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メガネを捨てる子供たち

「メガネを捨てる子供たち」電脳コイル 第24話 ☆☆☆☆
原作・脚本・監督:磯光雄 アニメーションキャラクター:本田雄 音楽:斉藤恒芳
 脚本:松澤洋介 絵コンテ・演出:高橋知也 作画監督:本間晃、押山清高

  “天沢勇子の言葉によると、人と人をつなぐこことの道は、細く途切れ易いそうです”


 小此木優子(折笠富美子)が目を覚ますと、そばに母親(金月真美 )がいた。心配したんだからと母親。
 ヤサコは病院のベットに寝ていた。母親は先生を呼びに外に出る。
 なんかあっちこっちにぶつかっているようだが…。気がついたらメガネがない。
 「メガネなら、お母さんが持ってるわ」玉子(野田順子)だ。「オバチャン」
 「あなたに似て、そっそかしい人ね。でも、良い人だわ」部屋は2304。
 「良かったわ。あなたまで戻ってこなかったら、どうしようかと思った」
 「天沢さん…、そうだ、私天沢さんと学校に行って…。天沢さんはどうしたの。…オバチャン」
 「全てのリンクは切断されたわ。たぶん、リンク先の空間も、もう…」

 電話をかけているヤサコ。「良かった、ホントに良かった」フミエ(小島幸子 )の声だ。「うん」
 「もうホントに心配したのよ。その…あっちに連れてかれたんじゃないかって」「あっち?」
 「みんな噂してるわ、イサコは、連れていかれたって、ミチコさんに。ともかく元気出してね。
あっ、ちょっと京子ちゃんの様子見てくるから。切るわね」
 「京子がどうかしたの?」「ヤサコ、デンスケが…」「デンスケ?」「昨日の騒ぎで巻き込まれて、それで…」
 思い出すヤサコ。「あっ」「さっき、メモリアルがヤサコのうちに届いたって」
 京子(矢島晶子)の大泣きの声が聞こえる。
 「あっ、また京子ちゃん騒いでる。また電話するから。しっかりするのよ、ヤサコ」

 京子、ぬいぐるみを あっちこっちに(たぶん…)投げつけ、フミエにも当たる。
 京子はメガネを取り上げられた事にも泣いていた。母親が京子からも取り上げたらしい。ピンポンの音。
 ドアを開けたら、フミエの母(本田貴子)が怖い表情で立っていた。「ここにいるって小此木さんから聞いて」
 母、フミエからメガネを取り上げる。イサコの事が原因らしい。
 夜中に学校に入り込んで、メガネで遊んでて、階段から落ちた事になっているらしい。
 ダイチ(斉藤梨絵)も父親(郷里大輔 )にメガネを取り上げられる。アキラも、アイコも、デンパも。

 「今日中には退院できるそうよ。単なる貧血とかそんな所ね。
昨日の出来事は、表向きの社会では何も知られずに終わる。
あたしも事情を聞かれたけど、こんなのオカルト話にしかならない。あたしが起こした四年前の事件と同じように。メガマスもそれを読んで、わたしや猫目を派遣したのね。猫目は、四年前一緒にキラバグ集めをしてた男よ。
今はもみ消す側だけどね。キラバグもコイルスの空間も、もうどこにも残ってない。
あるとしたら、都市伝説のはざま交差点くらいかな。イサコの意識を呼び戻す方法は、もう…」
 「なんだか、なんだかなんにも感じないの。悪い夢かなんかだったみたい。なにもかも」「ヤサコ?」
 「そっか、デンスケ、メモリアル届いたのね」
 「お母さん、手続きもうすぐ終わるわ。わたし、ちょっと外すわね。
実はメガばあ(鈴木れい子 )も昨日の騒ぎで緊急入院したの」
 「えっ」「ぎっくり腰だけどね」

 「仕事中は電話するなと言っただろう、タケル」猫目宗助(遊佐浩二)だ。
 「で、でもボク、本当にこれで良かったのか…」タケル(日比愛子)。
 「心配するな。今まで兄ちゃんの言う通りにして間違った事あるか?」
 「ないよ兄ちゃん。カンナの事も僕が書いた話をみんな信じてる」「ああ、怪奇倶楽部の方はまかせる」
 「僕、兄ちゃんのためなら何でもする」「ああ、わかってる。じゃ」

 アイコ,フミエ、デンパ(梅田貴公美 )、ダイチ、アキラ(小林由美子 )が川原にいる。
 メガネが無いとやる事が無い。ガチャギリ(山口眞弓 )とナメッチ(沼田祐介 )も来る。
 二人とも取り上げられたらしい。「メガネがないんじゃ、喧嘩する気も起きないぜ」とダイチ。

 ヤサコ、母親とタクシーに乗っている。お父さんは出張で金沢だそうだ。「大変な時に必ずいないんだから」

 病院のテレビを見ている玉子。
 「電脳局のものは各省庁のドメインにも強制執行が出来るのです。
ただ今回は特別で、午後四時までという期限つきだったようです」(坂口哲夫)
 「としたら、あれほど大規模に2.0を繰り出す事はもうなさそうね」「ああ、管理室でも大騒ぎだったぞ」
 「猫目、来てたの?!」「室長が出張で、今僕が室長代行だ」
 「ねえ、天沢勇子の病室、どこにあるか知ってる?
彼女の家族に会いたいんだけど、病院が教えてくれないのよ」
 「僕も知らないんだ。彼女の身柄はメガマスが押さえている。
天沢は一年前にも、同じような通路を開こうとして失敗している。
やはり、葦原かんなの一件にも関係しているようだ」
 「間違いだと思いたいわね」
 「希望を捨てるな玉子。研一君の時だってなんとかなった。まだ手が無いか調べてみるさ」
 立ち去ろうとする猫目の背中をバン!と叩く玉子。「頼もしいねえ。昔はあたしのパシリだったくせに」
(玉子様のパシリとは、う、うらやましい…)
 「おいおい、今は室長代行だぞ。じゃ、君も個人の権限で真相探ってくれ」
 猫目の背中にはメタタグが貼られていた。「やってみるわ」

 「優ちゃん、ちょっと座って。デンスケ、可哀そうだったわね。
私はあんまりメガネを使わないからよくわからないけど、お母さんも、昔飼っていたのよ。一年位で死んじゃって。すごく泣いたわ。納得いかなくてさ。なんでちっちゃい生き物って、すぐ死んじゃうんだろうって。
ペットってたいてい人間より寿命が短いじゃない?
なんでそう決まってるの、ペットが人間より長生きだったらこんな思いをする事もないのにって。
そしたらね、金沢のおばあちゃんがこう言ったの、飼い主がペットの死ぬ所を見たくないように、
ペットだって飼い主が死ぬとこ見たくないんじゃないかって。
だから、悲しみに耐えられる人間の方が、ペットの代わりに、その悲しみを引き受けるの。
だって人間の方が、体大きいもの。本物の、ペットの話だけどね」
 お母さん、ヤサコを抱きしめる。「お母さんの体、あったかい?」「うん」「やわらかい?」「うん」
 ギュッと抱きしめ、「ちょっと痛い?」「うん」
 「わかる優ちゃん?こうして触れる物が、あったかい物が、信じられる物なの。
ギュッっとやると、ちょっとくすぐったくて、ちょっと痛いの。わかる?」
 「お母さん」
 「優ちゃん、それが生きてるって事なの。メガネの世界は、それが無いでしょ、優ちゃん。
戻ってきなさい、生きている世界に、あったかい世界に」
 「お母さん」
 「だから、メガネはもうおしまい。代わりに携帯買ってあげる。退屈したら、一緒に遊んであげる。
だから、だからメガネはもうおしまい」
 「うん」

 「はい、当面はこちらの病室です。改装はすぐ終わります。くわしくは下で」
 猫目がイサコのおばさんに話している。そして、廊下の陰に隠れている玉子。「やはり嘘か」
 猫目とおばさんがいなくなったので、玉子病室の前に出る。「4423?!」病室の番号は4423だった。
 「昔来た時は無かったのに」「どちらさま、かな?」
 イサコのおじ(麻生智久 、デンスケ~!)が花束を抱えて立っていた。

 「これが、私の知っている今までの一部始終です」イサコが病室のベットで寝ている。
おじさんがその傍らに座っていて、玉子は立っている。「そうですか」
 「あまり驚かないんですね。勇子さんは、兄を死なせたのは自分だと、そう言っていたそうです。もしかして…」  「はい、信彦はすでに他界しています。
この子は不憫な子で、幼い頃に父親を亡くし、信彦だけが心の支えでした。
でも、母親も病気で入院する事になって、二人をうちで預かる事になったんです。
ところが引越しの日に、勇子と信彦は交通事故に会って、二人とも意識不明に」
 「二人とも?」「はい。その時勇子を治療したのが小此木先生でした」「イマーゴの電脳医療だわ」
 「それが、どんなものなのか、私にはさっぱりわかりませんが、勇子だけは目覚めました。
その間の記憶を全て失って」
 「小此木先生が亡くなった頃だわ。信彦君は、その時どうなったんです」
 「それは、メガマスの契約があって、言えないのです」「お願いします、どうしても…!」「22です」「えっ」
 「今はこれだけしか…」「ちょっとあなた!」おばさんだ。
 「あなた空間管理室の人でしょ。二度と近寄らないでください!」玉子、追い出される。

 川原で一人座っていると、「ヤサコ」と声をかけられる。フミエだった。「なんでだろう、涙が、出ないの」
 「ヤサコ?」
 「なんか、まだデンスケが死んだって、ピンとこなくて。それに、天沢さんの事も。私って薄情もんなのかな。
フミエちゃんの言う通りだ、感情移入したら損だね」
 「ヤサコ」「でもバカみたい、この辺が痛いの」ヤサコ、胸をつかんでいる。
 「まるで、デンスケが本物の犬だったみたい。(本物以上だね!デンスケの場合は!)
私や京子を元気づけようと、いつも一生懸命だった。さよならも言えなかった」
 彼女の手にはデンスケの写真が画面に出ている携帯。
 「デンスケの毛並みに触りたいっていつも思ってた。
小さい頃デンスケに触っても感触が無い事がわからなくて、そのうち触れるようになるんじゃないかって。
わかってた、デンスケは本物の生き物じゃない。だから、死ぬ時も痛くなかったと思う」
 「ヤサコ…」「だから私も痛くない。データが消えただけ。それだけ、だから…」犬の鳴き声が聞こえる。
 「どうしたの?」「デンスケ…」探し始めるヤサコ。「ヤサコ?一体どうしたの?」「聞こえたの」「何が」
 「デンスケの声がしたの、一瞬だけど」「えっ」「嘘じゃない、絶対いる、このあたりに」犬の声。「デンスケ!」
 生(なま)犬だった。「ああ…。死んで、しまった。ホントに死んでしまったのね、デンスケ…」ヤサコ、泣く。

 ハラケンの病室。「記録にあるコイルドメインは全て消滅か。残る手がかりはせいぜい都市伝説くらいね」
 玉子はカンナのメガネを持っている。そのメガネが反応。「もしもし、私の話を聞いてください。
 甥が解析したカンナのメガネに、ある情報が含まれてて…」ハラケンは目を覚ましていた。

 ヤサコは部屋でデンスケの写真を見ていた。「なんだか、全部夢だったみたい」
 デンスケやイサコの最後を思い出すヤサコ。「ふさふさだったよ」京子が言う。
 「良い匂いがしたよ。あったかかったよ」(なんせ、京子はあっちの世界でデンスケに乗ってるからな)
 京子、寝る。

 《メガネで見える物なんて、全てまやかしだ。手で触れられる物だけを信じるんだ》
 “天沢さんも、おんなじ事言ってる。この世界はみな、手でさわれるもので出来ている。
手で触ると、さらさらだったり、ふかふかだったり。これからは手でさわれるものだけを信じて生きていこう。
手でふれられない物はまやかし。だから、この悲しい気持ちも、きっとまやかし。ホントは悲しくなんかない。
こんなつらい気持ちもきっとすぐに忘れる。だって、まやかしなんだもの。本当に。本物って、何。
手でふれられる物が本物なの?手で触れられない物は、本物じゃないの?今本当にここにある物は何?
間違いなく今、ここにある物って、何?胸の痛み。今本当にここにある物は、この胸の痛み。
これはまやかしなんかじゃない。手でふれられないけど、今信じられるのは、この痛みだけ。
この痛みを感じる方向に、本当に何かがある”
 ヤサコ、オジジのメガネを取る。

 ハラケン(朴璐美 )、傍らで寝ていたオバチャンのメガネを取る。

 朝、母親は、ヤサコの、「お母さんへ、ごめんなさい。今日は学校は行けません。金沢に行ってきます。
心配しないでください。優子」と言う置手紙を見つける。

 目を覚ました玉子も、ハラケンの、「ごめん。メガネ、借りるね。」と言うメモを見つける。

 「兄ちゃん、本当にぼくらがしている事は、父ちゃんの名誉のためになるんだろうか」「又その話か」
 「でも、悪くない人まで巻き込んだりして、そんなの…」
 「葦原かんなの事か。あれははっきり事故だったじゃないか。
4423のハンドルで二回も警告したのに、よりにもよって通路を開いている最中にのこのこやってくるなんて、
誰が予想できる。
それも、イマーゴを持っていたなんて。分離を起こした電脳体をよけて、電脳ナビは生身の方をはねてしまった。
痛ましい事だが、我々にはどうしようもなかったんだ。こっちこそ、めったに無いチャンスとキラバグを失った。
そのためにどれだけ苦労した事か。さあ、飯を食え。学校には病欠の手続きを取っておいたから」

 「二人ともって話だぜ」「それってもしかして…」「駆け落ち~」と声を合わせる駅向こうの不良少年。
 ヤサコとハラケンの事だろう。「止めなさいよ!」
 フミエが咎めるが、「てめえ、メガネなきゃ、何もできないくせに!」と将来ハゲそうな不良少年、
フミエの腕をつかむ。
 「や、やめてあげて~」とデンパ、勇気を奮い起したんだろうが、そんな低姿勢では止めてはくれないよ、
デンパ。
 あんのじょう、「うっさいよ!」と帽子でハゲを隠しているかもしれない少年(そんな事は無い)、
デンパを突き飛ばす。
 「止めなさいよ!」とアイコ様(進藤尚美)が言うが、そんな芸の無い言葉で止めるような奴らでは無い。
 しかし、そこに、ダイチが現れ、はげ予備軍を柔道わざで投げる!「よし!やっぱり腰だ。なんだよ、簡単じゃん」 帽子ハゲも投げ飛ばす。全員投げ飛ばした。「やっぱり腰で回す」「すごいよ、ダイチ~」とデンパ。
 「何度も投げられると強くなるってホントだなあ」親父の夏休みのしごきが生きたみたいだ。
 「おい、おまえら!二度とこっちの生徒に手を出すな!」「へ~い」
 どうやら、ヘイクーに入る準備も出来てるみたいだ。「お、おやび~ん」「なんの用かね、ナメッチ君」
 「チャック開いてます」

 ハラケン、ヤサコに電話をかけるが繋がらない。彼は大黒駅の前にいる。

 ヤサコは電車に乗っている。金沢のまゆみちゃんの電話番号のメモを持っている。玉子は二人をバイクで探す。 ヤサコ、オジジのメガネでログイン。重いが。ヤサコにはピンクミゼットがついていた。「証拠の写真んが…」
 「本当に見たんだって!」「さようなら、もう絶交…」「もうメールしないで」、マユミちゃんのメールを探し出す。
 マユミちゃんのメールにはあの四つのマンホールの写真が。金沢。マユミの留守電にメッセージを残すヤサコ。  「マユミ、そんなに簡単には会えないよね。あの時の事、いろんな事があったから、一言では言えないけど。
私会いたいの。あの時、マユミの言ってた場所、四つのマンホールが並んでる、あの場所は本当にあったのよ。古い空間の中に。でもそれだけじゃない。マユミ、あなたが私をいじめてたなんてもう思ってない。
あなたはミチコさんが怖かっただけで、けして…」
 「私がいじめてた」マユミ(うえだ星子) だった。「いじめていたのは、あなたの方じゃない」

感想:行け、ダイチ、そのまま行って、フミエのハート、ゲットだぜ!
 たとえ、チャックが開いてたって、今のお前は、十二分にカッコイイ!猫目、玉子のパシリでしたか。
 でも、四年前の事件、パシリのふりして、猫目が玉子を操ってたんじゃ…。かんなの事件も猫目のせい…。
 まあ、イサコが絶対かかわっていないとは言い切れませんが、彼女の記憶は怪しいからな。

関連サイト:apoLONイラスト
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今日のこいる楽しい画像

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