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翼の生えた魚

「翼の生えた魚」絶対少年 第19話 ☆☆☆
監督:望月智充 シリーズ構成:伊藤和典 オリジナルキャラクターデザイン:戸部淑 造形デザイン:佐藤眞人 キャラクターデザイン・総作画監督:関根昌之 美術監督:針生勝文 音楽:七瀬光 脚本:浜崎達也、伊藤和典 絵コンテ・演出:木村隆一 作画監督:堀内博之、渡辺浩二

 桜木町のガード下。許可を取って描かれたストリートアートは一キロも続いているそうだ。
 1970年代後半、地元のポップアーティストが描いたのが始まりと言われているそうだ。
 「Trust your Self」の絵の前に佇む藤堂麻子(水野理紗)、
通りかかった巡査(飯田征利)にこの絵を描いた人を探せるかと聞く。
 いつの間にか描かれてて、いつの間にか消されるから作者を捜すのは難しいらしい。
 「シュールな絵ですよね~、これ」と巡査。「シュールってどういう意味か知ってます?」
 「えっ。ああ、変わってる、普通と違う、とかですか」「フランス語で、ちょうって言う意味です」「ちょう?」
 「若い子達が、超可愛い、とか言う時のあの超。だからシュールレアリズムは超現実主義」「ほおお」
 「理性に捕らわれず、夢や幻想、そんな非合理的な世界を表現する事で、人の解放を目指す。
二十世紀の二つの世界大戦の狭間で、そんな運動があったんです」
 「その運動の一環なんですかねえ、この絵は」「違いますねえ」「はあ?」
(おお、勉強になるなあ。私も感じで適当にシュールとかダダとか言っていましたね……)

 自室の壁に背をつけて座り、頭を壁にぶつけている谷川希紗(小林晃子)。
 「何で?…どうしてよ?…最悪。…バカ」ブンちゃんが良くいた天井に吊るしたバケツを見る希紗。携帯が鳴る。 開いて、そのまま携帯を真っ二つに割る希紗、ブンちゃんの中心になる物体をじっと見て、涙を浮かべて、
鼻をかむ。
 電話をかけたのは小早川成基だった。自室の窓から外を見る成基。

 電話でなんかあったかと深山美紀(三橋加奈子)に聞かれている逢沢歩(豊永利行)。
 須河原晶から美紀に電話があり、歩の連絡先を聞かれたと言っている美紀。
 混乱しているから、もうちょっと考えてから話すと歩。
 歩は携帯番号を教えても良いと言うが、美紀が須河原の番号を預かってると言う。

 「ときみや」に来た藤堂麻子、土岐宮はな(渡辺美佐)とは顔なじみらしい。

 真壁正樹(甲斐田ゆき)とこの間の事件を検証する須河原晶(松本美和)。
 暖色系の光り二つは向こうに飛んで行ったと正樹。
 二種類が争ってるのかなと正樹、「ああっ!」と突然大声をあげる。
 彼の疑問は大和理絵子が見たのはどっちなのかと言う事。
 「よし、少年、話してごらん」と須河原、顔をきりりとして言う。

 「Trust Your Self」の絵はどうやら藤堂麻子の知り合いの絵。
(わりと胸が大きいぞ、藤堂麻子。Eカップ以上か…)
 なんとその作者は藤堂麻子の昔の男…。

 大和不動産屋のちょっと手前になって歩みを止める正樹。「何?」「僕、今日はここで…」
 「友達なんでしょう?一緒に会おうよ」「でも、僕…僕は理絵子ちゃんに嫌われてるから」
 後ろを向いて駆けてゆく正樹。「おーい、しょーねーん」
(わかるよ、正樹。会いづらいよね。そう簡単には強気にはなれないよね)

 例の絵の前でため息をつく藤堂麻子。小学生三人組が走って通り過ぎるが、一人が携帯を落としてしまう。
 麻子が拾って、彼に渡す。拾うために腰をかがめた時に、柱の下の方に描かれた翼のある魚の絵に気づく。
 魚の頭が向いている方の柱の下を見るとやはり同じ絵が描いてある。

 大和理絵子(佐土原智子)の部屋で理絵子の話を聞いている須河原。
 彼女は暖色系と寒色系が戦っていたと話す。
 もっと詳しく話してもらえないと言う須河原に「私、それ、もうどうでもいいんだけど。
何でそんな必死なの?」と言う理絵子。
 「必死?」「別に、そんなのどうだっていいじゃない。他に大事な事一杯あるでしょ」
 「私にとっては、それ、最重要課題。なぜなら私達も見ちゃったから」「あっ。達?」
 「真壁正樹、谷川希紗、小早川成基、そして…私」「見たの?」「見た」
 須河原、ICレコーダーを出し、「情報交換しよう」と言う。
(不思議な事を見たのに、どうでもいいと言う彼女は何に拘ってるのか。
普通は聞きたいという人には軽く話しそうなものだが。
どうでもいいと言いながら手をギュッと握りしめているのも彼女の妙な拘りを感じる。
割と世界観が単純で、それからはみ出すものは、苦手なのかな。
いや、わからなくてもやもやするのが苦手なのか…。頭良さそうに見えるんだけど、深みがないような…。
それとも考えすぎる性格なのかな。まあ、若いし、私も彼女の深い心理が分ると言うわけではない…)

 羽の生えた魚の絵を追う藤堂麻子。看板に描いてあったり、石に描いてあったりする絵。
 そして街角の低い塀にも…。
 その先には公園があり、公園の入り口にある岩には上を向いた翼のある魚の絵が描かれてあった。
 ホームレスのごとき羽鳥次郎(郷田ほづみ)を見て、哀しそうな表情になる藤堂麻子。彼も彼女に気づく。

 喫茶店で向き合う二人。羽鳥の手は緑や赤の色で汚れていた(ペンキ?)。
 もしかしたら気づいてもらえるかもしれないと思って魚は後から描いたんだそうだ。
(もしかして羽鳥って、ひげを剃り、頭を整えたなら、ドビックリハンサムだとかして…)

 自室から希紗に電話をかける成基。 
 「おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか…」のボイス(須加みき)を聞き、ケータイを切る成基、がっくりと肩を落とす。
 そこに携帯が鳴り、急いで取る小早川成基(櫻井孝宏)。理絵子ちゃんからだった。
 「何だ、りえぞうか」と失礼な事を言う成基(何だとは何だ。気持ちはわかるが…)。
 理絵子ちゃん、須河原に話を聞いて、電話をかけたらしい。
(大きなしろくまのぬいぐるみを抱きしめながら電話している理絵子。そうしないと勇気が出ないとか…)
 「成基、責任感じて、へこんでるんじゃないかと思って…電話してみた。成基のせいじゃないよ」
(成基より希紗の方がへこんでいるぞ。まあ、女より男が大事よね)
 「でも、希紗に、あいつに会えって言ったの、俺だし」「でも、会うって決めたのは希紗でしょ」
 「そうだけど、…希紗は…」「あのね…」「ん」「私も見たよ」「見たって…何?」
 「オレンジ色の光と青白い光が戦ってるとこ。会えない?会って、話したいんだけど」「…わかった」
 ニコッと微笑む理絵子。「じゃあ」
(希紗への心配は丸っきりナッシングの理絵子。まあ、人間、完璧じゃないからな。人の事は言えない)

 俺の何処がいけなかったんだと藤堂麻子に聞く羽鳥。
 あの頃あなたは行き詰ってたと言う麻子に、行き詰った俺に見切りをつけたのかと羽鳥。
 「次郎君はねえ、行き詰った自分にさえ、酔ってたんだよ」と麻子。
 「結局、この人のやってる事はごっこ遊びなんだ、と思った。ひどい事言ってると思う。
でも、そう思ったら、もうダメだった」
 麻子、立ち上がる。
 「あなたの頭の中には、芸術家はこうあるべきだってイメージがあって、行き詰ってる時だって、
イメージの枠の中にいる自分に安心してた。
本末が転倒してるよ。人は芸術家になるために作品を作るんじゃない。
創造した作品ゆえに、芸術家と呼ばれる事もある。そんだけの事じゃない?」
 「言ってくれるなあ。でも、俺は…」「現代アートの一翼を担う、あの、羽鳥次郎だと?」

 夕焼けの空。窓の敷居(?)に手をついて、どっしるとしっしんに呼びかける歩。しかし彼らは現れない。
 ケータイを取り出し、左手の甲に書いた電話番号を見ながら、電話をかける歩。「はい、須河原です」「あの…」  「逢沢君?」「はい」「連絡くれると思ってた。一緒にやんない?」顔を左の方に向けて困った顔の歩。
 「気になるでしょ、暖色系の光と寒色系の光り、その相克。気になるから電話くれたんだよね」
 やはり困り顔の歩、ろくに返事をしない。
 「一緒に調べる気になったら、又連絡して。今はそんだけ。電話、ありがと」電話を切っちゃう須河原
(須河原、もう少し、余裕を持って対応しないと…)。
 窓の外では寒色系の光を追いかけている暖色系の光り。
(歩はやっぱり歩ね。須河原のノリにはついていけない。マイペース系だもんね。
私はマイペースを悪い意味で使っているわけではない。私も完璧なマイペース系だし。
確か新聞の川柳で「マイペース ゆっくりだとは 限らない」とか言うのがあったような…)

 夜。仲良く肩を並べて海辺を歩く羽鳥と麻子。「ナスの群青揚げ(?)…」「ん」「あれ、うまかったなあ」
 「好きだったねえ」「あれは本当にうまかった」「時間は人を美化するよ」
 「必ずしもそうとは言えないさ。忘れようとして忘れられず、ぬぐおうとしてぬぐいきれない記憶もある」
 「ねえ、あの羽鳥次郎が、ここでホームレス同然の生活をしているのは、なぜ?」
 「それが…自分でもよくわからない。
自分が何故、こうしてここにいるのか、…言葉にした途端、それは違うと思う。
言葉を連ねれば連ねるほど、本当の理由は曖昧になっていく。本当にわからないんだ」
 「うん」「だから絵を描き続けている」「答えが見つかるまで」「そうだな」「うん」
 麻子、羽鳥の方を向き、「もし、見つからなかったら?」「それも又良し」笑う麻子。「何だ?」
 「今の次郎君、良い感じだよ」驚いた表情の次郎君、微笑顔になる。「箱根は近いか」
 「近いねえ。箱根のお山はすぐ目の前」「今度、箱根のギャラリーで個展を開くんだ。案内送ろうか」
 「調べるから、いい。行けたら、行きます。次郎君は会場にいるの?」「…いないな」「来て良かった」
 「うん。会えてよかった。ありがとう」空高く飛ぶ暖色系の光。

 バーガー屋の窓側の席に座って何か飲んでいる理絵子。店の時計を見ると八時になる所。ケータイを開く。
 盤上の前に座っている成基。窓の外を通る寒色系の光り。
 成基、それが視界に入ったんだろう、窓の方を見る、その時には何も無いが。 ケータイに出る成基。
 何と成基、考えがまとまらないので、待ち合わせの場所に行かずに、家にいたそうだ(連絡ぐらいしろよ)。
 会って話そうよと言う理絵子に、「もうちょっと、時間が欲しい。今日はごめん」と電話を切る成基。
 成基、又、電波の届かない所にある電話にかけ、切って、ため息をつく。将棋の駒が乗った盤をけころがす。

 希紗、ブンちゃんを直そうと努力しているが、うまくいかない。
 彼女の後ろでは、彼女が造った魚の背びれの基の部分、ブンちゃんが光を照射した部分が光っていた。
 「ブン…ちゃん…」

感想:タルトがロクの声で、ロクがオカカ婆の声で、そしてオカカ婆がタルトの声でしゃべる予告。
 予告作画の後藤真砂子さんが全部考えて作っているのかな、この予告。だとしたら、すごいな。
 ロク声のタルトが、タルト声のオカカ婆の声を「何だか、可憐でしとやか。
湖の畔でさざめく小鳥達のような声だわ」と言っているが、タルト声の人が言わせているのか…。
 ところで、私は前に書いたとおり、絶対少年のDVDを買っているわけだが、そうか、タルトは潮音、
ロクは平五郎さん、そしてオカカ婆はあの、亮介なのね…。
 はっ、この前の予告で、本編が虚構で、予告が本当だと言っていたが、と言う事は、
オカカ婆が亮介の声を担当しているという事か…。
 なぜ、オカカ婆ともあろう者が、亮介の声を担当する事にしたんだ?
 オカカ婆は主役をやりたいとは思わなかったのか?ああ、それにしても、絶対少年は最高です!
 煩くなく、まったりとして、たゆたう時間。何度見ても飽きませんね。気持ちが良いです。
他の方のブログを見ての感想
 希紗がケータイを壊すという事は、外との繋がりが無くなるということなのね。全然念頭に無く…。
 メモリは復活できる。歩を呼び出し、パシリに使ってやれ、希紗。貢物ももらえ。
 と言っても、歩が悪いわけではないけど…。

絶対少年
絶対少年
posted with 簡単リンクくん at 2005.10. 6
浜崎 達也〔著〕
メディアワークス (2005.8)
通常2-3日以内に発送します。

関連サイト
070-アーステイルー呼び出し中非常に面白い考察です。
JUNK KOLLEKTER画像あり
うに日記民俗学ですね、今の私は勉強する気満々です。
伊藤和典HOME PAGEこの藤堂麻子って、あの藤堂麻子?
加奈子天然300%絶対少年の打ち上げパーティー
燃えろ!!Amazon画像あり

ちっちゃん俳句「に関する 確認しては 怒りかな」

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 なんといっても前回がああだったから、今回はどうなるものかとやきもきしてましたが。前回のフォローをしっかりしつつ、かつての恋人たちの現在を語るという、またしても予想の斜め上を行く展開でしたね。  ストーリーの流れにそって語ろうとすると長くなるような気がするので、以前のようにキャラクターごとの感想を書くことにします。■希紗:まったくもって完全に予想外。こういうキャラだったのか! 扉に後頭部を繰り返しぶつけながら毒づき、携帯をぶち折り、鼻をかむヒロイン! すばらしい! まさにシュール(笑)。いいな... [続きを読む]

受信: 2005.10.11 04:39

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