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フルーツバスケット 18

「フルーツバスケット 18」高屋奈月 ☆☆☆☆☆

 もうすぐ、春が来るのに、雪が降った。雪が積もるのは嫌だ。
 一面に広がる白い雪は、乱れなく広がるその「完璧」さは、嫌。

 倉伎真知は新品のチョークが詰まっている箱を払い落とす。
 その事を草摩由希に言いつける真知のクラスメイト。
 彼女らは真知が実の弟を死なそうとして家を追い出されたと言う噂もしゃべる。
 親からその話は聞いたと真鍋翔(かける)も話す。そして真知が雪に足跡をつけてまわってたという話もする。
 由希と翔、真知の部屋を訪れる。素晴らしく散らかった部屋。片づけをして、ゴミを捨てにいく翔。
 「真知は…整理されたモノが嫌なの?雪の道や片付いた部屋とかそういう…「完璧」さが、嫌なの?」
 「…そ…っ、…そ…う…っ、こわい…から…っ」母親にいつでも完璧さを求められていた。翔に勝つために。
 弟が出来、もう真知に完璧さを求めなくてよくなった母親は、何もかも完璧にしようと努力していた真知を、
無個性でつまらない子だと言った。
 由希は言う。
 「…がんばった…ね。たくさん、たくさんがんばって、…今の真知がいてくれる事が、嬉しい。
…がんばったね」
 “ほめられるなんて、思わなかった。ほめてもらえる日が、くるなんて思わなかった。
…私は、欠けてて、いびつで、駄目だけど、それでも、ほめてくれる人がいた”
 真知は寒いんじゃないかと思って、弟に毛布をかけようとしただけだった。それを最初から歪んでとられた。
 妬んでなんかなかったのに。その話を部屋の外で聞いている翔。

 会議。真知の前に置かれる新品のチョークが詰まった箱。由希はその一本を折って、取るのだった。

 告白してきた女子をお断りする由希。皆川素子は由希に放課後に会う約束を取り付ける。
 その約束取り付けシーンを偶然みかける翔と桜木直人。由希に当る直人。
 直ちゃんの好きな子がゆんゆんに片想いしているからヤキモチ焼いてるんでしょ~っと、
鋭い指摘をする藤堂公(きみ)。

 素子の前に現れる由希。
 「わ、わたし、由希に会えて良かったと…思っています…。私、この高校に、入って良かったと思っています。
お祭りみたいに毎日騒いで…、
怒ったり笑ったり、御迷惑もたくさん、かけましたけれど、その中心には、いつも由希が居て、
…大好きでした、大好きでした、由希。
…だから、だから、私は祈っています。由希が…由希も、由希だけの倖せを手に入れることができますよう。
もしいまが倖せなら、それ以上の倖せも手に入れることができますよう、祈っています。
私の過ごした日々はきっと、“倖せ”というもので、だったら、それは由希がくれたもので、私は、
こんな風にしか、返せませんけれど…ありがとう…」
 …「…俺には、勿体ないくらいの気持ちですけど…、はい…はい、ありがとう…ございます」

 卒業式。一人教室を見つめる素子。見つけられて出て行こうとする素子を引き止める直人。
 「み、皆川先輩!!
皆川先輩…っ、ぼ…っ、オっオレ…っ、オレ…ず、ずっと、ずっと…っ、…っ、…っ、
別れの次は、出会いですからっ。
さよならの次は、初めましてですからっ、
…ですからっ、ですからこれからも、卒業しても元気で、元気で笑っていてくれるよう、祈ってますから…」
 …「桜木君も、…元気で、ありがとう…」

 草摩依鈴(いすず)は卒業式にも出なかった。入院先がどこかもわからないし、連絡も取れない。
 草摩潑春は由希から本田透が依鈴の事を心配している話を聞く。
 草摩燈路は潑春に依鈴の怪我は依鈴が慊人に二階から落とされからである事を話す。
 紅野は猫憑きを閉じ込めるための部屋に誰かが閉じ込められている事に気づく。潑春は慊人を問い詰める。
 慊人は指摘する、自分が依鈴を嫌っている事をわかっていたのに、依鈴に好きだっていったんだねと。
 依鈴は紅野が病院に運んでいた。慊人を殴ろうとする潑春。
 しかし潑春は自分が依鈴を好きになる事は、彼女を傷つける事になるとわかっていたのに、そうしたと気づく。
 彼女の怪我の理由もうすうす気づいていたんじゃないのか。潑春は慊人を殴らずに去ろうとする。
 潑春を必死で呼び止める慊人。物の怪の血が潑春を振り向かせる。紅野がいた。
 「行くんだ、戻らずに。数日すれば面会もできるだろうから、依鈴に会いに行くといい。
依鈴もきっと会いたがってる。一番、最初に口にした言葉は、君の名前だったから」
 裏切った紅野を責める慊人。
 「僕は愛される為に生まれてきたんだ!!みんな、みんな僕を待ってた!!だって!
だって、そう、言ってた…っ。父様(とうさま)…父様、父様…っ、たすけて…っ」
 慊人の側近くに仕える女中頭のような女も紅野を責めた。慊人の望む事を遂行するのが彼女のする事。
 彼女は楝を嫌っていた。

 透が紅野と話して愕然としている姿を見、依鈴は紅野を追いかけた。
 紅野が透に余計な話をしたんだと思ったのだ。追った先に楝がいた。
 楝は呪いを解く方法を知っているかと訪ねる依鈴に願いを叶えてくれたら教えてあげると言った。
 慊人の部屋にある箱が欲しい。依鈴は慊人に捕まる。楝はもちろん呪いの解き方なぞ知らなかった。
 病院を飛び出して、倒れていた依鈴を潑春が見つける。依鈴の髪は慊人に切られていた。
 依鈴の前に現れる紫呉。彼は楝は呪いの解き方を知らないと言う。そしていずれ呪いは解けると言う。
 そこに現われる透。
 「いずれとは…いつですか。何年とか、何十年とか先の…お話しですか。それでは…駄目です…」
 いつか解けるならそれでいいと言う依鈴に透は叫ぶ。
 「駄目です…っ。春までには…次の春までには解けなくては駄目です。そうでなくては駄目です。
そうでなければ、夾君…」

感想:由希はすごいねえ、あんな情報で真知の思いを汲み取り、彼女を救う言葉を言うなんて。
 さりげない思いやり。出来ないよなあ。かたきキャラ素子も最後には救われましたね。
 まあ、もう、色々と気づいていましたものねえ。依鈴はこれ以上は傷つかないんでしょうね。
 そりゃあ、不幸な状況なんていくらでも考え付くけど。春とお幸せに。短い髪似合うし。楝は勝たないよ。
 彼女の大切な人は死んでるんだから。慊人には紫呉がいるし。歪んでる奴だが。
 小さな時に紫呉への想いを刷り込まれちゃって気の毒だったね慊人。
 でも、あんた、傷つけすぎだから、同情はしない。

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