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拳割り

「拳割り」秘太刀 馬の骨 第三回 ☆☆☆☆☆
原作:藤沢周平 脚本:山本むつみ 音楽・演奏:近藤等則 演出:山下白

 石橋銀次郎(内野聖陽)が内藤半左衛門(本田博太郎)との試合を決めてきた。
 彼は近習頭取浅沼半十郎(段田安則)に介添え役を頼む。どうやって試合を承知させたのか。
 内藤半左衛門は跡取りが余命幾ばくも無いと知った時、跡継ぎを残すため、
舅と嫁民乃(小松みゆき)は契りを結んだ。
 おそらくはただひと時だけ。それゆえ嫁女は今も思い人に尽くすように舅に寄り添うて生きている。
 銀次郎は内藤家の昔の奉公人を探し当て、かまをかけた。
 奉公人は身持ちが悪く、閑を出されたのだが、舅と嫁の不義密通を見たと言う。嘘だ。
 奉公人は金になると思い、おそらく内藤をゆすり、バッサリやられた。銀次郎はそれをネタに脅したのだ。
 内藤は試合を承知。しかし不義密通は無かったと言う。内藤の出した条件が浅沼の介添え役。
 いかがわしい企みの片棒なんぞ担ぐ気になれんと浅沼は断るが、銀次郎、頭を下げて平に頼む。

 竹林を背景にした試合。殺意満々でかかってくる内藤に防戦一方の銀次郎。
 かかっていってもかわされ、逆に足を踏まれて木刀をバンバン打ってくる。
 何とか木刀で防戦、額をこすられる(とっても痛そうな銀次郎)。何とか離れる。
 銀次郎、嬉しそうな顔で、かかって行く。やはり倒され、何とか竹の後ろに逃げるが、竹を折る内藤。
 びっくりまなこの銀次郎、竹の後ろから木刀を出す。
 らちが開かないので、銀次郎に背を向けて、竹林から離れる内藤。
 銀次郎が竹林から出てきた気配を感じ、一転して攻めに移る内藤。
 木刀で受ける銀次郎の腹を蹴って離し、攻める内藤。
 又、銀次郎が木刀で受けるが、内藤は一歩近づき、木刀の下のほうを銀次郎に当てる。又転がる銀次郎。
 銀次郎、後ろに下がり、木刀を水平に持ち、そのまま駆け、ジャンプして打ち込む。
 内藤、それを受け、何度か打ち合った後、とうとう銀次郎の受けを押し切り、打つ。
 浅沼が「それまで!勝負あった!」と中に入る。
 結局銀次郎の読みでは、内藤は秘太刀の使い手では無かった。
 「ご老人、お主を殺す気構えで打ち込んでいたな。ご家老の甥と知りながら、そうまでして家名を守るか」
 「いや、家名ではあるまい。あの御老人が守ろうとしたのは。幸せだな、あの母と子は」

 いつものように銀次郎の傷の手当てをする多喜(麻里也)。
 彼女は銀次郎の事を心配し、
「このような事をお続けになっては、お命が危のうございます。もう止め下さいまし」と言う。
 しかし銀次郎にはどうしても確かめたい事があり、やらなければならないのだった。
 多喜は小出帯刀(近藤正臣)の子を身ごもる。

 一ヵ月後。今度銀次郎が立ち会おうとしているのは兵具方の長坂権平(尾美としのり)。
 嫁は家を出ていて、これで三度目である。
 彼は三年前の御前試合で、明らかに力の劣る相手に負け、殿の御勘気を被って家禄を半減され、
兵具方に役替えとなった。
 彼は小手打ち名人と呼ばれた男だったが、技を出さずに負けた。
 半十郎の妻、杉江(南果歩)と長坂の妻登美(中原果南)とは共に長谷道場の弟子だった。
 小太刀の道場である。登美は権平は御前試合で気後れして負けたのだと言っていた。

 銀次郎と半十郎は、登美の兄、三宅重兵衛(清水明彦)を訪ねる。
 そして銀次郎は試合を受けてくれれば、長坂の禄が旧に復するよう、伯父に願い出ようと思うと言う。
 そこで聞きたいのは登美は権平の禄が戻れば、家に帰る気があるかどうかだった。
 しかし登美は権平の性根が変わらぬ限り、長坂の家には帰らぬと言っていた。登美は身ごもっていた。
 長坂はその事を知らない。登美は美しく、銀次郎は目を見張る。
 三宅家からの帰り、半十郎は小出帯刀の悪い噂を聞いたと銀次郎に言う。
 その噂を銀次郎に話そうとすると、途中で銀次郎は「言うな!」と話を止める。
 銀次郎は伯父に禄高の事を願い出、反応が悪いと、良からぬ噂の事を出す。
 帯刀は長坂の家禄の件を承知する。

 権平は家禄の事と妻女の事を言われ、試合を承知する。
 小川(土色だが)がある枯れた木が立っている空き地。銀次郎と権平の勝負。
 順調に打ち合い、銀次郎が下を払い、権平がよけるが、その時権平の顔色が変化し、銀次郎もそれを感じる。  権平に気後れが現れ、彼は小川の向こうに行き、お互い小川を挟んで駆ける。
 銀次郎は小川を渡り、「来い!」と叫ぶが、権平はただひたすら避け、結局「参ったー!」と頭を地につける。
 帰ろうとする彼に銀次郎は登美が「権平殿が試合の申し出を受け、あなた様と男らしゅう戦ったと聞けば、
すぐにも家に帰ります。
なれど、…もしも又…臆病風に吹かれ…卑怯な試合振りであったなら、たとえ禄が戻ろうとも、
長坂の家へは帰りませぬ」と言っていた事を話す。
 そして彼女が身ごもっている事を話す。
権平は試合を続ける。
 気迫が違う打ち合い、権平は銀次郎の木刀を持つ手を打ち、銀次郎は顔をしかめ、
手を持ちながら痛みで転げまわる。
 三日後、登美と会う銀次郎と半十郎。
 こぶしを砕かれ、指が動かなくなるのではないかと医者が案じているという。拳割りという技。
 あまりの荒業ゆえ、道場では長く禁じ手とされているとか。
 登美は権平が立派に戦ったと聞き、涙ぐみ、お腹をさすって、
「男らしゅう、強いもののふですよ、お前の父上」と言う。
 で、銀次郎の読みでは権平も馬の骨の使い手ではない。

感想:やはり内野聖陽さんは素敵です。私はコメディ演技もシリアスな演技も出きる役者が好きです。
 今回の銀次郎は南原教授系ですね。教授より性格は良さそうですが。
 蝉時雨の彼も好きでしたが、この手もOKです。前回から書きたかったですが、筋をろくに覚えてなかったので。 前回の頭突き攻撃最高でした。大笑いしました。
 本当の戦いでは、侍らしくなくても、勝ちゃあ良いんですし、
この試合は相手の技を引き出すのが目的ですものね。
 小出帯刀がボス敵でしょうか。
 でもそうしたら、彼は銀次郎の伯父ですし、多喜は彼の子を産みますし、困りましたね。
 毎回笑える立会いが楽しみです。

秘太刀馬の骨
秘太刀馬の骨
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9.12
藤沢/周平??著
文芸春秋 (1995.11)
通常24時間以内に発送します。

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コメント

papiたちが、三宅で余命幾ばくを変化しなかった?


投稿: BlogPetのpapi | 2005.09.13 11:50

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