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第六大陸

「第六大陸」小川一水 ☆☆☆☆

最後まで書いています。注意!

 深海交通艇「リヴァイアサン」は「ドラゴンパレス」を目指していた。
 「ドラゴンパレス」とは南沙諸島多目的海底都市である。
 青峰走也、25歳は、その「ドラゴンパレス」と交通艇を建造した御鳥羽総合建設の社員で、
施設の最後の点検作業のため、「リヴァイアサン」のコックピットにのっている。
 彼は梵鐘のような低い音に気づき、点検しに後ろの方に行く。途中、12,3歳の少女に声をかけられる。
 音の事だった。
 軽くいなして機関室に入ろうとすると、
その少女妙の隣に座っていた老人に少女の話を聞いた方が良いと言われる。
 その少女によると音と一緒に蛇口が震えたそうだ。その事である事に気づく走也。
 しかし対処する前に、水が爆発的に出てしまった。
 しかしその事故は致命的なものではなく、「リヴァイアサン」は無事「ドラゴンパレス」に着く。

 「ドラゴンパレス」。走也は社長の御鳥羽拓道に呼ばれる。そこには先ほどの老人がいた。
 彼、
桃園寺閃之助は遊園地を運営するエデン・レンジャーエンターテイメント社その他の周辺事業を行っている桃園寺グループの会長だった。
 彼は御鳥羽総合建設に月に建物を作って欲しいと言ってくる。

 実はこの考えは妙ちゃんのものだった。
 走也は妙と一緒に中国のロッケトで月にある中国の基地に行き、帰ってくる。
 帰った走也は次に種子島に行かされる。

 天竜ギャラクシートランス社。ロケット製造・打ち上げの会社だ。
 八重波竜一が画期的なアイデアを持った秦信司に出会い、作った会社である。しかし仕事がロクに無かった。
 しかしそこに走也達がやってくる。
 エデン・レンジャーエンターテイメント社特別監査部監査員の保泉(ほずみ)玲花は秦のアイデア、
可変推進方式複合エンジン、トロフィーエンジンが目当てだったのだ。
 玲花は開発費も出すと言う。

 月に建設するものは結婚式場。
 妙の母は死んでいて、その事もあり、妙は父親の輝一郎とはうまくいっていなかった。
 この事業は寂しい妙への祖父からの贈り物だった。

 走也と妙は又月に行く。ロケットには秦も乗っていた。宇宙ゴミ、デブリがぶつかり、秦は死んでしまう。
 非難が集中する。桃園寺会長は解任される。妙の父親はこの事業を快く思っていなかった。
 妙はスペースデブリの除去にのめり込み、ついに倒れてしまう。三日目、彼女が目覚めるとそこは病室。
 世界中からの励ましのカードや花束に覆われていた。

 月のエデンクレーターから電波放射が確認される。 人類の手になるものではなかった。
 その電波を出しているものは電荷摂取性格子、イングーと呼ばれた。
 NASAが大規模加熱実験をしたら、数百の金色の柱が立上がり、巨大な構造物が出来上がる。
 それは地表の物体を推進剤なしで宇宙に送り出す事が出来るものだった。

感想:K・S・ロビンスンの「レッド・マーズ」シリーズの隊員達同士のゴタゴタを取り払った感じ
(「ブルー・マーズ」を私は待っている)。
 日本人はおとなしいから、ゴタゴタは確かに少なかろう。月だし。
 月に建物を作るにはという事を真面目に考え、シュミレーションしましたって感じで好感度大です。
 仕事人達の頑張りがすがすがしい。

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