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空色勾玉

「空色勾玉」荻原規子 ☆☆☆☆

詳しすぎる荒筋です。ネタ中心に書いているようなものです。注意!
  
 夢の中では狭也はいつも六つだった。村は燃えていた一人沼地に逃れていた。
 五体の鬼達が少女を求めていた。気が付くと屋内にいて、髪の長い巫女がいた。

 狭也は今十五。餓死寸前で山を彷徨っているところを今の両親に救われた。
 次の満月の夜には嬥歌(かがい)がある。
 川に飾り紐を落とし追いかけていたら、見知らぬ少年が拾ってくれた。その少年の名は鳥彦。
 老婆と三人の男達と一緒だった。彼らは楽人だった。友人の一人が彼らの事を土ぐもみたいと言う。
 土ぐもとは輝(かぐ)の御子に服従しない辺境の人々。狭也は夢を思い出し不安になる。

 老婆は岩姫、眼帯の男は開都王(あきつのおおきみ)、大男は伊吹王、
もう一人の男は科戸王(しなどのおおきみ)と言った。
 彼らは水の乙女の継承者の狭也を捜していたのだ。
 右手の赤いあざは生まれた時に玉を握り締めていた証拠だった。
 かつて男神と女神が協力して国を作ったが、女神は火の神を産んだ事によって死んでしまった。
 男神は女神を取り戻しに死の国へ行ったが、女神の変わり果てた姿を見て逃げ帰った。
 男神の御子、
照日の王(てるひのおおきみ)と月代王(つきしろのおおきみ)は男神が女神とともに生んだ八百万の神々を一掃しようとしている。
 狭也の両親を殺したのは照日王の手勢だった。 しかし狭也の村は輝の御子の村。
 輝の御子と戦うのはいやだったので、彼女は誘いを断る。老婆達は勾玉を渡して去る。
 一人泣いていたら、月代王に出会う。月代王は彼女が水の乙女である事を見抜き、彼女を自分の采女にする。 しかし憧れの月代王は照日王との結びつきが強く、誰もその中には入れない事を狭也は悟る。
 そんな時、彼女付きの童(わらわ)として鳥彦が来る。
 鳥彦は大蛇(おろち)の剣(つるぎ)を取り戻そうとしていた。男神が火の神を切り捨てた剣。
 火の神の呪いがまといつき、もしかしたら男神こと大御神でさえ倒すかもしれない唯一の剣。
 二人で夜の池を泳いだら、鯉が口をきいた。

 年に二度の大祓い。ここで働くものは異常に若い見た目を保つ。祓いによってらしい。
 祓った穢れは形代(かたしろ)に移して鉄籠にこめ、炎で清めて川へ流す。鳥彦がその形代に選ばれる。
 狭也は鳥彦を捜して神殿に入る。そこにいたのは夢の巫女だった。
 その少女のような少年、稚羽矢は輝の大御神の第三子だった。鯉は彼だった。
 彼はそのような形でしか、ここを出た事はなかった。形代は西門。
 狭也は稚羽矢に動物に憑依する方法を教えてもらい、ねずみとなって鳥彦の所に行く。
 鳥彦に大蛇の剣を使えばなんとかなると教わり、それは神殿にあると言うので、
狭也は大蛇の剣を持って稚羽矢と共に神殿を出て西門に向かう。
 狭也が憤ると剣が反応し、火柱が立った。そして大蛇が空を舞った。
 鳥彦は結局死んでしまったが、狭也のためにカラスになって戻って来る。狭也と稚羽矢は岩姫達の元に行く。

 水の乙女は大蛇の剣を鎮め、その邪悪を眠らせる事が出来た。
 しかし逆に剣を振るい、操る事で手中に収めることが出来るものが一人だけいることが伝えられていた。
 風の若子(わかご)、稚羽矢の事だった。
 二人は戦に赴くが、神を閉じ込めた鏡を割ったら、怪物が二人を襲った。怪物は解放された神。
 稚羽矢が輝(かぐ)の一族だから襲ったのだ。稚羽矢は国つ神を大蛇の剣により完璧に葬り去る。

 ある時稚羽矢の心の臓が射抜かれる。しかし彼は輝の一族なので、不死だった。傷が消えるのだ。
 それを変若(おち)と言った。そこに国つ神が襲ってくる。
 稚羽矢の愛馬、明星(あかぼし)と狭也のお付の者、奈津女(なつめ)の夫、柾(まさき)が亡くなる。
 そして大蛇は稚羽矢に宿る。稚羽矢が輝の御子である事は隠していたが皆にばれ、彼は檻に入れられる。
 泥にまみれた5つ6つ位の女の子が現れる。綺麗にしようとしても抵抗して自ら顔に土をなすりつけた。
 狭也は昔の自分を見るようで、その子に小鹿という名前を与え、側に置く。
 少女は兵士達に輝の御子も刻んで食べてしまえば死んでしまうと話す。食べた人に不死が宿ると。
 奈津女は小鹿に禍々しさを感じ、その事を狭也に訴えるが、彼女は取り合わない。
 小鹿が奈津女を脅してきて、奈津女は兵に訴えるが、兵達も取り合わない。彼女は稚羽矢に訴える。
 しかし小鹿が彼女を大蛇の剣で後ろから胎児もろとも刺し殺す。
 小鹿は照日の王で、二人分の命で清めをし、元の姿に戻る。奈津女を殺したのは稚羽矢だと誤解される。
 人々は八つ裂きしろと騒ぎ、狭也も彼が奈津女を殺したのかと疑う。
 稚羽矢は大蛇になり、伊吹の王が鎮めるが、稚羽矢はいなくなる。伊吹の王は死んでしまう。
 岩姫が小鹿は照日王だろうと言う。狭也も剣を持ち出せたのは小鹿だけだと気づく。
 狭也は鳥彦と共に稚羽矢を探す。稚羽矢を見つけることは出来たが、狭也は月代王に攫われてしまう。
 狭也は大祓いの形代に選ばれる。
 照日の占(うら)によると稚羽矢と狭也は輝の大御神を地上にまねく鍵だった。
 そして月代によると父神はこの地を混沌に戻して女神を呼び戻すつもりだった。
 囚われの狭也は鳥彦に託して勾玉を稚羽矢に渡す。狭也は照日に殺される。稚羽矢は照日と月代と戦う。
 稚羽矢は照日を追いつめるが殺すのを止める。稚羽矢は勾玉を飲み込み、闇(くら)の道を行き、狭也と出会う。 二人は女神と話す。稚羽矢は父の女神への伝令として生まれたのだった。
 男神が女神を慕っている事が伝えられる。帰れと言う女神に狭也を残しては帰れないと稚羽矢は言う。
 岩姫が変容のための形代になってくれる。輝の大御神が降臨する。
 女神は狭也の声を借りて、輝の大御神に話しかける。
 女神の子、狭也と男神の子稚羽矢が結びつく事は私達がお互い手を取り合ったことも同然ではないかと。
 豊葦原(とよあしはら)を私達のしるしとしてくれと。淋しいと言う男神にすぐれた御子がいらっしゃると女神。
 照日と月代は父神と一緒に天に行き、稚羽矢は豊葦原の人々と同じように年老い、死ぬ事を選ぶ。

感想:女ならではのすごい展開と言うのでしょうか。奈津女を胎児諸共殺しちゃうんですね。
 しかも殺した照日には罰は無いんですね。確かに照日には照日の言い分があるし、戦争ですもんね。
 いや、男でもこういう展開にするかな。わかりません。狭也を殺された稚羽矢でさえ、照日を殺さないんですね。 殺しすぎるのは確かにいやだが。最後に輝の大御神の横に月代しかいないのは可哀想だが。
 許しがすごいと思います。鳥彦は良いですねえ。死ぬ事もさほど怖がらないのは死の世界を信じているからか。 私はカラスが好きなので(頭が良くて、面白いから)、カラスの鳥彦も好きです。
 次から次へとこういう展開をするのかあという感じで、良く考えられているなと思います。

関連サイト
「勾玉三部作」あれこれ
ぽちぶくろ。
時の娘

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