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ジョエルの日記

「ジョエルの日記」BLOOD+ 第30話 ☆☆☆☆☆
監督・シリーズ構成:藤咲淳一 キャラクターデザイン:箸井地図 アニメーションキャラクター・総作画監督:石井明治 音楽:Mark Mancina 脚本:砂山蔵澄 絵コンテ・演出:古川順康 作画監督:松原豊

 自分とは一体何なのか悩む音無小夜(喜多村英梨)。そこに宮城カイ(吉野裕行)が現れる。
 カイは小夜が傘を持たなかったと聞き、迎えに来たのだ。
(ハジはどうした、ハジは。彼なら傘もバッチリ持っていて、いざとなったらさっと差し出すのではないか?
きっと小夜が悩んでいるようなので、遠慮してたんだな)
 カイはジョエルの日記を読むよう小夜に勧める。

 世界中の動植物や化石の類を個人の研究のために集めた初代のジョエル・ゴルトシュミット(飯田和平)は、
ラマルクの動物哲学に影響されて、生物の進化と言うものに興味を持った。
 その収集品の中にアイスランドに伝わる奇妙なミイラがあった。
 顔はつぶれていたけれど、妊娠した女性の物で、サヤと呼ばれていた。
 1833年4月8日、園内にサヤを迎え入れる。
 外見は人間の女性に似ているが、腕から脇の下、腹部から大腿部へと伸びた被膜の痕跡、
指の間の水かきのような被膜など、我々と異なる点がいくつも見られる。
 ジョエルはミイラを解剖する事にした。腹部には二つの繭が入っていた。
 ジョエル達は一つの繭を開ける事にした。その繭は刃を通さなかった。
 助手(アンシェルの父?)の刃がすべり、手を傷つける。その指から流れる血を、
繭は赤子が乳を求めるかのように、吸収した。
 繭はかすかな鼓動を繰り返した。1833年8月4日、繭から二体の新生児が産声を上げる。
 生後二月程度の人間の乳児となんら変わる所は無かった。二体とも女子であった。
 一体は実験対象として名を与えられることなく檻に閉じ込められ、もう一体には小夜と言う名を与え、
女の乳を飲ませた。
(あっ、これはひどい!ディーヴァが皆殺しをしたのは当然ね。なぜ、アンシェル(中田譲治)は殺さなかったのか。彼の父親の血が最初の血だったからか。簡単に殺してしまうには、憎すぎる相手だったのか。
損得で動く人間ではないものな、ディーヴァは。
一度重傷を負わせて、あっ、壊れちゃった、と言う事で、血を与えてみたという所かな。
シュヴァリエの事もわかってなかったはずだし)
 初代のジョエルは小夜にとっては優しい父親だったが、ディーヴァにとっては冷酷な研究者でしかなかった。
 薄暗い塔に幽閉し、最低限の食事を与えるのみで、教養も愛情も、およそ人間的なものは何も与えなかった。  小夜には動物園と言う限られた世界の中ではあったが、人間としての自由があった。
 けれどディーヴァは暗い塔の中が全ての、一匹の獣同然の生活だった。
 空を飛ぶ鳥と、塔に巣くうクモ、
そして世話をしにくるジョエルの助手であるアンシェルだけが彼女の知る全てだった。
 「1863年6月2日、もう何年も彼女達が成長する姿が見られない。
その事実を認識した時、小夜が人とは異なる生き物であると知りながらも、
軽い衝撃を覚えたのは確かな事だった。
彼女達の時は止まったのだ」
 小夜、転んで手をすりむく。しかしその傷はたちまちの内に治る。
 だが二人の血液同士を混じり合わせると、猛烈な速さで結晶化を始め、最後は粉塵のように散り始めてしまう。 ジョエル達は小夜達の全てを知ろうとした。
 だが、自らの命が小夜達を見届けるまで続かないと悟った時、生殖能力に関する実験に集中する事にした。
 そこでジョエル達は小夜達の花婿を用意する事にした。受胎を確認した後、標本にするために。
 ハジはそのために動物園に迎え入れられた。
 現ジョエル(石田彰)がジョエルの日記のあるページを開くと、そこには何も書かれていず、
何かの染みがこびりついていた。
 そして彼は壊れた懐中時計を小夜に見せる。
 1883年のとある日曜日、その時計は壊れて時を刻む事は無くなった。
 「その時から、ゴルトシュミット家の時は止まってしまったんだ」
 その日とは、ジョエル72歳の誕生日の惨劇の日。

 歌声を聞いた日から、小夜は毎日毎日歌ってる女の子を捜した。そしてようやくあの場所を見つけた。
 塔から割と離れた所から、歌声の主(矢島晶子)に語りかける小夜。そしてそれに答える女の子。
(テレパシーか?それとも聴覚が鋭いから)
 ディーヴァと名づけたのは小夜。
 お友達になりましょうと言う小夜に答えるかのように、青いバラを小夜の手に落とすディーヴァ。

 外に出るのを恐がるディーヴァ。私が一緒にいてあげると小夜。すみにうずくまっているディーヴァ。
 ハジに呼ばれて、鍵を開けといたまま、下に降りる小夜。

 1972年、ベトナムで翼手の目撃情報を得た赤い盾は、ディーヴァがいると確信し、
小夜を先代のデヴィッドに託した。
 デヴィッドの父親だ。
 あの時小夜は30年にわたる休眠期間に入っていたのだが、強制的に目覚めさせる事にした。
 小夜は目覚めたときはつねにシュヴァリエであるハジの血を口にしていた。
 小夜のたった一人の眷属であるハジこそが覚醒の鍵と考えられていた。
 だが、ハジの血を直接体内に注入され、不自然な覚醒を強いられた小夜は、暴走した。
 小夜はテントに銃口を向けていた兵達を斬り殺す。そこにディーヴァの歌声が聞こえてくる。
 歌を追って小夜は走った。そこにはあのコンテナと沢山の翼手がいて、一斉に襲ってきた。
 そして翼手殺しまくりの小夜の前に、「小夜!ようやく君に会えたな」と華麗なるカール(佐々木望)登場。
(ああ、いつもカール様はス・テ・キ…。佐々木望さん、最高!)
 怪物姿のカール様、小夜に襲いかかる。小夜のピンチに、当然ハジ(小西克幸)がかけつける。
 カール様、「よくも私の邪魔を」とハジを襲おうとし、避けられる。カール、右腕を小夜に切り取られる。
 そして小夜はそのまま村人達も襲う。ハジが止めるが、ハジも斬ろうとする小夜。
 小夜の刀を受け、ハジの右手は翼手化する。ハジの右手を斬り落とす小夜。
 あの日からハジは赤い盾から離れてしまった。
 一度香港で確認情報があったのだが、彼を引き止める事は出来なかった。
 そして米軍の救援部隊が到着した時には、小夜はもう眠りの淵に立っていた。
 赤い盾はまだ息のあったデヴィッド(小杉十郎太)から詳細を聞き、日記に記録した。
 デヴィッドは自分の信頼のおける部下であった宮城ジョージ(大塚芳忠 )に小夜を託した。

 「一つだけ、聞かせてください」「なんだい?」「ジョエルの名を継いだ事、後悔してませんか?」
 「…昨日を振り返っても、何も取り戻せない。明日をどうするべきか、それを考えるのが人間なんだ」
 ジョエル、懐中時計を開ける。「だから僕は名前を継いだ。僕で全てを終わらせるために」
 「全てを、終わらせるために」

 過去。棺に横たわる小夜。「ハジ、約束だよ。全てが終わったら…」「それがあなたの望みなら」「ありがとう」
 小夜、目を閉じ、棺の蓋が閉められる。
 (小夜が「世界を征服する!」と宣言したら、やっぱりハジは「それがあなたの望みなら」と従うのかな)

 軒先で雨宿りしているカイ。そこに小夜が傘を持って現れる。「ただいま」「もういいのか」「うん」
 ハジとリク(矢島晶子)が現れ、リク駆け寄ってくる。カイのお迎え。
 カイ兄ちゃんは小夜姉ちゃんが戻ってくるまでずっとここにいたのだ。
(いっそ、小夜のシュヴァリエになるか、カイ?)
 「うるせえ」とリクを黙らせようとするカイ。笑う小夜。その小夜の笑顔を見て、少し笑うカイ。

 信号を待つハジを先頭にした御一行。ハジの方を見て、「約束、思い出したよ」と言う小夜。
 「あなたの望みをかなえるまで、私はあなたについて行きます」信号が青に変わり、横断歩道を渡るハジ。
 覚悟を決めた表情になり、それを追いかけるようにリクを押しながら駆けて行く小夜。
 その小夜を心配そうに(哀しそうに?寂しそうに?)見るカイ、ぼーっと立ったまま、信号が赤に変わる。
 道路の向こうの小夜達を、哀しそうに見るカイ。

予告:「人を超え、自然界がもたらした新たな種の可能性がある翼手を、
一部の人間のエゴのために滅ぼす事が、果たして許される事なのか。
 そうした自然の摂理を壊す盾こそが、悪だとは思わないかね。次回、BLOOD+、壊れゆく盾。
 もうじき赤い盾は崩壊する、翼手達の総攻撃を受けてね」コリンズ先生談(梅津秀行)

感想:今現在、赤い盾が知っている事を全てお知らせしてくれた重要な回。割とすごい設定。
 初代ジョエルは本当にひどい事をしたんだ…。ディーヴァがああなったのも無理は無いし、彼女を責められない。 彼女が殺しまくるのは自然な事。アンシェルを生かしたのは意外だが、唯一人知っている人だからか。
 壊したくは無かった…。それともアンシェルがうまく説得したか。
 ハジも小夜の血を受けると、翼手化したままになってしまうのか?と言うか、
ハジもカール先生みたいに翼手化するの?
 どうも、あのお姿は、カール先生と過去のラスプーチンしかやらない感じ…。
 他の方々の美学には合わないのだろうな、あの格好は。
 コリンズ先生、翼手は人を殺すんですよ!30年も眠らなきゃいけない種が人を超えてるかどうかわからないし。 シュヴァリエはその主に従うようになってしまうらしいし。
 あのゾアントロピー化した人達は幸せでないに決まってるし。
 シフ達もねえ…。あんなにすごい能力を持っていると言う事はその分、エネルギーも必要なわけで…。
 別の意味ですごい種は今でもいっぱいいるし…。大体コントロール出切ると思い込んでいる所がバカ。
 でも、科学者は可能性を追求する人種だもんな。
他の方のブログを読んでの感想
 あれ、アンシェルなの?だって、ジョエルがあんなに年取ったのに、あの人はさほど…。どっち?
 もしかして、研究心のあまり、ディーヴァの血を飲んでいたとか…。

関連サイト
ばんごはん備忘録
 

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