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シュヴァリエの見る夢

「シュヴァリエの見る夢」BLOOD+ 第40話 ☆☆☆☆
監督・シリーズ構成:藤咲淳一 キャラクターデザイン:箸井地図 アニメーションキャラクター・総作画監督:石井明治 音楽:Mark Mancina 脚本:菅正太郎 絵コンテ・演出:山内重保 作画監督:黄瀬和哉

 リクバージョンの姿で歌うディーヴァ(矢島晶子)。
(ディーヴァの元々の姿もとれるのに、あえてリク姿をとっているのは、
リクの持っていた絆をうらやましく思っているから?
彼女は小夜を求めているのよね。血の繋がった、姿もそっくりな小夜。大好きで大嫌いな小夜)
 その姿を見ているソロモン(辻谷耕史)。自由の女神が建っている。
 寝ている音無小夜(喜多村英梨)を見守るハジ(小西克幸)。彼女の涙をぬぐうハジ。目を覚ます小夜。
 他のみんなは拠点となるアパートを探しに行っていた。小夜、ベットから起きるが、ふらついてハジに倒れこむ。 寒いと小夜はシャワーを浴びに行く。

 ディーヴァの歌に合わせて手をシナシナと動かすネイサン(藤原啓治)。
 ディーヴァ、突然歌うのを止め、自分のおなかに手を当て見つめる。
 ネイサンがどうしたのと声をかけると、彼女は突然ネイサンに抱きつき、彼の首筋に歯をうずめる。
 驚きの表情から恍惚の表情に変わるネイサン。
 「ああ、気持ち良い。私の血が女王の一部となっていく。これがシュヴァリエの至福の時…」
 いつまでも、首筋から離れないディーヴァ。
 吸われすぎて、ディーヴァがネイサンを解放した時には、彼は立っていられなかった。

 小夜は輸血していた。冷やした水を持ってき、小夜に差し出すハジ。「何をしていたのですか」
 「街をネ、見てたんだ」「街を?」
 「人が一杯いるんだなって。でもこの人達は、ディーヴァの事も翼手の事もまだ知らない。
そして、私達の事も。…長い時間の中で、私達がしてきた事は、誰にも知られることなく、終わっていくんだよね」  「それがあなたとジョエルの意思を引き継いだ者達の選んだ事です」
 「ハジ、ごめんね。あなたをシュヴァリエにしなければ、こんな事にはならなかったのに」
 「小夜、私は、あなたのシュヴァリエになった事を、後悔した事はありません。
あの時、あなたは言ってくれました。…剣を手に世界を旅する。そして、私も一緒だと」
 「ハジ…」
 「あなたのその言葉が、孤独であった私の支えになっていました。私は一人じゃないのだと。
だから小夜、私は今もなお、あなたと共にいるのです」
 「ハジ、ありがとう」

 庭を踊りまわるディーヴァを見守るアンシェル(中田譲治)。その彼にワインを持ってくるネイサン。
 ネイサンはアンシェルの望みを聞く。「ディーヴァの望みこそは、私の望み」
 「だったら、もう少し早く、小夜のシュヴァリエをディーヴァの前に連れて来てあげれば良かったのに」
 「ディーヴァが望むなら、そうしていただろう。だが、ディーヴァは彼を選ばなかった」「あらそう。残念ねえ」
 「私はディーヴァの幸せのために、世界を動かす努力をしてきたのだ。そしてこれからも、それは変わらない。
邪魔する者は排除する。ただそれだけだ」
 「それじゃあ、ソロモンも」ディーヴァの元へ来るソロモン。「ご無沙汰しております」
 「ソロモン、今頃何をしにきた」とアンシェルが詰問する。「ディーヴァに、話しがあって来たんです」「話だと?」   「はい。遠い昔と、目の前の未来について。
覚えていらっしゃいますか、私が初めて、あなたと、お会いした日の事を」
 「白い服を着てたね」
 「はい。第一次大戦も終わろうとしていた、あの頃、ようやく、医師として働き始めた、矢先の事でした。
僕は兄さんの、城の地下室で、あなたに会ったんです」

 繭の残骸がある地下室。そこには長い黒髪に覆われた素っ裸のディーヴァが倒れていた。
 アンシェル、自分の手のひらを剣で切り裂き、ひざまづいて、血をディーヴァに与える。
 「どうやら、気に入られたようだな」とアンシェル。(どうしてあの様子で気に入られたかどうかわかるの?)
 「私の宝だ。私のもっとも大切なもの、生きている証のようなものだ」アンシェル、剣を持ちながら立ち上がる。
 「よいな、ソロモン」「…はい」
 「人であるソロモン・ゴールドスミスは、今日ここで死ぬ。
ディーヴァの血を授かった時は、おまえは私と血の繋がった本当の家族になる」
 「それで、僕の理想に近づく事が、出来るなら」剣でソロモンの心臓を貫くアンシェル。

 「そしてその時から、僕は、あなたのシュヴァリエになった。
僕自身が、業から解き放たれる事で、人間同士が殺しあう業から、解放されるような気がしていました。
戦争が終わり、平和が訪れるのではないかと。
だが、実際にジュヴァリエとなり、永遠に等しい命を授かった僕の目に映った物は、あまりにも矮小に見える、
人間達の姿、そのものでした。
人間の価値観から見えていた業など、取るに足らないものだと思いました。
人間が愚かしく、醜い生き物に見えたのです。そして単純に、その世界から解放された喜びに満たされた。
僕は初めて、平穏を手にする事が出来たんです。だが、我々の世界にも争いはあった。
あなたと小夜の戦いです」
 「戦いを望んだのは、小夜姉様の方だよ」「ええ。けれど僕には、彼女が敵であるとは思えません」
 「僕を殺そうとしている」「わかっています」「…おまえ、…小夜の事が、好きなんだ」
 リクバージョンから自分本来の姿に戻って言うディーヴァ。
 「愛しています。そして彼女には、生きて欲しいと思っています」
 「僕が殺されたとしても?…僕は殺されないよ。僕だって小夜姉様とは、一緒に暮らしたいと思ってる。
でもね、それ以上に、僕は小夜姉様を殺したいとも思ってるんだ。好きにすると良いよ」
 (“僕”と言う時はもちろんリクバージョン)
 ディーヴァ、アンシェルの胸に顔をうずめる。
 「今日からおまえは僕のシュヴァリエじゃないよ。道を外れたシュヴァリエの、ソロモンだ。
…でもこれだけは言っておくよ。どうあがいても、おまえは小夜姉様のシュヴァリエにはなれないんだ。
小夜姉様が欲しいなら、その手で奪い、子供でも産ませてしまう事だね」
 ディーヴァ、お屋敷の方に行く。「何事もなくこの場を去るつもりか」とアンシェル。
 「僕達の間で戦うほど、無意味な事はありませんよ。僕達を殺せるのは、小夜の血だけです」
 「ふっ、試してみるか?」
 ソロモン、右手を刀にして、アンシェルに襲い掛かるが、アンシェル、その右腕を切り落とす。「来い」
 ソロモン、右腕を拾って付け直す。ソロモンの斬風とアンシェルの気がぶつかる。
 地面がえぐれ、庭の飾りの柱が切られる。ネイサンが手を一回叩き、「そこまでよ」と言う。
 「ここは私のうちなのよ。これ以上暴れられたら住む所を探さなくちゃいけないじゃない。それに…」
 ネイサン、屋敷の方に手を動かす。屋敷にはガラス容器の中で回復を待つジェイムズがいるのだ。
(生きてたんだ…)
 その容器に背中をつけて寝ているディーヴァ。「ジェイムズ…」とソロモン。「二人ともぐっすりお休みなのよね」
 「ソロモン、おまえは小夜を愛していると言ったな」「ええ」
 「それはおまえの中にある、シュヴァリエの血が小夜を欲しているからだ」
 「そうだとするなら、ディーヴァへの愛も、シュヴァリエとしての本能と言う事に、なりませんか。
…ディーヴァを慕う気持ちは今も変わりません。ディーヴァのシュヴァリエで会った事、誇りにも思っています。
しかし僕は、僕でもあります。僕は、ソロモン・ゴールドスミスとして、小夜と、共に生きます」
 「ソロモン、小夜をおまえの物にしたくば小夜を殺す事だ。我らが小夜を殺すその前に」

  夜、窓辺で眠る小夜。それを見守るハジ。
 ハジ、小夜を運ぼうと近づくが、「まだ食べるよ」と大食漢丸出しの寝言を小夜が言い、運ぶのは止め、
愛おしそうに小夜を見る。
(私も、昨日、変な夢を…。お尻に、タトゥー、って、どう言う事?)
 しかし宮城カイ(吉野裕行)の無神経な声を聞き、顔をしかめる。
 お疲れの上、デヴィッドがぼろいアパートを選んだとぼやくカイ、弁当を三人前買ってきて、
寝ている小夜を起こそうとする。
 「今は、休ませてやってください」「あぁ?」「戦いを忘れられる、幸せな時間を与えたいのです」
 ハジ、部屋を出、チェロを弾く。森を一人歩くソロモン。
 ジェイムズが入っている容器に背中をつけて眠るディーヴァを見守るアンシェル。
 ハジ、ビルの外壁の上で弾いていた。サイレンが響き、ハジ、顔を上げる。

感想:あっ、ソロモン、決別の回。
 シュヴァリエがその血の主を裏切るなんて考えられんと思ったが、でも、子孫繁栄もやっぱり本能か。
 ディーヴァにとってソロモンの裏切りって、人が思う以上にショックなんじゃないのか。
 いや、ソロモンを特別愛しているわけではないが、やっぱり自分のシュヴァリエだから。
 ジェイムズ、生きてたね。ディーヴァも気にかけてるみたいだし、良かったねジェイムズ。
 でも、殺される側の人間を思うと、そう簡単に、良かったとは言えんが。

関連サイト
月日夜の嗜好感想記
こんなことしてません?
七神の徒然日記ver.2

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