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ミリオンダラー・ベイビー

「ミリオンダラー・ベイビー Million Dollar Baby」2004 2h13米 ☆☆☆☆☆
共同製作・監督・音楽:クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)共同製作・脚本:ポール・ハギス(Paul Haggis)原作:F.X.トゥール(F.X.Toole)短編集「Rope Burns」より

最後まで書いています。注意!!記憶で書いているので間違いはあるかと思います。

 フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)はボクシング・ジムを経営している。
 彼は血を止めるのがうまいカットマンとして有名で今はビッグ・ウィリー・リトル(マイク・コルター Mike Colter 黒人特有の魅惑のボイス)のトレーナーもやっていた。
 しかしタイトル・マッチをなかなか許してくれないダンの元をウィリーは去っていく。
 その頃ダンの前に現れたのが女性ボクサーのマギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク Hilary Swank)だった。
 ぜひトレーナーになってくれと言う彼女を断るダン。しかし彼女はジム費を半年分払ってやってくるようになる。
 ジムに住み込みで働いているスクラップ(モーガン・フリーマン Mogan Freeman)は夜遅くにサンドバックの音を聞く。
 マギーだった。彼は彼女にサンドバックへの対し方を教え、次はスピードバックをやればいいと言う。
 彼女はスピードバックを知らなかった。彼女にフランキーの古いスピードバックを貸すスクラップ。
 彼女はウェイトレスで稼いだ金で新品のスピードバックを買い、誕生日の日もトレーニングを続けた。
 彼女は32になった。彼女は13の歳からウェイトレスをして働いている。
 父親は死んでいて、母親はトレーラー暮らし(トレーラー暮らし=貧乏では無いだろうけれど、この場合はそう)で、
弟は刑務所、妹は不正に生活保護を受けている。
 彼女にはボクシングしか無いのだ。それを知ったフランキーは彼女のトレーナーを引き受ける。
 しかしそれは本気で自分がずっとやっていくという事ではなかった。
 フランキーはマネージャーのサリー(ネッド・アイゼンバーグ Ned Eisenberg)に彼女を預ける。
 しかしサリーが別の試合のために彼女を犠牲にするつもりだと知り、試合中の彼女の元に駆けつけ、
結局彼が彼女のマネージャーとなる。
 それから二人の快進撃が始まる。
 英国チャンピオンとの試合、フランキーは彼女に「モ・クシュラ Mo Cuishle」と刺繍した緑色のガウンを贈る。 モ・クシュラはゲール語だったが、フランキーは意味は教えてくれなかった。
 しかし試合を見に来たアイルランド系の人々はゲール語の刺繍に彼らの色、
緑色のガウンをはおったマギーに熱狂する。
 彼女は英国チャンピオンに勝つ。マギーは家族に家を買ってあげる。
 しかし母と妹はこれでは生活保護を受けられなくなると喜ばなかった。
 彼女は家の名義には誰の名前も書いてないから、売ればいいと言って去る。
 マギーにタイトル・マッチの話が来る。
 相手はドイツ人ボクサー青い熊ビリー(ルシア・ライカ Lucia Rijker キネ旬に載ってったかがわてるゆきさんの記事によると17戦全勝14KOの天才オランダ人ボクサーだそうである)、
汚い手を使う事で知られていた。
 案の定汚い事をしてくる彼女。フランキーはマギーに反則なのだが坐骨神経を痛めさせる事をしろと言う。
 その通りにする彼女。
 休憩(?)の時間になり、椅子が横向きに出され、マギーが観衆の声援に応えていた時、
ビリーが後ろからマギーを殴った。
 マギーは椅子に首を強打し、第一頚骨と第二頚骨を完全につぶしてしまう。
 一生、首から下は動かない身になる。
 マギーの家族が来る。遊園地で楽しんできましたという格好で。
 彼らは彼女に病院の費用で取られてしまうかもしれないから、
家の権利を母親(マーゴ・マーティンデイル Margo Martindale 最近アメリカで低所得者は多種多様な食材を買えないから太りやすいとかいう記事を読んだ気がする。この母親もジャンクフードばっかり食べていたのだろうか)に譲れと弁護士(Tom McCleister)を連れてきたのだ。
 マギーは病院の費用は拳闘協会が払ってくれるから大丈夫だと言うが、
母親はサインのためにマギーの口にボールペンをくわえさせる。
 彼らを出て行かせるマギー。マギーの片足が壊死し、その足を切除する。
 彼女はフランキーに死なせてくれと頼む。
 フランキーにはそんな事は出来なかったが、彼女は自分の舌を切って死のうとした。
 フランキーは神父(ブライアン・F・オバーン Brian O’Byrne)にその事を打ち明ける。
 神父は「神の事も天国の事も地獄の事も考えるな。そんな事をしたらあなたが自分を失くしてしまう」と言う。
 しかし結局彼は注射針を持って夜中、彼女の病室に行く。
 「モ・クシュラ」とは「愛する者よ。お前は私の血」という意味だと教え、彼女を死なせる。
 病室から出て行くフランキーを物陰から見送るスクラップ。ジムでフランキーの帰りを待つスクラップ。
 そんな時思いがけない人物が来る。
 ジョレル・バリー(アンソニー・マッキー Anthony Mackie)に散々やられて去っていったはずのデンジャー・バーチ(ジェイ・バルチェル Jay Baruchel)が帰ってきたのだ。
 しかしフランキーは消えてしまった。スクラップはフランキーの長い間疎遠になっていた娘にこの事を書き送る。

感想:今年のベストテンに入る映画ではないでしょうか。
 細かい所にまで神経が行き届いた感じで、まず脚本が素晴らしいんでしょう。
 考えてみれば暗い映画なのに、そんなに暗くは感じなかったです。過度にならず抑えた描写。
 マギーはやる事はやったのだから、あんな体になった事は悔しいけれど、
さほど悔いは無かったかもしれません。
 タイトル・マッチは彼女の意思でした。フランキーは最後まで彼女に付いててくれました。
 彼女はあんな体になった時、フランキーの事を心配していました。
 しかし体がきつい状態がいつまでも続くというのは耐えがたかったのでしょう。
 フランキーだってあんな選択はしたくは無かったでしょうが、真に彼女の痛みに共感していたから、
悩んだ末あの選択をしたのでしょう。
 あんな選択をしない方が、人々に後ろ指指される事も無く楽なんですから。
 側についている者としては生きてて欲しいのですが、苦しい身になったら死にたくなるかもしれません。
 デンジャー君が帰ってきたのも、暗く感じない理由の一つですね。
 どう見てもボクシングの才能が無い彼ですが、ボクシングへの愛は人一倍です。
 スクラップに対して「僕はニガーに偏見が無い」(?)みたいな事を言っていましたが、
すでにニガーという言葉を使うのが間違いなのですが、そんな事はおそらく彼知らないんでしょう。
 悪意が無いのが感じられてスクラップも苦笑いといった所でしょうか。
 最後の方で映っていた手紙は娘さんからとうとう返事が返ってきたのでしょうか。
 キネ旬の佐藤由紀氏の記事によると第一稿か完成稿かはわからないけれど、
脚本には娘との出会いのシーンがあるそうです。
 フランキーは神父をからかっては、神父から4文字言葉を引き出すのを楽しみにしている感がありましたが、
救いを求めていたからこそ熱心に通っていたのも事実です。
 フランキーに救いはあるのでしょうか。
 希望としてはスクラップの手紙を読んだ娘が一生懸命捜すといった所でしょうか。う~ん。
 マギーの前向きな笑顔は良かったです。音楽も心に残りますね。
オリジナル・サウンドトラック「ミリオンダラー・ベイビー」

ミリオンダラー・ベイビー
東 理夫 / Toole F.X.
早川書房 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

関連サイト
I LOVE CINEMA+
シカゴ発 映画の精神医学
It’s a Wonderful Life
話題のナレッジベース:知識のアーカイブ
日々徒然ゆ~だけ

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コメント

papiは、共同のジャーに全勝したかもー。

投稿: BlogPetの「papi」 | 2005.06.21 10:37

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