影響している可能性があります」「ハルカが…!」
 「ハルカちゃんは、博士の理論の実証例になるかもしれないんです。
量子的な不確定世界を確定させる現象は、人間の特異な量子的構造が原因となる。
人の存在が全てを確定させる。
人は、時空が重ね合わさって出来ている宇宙の根源であり、ネットワークの中心である。博士の理論ですよね。それが、マジックサークルによって崩壊するかもしれないんですよ」
 「黛さん、子供達の未来を俺達大人が壊しちゃいけねえだろ」

 上乃木明日香( 岡村明美 )、黛に呼び出される。

 ハルカの存在反応はある。けど時空を特定できない。その存在さえ不安定化してる。
 時空がデコヒーレンス化したシャングリラに転移したと考えるのが一番妥当。
 突然笑い出したアトリ、トビに龍のトルクのデータの逆算固定をやれと言う。
 そうすりゃシャングリラの位置を確定できる。しかしハルカが消える危険もある。
 俺をシャングリラへ送れとアトリ。正確にシャングリラへ転位出来る可能性は低い。
 トビの胸倉を掴んで要求するアトリに飛びつくミホ。「邪魔するな」
 「あたしに怒らないで!今怒ってるのはあたしなんだから!」「なんだと」
 「これ以上暴れたら、本当に本当に許さないからね!もう遊んであげないから!
森にも、公園にも、どこにも連れて行ってあげないから…」
 ミホ、泣きだしそう。「黙ってろ」「黙んないわよ」泣き出すミホ。「チッ。泣くなよ、うざったい」トビを離すアトリ。
 ミホの頭に手を置きなでなでするアトリ。
 「何か良い方法がねえのかよ、トビ。
早くシャングリラをどうにかしないと、こいつらのいるこの世界まで飲み込まれちまうだろ。
こいつらを、守ってやりてえんだよ」

 ユウ、ノエインにつらい人生が続くみたいな事を言われたので気になったのか、
カラスに大人になってもつらい事ばかりかと訊く。
 何も知らなかった子供のころの方が楽かもしれないとカラス。子供の頃だって辛い事はあるよとユウ。
 そうだったかもな、大人になると子供の頃の記憶がかすんでいく。不自由で楽しい事なんて無いとユウ。
 大人になる事で自由になれるわけでは無い。
 子供の頃には想像も出来ないほどの苦しみや悲しみに打ち砕かれる。
 だから強くなれとカラス、より大きな悲しみや苦しみに出会っても、乗り越えられるだけの強さを持て。
 ユウ、気づく、未来のハルカは死んだのか。ハルカ、起き上がる。

 黛、喫茶店で明日香と会う。ハルカと東京に来ないかと黛。住む所は用意する。この街である実験が。
 ハルカを連れてすぐ東京へと言う黛に、相変わらず自分が正しいと思っている、
ここは私が生まれた町だと聞かない明日香。
 君も相変わらずだよ、人の話を聞こうとしないと黛。
 帰ろうとする明日香に、君はハルカの母親だろう、娘の事も考えたらどうなんだと叫ぶ黛。
 明日香、あなたにそんな事を…!と言いかけながら、コーヒーを黛にかけそうになるが、思いとどまって、
座りなおす。
 やんなっちゃうねえ、カッとしちゃうのが私の悪い癖と明日香。
 さっきの言葉は取り消すよ、君は変わったと黛、随分穏やかになった。黛、又連絡すると言う。

 カラスの時空のハルカは量子コンピューターの一部となった。ユウ達の時間軸の10年後。
 ハルカは自らそれを望んだ。ラクリマを存在させるために、身を捧げた。
 時空間の浸食を防ぐためにハルカは選ばれた。異なる時空の浸食を防ぐための壁だ。
 量子コンピューターで作り出される時空を隔てる壁リメスのため。ラクリマを救うためハルカは人柱になった。
 俺はハルカを見殺しにした。「ラクリマのあたしは、笑ってたでしょう」そう、笑っていた。
 「ラクリマのあたしも、カラスの事好きだったんだね。みんなのためじゃない、カラスのために」ノエインが現れる。 「そうなんだよ。全ての時空のハルカは消えてしまう」ユウをぶっ飛ばし、カラスも降すノエイン。
 「くず共は消えろ」「止めて!」「ああ、ハルカ」「カラスやユウは関係ないんでしょ。あたしが行けば」
 「そうだね。君が望むのなら彼らには手を出さない。私と共に全ての時空を一つにしよう。
ふたたび正しき世界を生み出そう。ハルカ、君の存在は全てを救う事が出来る」
 「ユウとカラスも?ユウとカラスを返すと約束して」「君が望むなら」ハルカ、ノエインと共に行く。
 「君は正しい選択をした」

 「約束だよ。早く二人を返して!」
 「約束か。そうだね。でもねハルカ、あいつらの事など、忘れてしまうよ。
気付いておくれハルカ、世界は不幸の連鎖だ。そしてその連鎖の始まりは君なんだよ」
 龍のトルクが現れる。トビは家の外で内田ちゃん達と議論中。コサギは外の木の上にいる。
 明日香はまだ帰っていない。家にはアトリ、ミホ、アイ、イサミ。家の外の風景が歪んだと思ったら、窓が閉まる。 ミホをこっちに来い!と抱きしめるアトリ。捕まれ!とイサミ、飛びついて来たアイを抱きしめる。
 家ごと時空を跳ぶ。家、シャングリラに着く。

感想:アトリ萌え~!!!狂気に満ちたアトリも好きだった。穏やかな表情のアトリも好きだった。
 そして今、ちょっぴり危ない感じ&穏やか表情のアトリが、好きだ!ミホがうらやましい。
 もちろん、時折穏やかな笑みを浮かべるようになったカラスも好きだ!良い男祭り♪
 トビも可愛いし、郡山さんはカッコいい!内田ちゃんは郡山さんに惚れないのか?私だったら惚れるね。
 まあ、黛博士の方が頭脳的にイコールで、話が合うだろうが。
 クイナ、操り人形みたいな口になってしまって、おまけに待望のシャングリラへ行ったら、時空が合わずに、
あのような無残な事に…。
 可哀そうに…。で、シャングリラは、人格モデルをデータ化したのか?
 イーガンの本とか、「百億の昼と千億の夜」に出てくる未来都市とか、
「アンドロメダ・ストーリーズ」の人間の幸福を目指した機械達がやろうとした事と同じ?
 不安定化して、やった事なんだろう。誰もいないのに、都市だけは作っておいた。いつか、実体化するためか? ノエインはユウのなれの果てらしいが、どうしてああも力が強いのか。肉体が無いから?
 どの時空のハルカも死んでしまうので、こういう行動に出たのかノエインは。
 時の放浪者とは、神のような存在か?万能では無いが、時空の秩序を保とうとしている。
 ハルカはどうして龍のトルクとなったのだろう。黛博士の娘だから?ノエインの想い人だから?


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銀色の覇者

「銀輪の覇者」斎藤純

最後まで書いています、注意!

 「大日本サイクルレース」賞金が出る。
 東京オリンピックをやろうかと言う時代で、自転車はアマチュアの方が推奨されていたが。
 明善寺恒章は明宝ミルクチームの主将だ。彼は大会運営委員と締め切りをめぐってもめている男を助けた。
 男が送った書類が行き違いがあったのかうまく受理されていなかったと主張していたから。
 男は響木健吾と言う名だった。

 響木は個人参加の先頭集団にいた。トップは越前屋平吉と言う男。
 響木の後ろをピッタリくっついて走っていた男は小松丈治。
 そして、自転車の不正改造を直すために遅れてきたドイツチームの後ろを、
やはり直しのために遅れた望月重治と言う男がピッタリくっついてきて、個人のトップ集団に追い付く。
 響木はトップをひっぱる形になった越前屋を助けて今日の一位にし、彼を一位にするため小松を妨害したので、小松を二位につけさせた。
 そして響木は二人にチームにならないかと誘う。望月もその話を聞きつけ、チームに無理矢理入る。

 実はこのレースの開催は危うい物だった。
 スポンサーの中条が、アマチュアの方を奨励する団体に言われて、スポンサーを降りようとしたのだ。
 日本女子大学校自転車部主将の娘のスギ子は父を説得すると言ったが。
 彼女はレースに参加したがったが、女子の参加は禁止されていた。

 響木は紙芝居屋をやっていた。
 捻挫で道端にうずくまっていた男の子を助けたら、その子の父はこの辺りの顔役だった。
 彼は家庭教師をする事になる。

 このレースの取材をしているフランス人のジャンは呼び出された先で暴行を受ける。
 彼を助けたのはお巡りさんを呼ぶ女の声だった。

 響木はパリでチェロを習っていた。
 そしてフランス人の女性と親しくなり、その娘の叔父が雇った男に指を折られ、チェロを弾けなくなる。

 レースを開催しようとしていた山川正一を助けたのは陸軍の特務機関だった。
 軍が使うかもしれない自転車の実験としてレースの開催を助けるとの事。

 娘は自殺し、日本にいる父親は共同で新事業にあったていた会社に裏切られて倒れた。
 響木は自転車ロードレースで金を稼いで、日本に帰った。
 父を裏切った帝国物産の明善寺泰造への復讐の思いを持ちながら。

 ジャンを助けたのは女である事を隠してレースに参加していたスギ子だった。
 ジャンは彼女が女性である事は他のチームにばれていて、いざとなればその事を訴えて、
チームを失格させる気だと忠告する。
 彼女は参加をあきらめ、ジャンの助手として働く事にする。
 彼女はついでにジャンから聞いていた明宝チームの不正改造の事を明善寺に忠告する。

 越前屋には探られると困る過去があった。小松も望月も言っている通りの人間では無いらしい。
 響木は記者の箱石に自分の本名を話す。悠木達治と言った。
 彼に自分と中山道の顔役である門脇との関係を誤解されないためだ。
 門脇はレースに対して賭博をやっているみたいだが、響木には関係ない事だった。

 九日目、ドイツチームが急に今日の成績で賭けをしないかと言ってくる。越前屋は逃げる気だった。
 箱石はレースの中止を知る。陸軍はこのレースで使われている自転車を採用しない事に決めたのだ。
 ドイツチームはその事を知っていた。越前屋はそれを聞いて、途中で逃げ出すを止めて、響木の前を走る。
 響木は明善寺にもレースの中止を伝える。明善寺は響木の事を探偵に調べさせ、父親との事を知っていた。
 明善寺は走れなくなり、チームの要の村里を響木に付ける。響木がドイツチームを抜く。越前屋が倒れる。
 響木は一位でゴールする。

感想:面白かったです。
 ツール・ド・フランスは何日もかけてするレースですが、ヨーロッパではとても人気がありますね。
 私が見ても面白いかどうかわかりませんが、日本にも戦前にはそんなレースがあったんですね。
 オリンピックで自転車を見ると、まるで機械みたいにぐるぐる綺麗にチームが回って、時々前後を取り換えて、
見ていて面白かったです。
 渡り鳥も同じですが、前を行くのは空気抵抗があって苦しいから、時々取り換えるんですよね。
 これを読むと自転車レースが見たくなります。
 色々な思惑でこのレースに参加している響木チームの面々ですが、結局そんなのは関係なくなって、
ただただレースのためになるのが感動的でした。
 ただ、後で戦争が待っているから、その後の事を書くと、苦くなってしまうのは仕方が無いですね。
 自転車って、何か夢がありますよね。

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ワルイユメ 他

「ノエイン もうひとりの君へ」
監督:赤根和樹 キャラクターデザイン:岸田隆宏 アニメーション制作:サテライト

第16話「クリカエシ」
脚本・絵コンテ:赤根和樹 演出:榎本守 作画監督:サテライト

 トビ(白石涼子 )によるとシャングリラの浸食がひどくなっている、このままでは因果律の侵犯が起こる。
 因果律の侵犯とは原因と結果が逆転する事、過去が未来から影響を受ける。

 カラスは君にとって幻だと言うノエイン。「カラスは幻なんかじゃない!」上乃木ハルカ(工藤晴香)。
 「では確かめてみればいい、ハルカ」

 あの一学期最後の日。同じ事が起こる。しかし少し違う気がする。

 黛拓也(三宅健太)は篠原真琴(咲野俊介)の最新鋭の船に乗っていた。
 「この実験は止めると約束したはずだ」しかし、篠原は止める気はない。そして黛の協力を求めている。
 筑波の試験場で三回も失敗したのだ。篠原は黛の協力を得られなくても、するつもり。
 「今のままだとシータ素粒子を撒き散らすだけになる」
 「そうなんだ。まっ、俺は東京で実験を見てるからさ、そんな事知らねえけど」
 「君はこの地域を崩壊させる気なのか!」
 「そう言えば、黛ちゃんの娘もこの当りに住んでるんだっけ。
なあ博士、一緒に見ようよ、時間と空間を超越した世界って奴をさ」

 塾帰りの後藤ユウ(瀧本富士子)に会いに行くハルカ。カラスが現れない。
 ハルカ、この時空のハルカと同化する。何かを忘れてる気がする。

 家出。ハルカの時空では無かった事。時の放浪者(宮田光)が現れ、「その時空で、良いのかい?」と聞く。
 「その時空は、君の選んだ時空なのか?本当にそこで良いのかな」「私が選んだ?何の事?」
 カラスの事が頭に浮かぶハルカ。

 「俺は又ハルカに救われたのか」カラス(中井和哉)。「あの時と同じだ」
 シャングリラの生体機械を破壊し、崩壊に巻きこまれる。
 時空の狭間を抜けてたどり着いた地がこの時空だった。この時空に引き寄せられた事で命が救われた。
 雪の日、教会の尖塔の上にいるカラス。それを見ているハルカ。
 カラスがこの時空に転移した事でラクリマはこの時空を知った。ハルカの存在を知った。
 それでもう一つの時空も呼び寄せたのかもしれない。

 幽霊探しの日。やってくる何か。それはノエインだった。シャングリラに一緒に行こうとノエイン。
 ユウがやってくる。「おまえ誰だよ」ノエインは知りたいのかと何度も言う。「私は、おまえ…」
 龍のトルクが現れる。ハルカは気付く、ここは私のいた所じゃない。
 そして雪の日にもカラスと会っていた事を思い出す。ハルカ、自分の時空に戻る。

第17話「マヨイ」
脚本:浅川美也 絵コンテ・演出:鹿島典夫 作画監督:藤川太

 アトリ(鈴村健一)はシャングリラ製タツノオトシゴを見る。

 クイナ(小山力也)は言う、龍のトルクは意思を持ちつつある、不用意に接触すれば。
 コサギ(本田貴子)は私は消えようが構いはしないと言う。クイナ、なぜわからないと突然抱きしめる。
 コサギが必要なんだそうだ。
 (好きでも無い人に抱きしめられても嬉しくも何とも無い。やっぱ愛されるより愛する方が幸せね)

 ユウのノートが落書きだらけなのを見て、後藤美有樹( 田中敦子 )、納戸の片付けの手伝いをしてもらう。
 ユウ、ビデオカメラを見つける。

 長谷部アイ(千葉紗子 )の両親、結婚式をするそうだ。結婚式をしていなかったのだ。
 タツノオトシゴを見るハルカ。

 ゼロポイントの出現率が格段に増えてきている。

 観測者が次々に自壊している。時空の揺らぎが加速している。
 クイナ、コサギに口紅(この世界では珍しい物)をあげる。

 コサギ、アマミクに会う。アイ、選民居住区から追放されたのだ。アマミクは後悔していない。
 アマミクはイサミにもらったストラップを持っていた。「間違いに気づいた時、それを正すのはいけない事なの?」 「我々は、ラクリマを存在させるために戦っているのだ。
過去に囚われ、未来の可能性を失う愚かさを、お前達は犯した」
 「そうじゃないのよ、コサギ」「何?」
 「過去を悔い、その過ちを繰り返さない。その機会を私達は与えられたのよ、龍のトルクによって」
 あれは我々がシュミレーションした時空だと言うコサギ。
 龍のトルクも量子のスピンによるエネルギー体でしかない。
 あれが人間に思えるのは我々の存在が干渉した結果でしかない。
 「でもねえ、私と言う存在が、あの子をハルカと認識したのよ。あの子も私を認識してくれた。本当の名前で」
 「しかし、奴のためにカラスとフクロウは戦い、フクロウは死んだ」ハッとするアマミク。

 コサギ、口紅をつけてクイナに会いに来る。カラスを倒しに行きたいとコサギ。

 アイ、隣に座っているお婆さんにしゃべりながら足を動かしてぶつけている
(わざとではないが、気づいているよな)女子高生三人組に謝れと主張、付き合わされる。
 それを見かけた藤原イサミ( 宮田幸季)、救いに行く。うまく処理する。兄から三人組の噂を聞いていたのだ。
 アイ、ごめんねと泣き出す。実は怖かったのだ。

 一方アマミクは祈っていた。「どうか、フクロウのレイズが美しき場所で眠りますように」

 場の異常範囲が広がってきている。時空間が干渉が激しくなっている。
 しかしトビやカラスが今いる所は穏やか。カラスの過去をうらやましがるトビ。トビの育った所はひどい所だった。 アトリの育った所もそうらしい。波動を感じる二人。時空が揺れている。ラクリマだ。
 結婚式に行こうとしてコサギに捕まるハルカ。龍のトルク出現、コサギ、弾き飛ばされる。
 カラスと戦わないでとハルカ。カラスがコサギの武器をからめ捕る。コサギ変化し、時間が止まる。
 コサギ、カラスを攻撃するが、カラス、戦わない。トビも現れる。
 トビの考えでは龍のトルクはこの歪んだ全時空を復元させるために発現した。
 「僕達が龍のトルクを見つけたのは、偶然じゃないんだよ。これは必然だよ、時空のね」
 でまかせをと言うコサギにトビは言う。「それに、コサギはカラスを消せないよ。自分に素直になった方が良いよ」 コサギ、攻撃態勢を止め、時間戻る。コサギはカラスにラクリマへ戻れと言う、パイプラインを切断したままでは  いずれその身が消滅する。しかし「俺はハルカを守る」としか言わないカラス(馬鹿の一つ覚え…)。
 コサギもパイプラインを切断する。
 コサギ、口紅をこすり、(ずれただけだが)、「私はおまえを、見届けたい」と言う。(もてる男はつらいなあ)

第18話「ワルイユメ」
 脚本:北嶋博明 絵コンテ:須永司 演出:安田賢司 作画監督:関口雅浩 見嶋梨佳

 結婚式。(ミホ、可愛い)アイに話しかけると誰だっけと言われるハルカ。誰もハルカを知らない。
 気がついたら、みんなと歩いていた。白昼夢。「その夢って、みんなに忘れられたって幻覚だろ」とユウ。
 「でもさあ、本当にハルカはここにいるのかな。それともこの時空は幻じゃないのかい」ユウ、ノエインに変わる。 「君は幻の時空の夢を見続けているだけかもしれないよ。良く考えてごらん、ハルカ」ベットにいた。
 ベットの脇には結婚式の写真。

 ハルカ、自分の子供の頃の写真を見る。ビデオテープを見つける。
 デッキの規格が違くて、うちのでは見られない。トビに相談。再生できるデッキを探す。ユウに聞く。
 ユウの家には無い。ユウ、イサミに聞いてみる事にする。お兄さんが知ってるかもしれない。

 クイナ、部屋に落ちている口紅を見つけて、激昂。ノエイン、現られる。
 「又裏切られたか、可哀そうな奴。おまえの運命はどうしようもなく不幸だ。哀れだよ、クイナ」
 早くシャングリラに連れて行ってくれと頼むクイナ。しかし私との約束を果たしていないとノエイン。
 ラクリマと接触したために龍のトルクの力は加速した。自らの意志でシャングリラへ来れる。
 君の役目は終わったと去るノエイン。


 向井ミホ(名塚佳織 )の家にもデッキは無い。

 クイナ、時空を跳ぶ。

 アトリ、海を見てる。アトリが住んでいた所に海は無かった。
 内田涼子(大原さやか)と郡山京司(藤原啓治)、ハルカの家に来、ハルカがいないので、
家の中で待たせてもらう事にする。

 カラスを見張っているコサギ。(ストーカーね)
 この時空に同期出来るまではおとなしくしていろと言い捨てて、カラス、跳んでいく。クイナが現れる。
 今度は左手を少々失っている。(きっとこの時空に拒否られてるんだ)
 「シャングリラはその歪みを正そうとしているんだ」「おまえはシャングリラと…」
 「シャングリラへ行けば全ての苦悩から解放される」「裏切り者!」クイナに気絶させられるコサギ。
 クイナ、パイプラインの端(?)を置いて、それで少しだけでも命を永らえてくれと言い、去る。

 トビ、龍のトルクの捕獲のためにこの時空に来た事を内田ちゃん達に話す。
 龍のトルクは高密度レイズ素粒子の集合体のコードネーム。龍のトルクを使って時空の消滅を防ぐのが目的。
 シャングリラとの接触によって時空が消滅しかかっている。
 「僕達の世界の量子コンピューターがその座標を予測し、僕達量子化した人間が、
そのシュミレーションされた時空でその存在を観測し、確定させた。
その龍のトルクを一番初めに見つけたのが、戦いの中、偶然時空の狭間に飛ばされたカラスだったんだけどね」  「ちょっと待った。まさかその龍のトルクって…」と郡山さん。
 「僕達にとってこの世界は、量子コンピューターが計算した座標でしかなく、虚数の世界のはずだった。
この空も大地も、僕達にはただの幻、だから、龍のトルクだって…。でも…」
 「あなた達はその虚数の世界に迷い込んだ途端、この世界を認識してしまった。
ハルカちゃんも12歳の少女の姿で」と内田。
 「あなた達の世界は、可能性の一つでしかない未来だけど、
その未来になる原因が今この世界で起こりつつあるとしたら」
 「ちょっと待ってよ内田さん。内田さんから見た未来は、虚数で表わされる世界。
その未来が、現実であるこの世界から影響される事は無いはずだよ」
 「でもね、今マジックサークルプロジェクトで、たぶんあなた達の世界で言うレイズ素粒子を、
人工的に作る実験を始めようとしてるのよ」
 「まずいな。シャングリラが時空を消す事によって、因果律の侵犯が現実化しているんだ」
 「この世界が、未来に影響され始めてる?」

 海が光っている。突然攻撃を受けるカラス。クイナだった。クイナ、義手を飛び道具に使って攻撃。
 カラスの攻撃がクリーンヒット。しかしカラスも衝撃を受ける。シャングリラの波動。

 イサミのお兄様が友。達からデッキを借りてくれた。イサミ達と歩いているハルカ、ノエインの声を聞く。
 「迎えに行くよ」シャングリラの景色を見るハルカ。海からウロボロスの輪出現。そこからあの生体機械出現。
 三体も。「遊撃艇」とそれを見てつぶやくカラス。跳ぼうとするカラスを止めるクイナ。
 クイナ、跳んで行き、カラス倒れる。その手から青い光が上っていく。遊撃艇、みんなに見えている。
 遊撃艇は時空をシャングリラと重ね合わせるための兵器。
 ミホ、オカルト好きなくせに、あまりに強烈過ぎてか、蜃気楼と主張する。イサミ、携帯で激写。
 カラスに口を飛ばされたクイナ、(頭の一部は何で飛ばされたんだっけ。カラスか?)、ハルカ達の前に出現。
 クイナ、ハルカを捕まえる。ユウが助けようとするが、クイナに蹴り飛ばされる。
 クイナ、ノエインにシャングリラに連れて行けと叫ぶ。ユウ、立ち上がろうとする。
 ユウにシンクロして、カラス立ち上がる。カラス、出現。ハルカを捕まえているクイナの失くした右目を殴る。
 又体の一部を失くすクイナ。(この時空と相性が悪い上に、全然同期してないから…)
 クイナ変化、時間が止まる。クイナ、シャングリラ遊撃艇に跳ぶ。
 「余計な事をする。おまえの力などもう必要ないと言ったはずだ」ノエイン。ノエイン、クイナを消す。
 カラス、ノエインを攻撃しようとするが、その目の前にノエイン出現し、
「残念だな、もっともっとおまえに苦しみを与えてやりたかったのに」と言う。
 「おまえに崩れ、消えろ。無となれ」(こう聞こえたが、本当は何と言ってるんだ?)龍のトルク出現。
 ハルカ、遊撃艇の上に跳ぶ。「許さないよ、あなたの事。あたし、絶対に許さないから!」遊撃艇消える。
 「十分に機は熟しているではないか」ノエイン消える。時間戻り、落ちるハルカを助けるカラス。
 ハルカ、みんなの前に戻る。カラス、ユウに感謝しろと言ったそうだ。
 ユウが戦ってくれたから、力をもらったそうだ。イサミの激写、写って無かった。

感想:シャングリラのような風景、私も一度白昼夢で見た。
 白昼夢は一度だけ、興奮状態で何かの脳内物質が出、それで見たのだと思うのだが…。
 ハルカが帰って来た時のカラスの笑顔良かったね。
 ユウがちゃんとハルカが帰ってくる場所を認知するのがすごい。しかし、ノエイン、やっぱりユウ?と言う事は…。 ユウのハルカ認知能力は、ノエインにもあると言う事か?髪下したアマミク、綺麗。
 コサギ姐さん、やっぱり素直が一番良いんだよねえ。まあ、人の事は言えんが。
 クイナがどんどんみっともなくなっていく。
 彼のあの時空においていらない存在、いない方が良い存在だから、あんなに拒否られるんんだろうな。
 可哀そうだが、ラクリマ裏切ってシャングリラへ行きたいなどと言う人はあまり同情は出来ん。
 まあ、誰だって幸せになりたいんだろうが。あの、どうみても良い人とは思えんノエインを信じるのが間違い。
 ユウ、カラスに褒められて良かったね。ノエインはハルカに何をしてもらいたいのかな。時の放浪者って何?

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