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絶望という名の希望

「絶望という名の希望 AMBIVALENCE」攻殻機動隊 2nd.GIG 第9話 ☆☆☆☆
原作・協力:士郎正宗 監督・シリーズ構成・脚本:神山健治 ストーリーコンセプト:押井守 キャラクター・デザイン:後藤隆幸 、西尾鉄也 オリジナルキャラクターデザイン:下村一 メカニカルデザイン:寺岡賢司・常木志伸 音楽:菅野よう子 演出:吉原正行 脚本:佐藤大、松家雄一郎 作画監督:浅野恭司 絵コンテ:岡村天斎 演出:竹下健一

 何処かのコンピューター室。ハッキングがしかけられる。
 保安課主任(志村知幸)「ポセイドンのデカトンケイルにバックアップを申請しろ」
 コンピューターの画面ではタチコマが密かに動いていた。

 ショッピングモールで爆発。
 バトー(大塚明夫)、トグサ(山寺宏一)、ボーマ(山口太郎)、イシカワ(仲野裕)が来る。
 ネジクギを仕込んだプラスチック爆弾を使っての、自爆である。どうやらこういう事が前にも会ったらしい。
 予告を出しての自爆テロ。予告では後もう一件あった。イシカワの考えでは恐怖が目的の犯行だ。
 バトー「課長。これじゃどうにも追いつけねえ。犯行予告の中に、時間や場所のヒントは見つからねえのかよ」
 荒巻大輔(阪脩)「今の所、
本日中に5件の自爆テロを新浜市内で起こすというメールが県警に送りつけられただけだ。
 先週福岡で起きたタイプと同様なら、間違いなく最後の1件も、ここ新浜で起きるだろう。
 お前達は現場を県警に引き継ぎ、次の犯行をなんとしても食い止めろ」
 「新浜中の義体化した人間を拘束しろとでも?」トグサがこの自爆テロが起こっている現状を嘆く。
 バトーが「そんな事言ってられる程、平和じゃなくなってきたって事さ、この国もな」と言うと、
「確かに。難民問題はいつ火がついてもおかしくない火薬庫だし」とトグサが言う。
 バトー、トグサの言葉により、犯人が難民である可能性に気づき、
課長に自爆した人間の生きていた時の姿をそろえてくれと頼む。
 「こういった事件はな、他人に強要されたり、上からの命令なんかで、
そうそう大規模に起こる様なシロモンじゃねえ。
 自爆テロってやつは、自分が生きていく上で、一切の希望が持てなくなった時にやらかすもんなんだよ」

 どこかの建物に入っていく草薙素子(田中敦子)。彼女の前に警備が次々と解除されていく。
 どうやらエージェント化させたタチコマ(玉川紗己子)の働きらしい。
 距離的なロスをほとんど考える必要がないそうだ。
 一番最初に出てきたコンピューターだらけの部屋、保安室、
そこに素子が入ってきて男(この部屋でただ一人の人間)に直接ジャックする。
 「なんでもかんでもAIまかせだと、ネズミやネコにも出し抜かれるわよ」

 爆破された店舗の最初の2件は個別主義者達が集うサロンとして使用していたビルで、
次の2件は難民措置法を隠れ蓑に実利を上げていた団体の持ち物と判明。
 先程の爆破されたレストランも背景は同様だった。
 荒巻「至急県警に連絡。
個別主義者の集う集会所、ならびに、難民措置法で資金調達を行っている暴力団関係の事務所、
店舗などに警官を巡回させろ。
 難民キャンプ出身者と思われる20歳前後の人物を見つけたら、男女を問わず職質。
 義体化率の高いものほど注意してかかれとな」

 トグサ「恐怖の大きさが目的なら、爆破予告すら出さずに決行したほうがより効果的だと思うんだけど。
やつらは何で最初に予告を出して来るんだと思う?」
 バトー「さぁな。誰かに知っといてもらいたいんじゃねえのか。自分のとった最後の行動を」

 素子「予想通りか。
合田の経歴からポセイドンとのパイプが太いことも確認していたが、ここまでマニュアル化されているとはな。
罠か、あるいは…」
 ネットに没入する素子。

 デカトンケイル、大量のデータを元に仮想人格を構築しシュミレーションしている。
 素子、そこにクロマファイルを使って現れる。男が一人座っている。「お前は誰だ」
 合田一人(西田健)「私は合田一人。
かつては大日本技研で放射能粉塵除去、分子工学ロボットプロジェクトにも従事していた」
 「(放射能粉塵除去?日本の奇跡のことだな)技術者としてか?」
 「とんでもない。私の脳は言語機能に特化している。
 二度にわたる大戦後、私のプロデュースした放射能除去技術を用いて、
この国は再び経済大国にのし上がった。
私もその時に、人としての最上部構造へ行くはずだった。
しかしこの国が国際社会の中でたいした地位を獲得できなかったように、
私もシステムの中で大きな位置を占めることが出来なかった」
 「社会は口だけの人間に具体的な評価を与えてくれなかったって事かしら?」
 「私は、ずいぶん以前から今の社会システムには、致命的な構造的欠陥があることを発見していた」
 「それは?」
 「本来変質しないはずの情報の変質と、個性という名の幻想的オリジナリティが、
今の社会システム内において、いとも簡単に並列化を起こしてしまうという事だ。
 それを私は、“消費という名のクリエイト行為”と名づけている」
 「ネットに引きこもった個がたどり着きそうな結論だな」
 「スタンド・アローン・コンプレックス。幸い私には孤独に対する強固なまでの耐性があった。
しかしだ、私が社会に及ぼした功績を、システムが真っ当に評価しなかった理由を、
私が生まれもって持ち合わせた資質がそうさせていたのだと気づくのに、随分時間がかかったよ」
 「つまり、自分に劣等感があった」
 「いや、存在そのものに問題があったのだ。社会にはシステム自身が望む人格というものが確実に存在する。  人はそれを渇望する。なのに、そのことに対しては悪戯なまでに無自覚だ」
 「今の自分には満足を?」
 「予想以上にね。
物理的身体とは逆説的にその存在が確認されているゴーストが、
実は体の変化に応じて変容するという事実を知っているか」
 「さぁ。かつて革命に自身の存在意義を見出した思想家が、それを実践して見せたことがあったみたいだけど」  「パトリック・シルベストルか。私も彼の思想に傾倒したことがある。
英雄に憧れ、カリスマを得たいと本気で望んだ。私は人の上に立つはずの人間だ。
その思いは、物心がついた頃から私の中にあった。結果、体がそれを邪魔したわけだが、運命は私に味方した。死線をさ迷う事故に遭遇し、私の体は変貌を遂げ、期せずしてゴーストも変化した。
革命と遭遇する事で先の思想家がそうしたように私も使命を得たのだ。
国家というシステムを私が再構築するという使命をね」
 「国家改造論者?それとも誇大妄想狂?」
 「今この国が求めているものは、第三者を消費することでのみ成立する桃源郷の再現だ。
かつて、この国は偶然にもそれを体現した歴史がある。動機なき者たちは今もそれを無自覚に欲している。
私は彼らにそれを与えてやるだけだ」
 「それで自分が英雄になると?」
 「ふっふっふ。今の私にその願望はない。私の役目はその英雄をプロデュースする事。
動機なき者達が切望し、しかし、声を大にして言えないことを代弁し実行してくれる行動者を作り出す事だ」
 「消費の果ての桃源郷とは冷戦構造下の日本の事か。
…では、お前がプロデュースするという英雄とは誰だ?…個別の十一人か?」

 合田本人達が部屋に入って来、「ああ!まずい!!」とコンピューターの画面から逃げ出すタチコマ。
 そこにいた保安部員がフリーズされている事が見つかってしまう。「予想より遅かったな」と合田。

 デカトンケイル内。タチコマがバレた事を報告してくる。
 「わかった。では、お前のいう英雄の敵は難民か?彼らを仮想敵とすることで国民の思想を誘導する。
違うか?!」
 「思想誘導は必要だろう。そのために法を曲げることもな。結果が手段を正当化する。
これはテロリストにも、民主国家にも通用する理論だ」
 「難民の排除が国民の総意だと?」「奥ゆかしさが我が国民の美徳だ」タチコマ「少佐!」
 「わかってる。最後に一つ、公安9課をどう思っている?」
 「9課。そうだな。…不在による憎しみの連鎖はもう止まらない。
彼らは総意としての国民の意思と自身の正義、その狭間で苦悩するだろう」

 地下鉄駅に来たバトーとトグサ。。所轄が職質したら自爆すると脅しながら地下鉄に逃げ込んだそうだ。
 列車が乗客を乗せたままほぼ駅構内に侵入している。犯人は少女(松浦チエ)だった。怯えている。
 両手を後ろで組むようにと言うトグサ。その通りにする少女。囲んでいた機動隊が少女に接近していく。
 ハッと怯える少女、決意したように顔をゆがめる。バトーが銃を構えながら走って来る。
 「どけ!」との声にどくトグサ。バトーが少女を撃つ。列車に乗っていた乗客達の前で撃たれる少女。
 口の中に信管があった。

 素子、ハッキングを止め、天井の空調扉(?)から逃げる。合田達が来る。天井の扉を見上げる合田。

 荒巻「何とか最後は抑えたか…」バトー「辛うじてな…。だが尾を引くぞ。こいつは難民達からの宣戦布告だ」
 素子「バトーの読み、残念ながら正解よ。
個別の十一人は、おそらく合田のプロデュースしたインディビジュアリスト。その目的は難民の蜂起。
落としどころは、さしずめこの国に彼らの自治区を作り出すってことじゃないかしら。ここまでは完敗ね。
合田が考える憎しみの連鎖は、確かに始まっている」

感想:哲学本を読んでも右から左へスルーする頭の持ち主の私にはさっぱりわかりません。
 自分達と異なるものを排除するという事は良くある事だけど、そういう行為が英雄に繋がるか?
 どちらかと言うと異分子も取り入れてしまうのが英雄だと思うが…。
 自治区って言うとパレスチナを思い出しちゃうけど、
日本人は難民に自分達の土地を半永久的にやっちゃう事を納得するのか?
 パレスチナとは明らかに違う。まあ、この問題は今も世界中でギクシャクしてるね。
 外国人が今自分のいる国を裏切りやすいというのは嘘。外国人が貢献したというのは歴史上実際にある。
 コミュニケーションと理解する努力と寛容さが大事なのかな?難しい。
 確かに私だって感情的には違和感を感じちゃうだろう。
 合田嫌い。
 あの人格シュミレーションはわざと見せた感じだからまだ彼が何を考えているか分からないけれど、
どう見ても人の痛みを何とも思ってない感じ。
 頭デッカチバカって気がする。
 何となく「終戦のローレライ」の浅倉良橘大佐と同じ匂いがするような…。
(じゃあ何でよはんは好きなんだ、自分?あっちの方が質が悪いぞ。もしかして、顔?)
From 攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG 草薙素子 in CG (忍者服 Ver.)
攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG 05
関連サイト
攻殻機動隊PKI-B-Wiki-
FREIHEITSTROM
野良犬の塒
式船です。前段として…
式船です。情報の果たす機能…

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