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永遠の王

「永遠の王 アーサーの書 The Once and Future King」T.H.ホワイト(T.H.White)1939,1940,1958 ☆☆☆☆
第一部 石にさした剣 第二部 風と闇の女王 第三部 悲運の騎士 第四部 風のなかの灯

最後まで書いています。

 ウォートとケイの教育係の様子がおかしいので、ケイの父サー・エクターは彼女を辞めさせたのだが、
次の教育係が見つからない。
 ある日ウォートが鷹狩を提案し、ケイもその気になるが、肝心の鷹が羽の抜け変わっている最中で、
それでも無理に連れて行ったのだが、鷹は獲物を逃がし、すね、ケイの元には戻らず、
高い木の枝に留まってしまった。
 ケイは怒って帰ったが、ウォートは残って鷹を追いかけた。しかし鷹を見失い、迷子になってしまう。
 クエステイング・ビーストを追う騎士ペリノア王に会う。
 彼とは別れるが、森の奥でアルキメデスと言うふくろうを飼うマーリンに出会った。
 マーリンが教育係になってくれた。ウォートはマーリンに時々動物に変身させてもらい、色々な事を学ぶ。
 やがてマーリンは去っていってしまい、ケイは騎士になり、
ウォートは彼の従者としてロンドンの大武術大会に行く。
 国王が死に、教会の外に石に刺さった剣が現れ、石から剣を引き抜く者こそ王だと剣が言い、
武術大会は石から剣を引き抜く者を見つけるための大会だった。
 ケイはいざ試合と言う時武器を忘れた事に気づき、ウォートに取りに行かせる。
 しかし宿屋はしまっていて、ウォートが途方にくれて馬を歩かせていたら、石の上にかなとこがあり、
剣がそれを貫いていた。
 ウォートは剣を引き抜く。ウォートは実は国王の息子で、彼は王アーサーとなる。

 アーサーの時代の戦争とは身分の高い者は鎧で身を固め、ほとんど死なず、
身代金と引き換えに捕虜から解放されるものだった。
 死ぬのは歩兵達。
 マーリンにその事を教えられ、アーサーは身代金目的ではない戦いをし、騎士団を作り、
上座をめぐった争いが起こらないように円卓を考える。

 フランス人の少年ランスロットはアーサー王に恋をしていた。
 アーサーから騎士団の話を聞き、誘われて感激したのだ。彼はそのためにひたすら己を鍛えていた。
 将来はシュヴァリエ・マル・フェ-醜き騎士と名乗るつもりだった。彼はとても醜かった。
 18になり、彼はアーサーの元に赴く。アーサーは一羽のシロハヤブサを彼にプレゼントした。
 そして妻のグェネヴィアに若いランスロットに親切にしてやってくれと頼んだ。
 グェネヴィアはランスロットの鷹狩の手伝いをした。
 ある日彼女は不機嫌なランスロットにおびえ、紐をでたらめに巻いてしまい、
ランスロットに「そんなんじゃだめです」と言われて、傷つく。
 その時ランスロットは初めてグェネヴィアを同じ年頃の生身の人間として意識したのだった。二人は恋に落ちる。 ランスロットはある日魔法にかけられた乙女エレインを助ける。
 エレインはランスロットに恋し、媚薬を使って彼と契りを結ぶ。
 しかしランスロットは純潔でなければ、奇跡は起こせないと信じていて、ショックを受ける。
 彼は慰めを求めてまっすぐにグェネヴィアの元に向かう。

 アーサーは円卓の騎士達が戦う理由が無くなり、堕落し始めているのを見て、聖杯探求を騎士達にさせる。
 ランスロットが帰って来、報告する。
 ランスロットの息子、今や世界一の騎士、童貞でもあるガラハッドと、ペリノア王の息子、優しく、
やはり童貞のパーシヴァル、そして童貞ではないが、第一級の神学者のボースが聖杯探求に成功し、
ボースは帰ってくるが、後の二人はそのまま神の世界に行ったのだった。

 オークニー一族のアグラヴェインは自分の打ち負かしたランスロットを憎み、
アーサーの息子モードレッドは父が自分にした行いを恨んでいた。
 二人はついにランスロットとグェネヴィアの不貞の場を押さえ、
ランスロットはモードレッド以外のランスロット達を捕まえに来た騎士達を殺して逃げ、
グェネヴィアは捕らえられる。
 アーサーは法を重んじ、ランスロットがグェネヴィアを助けに来る事を期待しながら、
彼女を火刑にかけようとする。
 ランスロットはグェネヴィアを助けに来るが、
そのさい武装していなかったガレスとガエリスをそれと気づかずに殺してしまう。
 彼らの長兄のガウェインは激怒し、アーサーもランスロットと戦わざるを得なくなる。
 彼らが留守をしている間にモードレッドはアーサーを死んだことにし、グェネヴィアに結婚をせまる。
 彼女は隙を見て、アーサーに手紙を出す。ガウェインが死ぬ間際に現状をランスロットに知らせる。
 王の気力はくじけていた。彼は人の性の善なるを信じ、悪戦苦闘したが、今や戦争に直面している。
 彼やモードレッドが国を不幸に導いたのだとは感じられなかった。戦争はどこから始まるのだ?
 所有するからいけないのか。しかしこのような神の視点には彼はうなずけなかった。
 誰にも従うことが出来ない忠告は忠告とは言えない。
 アーサーは11月で13になる小姓のトマスを呼び、彼に戦闘には参加せずに生き延び、
アーサーらの素晴らしい思い付きを覚えていて欲しいと言う。
 アーサーは死ぬだろう。ランスロットとグェネヴィアは出家し、モードレッドは命を落とす。
 王は未来を迎えに、安らかな心ですっくと立った。

感想:この頃は引っかかった物しか書かない私です。記事が無駄に長いし…。
 この物語はユーモアがあり、視点、切り取り方が面白く、
現代の視点をマーリンが逆に生きているという設定で活かし、底に全ての登場人物に対する優しい見方があり、それはおそらく作者が優しい人と思われ…。
 ホワイトは1906年5月29日、植民地インドの警察地方警視の一人っ子としてボンベイに生まれました。
 5歳からイングランドに住む母方の祖父母に預けられる。
 背が高く、ハンサムで、きらきら輝く青い目をして、深みのある静かな声と、ドラマチックな話術を備え、
ユーモアに富み、弱いものに優しく、孤独で、激しい感情に動かされやすく、不安に怯え、好奇心旺盛で、
活動的で、優れた記憶力を持ち、きびしく真摯な教師であり、アルコールに溺れる傾向があり、サディストで、
寛大で、不幸せで、友人達に誠実で、下層の人々や子供達慕われる。
 30の時、森の中の小さな家を借りて一人で住み、多くの動物を飼っていた。
 サー・エクターがケイが嘘をついた時、それをせめず、目と目の間をまっすぐに見据え、
「おまえはわしの自慢の子だよ。おまえがなにをしようとも、いつでもそれは変わらないんだ。
その剣をおまえ自身の力で抜いたと、わしに誓っていえるかね」と言う所は感動しました。
 なかなかこうは出来ないな。ペリノア王とクエスティング・ビーストも大好きです。
 クエステイング・ビーストに恋されてしまうサラセン人の騎士サー・パロミデスも。
 母親の愛を得られず、苦悩する可哀想なモーゴースの子供達。いろいろな事に悪戦苦闘するランスロット。
 そして全体の事を考え、最善を尽くしたのに、理想の終わりを目にしてしまうアーサー。
 モードレッドだって可哀想な子供だけど。アーサーがした事は確かに悪いし。

 関連サイト
Leon’s Armor Shop
ディズニー総研

ちっちゃん俳句「今一つ 移動するのは 物語」
「オンライン 激情したら 可哀想」

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コメント

tyantyanさん、はじめまして。
拙サイトへのリンクをありがとうございます。
「キング・アーサー」の公開に助けられる形で再刊されましたが、映画の波及効果って凄いですね。
こちらにもレビューのある「X-MEN2」では原著"The Once and Future King" が印象的に使われてましたけれど、お気付きになりました?
アニメ映画「王様の剣」とミュージカル映画「キャメロット」はそれぞれ切り口が異なりますが、原作を読んだ後だとかなり愉しめると思いますので、未チェックであれば是非!

投稿: Leon | 2005.09.10 04:08

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