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五匹の子豚

「五匹の子豚 Five Little Pigs」名探偵ポワロ Agatha Christie’s Poirot 2003年 イギリス ☆☆☆☆
原作:アガサ・クリスティー(Agatha Christie) 脚本:ケビン・エリオット(Kevin Elyot) 演出:ポール・アンウィン(Paul Unwin) 撮影:マーティン・フューラー(Martin Fuhrer) 音楽:クリストファー・ガニング(Christopher Gunning) 制作:マーガレット・ミッチェル(Margaret Mitchell)

犯人、書いてます。

 レコードから音楽が流れる。
 暗い中、
ルーシー・クレイルに手紙を書くキャロライン(レイチェル・スターリング Rachael Stirling 声:萩尾みどり)。
 光溢れる中、現れる幼いルーシー(Melissa Suffield)。
 パパのアミアス(エイダン・ギレン Aidan Gillen 声:松橋登)とママのキャロライン。幸せそうな三人。
 キャロラインは絞首刑になる。

 14年後。
 サンテと言いながらお酒(?)を飲むポワロ(デビッド・スーシェ David Suchet)とルマルション(エイミー・マリンズ Aimee Mulins 声:小林さやか)。
 ルマルションの本名はルーシー・クレイル、父親は画家のアミアス・クレイル、母はキャロライン・クレイル。
 14年前、彼女は7歳で、デボン州のオルタベリーで暮らしていた。
 両親は深く愛し合っていて、牧歌的な暮らしだった。ある日突然、彼女はカナダの親戚の下に送られた。
 21歳になって事実を知らされた。遺産を相続し、一通の手紙をもらった。母からの手紙だった。
 その時初めて母が父を殺し、処刑された事を知った。母は手紙で自分はやっていないと書いていた。
 それを証明して欲しいというのが彼女の願いだ。

 ポワロは14年前の事件を調べ始める。アミアスはキャロラインに毒殺された。それが新聞が報道した事。
 キャロラインの弁護士、ディプリーチ(パトリック・マラハイド Patrick Malahide)の話を聞くポワロ。
 弁護士は自殺を主張したが、アミアスは自殺をするタイプでは無かった。
 酒に女、それも次から次と、それがアミアス。キャロラインには動機があった。
 18歳になったばかりの大変な美人、
エルサ・グリア(ジュリー・コックス Julie Cox 声:深見梨加)がアミアスを自分の物にしようと決めて、
肖像を依頼し、彼はその術中に落ちた。
 キャロラインが夫に彼女と別れなければ殺すと言っているのを聞かれている。
 彼女は薬草に凝っている隣人から毒薬のコニーニ(?)を盗み出し、香水瓶に隠した。
 警察に見つけられ、自殺するためと言った。
 だが中身が無くなった理由は説明できず、瓶には彼女の指紋しか無かった。
 毒薬はスポイトを使ってビールにまぜた。自分でビールを持っていった。
 つぶれたスポイトは現場付近で見つかっている。コニーニはグラスに入れた。
 ディプリーチは5人の関係者をポアロに教える。
 フィリップ・ブレイク(トビー・スティーブンス Toby Stephens 声:山路和弘)、
株式仲買人でアミアスの親友の一人。
 その兄のメレディス(マーク・ウォーレン Marc Warren 声:牛山茂)、
犯行のあった入り江の反対側に住んでいる。
 エルサ・グリア、現在はレディ・ディティション、この所もっぱらゴシップ欄と離婚裁判の常連。
 家庭教師のミス・ウィリアムズ(ジェマ・ジョーンズ Gemma Jones 声:八木昌子)、有能ではあるが、
面白みの無い人物。
 それからキャロラインの父の違う妹アンジェラ
(タルラ・ライリー Talulah Riley こうまんとへんけんでメアリイ・ベネットをやるそうです)。
 キャロラインはかっとなりやすい性格だったが、魅力的な人で、
自然に賞賛したくなるような身についた気品があった。

 フィリップとタリホーと言いながら乾杯するポワロ。
 十代の時キャロラインは文鎮を投げつけて妹の右の目をつぶしてしまった。理由は焼きもち。
 アミアスはオルタベリーの相続人で絵の才能があった。
 フィリップとメレディスとアミアスとキャロラインは幼馴染。9月だった。
 夫婦喧嘩はいつもの事だったが、今回は違った。エルサのせいだ。
 お茶を飲んでいたらエルサが突然、私が住む時はガラクタは捨てると言う。
 キャロラインがここを買う気なのかと聞くと、そんな必要は無いと言う。
 アミアスと私は愛し合っていて結婚するのと。
 メレディスは薬草を集めていて、ドクニンジンから抽出したコニーネについて説明する。
 フィリップは図書室でアミアスとキャロラインがやりあってるのを聞く。図書室の窓の外にはエルサがいた。
 キャロラインが「残酷よ。残酷すぎるわ」と言いながら、フィリップには目もくれず通り過ぎる。
 メレディスがコニーネが無くなったと言ってくる。キャロラインがアミアスにビールを持っていく。
 メレディスがアミアスが死んでるようだと言ってくる。
 エルサは「殺したのね。あなたが殺したのね」とキャロラインに掴みかかる。
 フィリップもキャロラインに「僕の親友を殺したんだな」と言う。

 エルサに会うポワロ。つらい体験では無かったとエルサ。欲しい物を手に入れたと。
 それはキャロライン・クレイルを死刑にする事。彼女とアミアスは愛しあった。彼にビールを注いでやった。
 アミアスはまるで命がかかってるみたいに彼女の肖像画を描いた。愛していた、心から。
 キャロラインがビールを持ってきた。
 アミアスはお昼は抜きにして、彼女だけメレディスに呼ばれて昼食のために帰った。

 メレディス。メレディスはずっとキャロラインを思ってた。
 キャロラインはアンジェラの右目をつぶした事をつぐなおうと、とても大事にした、アミアスが焼きもちを焼くほど。 フィリップの方がアミアスと親しかった。アミアスの振る舞いは恥ずべきものだった。
 コニーネはソクラテスが飲んだ毒。段々と下から麻痺していって、それが心臓に達すると死ぬ。
 アミアスのモデルになっているエルサ。生き生きとして生命力に溢れ、まぶしいばかりに輝いていた。
 昼食のため駆け寄ってくるエルサ。アミアスは無言の厳しい顔でメレディスの方を振り向く。
 彼が仕事中に厳しい顔をするのはしょっちゅうだった。メレディスの所にミス・ウィリアムズがかけてくる。
 アミアスが死んでるみたいだと。

 ミス・ウィリアムズ。
 キャロラインはアンジェラを甘やかし、アミアスはアンジェラに嫉妬し、
あげくアンジェラはとんでもないいたずらを。
 アンジェラの学校の事で言い争いをする三人。学校に行きたくないとアンジェラ。
 「あんたなんか死ねばいい」と叫んで、大理石のボール(たぶん…)をアミアスに投げつけるアンジェラ。
 ミス・ウィリアムズとキャロラインはビールを出そうと冷蔵庫代わりの地下室に行く。
 そこにアンジェラがいて、悪い所を見つかったと言った感じ。
 キャロラインはクレイル氏にコーヒーを持って行き、
ミス・ウィリアムズはアンジェラのジャージを探しにビーチに行き、キャロラインの動揺した声を聞く。
 メレディスに出会った後、彼女は戻った。
 キャロラインはビールの中身を捨て、瓶を拭き、その瓶をアミアスに持たせていた。

 アンジェラ(ソフィー・ウィンクルマン Sophie Winkleman 声:佐々木優子)。
 一度だけの怒りが姉を生涯苦しめ、その後は何事にも慎重になった。
 姉にエルサとアミアスの結婚は本当なのかと聞く。「私が死んでからね」とキャロライン。
 アンジェラはドイツの学校に送られる。姉は処刑される直前、アンジェラに手紙を出した。
 「可愛いアンジェラ。心配しないで。何もかも大丈夫よ。私は嘘を言った事無いでしょ。そして私は今幸せです。
これまで感じた事が無いほど安らかな気持ちです」
 姉がフィリップの寝室から出てくるのを見た。

 全ての人間が集められる。ポワロはエルサにメレディスが裁判の後、あなたに感心を示したかと聞く。
 その通りだった。フィリップにキャロラインが夜、彼の部屋から出てきた事を聞く。
 キャロラインはフィリップの部屋で
「あの人、私を捨てる気だわ。私はあの人無しには生きられないのに」と嘆いたのだ。
 しかし彼は彼女を冷たくあしらった。アミアスは私の全てだったと泣くフィリップ。
 兄やキャロラインはその事を知っていた。

 ポワロがおかしく思った事。エルサの事で口論した後、アンジェラの事で口論していた事。
 アミアスは自分がアンジェラの荷造りをするとまで言っていた。重要な事の後に、こんなささいな事で。
 荷造りはキャロラインや家庭教師でも良かったのに。
 そしてやはり重大な口論の後、キャロラインはビールをアミアスに持って行っている。
 今日は何を飲んでもまずいと言ったアミアス。夫人は瓶に夫の指紋を押し付けた。
 実際はグラスに毒は入っていたのに。夫人は犯人をアンジェラと思ったのだ。
 アンジェラへの手紙を読むポワロ。
 「…過去を振り返ったり、悲しんだりしないで。自分の道を進んで成功してね。何もかもこれで良いの。
ホントにこれで良いの。私はアミアスの所に行けて幸せよ。あなたも幸せになってね。
つぐないをするのは当然です。あなたの愛する姉キャロライン」
 アンジェラはメレディスの所から猫の好物バレリアを盗み、アミアスの飲み物に入れようとしただけだった。
 真犯人はエルサ。彼女は彼を愛し、彼もそうだと思っていた。
 アミアスは絵を描き終わるまで、彼女と別れるわけにはいかなかった。
 キャロラインが深刻に受け止めている事に気づき、彼は自分にとって大事なのはキャロラインの方だと訴える。
 そしてその会話をエルサは聞いてしまう。
 「残酷よ。残酷すぎるわ」と言う言葉はエルサに同情したキャロラインの言葉。
 エルサはキャロラインが毒薬を盗んだのを見ていた。ビールのグラスに毒薬を入れた。
 アンジェラの事で口論しているとブレイク兄弟が思ったキャロラインとアミアスの口論は、実はエルサの事。
 エルサの荷造りの事を話していたのだ。アミアスがゆっくり振り向いた時、すでに全身が麻痺していた。
 ポワロは必要な人にこの事を知らせると言う。しかし証拠は充分ではない。エルサはアミアスを愛してた。
 しかしアミアスは彼女をだましていて、キャロラインはエルサを哀れんだ。
 「わたし、彼が死ぬのを見ていたわ。すごく高揚した気分だった。
でも自分自身を殺してる事に気づかなかったの。死んだのはあの二人じゃなくて、私なの…。
私は死んだの、ポワロさん」
 立ち去ろうとするエルサに銃口を向けるルーシー。構わないから、撃ちなさいとエルサ。
 殺したら、彼女の勝ちです、そうしたらあなたが死にますとポワロ。ルーシーは銃口を下ろす。
 脳裏に甦るのは幸せだった幼いルーシーとパパとママの姿。

感想:エルサは自分は死んだと言っているけれど、それでも生きているんだから、笑う事もあったろう。
 アミアスとキャロラインは冷たい骸になっている。ミステリーって基本的に誰かが死ぬ所が嫌ね。
 ユングの本に、ホントかどうか知らないけれど、友達の夫に恋をして、友達を毒殺し、
願いどおりにその男と結婚した話が載っていた。
 記憶が確かで無いんだけれど、夫は若くして死に、確か娘が生まれたと思ったけれど、娘も離れ、
飼っている犬だか馬だかも彼女と仲良くせず、ドンドン孤独になっていって、
こんなに孤独になっていくのは人殺しをしたせいに違いないとユングにご相談という話だった(そうだったけ?)。
 でも人殺しが皆、そんなふうに空虚になるとは限らないわよね。
 アガサ・クリスティの話にも、金持ちの一人暮らしの親戚を殺した話があったけど、その殺人者は貧乏で、
家族を抱えていて、殺した事に一片の罪の意識も無いだろうと言うものがあった。
 連続殺人犯は空虚だろうと思うけど、家族のためとか言うのはわからない。
 でも人を殺す事は自分も殺す事だとは思う、基本的にだけれど。
 今回のへっぽこ推理。
 アミアスが死んでいるのを見てすぐにあなたが殺したのねと言ったからまずエルサを疑いました。
 毒殺死体を見てすぐに殺人とはなかなか思わないというのが理由。
 でもキャロラインはあなたを殺すとか口走っているし、動機はあるしで、変ではないかも…。
 次にアンジェラを疑いました。
 子供はとんでもない事をするし、アミアスとはうまくいってないみたいだし、
キャロラインはアンジェラなら庇うだろうから。
 ある意味あってましたが、結局エルサでしたね…。証拠を吟味しての論理的な推理は出来ません…。
他の方々のブログを読んでの感想
最後の銃口を向けるシーンは無いのね。ルーシーは結婚に当たって不安になってポワロに依頼した。
フィリップはゲイでは無い。フィリップ役の方ってマギー・スミスの息子!

五匹の子豚
五匹の子豚
posted with 簡単リンクくん at 2005. 9. 1
アガサ・クリスティー著 / 桑原 千恵子訳
早川書房 (2003.12)
通常2??3日以内に発送します。

関連サイト
医薬品情報21
Agatha Christie’s Blog
ミステリ通信「みすみす」blog
永遠のセルマ・リッター
南デボンとトーキーの登場するアガサ・クリスティの小説
漫々的ミーハー日記
名探偵ポワロ同盟BBS

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コメント

父親とかを荷造りするよ♪


投稿: BlogPetのちっちゃん | 2005.09.03 13:17

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