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春夏秋冬そして春

「春夏秋冬そして春」2003年 1h42 ☆☆☆☆
監督・脚本・編集:キム・ギドク 撮影:ペク・ドンヒョン 音楽:パク・ジウン

最後まで書いていますとも!注意!!

 春。山間の湖に囲まれた寺。老僧(オ・ヨンス)と二人きりですごす少年(キム・ジョンホ)は生き物達と遊ぶ。
 魚に石を縛り付け、放す。カエルに石を縛りつけ、放す。ヘビに石を縛りつけ、放す。
 それをこっそり覗いてみていた老僧は、少年が寝ている隙に、背に石をくくりつける。
 目が覚め、石を取ってくれと言う少年に、魚もカエルもヘビも苦しんでおるなと和尚。
 和尚は石を取らず、石をくくりつけられた生物達を探し出し、石をはずせと言う。
 「もし3匹のうち、どの一匹でも命がなかったならば、お前は心の中に石を抱えて生涯を生きるのだ」
 魚は死んでいた。カエルは生きていた。ヘビは死んでいた。少年は大声で泣く
(泣くよな。私もこの場面では涙が出ました)。

 夏。二人の女性が来る。体の弱そうな若い女性(ハ・ヨジン)が寺に預けられる。
 老僧の見立てでは彼女は気の病。青年(ソ・ジェギョン)は女性に魅かれ、ついには肉体関係になる。
 その関係はついに和尚の知る所となる。体が治った彼女は立ち去るしかない。
 「いけません、和尚様」と言う青年に、和尚は言う「欲望は執着を生み、執着は殺意を呼ぶであろう」
 青年は寺から仏像とニワトリを持って出る。

 秋。和尚は食べ物を包んだ新聞紙に“30代男性、妻を殺し逃走”の記事を発見する。
 男(キム・ヨンミン)が来る。彼女を愛していたのに、彼女は彼を捨てて別の男に…。
 私を愛していると言ったのに…。「手にした物は、いつか失う。自分が好きなら、他人も同じだ」と和尚。
 許せないと男。男は持ってきた仏像を安置する。
 凶器のナイフを何度も板に突き刺す男。(カッコー鳴く秋。あちらではカッコーは秋でも鳴くのか)
 「閉」と書いた紙を目と口鼻に貼り付けて座る男。老僧はそれを見つけ、打擲(ちょうちゃく)する。
 老僧は彼を吊るし、蝋燭で自然にロープが切れるようにし、自分は猫の尾に墨をつけて、それで経文を、
寺の縁の板に書く。(うまいんだよな、これが。さすが、僧侶)
 男はナイフで自分の髪を切る。
 「人を殺(あや)めたといって、自分を殺してはならん。この文字をみな、ナイフで彫りなさい。
字を刻みながら、怒りの心を消すのだ」
 和尚の言う通りにする男。刑事が現れる。男はナイフをかかげ、刑事は銃を向ける。
 老僧は「何をしておる。続けなさい」と言い、男は字を刻む作業を続ける。刑事も最後まで彫る事を了承する。   夜、蝋燭を男の側で持ってやる刑事。朝、銃を脇に置き、眠り込む刑事の横で彫る男。作業が終わり、寝込む。 目が覚めた刑事は彼に自分のジャンパーをかける。
 老僧は顔料を作り、僧と刑事二人で、文字に色をつける。(日光の眠り猫みたいに、彫刻の上にいる猫)
 男は刑事と去る。
 老僧は「閉」と書いた紙を目と耳、口鼻に張り付け、いずれ沈むようにしたボートに薪を積み、その上で座り、、
火をつける。(これは彼も、女を殺めた過去があるという事だろうか)

 冬。今は寂れた寺に男(キム・ギドク)がやって来、住み始める。
 寺にあった古い本の通りに修行を積む男
(どうも、ここの一連のシーンが、僕、こんな事も出きるんだぞ、すごいだろうと監督が言っているみたいで、
ついていけなかった。やってるのは監督じゃないのかもしれないが、何となく…)
 顔を布で覆った女が赤ん坊を連れてくる。
 夜、女は赤ん坊を置いて去ろうとするが、氷に男が開けた穴(顔を洗ったりするため)に落ち、死んでしまう。
 男は自分に石をつけ、仏像を持って山に登る。向こうに寺を見る山の頂上に仏像を安置する。

 そして春。綺麗に色を塗りなおした門。
 少年の顔を描く男(監督、絵を描くためにパリに行ったんだよな。もち、うまい)。亀で遊ぶ少年。
 山から仏像が見ている。

感想:韓国の映画監督で唯一私が名前を覚えている監督、キム・ギドク。
 と言っても、見るのはこれで二つ目。
 一つ目は「悪い男」で、これは倫理的にまずい所があり(彼女はストックホルム症候群だよな)、
非常にほめにくいのだが、この映画より好きだったりする。
 でもこの映画、本当に映像が綺麗。説明も少なく、私好み。(いえ、過剰演出の映画も好きですが)
 女への憎しみを言う男に、韓国の男は暑苦しいなと辟易としたが、考えてみれば、
ああいう理由で女殺す男はみんな辟易としちゃう人達に違いない。
 日本にだってしっかりいるしな。女が座っていたのは狛犬さん?
 寺に狛犬さんはおかしいけど、他に思いつかない。まあ、私は仏教に詳しいわけではないから。
 魚の形の叩くもの、日本にもあるよね、何て言ったっけ。ヘビを平気でつかむ男の子に感心。
 私はヘビ嫌いではありませんが、咬まれるのが怖いから、つかめないです。
 「欲望は執着を生み、執着は殺意を呼ぶであろう」って言ったって、女、追いかけるのは当然だろう。
 しかしあんな場所、ホントにあるのか。実に魅力的な場所だが。
 映画としてはポン・ジュノの「殺人の追憶」の方が評価が高いのだが、
ポン・ジュノのデビュー作も私は高評価だし、でも、キム・ギドクの映画の方がみんな見たいと思っている。
 全部、痛い映画らしいから、覚悟しなきゃいけないが。
 彼は大学を出ておらず、韓国の映画監督としてはホントに異端なのよね。
 罪を犯した人間が愛憎を越えて生きていくという話は好きです。
 しかしこの話、まさかあの亀で遊んでいた少年もいずれと考えると怖くなりますね。
 まあ、いつまでも悪い事が繰り返されるわけではありませんが。
 何となく手塚治虫の「火の鳥」を思い出しました。
 悪行を重ねた男が各地で仏像を彫り続ける話がありましたよね。
 後、時がさかのぼって、同じような事が何度も繰り返される話もありました。
公式サイト等を見て
 ロケ地は慶尚北道青松郡周王道国定公園注山池だそうです。はしけ船に浮かぶ寺だから動くのね。作り物ね。 あの達筆は本人。冬をやるにふさわしい役者がいなくて自分でやったのね。
 自慢したかったわけではないのね。

関連サイト
Bell Epoque
キム・ギドク、インタビュー
キム監督Q&A
キム監督トーク・ショー
公式サイト
蒼龍のタワゴト

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原題:Spring, Summer, Fall, Winter... and Spring 欲望、執着、・・・そして殺人、業深い男の、少年から壮年が、激しく季節になぞらえて綴られる。奥深い山間の湖に浮かぶ山紫水明の寺・・・。 季節は春、和尚と暮らす幼い少年がある日、小動物を虐待して薄ら笑いを浮かべて... [続きを読む]

受信: 2006.02.21 18:58

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