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ゴールデン・パラシュート

「ゴールデン・パラシュート」ハゲタカ 第2回 ☆☆☆☆
原作:真山仁「ハゲタカ」「バイアウト」 脚本:林宏司 音楽:佐藤直紀 演出:井上剛

 西野昭吾(宇崎竜堂)の葬式。西野治(松田龍平)はまだ家に戻っていなかった。
 葬式に赴いた芝野健夫(柴田恭兵)は史子(永島瑛子)からもう二度と顔を見せないでもらえますかと丁寧に言われる。
 (私もきっと丁寧に言う派だが、顔を見せるなとは言わない口だ)

 サンデー・トイズの70周年謝恩会。そこに現われる鷲津政彦(大森南朋)。そこには芝野もいた。
 そう、サンデー・トイズは問題のある企業だった。
 サンデー・トイズは手押し車から始まり、ボードゲームやオリジナル・キャラクター、サンサン君が大ヒット。
 しかし、少子化の影響やアメリカの大手玩具小売チェーンの進出により、構造不況の波にさらされ、
売り上げが急速に縮小していた。
 サンデー・トイズはボードゲームを始めゲーム開発力には定評があった。木製のおもちゃは横ばい。
 職人技術には定評があったが。この会社のネックは経営を一手に握っている大河内ファミリーだった。
 現社長大河内瑞恵(冨士眞奈美)の発案であるテーマパーク、エステ、スポーツクラブはいずれも不採算部門、おまけに彼女は会社を私物化、自身の洋服代、飲食代、遊興費その他、
月々数百万を会社の経費として計上していた。
 株は大河内ファミリーが62%保有していた。鷲津は債権を買い占めることにした。
 サンデーの債権は500億、うちメインバンクの三葉銀行が150億、その他が350億。
 その他を買い取り、最大債権者になる。
 債権額順位3位の「利根川銀行」、三葉を差し置いて好き勝手は出来ないと言う。
 そこに債権額順位2位の「阿南銀行」が売ったとの知らせが。驚く利根川。
 実は阿南銀行も利根川銀行が売ったと聞かされていた。
 債権額10位の「あずさ信用金庫」はサウナの中で、担保順位が低すぎるからサンデー・トイズがつぶれたら、
おたくの債権戻ってこないですよと言われていた。
 今ならうちは5%で買い取りますとも。芝野もホライズンの動きを聞いていた。
 三葉は住倉(?)との合併を控えていた。
 ここで三葉の力をアピールしておかないと、合併後のポストは無くなる。サンデーは絶対三葉が立て直す。
 あの社長は有名人、うまくやれば格好の宣伝になる。

 蒸し暑い中、大河内宅の庭掃除、草むしり、芝刈りをやっている社員達。そこに再建策をもって現われる芝野。  しかし社長は気乗りじゃない。芝野は休日返上で社員に自宅の庭の草むしりをなぜやらせるのかと訪ねる。
 大河内宅は名義はサンデー・トイズで社宅扱い。光熱費等一切会社に請求されている。
 他にも高価な物を会社名義で購入していた。その体質を改めてくれと芝野。
 社長は草むしりは社員教育だと言う。おもちゃ作りは奉仕の精神だと。
 社宅を自宅に使っているのは24時間365日、私がこの会社の事を考えているから。
 そして社長から、債権を買い取ったとホライズンから連絡が来た事を知らされる芝野。
 社長はホライズンを呼んでいた。ホライズンは最大債権者になっていた。
 鷲津は債権を放棄しようと考えてると言う。条件はオーナー一族が経営から退く事。
 経営はプロにまかせて、株の配当金で生活すれば良いと。現在と同じ報酬を支払う。
 動揺する大河内ファミリー。しかし瑞恵は断る。

 芝野は沼田透(佐戸井けん太)に頼まれ、三島由香(栗山千明)の取材を受ける。
 サンデー・トイズについて聞かれる。彼女はホライズンが絡んでいる事も知っていた。
 鷲津さんは芝野さんの部下だったんですよねと彼女。ええと芝野。彼女は西乃屋も取材していた。
 昔は鷲津はどんな人だったかと彼女。昔の彼は情に厚いまっすぐな男だったと芝野。今は昔とは変わった。
 「とにかく、西乃屋さんのような事は二度とあってはならない、そう思ってます」
 三島は西乃屋の一人息子治を偶然見つけたと場所を芝野に教える。

 芝野は社長を切る事を常務の飯島亮介(中尾彬)に提案する。破産する前に民事再生を申請すると。
 大河内色を一掃すれば興味を持つスポンサーも出てくるだろうと。しかし常務は話にならんと言う。
 社長は簡単に切れる人ではない。それにサンデーの経理担当は代々三葉の天下り先。
(大銀行なら天下りがありそうね。
天下りなんて、へたしたら企業に不利益をもたらしそうな関係、余裕が無ければ出来なかろう。
公務員の天下りも、どうせ、上の方しか出来ないんだし、上はそれなりのお給料もらってるんだから、
やっぱり良い感じがしない。
せっかくの経験を生かしたいなら、ボランティアで生かせや。
公務員の給料が安いと言うのなら、初めっから民間に行けよ。
まあ、世界的に見て給料、人員がどのくらいかは知らないが。使うべき所にはきっちりお金を使って欲しいな。
で、天下りは禁止にして欲しい、良い事とは思えないから)
 常務は瑞恵と会う。彼女は自主再建計画書を常務に渡す。

 鷲津は社長と会いたいと会社に出向く。社長は社長室にいた。
 しかし鷲津は社長はいつ戻るか分からないと言われる。鷲津は債権仮差押命令申立書を出す。
 受付は鷲津を引きとめ、すぐ電話する。
 常務の百瀬敬一(岡本信人)がすぐ出向き、、まもなく社長は戻ってくると言う。
 まもなくと言うとどのくらいと鷲津。15分と百瀬。15分計り始めるアラン・ウォード(ティム)。
 後4秒と言う所で社長の足音が響き始める。息子の伸彰(小林正寛)を連れて鷲津の前に現れる瑞恵。 
 脅迫じみたやり方だと瑞恵。お願いではなく勧告だとアラン、破産したくなかったら経営から退けと。
 あなたからお金を借りた覚えはないと瑞恵。正当な権利だと鷲津。
 こそこそ債権を買って回るようなハゲタカがよくもそんな事が言えたわねと湯飲みのお茶を鷲津にかける瑞恵。  出て行こうとする瑞恵に鷲津が声をかける。
 「社長、借金にちんぴらも国籍も肌の色も関係ない。あるのはただの金だ。
借りたお金は返す、これは万国共通です。子供でも分かる事だ。
御社のような玩具メーカーの場合、何よりも大切なのは企業イメージだ。私はサンデーのためにお話してる」
 「奇麗事言うんじゃないわよ!
良い事、会社っていうのはねえ、右から左にはいそうですかって渡せる物じゃないわ。
子供、そう、子供みたいな物よ。ものすごい愛情がつまってるの」
 鷲津は立ち上がる。「だったら、あなたは子育てに失敗したんじゃないんですか」
 鷲津のターゲットは社長ではなく息子の方だった。

 由香が話しかけてくるが相変わらず無視の鷲津。
 アランがたまには話してやったらどうですと由香の名刺を渡す。
 一人自分の執務室に戻った鷲津は7年前を思い出す。
 はいつくばって二つのねじを見つける眼鏡をかけてない鷲津。そこは由香の父三島健一(渡辺哲)の工場。
 良いって言ってんのに一個ぐらいと健一。
 「これだって一個の加工賃7円50銭。立派なもんですよ。ちりもつもればなんとかって言うでしょう?」
 健一から缶ビールを渡される鷲津。「ありがとうございます。ほら、ちりもつもればビールになった」
 由香の母親だろうか、女性従業員(三島頼子:唐木ちえみ たぶん…)からせんべいを渡される。「ほら、せんべいにもなった」現在。
 由香の名刺を引き出しに入れる鷲津。そこにはたくさんの由香の名刺が溜まっていた。
(鷲津はめがねで感情が現われないようにしているのかな。人に過剰に思い入れないためのシールド)
 芝野から電話。サンデートイズから新しい提案があったのでお会いしたいと。

 芝野は例の料亭に瑞恵の息子伸彰を連れて現われる。
 サンデーの提案は、現経営陣は留任、社長の社宅は継続使用、
ホライズンの債権は三葉銀行が三掛けで買い取るという物だった。
 鷲津は断る、これではサンデーは再建出来ないと。
 大河内社長の乱脈経営はへたをすると特別背任で告訴される可能性もある、
このままでは伸彰さんも一蓮托生と鷲津。
 「私は若い伸彰さんには新会社でも辣腕を振るっていただきたい。その思いだけなんです」「社長を裏切れと?」 「サンデー再建の絶対条件は、大河内社長の退陣です。それしか道は無い」
 「無理です。母は、ああいや、社長は、私の意見など聞きもしません」
 「もちろん、そうでしょう。そこで我々はこういう物を用意させていただきました」
 後ろのふすまが開き、村田丈志(嶋田久作)、アラン、中延五郎(志賀廣太郎)が現われ、
それぞれジェラルミンのスーツケースを開ける。
 「ゴールデンパラシュートです」「ゴールデンパラシュート?」ケースにはみっちり金が詰まっていた。
 「つまり、現経営陣に退いていただく代償として、特別ボーナスをお支払いしたいのです」村田が言う。
 「大河内社長に三億円、副社長の伸夫(?)さんに一億円、プラス、お住まいの家を考えております」
 「無茶です。三億程度ではいそうですかとすんなり引き下がるわけが無い!」
 「だからこそ!伸彰さんから社長を説得していただきたい」「説得?」
 「成功した暁には、伸彰さんにもこの金額、三億円ご用意させていただきます。プラス、社長の座」
 目を見開き、すぐ目をそらす伸彰。「期限は2週間。良い返事をお待ちしております」
 彼らは素早くケースを閉め立ち上がり、去る。
 芝野は車に乗り込もうとした鷲津に声をかけ、二人はぶらぶらと歩く。
 「あれがおまえのやり方か。札束でひっぱたいて、人の誇りを踏みにじるのがおまえのやり方か」「何の話です」 「そんなやり方で本当に会社が再生すると思っていんのか」
 「だから何を言ってるんです。私の目的は金、それだけです」
 「西乃屋旅館も、そういう事だったのか。
体の良い事言いながら、結局会社を安く買って高く売る、それだけだったのか」
 「そうです。それが?」「それがだと?人が一人死んでるんだぜ。なのにそれがだと?!」
 芝野は鷲津の襟元を掴む。「あなたが言ったんじゃないですか」芝野は襟を離す。
 「7年前のあの日、私が貸し渋りをして、三島製作所の社長を追い詰めて、社長は自殺をした。
泣いている私に、あなたが言ったんじゃないですか。しょうがないだろ、日本は資本主義なんだからって」
 雨の中傘もささずにとぼとぼと誰もいない三島製作所に入る鷲津。後ろから傘を差した芝野も来る。
 落ち込んでいる鷲津に芝野は言う。
 「あまり自分を責めるな。会社のために、やった事なんだ。
…借りた物は返してもらわないと、うちだって危ないんだ。
…酷な言い方だが、借りた物は返してもらうし、金が無ければ、倒産するしかない。
つきつめれば、それが資本の論理だ。おまえが悪いんじゃない」
 現在、自分の言葉を突きつけられ言葉も出ない芝野。
 「あなたの言った資本の論理って何ですか。奇麗事言っても、金が無くちゃ何にも始まらないって事でしょう。
そんな当たり前の事に、ようやく気づき始めたんですよ、この国も。
…あの工場(こうば)は自動車メーカーの下請けの下請けの下請け。
部品を固定する特殊なねじを作っていました。ねじ一個の加工賃が7円50銭。
二人で2千個、それを8時間で作っていた。自給いくらです」
 黙っている芝野。
 「朝から晩まで、油まみれで働いても、その自動車メーカーの車は買えないんですよ。
…親会社に無理を言われて、工作機械を買うのに200万もの金を借りて、
…その200万が返せずに首を吊りました」
 野球場を覆う鉄柵を掴む鷲津。
 「私はあの時、なんとか親父さんを救おうとした。貸し渋りを命じた銀行を恨みもした。
けど銀行は当たり前の事をしたんです。
200万、たった200万の金が返せなかった、おやじさんが弱かっただけだ。…それが世の中です。
綺麗も汚いも無い、善意も悪意も無い…。200万の金さえあればおやじさんは死なずに済んだ。
…その事に気づかない私が愚かだったんだ。
…私はアメリカに渡り、徹底的に学びましたよ、芝野さんの言う資本の論理って物を、
金を持っている者だけが正義だって事を。
…私を変えてくれたのはあなたですよ、芝野さん。サンデーは金のなる木です。
必ずうまい具合に料理させていただきます。西乃屋旅館と同じようにね」

 芝野は由香から渡されたメモに書かれた所へ行く。そこは三ノ橋工事現場。雨が降っている。
 治は夜の工事現場にいた。治に傘を差しかける芝野。おじぎする芝野を無視する治。おいかける芝野。
 「晴れの日に傘を差して、雨の日に取り上げる、それが銀行だって、そう言えば親父言ってたなあ。
今日は貸してくれるんだ、雨なのに。何?何か用?」
 「こんな事、言えた義理ではないですが、なんか力になれる事があったら、言ってください」
 名刺を差し出す芝野。
 「連絡したらどうなるの。貸してくれるの、金。貸してよ。
いや俺さあ、会社起こそうかと思っててさあ、その資金、300万」
 困った顔で何も言えない芝野。
 「出来ないジャン。何も出来ないでしょう、どうせ。…俺恨んでないよ。
しょうがないでしょう、やっぱサラリーマンなんだもん。…あっ、そこにいても邪魔なだけだから」
 (私も恨まないだろう。いや、絶対にとは言えないが。自分が芝野の立場だったら、どうしようもないだろう)

 サンデーの取締役会。専務の伸彰は赤字はサンマークパークの営業収益の落ち込みのせいと言う。
 その責任問題を明確にしなければならないと。代表取締役社長の解任動議が提出される。
 サンデーの役員を説得、息子の伸彰を炊きつけ、取締役会での社長解任、その上での民事再生、
全て芝野の考えた事。
 おまけにスポンサーになるアイアン・オックスは三葉の系列のファンド、うまく上場させれば、
莫大なもうけが出る。
 動議に賛同する者が次々と立ち上がる。その中には息子の伸彰もいた。新社長は伸彰。
 三葉に出し抜かれた鷲津は社の窓ガラスを叩く。

感想:柴田さんの受けの演技にしびれました。
 何も言えない人の語りをただ聞いている事が今回多かったですが、辛さや憤り、どうしようもなさ、
衝撃とか良くわかりました。
 そりゃ、映像も凝ってるんですが…。松田さん、やはり存在感があります、艶があります。
 ファンになってしまいました。
 あっ、もちろん、大森さんのファンにもなっちゃいました、全然知らない人でしたが…。
 良い人役もはまってましたね。
 あんなに良い人が、すっかり人が変わっちゃいましたが、たしかに善意だけでは何も変わらない。
 日本の銀行より外資の方がやれる事が多いし。
 アメリカでは昔は人の会社を買っては、リストラしまくって、会社の物売りまくって、
利益を上げるという荒っぽいやり方があったらしいけれど、今ははやらないらしいし。
 でも、鷲津さん、次はあの問題ある社長を担ぎ出すんですね。どう見てもサンデーのためにはならない。
 実際会社を私物と勘違いしている経営者っているらしいけど、相手は経営者だから、
強い事社員が言える訳無いもんね。
 それは息子にも言える。
 社員よりは言い安いけれど、それでも母親は母親、愛してる分傷つける事はあまり言いたくないし、
やりたくない。
 でも、あの社長は困るわね。冨士さんの演技も完璧。200万で自殺はきついね。
 まあ、もっと小額借りて自殺している人は結構いるらしいけど。
 親会社から言われれば無碍に断れないだろうけれど、結局自分が悪いのか。でも、きついね。
 「あるある」問題だって、孫受けの会社の立場が弱いかららしいし、同じ仕事なら給料同じにして欲しいね。
 製作してるんだから、著作権とかの権利料もあげたい所だ。
 バスの運転手の過剰労働も、断ると仕事が来ないかららしいし、こういう事何とかならないのかな。
関連サイト
生涯エンジニアの備忘録
画面を見るなら脇からに]
木耳

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