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おかえり

「おかえり」MONSTER CHAPTER66 ☆☆☆☆☆
原作:浦沢直樹 キャラクターデザイン・総作画監督:藤田しげる キャラクター原案:高坂希太郎 シリーズ構成:浦畑達彦 監督:小島正幸 音楽:蓜島邦明 脚本:博多正寿 絵コンテ・演出:高橋敦史 作画監督:尾崎和孝

 男(花輪英司)はドイツ系チェコスロバキア人。士官学校出身の軍人。
 エリート。名前…、名前など、どうでもいい。女(桑島法子)はモラビア地方の小学校教師のひとり娘。
 ブロンドの髪、青い瞳の美しい女だった。
 ブルノ大学に進学、遺伝子工学を専攻、教授陣からも将来を嘱望される才媛だった。名前…、名前など…。
 二人はプラハのカフェで知り合い、恋に落ちた。女は子供を宿し、男は告白する、これは“任務”だったと。
 人種、頭脳、骨格、運動能力…、選び抜かれた男と女の間に子供をつくる。
 数十例のカップルによって、実験が行われ、自分達は、その中の一例であると。
 男はシナリオ通りに任務を遂行したが、今やその通りに動く気はなく、「逃げよう」と言った。二人は逃げた。
 しかしその行動も、シナリオに組み込まれていた。二人は捕まり、引き離された。
 女は見知らぬ部屋に隔離された。
 「彼に会わせて」と女は言ったが、彼は新しい任務に就いたと言われるばかり。
 彼女はもう彼がこの世にいないであろう事を知っていた。お腹の子は順調に発育していた。双子だった。
 よく訪ねて来る男(野沢那智)がいた。スケッチブックに自分の姿をデッサンしていく男。
 この男こそこの実験の首謀者であると彼女は気付き始めていた。
 「私は許さない。あなたを決して許さない。
私が死んでも、私の中でどんどん大きくなっていくこの子達が、必ずあなたに復讐する」
 「君は面白い事を言うね」臨月を迎え、彼女は陣痛室に入れられる。
 身重の体で、激しい陣痛に見舞われながら、彼女は幅数十センチの通気孔から脱出した。
 彼女が倒れていたのは門から数十メートルの路上。すでに破水が始まっていた。
 彼女は引き戻され、無事に双子が生まれる。「あの子達の名前を考えたの」「余計な事は考えなくて良い」
 「考えたの。あの子達の名前…」「考えなくて良い」「名前を…。あの子達に名前を…。あの子達に…」
 「いいんだ…。名前などいらないんだ」

 「フランツ…ボナパルタ…」(ニナ 能登麻美子)
 「そうだ…。ヨハンは、彼の居場所を私に聞いた」(ペトル・チャペック 田中信夫)
 「ボナパルタは生きているの?」
 「“私は許さない。あなたを決して許さない。
私が死んでも、私の中でどんどん大きくなっていくこの子達が、必ずあなたに、復讐する”…」
 「フランツ・ボナパルタは、生きているのね」「ヨハンに聞けばいい…。彼はここにいる…」
 そこには廃墟の屋敷があった。

 いくら聞いても、クリストフ(広中雅志)はヨハンの居場所を知らないと言う。
 天馬賢三(木内秀信)はエヴァ・ハイネマン(小山茉美)に病院に連絡させる。
 このままではクリストフの命が危なかった。
 エヴァがいなくなった後、クリストフはテンマ一人にヨハンの居場所を教える。
 エヴァが車に戻るとテンマはいなくなっていた。
 「あんたに伝言だ…
“これ以上巻き込む事は出来ない…。君の人生を台無しにした…。本当にすまない。幸せになってくれ”…だとさ」 涙を流すエヴァ。「どうして泣くんだ…。わからない…。僕には全然わからない…」

 廃墟に一人入るニナ・フォルトナー。太陽を背に、二階の方にヨハンは立っていた。

 息せき切って走っている。三匹のカエルの看板。
 階段を走って登り、ドアを開けると、
そこに「なまえにないかいぶつ」の絵本を握りしめた女の子(塚田真依)が立っていて、「おかえり」と言う。
 三匹のカエルの看板の建物から火が出る。逃げ去る双子。優しくしてくれた農家の夫婦。子供はいない。
 「あたし達で引き取って…」と言う妻(浅井淑子)。「バカな事を言うな」と夫(石森達幸)。
 「いや…、きつい言い方をして悪かった…。とにかく警察に電話しよう」そこに現れる男の子(上村祐翔)…。
 男の子は女の子を連れて別の所に行く。草原には、夫婦の撃ち殺された死体が残っていた…。

 「やっと会えたね。
…あの時、赤いバラの屋敷から逃げ出して、三匹のカエルの部屋にたどり着いた僕を、君は迎えてくれた。
…だから今度は僕が君に言うよ…。おかえり」
 銃口をヨハン(佐々木望)に向けながら、ヨハンを責めるニナ。

 一方、テンマもタクシーに乗り、銃を握りながら、昔の惨劇の事を思い出していた。

 「あの時みたいに撃つかい?」「ええ…。もうすべて終わりにするわ」「終わり…。終わりってなんだろう」
 赤いバラの屋敷の惨劇。511キンダーハイム。そこで彼が起こした事件。厳しい表情の母親。
 大きく手を開いて顔の前にかざすフランツ・ボナパルタ。荒野で倒れている双子。荒野。
 「何度も何度も…終わりの世界を見てきた…。終わりってなんだろう」
 「終わるわ。あなたが死んで、あたしも死ぬ。…見てきた?…何を見てきたの?あなた、何を見てきたの!?
…あなたは知らない…。話してあげるわ…。本当の恐ろしい話を…」

 扉を開け、「ただいま」と言う少女…。

感想:いや、よく出来ていたと思います。最初の古いフィルムのような、双子の父親と母親の紹介は良かった。   後、テンマが“ごめんね”と言う所を、“すまない”と変えたのも好感度大。
 “すまない”の方がテンマらしいと思う。廃墟の感じも良い。
 原作どおりに作っていて、何となく評価が難しいですが、大変に良く出来たアニメだと思います。
(フジ子・ヘミングの歌は止めにして欲しかったが…)

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