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フルーツバスケット 19

「フルーツバスケット 19」高屋奈月 ☆☆☆☆☆

 本田透に草摩紫呉は話す。十二支全員がそろうのは今回が初めて。いつも誰かが欠けていた。
 これが最後の宴会だから全員揃ったのではないか。
 夾が近い将来どんな目に会うか十二支全員がわかっている。でも何もしないし何も言わない。
 そうなるのが猫憑きの役目だから。十二支は化け物だ。そんな十二支にとって猫憑きの存在は救い。
 良かった、アレよりはマシだ。でも、それも、いずれ終わる。

 本田今日子の命日。夾は墓参りには付き合わなかった。一人で墓参りに行く夾。
 そこで本田勝也の父親に出会う。なんで透はあんなしゃべり方をするのか。それは勝也のまね。
 勝也の葬儀の時に親戚が言ったのだ、勝也に少しも似てやしない、違う男の子どもじゃないのか、
こんなんじゃ慰めにもなりゃしない、と。
 今日子は憔悴しきっていた。透は勝也の父親に自分が勝也に似てないからガッカリしてるのかと聞いた。
 その後今日子は長い時間家を空けてしまい、帰ってみたら、透は勝也のようにしゃべっていた。

 紫呉がいない日。
 夾と透は手が触れ合っただけで、「ごめんなさい!!」「気にするな!!」と顔を真っ赤にして言い合う。
 こんな空気に耐え切れず、由希は用事を思い出し、逃げる。そんな由希に綾女君と呼びかける女性が。
 夾と透はお出かけに行く事に。単なる買い物だが。由希は綾女に会いに行くが、綾女はドレスを着てお出迎え。 美音はお茶の葉を切らしたので買出しに。
 由希は高校の時同じ生徒会の会長として綾女に世話になったと言う女性に会った話をする。
 「侘びをいれねば…!!!」と立ち上がる綾女。
 しかし今から行ってもいないと言う由希の言葉に腰を下ろす綾女。
 綾女が生徒会長の頃、兄弟校でもある女子高との親睦を深めるイベントを多く行い、
必然女子高の生徒会長ともよく共に仕事をした。
 ある日、彼女は告白する。「綾女君のことが好きです!!ずっと…ずっと好きでした…!!」
 「なるほどそうかい、それはどうもありがとうっ。卒業しても達者にくらしてくれたまえっ」「え…」
 「それでは行こうか、とりさん、ぐれさんっ。おおっとそうだ、最後に…、君の名前は?
記念に憶えてあげても構わないよっ」
 「…なまえ…?あ、あれ?そんなの…随分、前に…、とっくに…」
 「そうなのかい?申し訳ないがサッパリ憶えていないねっ。
思うに君は個性が無さすぎて印象に残そうにも残せなかったのではなかろうかっ」
 「一人相撲…」紫呉がちょっと笑いながら言う。
 「なるほどうまいことを言うね、ぐれさんっ。確かに彼女は一人で相撲をとっていたようだっ。
だが案ずることはないっ、己の欠点に気づいたならば、これから大いに…」
 はとりが窓枠を強く叩く。「もうやめてやれ。もう…充分だろう」
 彼女は自分を馬鹿みたいと言い、泣きながら走り去る。彼女はなぜ泣くのかと綾女。
 傷ついたからだろうとはとり。ボクが悪いと言う事かい?と綾女。
 「悪いとか悪くないとかそういう…事じゃない。傷つく人間もいるという事だ。…そういう…人間だっているんだ…」 あの頃の綾女にははとりの言葉は不可解だったが、その出来事は長い間頭の隅にあり、
とても大切な何かをたくさんみのがして生きてやしないか…と思えてならなかった。
 綾女の前に美音が現れ、一緒にいると嬉しく、君を好きだと言い、彼女に受け入れられ、
「良かった…こわかった…とても。拒絶されたらと…」
 “ああ、そうか、そんな風に、ひとは傷つくものなんだね。
誰かを求めて、踏みにじられて、そうかそれは…残酷なことだったね、本当に”
 彼女を傷つけた事を嘆く綾女に由希は言う。彼女は照れてるみたいに笑っていた。
 ダンナと子どももいるみたいだ。いつまでも不幸なままではない。毎日毎日頑張ってきて今の笑顔がある。
 その理屈でいくと、由希にもわびる必要がないという事にならないかい?と言う綾女に、
ムチャクチャなトコロを詫びるのかと由希。
 自分がした冷たい仕打ちをすっかり忘れている由希に、救われた気持ちになる綾女。
(と言うのは私の解釈。由希をますますいとおしく想ったのは確かだろう)
 美音は翔を連れてきた。偶然会ったのだ。翔が真知の事を言ったせいで、真知呼び出される。
 綾女と美音に責められ(もちろん、お着替え攻撃だ)、レア物の巨大モゲ太を抱きしめながら、
遠い目をしている真知。

 紅葉、すっかり大きくなり、見違えるよう。中身は変わってないが。紅葉と透、潑春と由希、で一緒に帰る事に。 夾が帰ったら、うちには紫呉がいず、紀紗と燈路がいた。
 紀紗にとってはちょっぴり恐い夾だが、今日はなんとか挨拶ができ、
やっぱり本当は優しいお兄ちゃんなんだよねと喜ぶ紀紗。
 お姉ちゃんにはいつだって優しそうにしてるもんね。燈路も確かにそうだと思い出す。
 燈路、やってきた潑春と由希に、恭は透の事好きなのかなと聞く。
 好きはダメなの?と言う潑春に「だ…っ、だって…猫は…」
 「…燈路って、みんなが避けて通る橋を、わざわざ選んで通るよね…」と潑春に言われ、
「自覚は…してる…。べっ、別に反対とかそういうわけじゃなくてさ…こう…モヤモヤというか心配というか…
今さらだけどさ」
 夾は紅葉に背が伸びたなと言っていた。
 「でっしょー!!そのうちキョーより大きくなって、キョーよりカッコ良くなっちゃうかも!
そしたらそしたらもしかしてぇ、…トールはボクのプロポーズを受けてくれるかな?
…ねぇ諦めちゃうと、そんな事だって起きるかもしれないってわかってる?だから、諦めるのは良くないよ。
ボクももう“考えても仕方ない”なんて諦めるのはやめる、猫憑きのコト」
 「今さら…?」「…そう、“今さら”だ…」由希の言葉。
 「どう言い繕っても。だからこそ、もっとシンプルに考えよう」“倖せになる為に何をすべきか”
 「“今さら”…だけど、自分以外のだれかにトールを奪われたら、悔しくないの?」
 紅葉は笑顔を見せて、カレー作りの手伝いに行く。

 由希、真知に迷惑をかけたからとプレゼントをする。モゲ太ペーパーウェート。
 真知が綾女のモゲ太を気にしていたから。真知の様子を見て、あれは気に入った態度だ!と由希。
 にこりともしないで、ただ色々な角度で眺めているだけだが。
 実際、真知は喜んでいて、由希にお礼を言いに行く。
 翔、由希に教科書借りようとして、教室に出かけ、透に会う。
 翔は昔、透に言ったのだ、
「アンタ、ムカつくね。アンタ一人が、全部の不幸を背負ってるなんて思うなよ。
アンタのほうが“可哀相”だなんて、勘違いするなよ」と。
 透は思い出した。真知は由希に欲しいものを聞く。自信、又は、肥料、だそうだ。
 由希、真知に、夏休みに遊びに行こうと言う。
 翔の恋人の小牧さん、彼女の父親が乗ってた車が今日子に突っ込んだのだ。小牧の父親は即死だった。
 “何かを得たり、知る為には、何かを犠牲にしたり傷つけなきゃ、果たせないのかもしれない、どうしたって。
やるせないコトだけど”
 由希、翔と、小牧さんに会いに行く。翔が小牧さんに、透にそう言ったと告げた時、彼女は嬉しくないと言った。  「私の為に言ってくれた事なんだって…わかってる、わかってる…
けど、どちらがより不幸かを秤にかけて、それで勝ったって、…嬉しくないよ…」
 彼女は泣いた。なんで彼女が泣いたのか翔にはわからなかった。
 由希が会ってみると、実際小牧さんは可愛い人だった。
 翔は中学の途中まではすごい無口な人だったそうだ。家の事情が解決してから今の翔になった。
 透は思い出さなくて申し訳ありませんでしたと謝った。
 しかし今は翔にもわかっている、不幸ぶってたわけではない、意味もなくヘラヘラ笑っていたわけではない。
 あの時は立ってるだけでやっとで、憶えていなくても仕方がない。翔は謝る。
 “アンタを傷つけて、小牧を傷つけて、由希を傷つけて、それで、ようやく知ってく気持ち。
それでようやく、ここまで辿り着いた、気持ち。でも、まだこれからも、それは続いていく”
 小牧も元気にやってる、アンタも元気そうに見える、毎日、良かった、と言う翔。
 「由希君…最近とても楽しそうです…。たくさん笑っていらっしゃいます。
それはきっと、真鍋さんと、出会う事ができたからですね…」
 笑顔の透。
 “なんかすごく、泣きたくなった。あの笑顔は、よく知ってた。
自分じゃなくて、誰かの為に、自分以外の誰かは、かなしい気持ちにならないように”
 小牧がよくしていた笑顔と同じだった。

感想:うん、すごいよね、この話し。優しくない人間の、人の気持ちがわからない人間の、フォローもしてるもんね。 相手の立場に立って考えるって事してる人間って少ないしね。その立場に立って、やっとわかる色々。
 まあ、私も人の事言えないしね、色々傷つけてる。モミッチ、男前!


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