« 輝夜姫 13~15 | トップページ | 無人街 他 »

それは関与できない問題

「それは関与できない問題」絶対少年 第17話 ☆☆☆☆☆
監督:望月智充 シリーズ構成:伊藤和典 オリジナルキャラクターデザイン:戸部淑 造形デザイン:佐藤眞人 キャラクターデザイン・総作画監督:関根昌之 美術監督:針生勝文 音楽:七瀬光 脚本:浜崎達也 絵コンテ:下田正美 演出・作画監督:今泉賢一

 横浜の大観覧車に乗っている須河原晶(松本美和)。大観覧車が突然止まる。(恐怖…)

 いつもの公園で座っている谷川希紗(小林晃子)。小早川成基(櫻井孝宏)が来る。「オッス」「やあ」
 「良いかな?」希紗、荷物をどける。「ちょっと、話したくなって」「ブンちゃんの事?」「俺の事じゃダメ?」「えっ」  「俺がいるのは、奨励会の三段リーグってとこだって、知ってたっけ?」
 「うん、四段にならないと駄目なんだって」
 「うん。半年かけて、三段リーグを戦って、上位二人が四段に上がってプロになれる。
プロになれるのは一年でたった四人だ」
 「狭いなあ」
 「うん。プロになるには壁があるんだ。四段の壁。26歳までに、この壁を越えられないと、もうプロにはなれない」 「まだ十年近くあるよ」
 「後十年しか無い。有望な棋士の卵が、何人も、この壁を破れずに、プロを諦めていった。
来年からは、年下の奴らも、どんどん上がってくる」
 何の言葉もかけられず、黙る希紗。成基が希紗の方を見る。「何?」「少し、変わったかな」「うん?」
 「前より笑うようになった」「次はいつ?」「明日」「すごいね」「何が?」「成基のいるとこ」
 「でも、俺にしたら、それが普通だから」
 「普通か。普通って何だろう。あたしが変われたとしたら、ブンちゃんのおかげなんだ」「うん」
 「何も出来ない。あたしなんかいてもいなくても同じだし」「それは違うぞ」「えっ」
 「いてくれないと、困る」希紗、ハッとし、「うん」と言う。「希紗がいないと、こんな時、誰と話して良いか困る」
 希紗、ひじで成基をつつく。「ホントだって」「うんと、あのね」「ん」「何だろ…」
 (良い雰囲気じゃないか。ああ、でも、理絵子ちゃんが…。でも、希紗には助けが必要です。う~ん)

 真壁正樹(甲斐田ゆき)は、須河原に連絡と取ろうとし、圏外と出ている理絵子の待ち受け画面を見て、
止まっている大観覧車を見上げる。
 マテリアルフェアリーがらみだと思い、連絡を取ろうとしたのだが。
 一方、須河原は自分のマテリアルフェアリーの待ち受けを見ていた。「都会で遭難するとは思わなかったあ」
 ヘリが飛んでいるのを見て「私は取材する側で、される側じゃ無いんだけどなあ」
 (事件にあった記者が皆思うらしい)
 須河原、ゴンドラに閉じ込められているラブラブカップルを見てため息。
 ケータイが鳴り、成基が開くと「希紗のことで、ちょっと相談があるんだけど、……無理かな?」
との理絵子からメール。(待ち受けは王将)
 折り返し、電話をする成基。正樹、大観覧車をケータイで撮っていると声をかけられる。
 深山美佳(鈴木真仁)だった。彼女は須河原はマテリアルフェアリーの事で横浜に来てるのかときく。
 「何の事?」と誤魔化そうとする正樹だが、お姉さんにはお見通しだ。
 美佳はおととしの猫おどりの時にいた事を話し、正樹が須河原と何を話していたのか教えてもらおうとする。

 夕方、橋の上で、成基と会う大和理絵子(佐土原智子)。希紗、このままじゃ、まずいと思わない?と理絵子。  「さっき、会ったけど、別に」理絵子、ハッとして、成基を見、うつむく。
 希紗はこのままでは進級できないと先生が言っていたそうだ。で、成基に学校に顔出すように言って欲しいと。 「いろいろあるのはわかるけど、でも、まず希紗が変わらないと、解決しないと思うんだ。
あの子、もっと協調性が無いと…」
 「いじめっ子は、必ずそう言うな」「えっ」「いじめられる側に問題があるって」「あっ」
 「変わるって、どうすれば良い。みんなと同じようにすれば、変われるのか。学校ははみ出す奴を嫌う。
集団のペースになじまない奴は、疎外されがちだ。俺も希紗と同じだ。同じだった。泣き虫成基だ」
 「でも…」
 「希紗が登校拒否なのは、それでも希紗が学校と関わりたいと思ってるからだ。だから登校拒否なんだ。
そうじゃなかったらとっくに止めてる」
 「でも、希紗と成基は違うよ。成基には将棋があるけど、今の希紗には何にも無いもん」
 「何も無いって、どうしてそんなふうに決め付けられる」「あっ」
 「希紗を助けたいと言う、力になりたいと言う、でもそれはおまえの自己満足のためじゃないのか」
 「そんな言い方…。私、希紗の事心配してる。
先生だって、こんな事言いたくないけど、希紗の親だって希紗の事、もう投げてるのに…。私…だから…
(希紗の親達は夜回り先生の爪の垢を煎じて飲むべきです)」
 「おまえは希紗の何を知ってる。そもそもりえぞうに俺の将棋の何がわかる」成基、去っていく。
 一人残り、泣く理絵子。
 (ちょっときつかったね、成基。
確かに理絵子は考えが足りないが、考えが足りない人間なんて、私も含めてザラにいる。
悪意の中、変わるのは難しいよね。
希紗だって、それなりに明るい面もあるに決まっているが、それを出せる環境に無いんだろう。
協調性って何なんだろう。アーティスト系の希紗には個性こそ大事なのではないか。
そりゃ協調性がある方が生きるのは楽だが。成基は理絵子の事をりえぞうと言うのは、止めるべきだね)

 夜。「ときみや」の裏口をこっそり開けている正樹。
 土岐宮はな(渡辺美佐)が「用事があるならはっきり言う。
用事が無いなら、気味が悪いから、突っ立ってないで、帰っとくれ」と言うと、
「うんと、あのー」とはっきりしない正樹。
 「理絵子ならもう帰したよ」須河原がいるかきく正樹。いないと知ると帰る。

 21:49。もう七時間も観覧車に閉じ込められている須河原晶。寒い。
 目の前のゴンドラのカップルはビッタリくっつきあってる。

 閉店の「ときみや」にいる成基。理絵子と喧嘩した事はどうやらはなさんは理絵子から聞いているらしい。
 「久しぶりに一局指してみるかい」と言うはなさんに、「お願いします」と姿勢を正して、頭を下げる成基。
 「学校に行ってないのかい、希紗は」「家にも帰らない事があるようです」「でも、結局は帰るんだろう」
 「プチ家出って言うんですよ」
 「プチ家出、ねえ。流行やファッションのように呼んで、問題をあいまいにする。直視するのが怖いのかねえ」
 「何をです?」
 「相手をさ。わかってるはずだよ。かくれんぼうだね、お前達は。見つける方も、隠れる方も。
見つける方は一人ぼっちでみんなを探してる、
隠れる方は一人でこのまま見つけてもらえないんじゃないかと怯えてる。どっちも不安で仕方が無い。
それでも見つけたり見つけられたりしながら生きていくんだ」
 「俺は…」「お前だって、今夜ここに自分を見つけてもらいに来たんだろう?」
(年を取ると、感情が堅くなり、短気になります。人間が出来るわけでは、残念ながら無いです。
でも、素晴らしい方もいらっしゃいますね)

 理絵子、今日の成基との事を「最低だ」と悔やんでいる。

 観覧車の須河原、ケータイに入れている画像の整理中。
 可愛いネコの写真は保存、街の風景はいらない、ちょっとしかめっ面の(可愛い)自分の写真は超いらない、
笑顔は保存、男と写っている写真が出てきて止まる。
 一度は「いらない」と消そうとするが、せずに傍らに置き
「私は今だって、ジャーナリストの夢を追ってるよ、あの頃とおんなじ。
でも、リアルな君をないがしろにしてたわけじゃ無いんだけどなあ。
私が欲しかったのは、私の仕事を理解してくれるパートナーだったんだよねえ」
 ため息と共に、観覧車が動き始める。時刻は12時に。

 明日は三段リーグなのに、夜更かしして良いのかいと言うはなさんに、
このまま帰っても眠れませんからと成基。
 九戦目、二敗同志の戦い。相手は将来の名人ともてはやされている天才だった。
 この2年、奨励会で成基は一度も勝ててなかった。「それは良かった」とはなさん。
 「お前を育てるのは、お前以上に大きな相手だからさ。大きな相手と向き合った時、人は伸びる。
ちゃんと向き合えればな」
 「でも…」「相手が大きすぎるかあ?」「ん」「そう思った時点でお前の負けだ。すでに気持ちが逃げている」
 「でも、どうすれば…」
 「どうもこうもないさ。お前の将棋を指すしかないだろう。自分の将棋を信じてぶつかれば良い。
それがちゃんと向き合うという事だ」
 はなさん、まいりました。
 飛車角落ちでもかなわないはなさんは成基に、成基と言う名前は「make base」、マクベス、
シェークスピアから来ている事を教える(マクベスは不吉だろう。もっと験の良い名前は考え付かなかったのか)。 成基の親父が夢みる劇団員だった頃は良く飯を食わしてやったそうだ。今じゃ堅物の警察官だが。
 「いろんな意味で、目に見えるものが全てじゃないのさ」

 観覧車から降りたカップル、女性(須加みき)が男(飯田征利)を平手うち。「一寸先は闇」
 マイクを向けられる須河原。
 彼女はそのマイクを取り、横浜の電子機器のトラブル多発と、
子供達の間でささやかれる多くの都市伝説を語り、
「今日のこの出来事も、けっしてそれらと無関係ではないと考えるのは私だけでしょうか」と語って、マイクを返す。

 はなさんから今日が成基のリーグ戦である事を聞き、動揺する理絵子。
 昨日、希紗の事で責める様な事を言って、成基が気にしてるんじゃないかと思ったのだ。
 手が震え、泣き声になり、とうとう口を押さえる。
 はなさんはバイトは良いから、行っといでと言い、理絵子は将棋会館に急ぐ。
 理絵子が会館の前に着くと、成基が出てくる。負けたんだそうだ。
 「ゴメン、ごめんなさい。大事な勝負の前の日に、変な事言って、嫌な思いさせて、私のせいで…」
 「見くびるなよ」「えっ」
 「誰かの言葉に思い悩もうが、心を乱されようが、勝とうが、負けようが、結局は自分だ。
俺が負けたのは、お前のせいじゃない」
 成基、振り向いて「昨日まで俺は、これがプロになれる最初で最期のチャンスかもしれない、
百年に一回のチャンスが最初に来ただけかもしれない、そんな風に思ってた。プロになるのが目的だったから。
でも、違った」
 「わかんない」
 「俺はあいつと、今日俺を負かしたあいつと、もっと将棋を指したい。あいつとしっかり向き合っていたい。
プロになるのはそのための手段だと、今日わかった」
 「全然わかんないよ」「うん、りえぞうにはわかんないかもしれないし、わかんなくてもいい事だ」
 成基歩いていき、理絵子目を大きく見開く。「帰るぞ」「いい、先、帰って…」涙を流す理絵子。
(成基は理絵子とのプチ争いなんかどうとも思っていない。別の事を見ている。理絵子の思いは一方通行。
成基は理絵子の言葉をちゃんと返さず、別の次元で話している。
成基の思いはかっこいいんだが、理絵子のとの会話は成り立っていず、理絵子は涙を流すしかない。悲しいね)

 夕方、希紗、一年後の私にメール
(私は別にこの事、変とは思わないんだが、変と思っている人がわりといる。
未来の自分を想定しているのは良い事じゃないかな。
ちなみに私は変と言う言葉を悪い意味で使うとは限らない。偉人ってどこか変よね。
変ってユニークという英語に通じるよね。独特って事)。
 「元気ですか。もうすぐ17歳の誕生日だよ。昨日、成基に言おうとしたけど言いそびれた。
きっと覚えてないんだろうなあ。でも、今年は一人ぼっちじゃない。ブンちゃんがお祝いしてくれるから。
一人だけど独りじゃない」
 ブンちゃんに「帰っろかあ」と言う希紗。答えるように音を出すブンちゃん。

感想:微妙で良いよね、これ。理絵子の動揺の描写が良い。希紗、主役のはずだが、存在感が薄いぞ。
 須河原、良いよなあ。女が夢を追うのは男より大変だ。プチ家出についてのはなさんの意見は目からうろこか。 援助交際もそうだけど、言葉って影響が大きいね。
 「わかんないかもしれないし、わかんなくてもいい」と言うセリフは私も言いそうです…。
 すいません、忍耐と辛抱と思いやりが大事ですね。でも「自己満足」発言はさすがにしないな。
 偽善だろうが何だろうが、関わろうとするだけましかと。
 しかし希紗が変わろうと努力する姿はきっと痛々しく、無理があると思うから…、
希紗だけ努力したって、周りが冷たければ、きっと折れちゃうと思うから…。
 そのまま受け入れてくれれば、明るくなると思うのに…。

絶対少年
絶対少年
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.23
浜崎 達也〔著〕
メディアワークス (2005.8)
通常2-3日以内に発送します。

関連サイト
Green Onion
JUNK KOLLEKTER pt.1
JUNK KOLLEKTER pt.2
JUNK KOLLEKTER 函南町丹那 pt.1
JUNK KOLLEKTER 函南町丹那 pt.2
ルナティック・ムーン
白猫宮


|

« 輝夜姫 13~15 | トップページ | 無人街 他 »

絶対少年(26)」カテゴリの記事

コメント

とこと圏外などかけられず
だしなどを演出されたはず。


投稿: BlogPetのちっちゃん | 2005.09.24 14:00

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/45625/6082633

この記事へのトラックバック一覧です: それは関与できない問題:

» 『絶対少年』第17話 -その4- [白猫宮]
(第17話 その1 その2 その3)  これで最後! ですが、これまでで最長です……(ほとんど引用だけど)。  もしもトラックバックされるかたがおられましたら、こちらにお願いします。「明日は三段リーグだろう。いいのかい夜更かしして」 「このまま帰っても眠れませんから」 「9戦目だったかねぇ」 「2敗同士の戦いになります。ここでの勝敗はおおきい。しかも相手は将来の名人ともてはやされる天才です。この2年、奨励会で俺は一度も勝ててない」 「それはよかった」 「え」 「おまえを育てる... [続きを読む]

受信: 2005.09.24 04:27

» 絶対少年 感想 [RKのほんわか雑談所]
本日はノベライズ版「絶対少年」のレビューを。 絶対少年―妖精たちの夏~田菜 なんというか、いつものようにライトノベルと文芸のとこをあるいているときに発見。アニメのほうはなかなかおもしろいと聞いていたので、読んでみようかとおもった。 というか、BS2でしたっけ...... [続きを読む]

受信: 2005.09.25 19:50

« 輝夜姫 13~15 | トップページ | 無人街 他 »