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「妻」日本 1953 東宝 ☆☆☆☆
監督:成瀬巳喜男 製作:藤本真澄 原作:林芙美子 脚色:井出俊郎 撮影:玉井正夫 音楽:斎藤一郎

最後まで書いています。

 結婚十年目、中川十一(上原謙)は今だ安月給、妻の美種子(みねこ 高峰三枝子)は毛糸編みの内職、
うちの二階は間借り人に貸していた。
 二人は子供のいない夫婦。お互いがお互いに不満がある。
 いつものごとくにめざし四匹に漬物のあまり愛情が感じられない弁当を広げる十一だったが、
同僚の相良房子(丹阿弥谷津子)のお弁当は実においしそう。
 たまたまあった二階の間借り人松山浩久(伊豆肇)と一緒に酒を飲む。
 彼は仕事が無く、妻の栄子(中北千枝子)の稼ぎで暮らしていたが、二人の間には隙間風が吹いていて、
浩久は別れてやるつもりだと言う。
 ある日十一は外で同僚の相良に会う。一緒に喫茶店で過ごしたら、彼女が展覧会に誘ってくる。
 うちの方では松山栄子が勝手に引越しをしていた。
 日曜日、用があるからお留守番宜しくと言う妻に、十一は自分だって大事な用があると主張する。
 で、行った先は相良さんとの展覧会。
 しかしその様子は間借り人の絵描き、谷村忠(三國連太郎)にしっかり見られる。
 それからも時々喫茶店で会う二人。しかし彼女は大阪へ自立を目指すために行ってしまう。
 松山が出て行った奥さんの栄子を無理矢理連れてくる。
 酔っぱらっている松山を谷村がなんとかなだめ、栄子の話を美種子は聞く。
 帰ってきた松山は人が変わってい、もう彼に対する愛情は無い栄子。
 相良から十一に葉書が来、それを受け取る美種子。十一は相良がいた席を弁当を食べながら所在無く眺める。 十一は社用で大阪へ行った時についでに彼女に会いに行く。彼女は未亡人でまだ小さい息子が一人いた。
 その息子とも楽しく遊ぶ十一。松山は出て行き、代わりに美種子はミネウチという若い女性を紹介される。
 彼女には鬼頭(谷晃)というパトロンがいた。
 美種子は谷村から十一が相良と歩いていたと聞き、大阪に行った十一に彼女に会ったのかと聞く。
 十一は会ったと言う。あなた、その方が好きなのと問う妻に好きだと答える十一。
 美種子は絶対別れないと言う。彼女は松山栄子に相談、彼女の家に泊まる。
 帰ったら、ミネウチを訪ねて鬼頭の妻(本間文子)が来る。
 鬼頭は家具の製作所をやっているが、うちにはめったに帰ってこず、たまに帰ってきても、
金を持っていくだけだった。
 しかしミネウチと鬼頭は熱海に行っていた。
 十一は会社の若い女性から奥さんから相良さんの事を聞かれたと言われる。
 十一の所に美種子の友達の桜井節子(高杉早苗)が来る。美種子から話を聞いたからだった。
 彼女は明日伺うからいてくれと言い残す。
 その夜、「やっぱり別れましょうか」と言う美種子、「会社なんか行って妙な事しゃべらない方が良いね」と十一。 大阪へ手紙を出したと美種子。ふとんに頭を隠して寝てしまう十一。次の日、節子が来る。
 十一は起きているが、美種子はタヌキ寝入りをしていて、節子が起こそうとしても起きない。
 節子は大きなひらめを持ってきて、料理しようとするが出刃包丁と菜切り包丁しかなく、
刺身包丁は無い(うちにも無いぞ)。
 包丁はさびていて、布巾も一つしかない。
 二人の自分に対する悪口を聞いていられず、ラジオをつけ、起き上がる美種子。十一は包丁を研ぎ始める。
 美種子と節子は喧嘩を始め、節子は出て行く。
 美種子は実家に帰り、ひらめは結局、漁師の家にいた事がある谷村にさばいてもらう事に…。
 房子が仕事のため上京して来た。いつもの喫茶店ランブルで会う約束をする。会社に美種子の叔父が来る。
 今夜、美種子の実家に来いと叔父さん。
 しかし彼は美種子の実家には行かず、房子と喫茶店で会い、小料理店に行く。
 これから旅行しないかと誘う十一。しかし彼女は用事もあり、断る。
 明日又喫茶店で会おうと約束を取り付ける十一。美種子は家に戻る。
 谷村から十一は今日は帰らないと言っていたと聞き、ふと下げてある十一の背広を探る美種子。
 そこには房子の住所が書いてある紙が入っていた。
 彼女は房子を訪ね、離婚して慰謝料なんか貰って引っ込むような負け方はしたくない、
それでもあなたがいやだとおっしゃるなら死んで二人を見つめますとまで言う。
 房子は今夜主人と会うのか聞かれ、いいえと言う。「別れてくださる?別れてくださいね。お分かりになって」
 房子は去る。喫茶店で十一は房子からの手紙をもらう。
 そこには奥様の来訪を受けた事が書いてあり、お別れいたしますと書いてあった。夫を一人待つ妻。
 ミネウチがお菓子を持ってきて、うちのパパさんも来ないと言う。一人酒を飲む十一。
 「家具商の妻、服毒自殺」と書いてある新聞記事を(おそらく谷村が御忠信)読む美種子。鬼頭の妻の事だ。
 酒に酔って帰ってきて、いつものように一人で布団をだし、寝て、一言も口をきかないで家を出る十一。
 お互い、このままで良いのかどうかわからなかった。

感想:十一も彼女の内職を軽んじる言葉を言ってしまう所があるけれど、美種子の方が、
お弁当といい(まあ弁当作りはめんどうだ)、包丁といい、布巾といい、冷たいぞんざいな態度といい、う~ん…。  お料理が苦手ってあるよね、しかたないか、向かないのね美種子。
 悪妻でも愛されてる例はあるし、良妻賢母でも浮気される。相性よね。悪くない旦那さんだと思うけどな~。
 私が男だったらやっぱり、房子の方が嬉しい…。
 でも夫婦はお互いの努力、気遣いが大事だから、お互いだろう。
 美種子が周りに言っちゃうのは、うちにこもってるより良いと思う。
 会社の人に聞くよりは、旦那と浮気相手直撃の方が良いだろう。
 しかし別れてもらっても、こんな冷たい関係が続くなら、考えちゃうよな。
 昔は女の自立は大変だし、でもそれが理由で別れないのも…。
 三國連太郎さん、コメディリリーフ的な役がとっても似合ってました。
 浮気を目撃したら、そりゃあもうしゃべりたくてしゃべりたくて、たまりませんよね。
 鬼頭さんの奥様は気の毒です。お金も無いのに愛人を囲うのは止めましょう。
 昔だから、道が狭くて、舗装されていない。大体あんな形で間借り人を置くなんていまや考えられない。
 この映画の間借り人と家主の関係は良い。戸に鍵がかかっていない。男が帽子をかぶっている。
 着物を日常で着ている人がまだいる(私も日常で着れるもんなら着たい)。色々と驚きがいっぱい。
 せんべいはおいしそうでした。東京は割りとせんべいの本場ですよね。
 私はせんべい好きです(でも、食べちゃうので、買いません。誘惑に耐えてます)。
 あんな事で顔をしかめられても困ります。
 まあ、私ならせんべいを食べている時は幸せそうな顔をしていると思いますが…。
関連サイト
邦画ブラボー
再現、成瀬巳喜男

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