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ビビを見た!

「ビビを見た!」大海赫 ☆☆☆

最後まで書いています。注意!

 ぼく、ホタルはある日不思議な声を聞く。その声は僕の目を午後7時まで見えるようにしてあげようと言う。
 僕の目は見えるようになるが、母とネコのミミは反対に目が見えなくなる。
 テレビをつけるとニジノ市の女性と子供と老人は駅に来て特急コガラシ号に乗って、
男の人は駅前に集まってくださいと言っていた。
 敵がやってくると言うのだ。ぼくは母親を連れて駅に行こうと、家を出る。
 外にいた人々も全員目が見えなくなったようだった。駅に着くと警察署長らしき人が叫んでいた。
 敵の正体はわかっていなかった。
 ぼくは目の見えるものとして残って戦いを助けようと思うが、無理矢理汽車に乗せられる。
 ぼくの隣の窓際の席に7歳ぐらいの不思議な女の子がいた。
 その子は裸で、顔も体も手足の先まで、椿の芽のような色をしている。
 頭には蛾みたいな二本の触覚が生えている。その子はぼくの抱いているネコを見てこわがった。
 この子は目が見えるのだ。その子がワカオが来たと言う。ワカオは大きい男の子なんだそうだ。
 その女の子が突然男の子の蜜柑をひったくった。 
 喧嘩になりそうだったのでぼくは男の子と女の子にチョコレートをやる。
 女の子はチョコレートを気に入りぼくのリュックを覗き込む。
 その時ぼくは女の子の背中に透き通った薄い氷のような羽を見る。四枚の羽のうち一枚はやぶけていた。
 ぼくは思わず羽に触る。とたんに女の子はビビビと羽をふるわせて窓際に飛びのいた。
 ぼくは震えている女の子にジャンパーを着せてやり、ビビって呼んでいいかと聞く。

 大男のワカオが来た。ビビが目当てらしい。ビビは殺されると言うが、このままでは汽車ごと踏み潰されそうだ。 ぼくは汽車を止めてもらってビビを下ろそうと思う。しかし汽車が脱線する。大男も目が見えないようだった。
 大男はビビの事を大事な子、可愛い子と言っていた。
 そして子供をつまみあげてはこれではないと投げ出し、子供は高い所から落とされ死んでいった。
 ぼくはビビを追おうと声を出し、大男に捕まる。
 女の子を連れてくると約束して下ろしてもらうが、ビビは見つからず踏み潰されそうになる。ビビが現れる。
 ビビの羽を破いたのはワカオだった。ビビが何処かへ行ってしまうのが怖かったのだ。
 ぼくに一緒に来てとビビが言う。しかしぼくは7時になると目が見えなくなるんだと教える。
 ビビはホタルの見たいものを見せてあげると言う。海に連れて行ってもらう。船も見る。
 風に飛ばされてビビとぼくはワカオの手の上から海に落ちるがワカオが助ける。
 ぼくはその時世界で一番綺麗なものを見つける。それはビビだった。ぼくは時間までビビを見ていた。
 時間になり何もかも消えた。他の人の目は見えるようになる。
 大男もビビもいなくなっていたが、人がいっぱい死んでいて、汽車も脱線していた。ぼくは幸福だった。
 ぼくだけがビビを見たのだ。

感想

 私には合うとまではいきませんでしたが、それでもすごい話だなと思いました。
 よしもとばなな氏はこの本によって癒されたそうですが、はまる人には非常にはまるのではないかと思います。 絵も子供用とは思えないほど強烈で個性的です。怖いと感じるかもしれないほど。
 みんなの目が見えなくなる話というと「トリフィドの日」を思い出しますが、こちらの方が原初的な力を感じます。  色使いも大胆です。人が結構死んでいて、ビビは素のままの子供で、ワカオは破壊的です。
 これで子供の本かと思うとショックですが、子供は大人が思うほど子供ではないんですもんね。
 実際この本は子供の時に読んで忘れられないと言う大勢の人達の投票によって復刊されたんですものね。
 子供相手だからとへたにオブラートに包まずにそのままの世界を作り出したこの作家は偉いと思います。
ビビを見た!

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