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フルーツバスケット 17

「フルーツバスケット 17」高屋奈月 ☆☆☆☆☆

 紅野(くれの)は紅葉からもらったDVDを見る。そこには紅野に会いたがっているありさの姿があった。
 しかし泣いてすがる慊人の姿を思い出し、手で顔を覆う紅野。紅野は電話をかける。出たのは紫呉。
 透への用事を伝えてもらうついでに、ある事を告白する紅野。それは紫呉も、うすうす気づいていた事だった。
 紫呉は透に封筒を買ってきてくれと頼む。
 店に向かっていると、すずめが沢山いて、その可愛さに思わず座り込む透。
 そこに紅野が現われ、すずめは逃げていく。紅野は鳥の物の怪憑き、普通ならすずめは寄ってくるはず。
 その事に違和感を覚える透を突然抱き寄せる紅野。紅野は変身しない。彼の呪いは解けていたのだ。
 「どうして…っ、どうやって呪いが…っ」
 「…わからない。自分でも突然の事だった。なんの前触れも無く、それは解けた。
急に視界が開けた気がして、自分の中には“自分”しかいなくて、追いたてるものも無くて、空は青かった。
あの空をもう飛ぶ事はできないんだって思ったら哀しくて、“ひと”に、なれた気がして、ようやく…。
嬉しかったよ…」
 紅野は確かにありさを好いていた。しかし泣きすがる慊人を突き離せない、あの哀しい女の子を。
 慊人は生まれた時から“男”として育てられた。そう決めたのは慊人の実母、楝(れん)。
 二人は憎しみあっていた。楝は死んだ慊人の父、晶(あきら)に執着していた。
 楝が慊人を宿した日の朝、泣きながら紅野は目を覚ました。紫呉もはとりも綾女もそうだった。
 慊人が女だと知っている十二支は、この三人と紅野だけ。紅野は去る。
 泣きながら動けない透の前に、(呼ばれて、飛び出て、じゃじゃじゃじゃー…ん)花島咲が現われる。
 咲は透を自分の家に泊め、ありさを呼ぶ。
 ありさは、透が咲に話した紅野の話も聞いていて、泣き笑いのような顔で、
「大好きだ、このバカ」と透を抱きしめる。
 そんな紅野は透に似ていて、ありさはそーいうバカが好きで、だからしゃーない。

 透達は卒業式で使う紙の花を作っていた。由希は生徒会長として学校中を見回っていた。
 手伝うと言っても、皆遠慮する。窓の向こうには楽しそうに語らっている生徒達。
 少しさびしく思うが、苦く笑み、又校内巡回。そんな由希の前に突然現れる倉伎真知。なんか息切れしてる。
 見かけたので、挨拶しようと思って、追いかけて、この結果に。
 “挨拶なんて…(どうせ後でまた会うのにな…)ただそれだけの為に、追いかけてきたのか。
他の、誰の処でも、なく”
 由希、顔を赤らめ、真知の頭に手を置き「ありがとう」と言う。

 紫呉は紙の花を透から一個もらい、それを慊人にあげる。「…ねえ、ちゃんと、覚えてる…?」「何を?」
 薄く笑って聞く紫呉。「紫呉は、僕のこと好き?」そう紫呉に聞く幼い慊人。
 紫呉は庭の椿を一個取り、慊人にささげながら、
「誰よりも、君を想う、それこそが揺るぎない、事実。好きですよ、慊人…」と言って、
慊人の耳元に接吻するのだった。
 紅野の声で目覚める慊人。

 上司に担当替えてくださいと電話で訴えているみっちゃん。紫呉の接待なのだ。
 電話から戻ると紫呉が誰やらと話している。何とそれは紫呉の両親。
 そこで、本家の会食が行われていたのだ。紫呉は慊人の姿を見ても挨拶もせず去る。
 紅野は紫呉との電話のやりとりを思い出す。
 「突き離すべきだったんじゃないかい、慊人さんの為に、その時も、今も」紅野がとても嫌いだと言い放つ紫呉。 紅野はこれ以上、慊人を冷たくあしらわないでやってほしいと頼む、
「いつだって、今でも一番、側にいてほしいと、願っているひとは…」
 慊人が帰った部屋には紫呉がいた。一緒にいた女と寝たかと聞く慊人。否定する紫呉。
 「でもあの女とは寝たじゃないか」楝の事だった。「誰よりも、君を想う、それこそが揺るぎない事実」
 そう、紫呉もずっと覚えていた。慊人が紅野と寝たから、紫呉は楝と寝たのだ。

感想:とっくに本編、終わってるのにね。ハッピーエンドでしたね。あまりに積読が多く、処理し切れてない。
 この巻が、フルバ最大の衝撃の巻でしょう、たぶん…。女だったんですかあ!紫呉、ゆがみまくってますねえ! 紅野、呪い、解けてたんですかあ!
 慊人は、楝に人格否定され続け、それゆえに十二支の絆にすがらざるをえず、
だからあんな風になってしまったと。
 楝は晶にラブラブで、たとえ自分の子供でも、ライバルというわけですか。
 紫呉は慊人をずっと好きで、紅野と寝た慊人を許せず、愛している分いじめたくなる。
 慊人も紫呉が大好きで、紫呉がよりにもよって楝と寝た事で、すっかり狂ってしまったと。
 まあ、だからと言って、八つ当たりは良くないなあ。
 たとえ、猫憑きであっても、他の誰よりも慊人を愛さないといけないと言うわけですか。
 楝のような母親持っちゃ、そりゃ不幸でしょうとも。
 夾にとっての師匠のような人とも会えず、大好きな紫呉はかなり歪んだ性格の持ち主。
 確かに紅野が突き離した方が、慊人にとって良かったかもな。紅野の気持ちも分かるけど。
 男女の愛って、(男男でも女女でも良いけど)奇麗事では無いのよね。嫉妬はどうしてもあるしね。
 しかし紫呉は私には憎めません。なんせフルバ占いで、紫呉になり、恋人占いでも紫呉になった私です。
 自分はあんな性格ではないと思うし、あんな恋人はいりませんが、憎めない。
 紫呉と慊人は透にこのにっちもさっちもいかない状況を変えて欲しいのだろう。

ちっちゃん俳句「その社員 言ってるのよね 保険かも」
         「その湯浴み 限りませんが お付かも」

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