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中国の環境破壊

「中国の環境破壊」ナショナル・ジオグラフィック 2004年3月号 より ☆☆☆

 江西省の村、大橋(ターチャオ)。10年前、金脈が見つかり、採掘が始まった。
 しばらくして採掘者達は珪肺症にかかった。シリカ(珪酸)を含んだ粉塵を吸い込んだからだ。
 400人のうち、すでに100人余りが珪肺症で亡くなっている。
 豊かな生活を求めてこの20年間でざっと2億人の農民が農業を捨てた。
 中国で有害な塵埃や有毒物質に日常的にさらされている労働者は2500万人余りにのぼる。

 雲南省の那仁(ナレン)村。マツタケで豊かになり、木造の大きな家を建て始めた。
 昔この辺りの山はナラ林が広がっていたが、今は山の木々は切られ、鉄砲水に襲われるようになった。
 雲南省では毎年、洪水と土砂崩れでざっと500人が死亡、道路や鉄道が寸断される被害が出ている。
 世界銀行によると中国の土壌浸食は世界でも1,2を争うほど深刻だ。

 中国では今でもエネルギーの75%を石炭に頼っており、年間約1700万トンの二酸化硫黄を排出している。
 中国の340都市の大気汚染レベルを調べた結果、
世界保健機構の基準より緩い国内の安全基準をクリアしていた都市は3分の1に過ぎなかった。
 石炭燃焼による室内の空気汚染で年間70万人余りが死亡し、
農村部では死者の4人に1人が呼吸器系疾患で亡くなっている。

 主要都市の3分の2が深刻な水不足に陥っており、
中国全土で7億人が人間や動物の排泄物で汚染された水を飲んでいる。
 都市で排出される年間180億トンの下水の大半は、未処理のまま川や湖に垂れ流される。
 処理されるのは、10%程度に過ぎない。
 農家でも以前は、人の排泄物を肥料として畑に撒いているだけだったが、
今では窒素やリンなど化学肥料も使用している。
 中国で肝臓や胃や食道のガンにかかる割合が高いのは水質汚染と関係があることが、
最近の調査で分かってきた。

 79年以降、中国政府は環境保護関連の法律や規制を次々に導入してきたが、施行が手ぬるいか、
法律が空文化していて、その効果がないのが実情だ。
 理由は様々だが、公的資金の不足、役人の汚職が主な理由だ。
 雲南省の工業都市・昆明(クンミン)では、多くの工場が湖に廃水を未処理のまま垂れ流しているが、
地元の環境当局が法律で定められた罰金を徴収することはめったにない。
 当局は日常的に、湖の水質検査のデータを改ざんし、廃水対策が成功しているように見せかけている。
 少しでも良い数値を出すために、調査用の取水地点を湖の汚染のひどい一帯から、
水が澄んだ一帯に移したこともある。

感想

 中国は社会主義の国のはずだが、低所得者をフォローしている感じが無い。
 今の中国の繁栄は貧しい地方の人達の低賃金労働に支えられている。安いからと言って単純には喜べない。


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