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荊の城

「荊の城」
サラ・ウォーターズ

最後まで書いています。どんでん返しが素晴らしいので、知らないで読んだ方が幸せです。

 スーザン・トリンダーの母親は強盗に入った先で人殺しをして、絞首刑にされていた。
 行き場の無い赤ん坊の世話をし、斡旋する事で生計を立てているサクスビー夫人が育ててくれた。
 父親代わりはイッブス親方。故買屋をやっている。

 そこに通称紳士(下町なまりでジェマン)と言われる男が現れ、仕事の依頼をする。ある相続人の娘がいる。
 両親はいず、伯父と暮らしている。彼女は結婚しないと遺産がもらえない。
 で、そのお嬢様の侍女がいなくなったので、スウ(スーザン)に侍女をやってもらいたい。
 ジェマンがお嬢様と接触しやすいように。
 そしてジェマンは彼女と結婚、結婚した後、彼女を気狂い病院に入れる。その手助けをスウにして欲しいのだ。 皆の期待もあり、スーザンは引き受ける。

 そのお嬢様モードは優しかった。スーザンは彼女を好きになり、彼女のために色々と気遣いする。
 ジェマンはモードにモーションをかけるが、お嬢様は彼の事を好いてはいない感じだった。
 しかし厳格な伯父の下での城での生活は息苦しい物で、彼女がそこから出るには結婚しかない。
 モードは結婚を決意するが、スーザンに結婚した夜に花嫁がする事を聞いてくる。
 スーザンは教えるつもりで、キスしたが、その後夢中になり、それ以上の事をしてしまった。
 しかしモードとジェマンの結婚は行われ、気狂い病院の人が来、スーザンはモードに付き添う。
 しかし、気狂い病院に入れられたのは、スーザンの方だった。

 モードは気狂い病院で、皆に可愛がられて育った。母は気狂い病院で彼女を生み、そこで死んだのだ。
 しかし伯父が現れ、彼女を城に連れ帰った。彼女の書く字が気に入ったのだ。
 伯父は春本を収集整理し、研究していた。彼女はその手伝いをした。
 そこにリチャード・リヴァース(ジェマン)が現れる。
 彼はその手の本をフランス語から英語に訳す仕事をしていて、その関係で来たのだ。
 リチャードは彼女に綿密な下調べをしてここに来た事を告白、自分の事を悪党だと言う。
 彼は計画を話す、彼は金を得、彼女は自由になる計画を。
 リチャードは絵も描く事が出来、伯父の版画整理の手伝いをした。スーザンが現れる。
 スーザンと接しているうちに、彼女を好きになる。しかし、計画は遂行。
 ロンドンに連れてこられ、彼女はサクスビー夫人の家に連れ帰られる。
 実は女相続人は本当はスーザンの方だった。
 スーザンの母親は妻子ある男の子供を身ごもり、サクスビー夫人の家でスーザンを生んだ。
 貴婦人と言う物につくづく嫌気がさしていた女は、自分の娘を普通の庶民の娘として育ててもらい、
代わりに他の子を自分の子供とする事にした。
 そして女は娘が18になった時に真実を教え、
財産を娘と身代わりの娘二人に分けると言う正式な書類を書いて、それをサクスビー夫人に渡して、
家族に連れられて行った。
 モードは一度は逃げたが、自分の居場所がそこしかないと知る。
 帰って来たモードに、サクスビー夫人は新たな真実を話す。

 気狂い病院のスーザンに人が会いにきた。城で働いたチャールズだった。
 チャールズはリヴァース様を好きで、彼に雇ってもらうために来たのだ。
 お嬢様がここにいると聞いて会いに来たのだが、いたのはスーザンだった。
 スーザンはチャールズに合鍵作りの道具を用意させ、気狂い病院を脱出する。
 そしてロンドンに帰り、サクスビー夫人の家にモードがいる事を知る。
 スーザンはナイフを持って、チャールズを連れて、家に乗り込む。そこにジェマンが帰ってくる。
 財産はまだ受け取れていなかった。ジェマンはモードとサクスビー夫人の真実の関係を察知する。
 彼の一言で、スーザンが動くより先に、サクスビー夫人とモードが動き、
ジェマンはスーザンが持ってきて置いたナイフで刺されて死ぬ。
 一緒に暮らしていた、元赤ん坊として世話を受けたジョンが、刺したのはサクスビー夫人だと言い、
彼女もそれを認める。
 彼女は絞首刑にかけられる。スーザンは彼女の遺品の中から手紙を見つけ、字を読める人に読んでもらう。
 そして自分こそ女相続人で、モードがサクスビー夫人の娘である事を知る。
 自分を本当に陥れたのは自分が母と慕っていたサクスビー夫人だった。
 スーザンはモードが自分を守ろうとしていた事に気づき、彼女を探す決意をする。

 手始めに城に行くスーザン。伯父は死んで、使用人のほとんどが止めていた。
 モードはそこに居、春本を書いて生計を立てていた。二人はお互いの気持ちを確かめる。

感想:あれ、前の「半身」も、女同士が怪しい関係になったような…。もしかして、この方…。まあ、構わないけど。 雰囲気がとても良くて、このままダーク・ファンタジーに突入してくれないかと思ったが、
このミスの1位なんだから、その期待が叶えられることはない。
 ミステリーよりダーク・ファンタジーが好きなんだが…。
 ミステリーではいつもそうなのですが(他のでもそうだが)、先を知りたくなる衝動を抑えるのに苦労しました。
 先を知りたくなったら、ひたすら今読んでる所の先を読む。
 ウィリアム・アイリッシュの幻の女を読んだ時は、ええ、犯人誰か、読んじゃいました。
 まあ、そのおかげで、裏読みしながら、安心しながら読めましたが、やんなきゃ良かったと後悔しました。
 どんでん返しがある作品ですもんね、ネタを知るのは良くないでしょう。

他の方のブログを読んでの感想:うん、あの時代の雰囲気が好き。
 SF,ファンタジーファンだから、ミステリーよりその世界が現出する方が大事。とても楽しませてもらった。
 このお話、ドラマ化されてWOWWOWでやったらしい。私はお金が無いのでとても入れんが。ぜひ見たいな。
 英国製ドラマは好き。
 ルパート・エヴァンズがジェマンをやってるそうだが、彼はジェマンの事同性愛者じゃないかと言う。そうかもね。 女性達への彼の対応がなんとなくそう。生きにくいからああなったとも考えられる。

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