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愛しき者はすべて去りゆく

「愛しき者はすべて去りゆく」デニス・レヘイン ☆☆☆

推理小説なのに、最後まで書いています。気を付けて!!

 テキサス州ポート・メサ、1998年10月。レイチェルは7月に幼い息子と来た新参者だ。
 レイチェルが酒場で働き始めてから酒場の売り上げが上がり、いさかいが減った。
 彼女は美しいが、彼女にちょっかいを出すと彼女の目の中で凶悪なものがひらめき、男達は彼女を畏れた。
 彼女の息子は綺麗な金髪で彼女とは似ていなかったが、ひたむきに彼女に愛されていた。

 第一部 一九九七年、小春日和 4歳のアマンダ・マックリーディが誰かに攫われた。
 母親のヘリーンが隣のアパートに住んでいる女ドッティ・メイヒューの部屋でテレビを見ている間に鍵のかかっていないドアから入られたのだ。
 パトリック・ケンジーとアンジェラ・ジェナーロはヘリーンの兄ライオネルの妻ビアトリスに懇願され、
少女を捜す事にする。

 ヘリーン行き付けの酒場で、ヘリーンは隣のアパートではなくドッティと男友達レイ・リカンスキと一緒に酒場にいたことがわかる。
 酒場から出た二人はプールことニック・ラフトポーラスとレミイ・ブルサードという刑事に出会う。
 ブルサードはレイを知らなかったが、プールは知っていた。

 パトリックとアンジーは事件に関するニュース映像のあちこちにクリス・マレンが顔を出していることに気づく。
 マレンはヤクの売人チーズ・オラモンの手下だった。
 ヘリーンを追求すると、彼女はチーズ・オラモンの運び屋をやっていた事がわかる。
 チーズ・オラモンは今刑務所に入っていて、彼女はどさくさにまぎれて仲間と金をねこばばしたらしい。
 彼女の仲間の家に行くと仲間二人は殺されていた。パトリック達は金を裏庭で発見する。
 どうやらアマンダはこのいざこざのせいで誘拐されたらしい。

 ライオネルに女から電話があり金とアマンダとの交換を申し出てくる。
 犯人の要求はパトリックとアンジー、そしてプールとブルサードの四人だけが来る事。
 取引現場でプールの体の調子がおかしくなり、プールを置いて三人だけで先に進む。
 犯人からの指示でパトリックとアンジーの組とブルサードは別れて行く事になる。三人は銃撃を受ける。
 金は取られ、チーズ・オラモンの手下クリス・マレンとファラオ・グティエレズが殺されていた。
 チーズは子供は死んでいない、ヘリーンの男レイを捜せと言う。チーズは事故で死んでしまう。

 第二部 冬 アマンダは行方不明のまま、八歳の少年、サミュエル・ピエトロが行方不明になった。

 第三部 最も残酷な月 パトリックはブッバ(ルプレヒト・ロゴウスキー)の仕事に付き合わされる。
 その仕事相手はブルサード達に写真を見せられた事がある児童に対する暴行犯レオン・トレットだった。
 レオンは子供の物と思われる小さすぎる野球帽をかぶっていた。
 パトリッックはアンジーとプールとブルサードと一緒にレオンの家に行く。
 プールがドアをノックすると、いきなりショットガンを撃ってきた。プールは重傷を負い、アンジーは足首を折る。
 パトリックはレオンを追い詰めるが彼の唇がかすかに笑みを浮かべるのを見てパトリックは膝をつく。
 パトリックの頭上を銃弾が飛び、レオンの頭が消える。レオンの女ロベルタが撃ったのだ。
 パトリックがロベルタから逃げた先には少年の死体があった。
 パトリックはレオンの仲間コーウィン・アールを殺し、ブルサードがロベルタを殺した。
 死体はサミュエルで、地下室には二体の子供の死体があった。

 子供の死体を見たパトリックとブルサードの心は深刻に傷ついていた。二人は夜、公園で会う。
 その時のブルサードの言葉にひっかかりを覚えるパトリック。
 ブルサードはヘリーンの男レイを知らないはずが自分のたれこみ屋と言っていたのだ。
 パトリックはブルサードにフットボールに誘われ、そこで釘を差される。
 パトリックとアンジーはプールに会いに行くが、彼は死んでしまった。
 病院で二人はニール・ライアーソン特別捜査官に出会う。
 彼はチーズはアマンダ失踪まで自分の金がねこばばされた事を知らなかったと教えてくれる。
 チーズは金は麻薬共々押収されたと思っていたのだ。
 三人でブルサードの家に行くと妻のレイチェルは金髪の少年と一緒にいた。
 しかしレイチェルは子供を生めない体で、彼女は娼婦だった事があるので、養子をもらえなかった。
 バーでライオネルは三人に語った。アマンダを誘拐したのはライオネルだった。
 母親失格のヘリーンにアマンダを任せておくのが耐えられなかったのだ。
 この国ではどんな親でも親権を主張すれば、子供を取り上げるわけにはいかなかった。
 バーに突然二人組みの強盗が入る。
 強盗はライオネルが何も話していないのに彼が何かしゃべってると絡んできた。
 強盗はブルサードとその同僚のジョン・パスカルだった。
 ライアーソンがパスカルを撃ち殺し、アンジーがブルサードを撃つ。ブルサードを追うパトリック。
 ブルサードが話す真相。
 クリス・マレンがアマンダ誘拐の現場を目撃していて、チーズはそれをねたに脅迫していた。
 レイ・リカンスキは殺されていた。 レイチェルの息子はほうっておかれ飢え死にしそうになっていた子供だった。 ブルサードは結局死ぬ。

 アマンダはブルサード達の上司ジャック・ドイルの所にいた。幸せそうだった。
 アンジーはアマンダをヘリーンに返すのは止めようと言うが、結局アマンダはヘリーンに返される。

 エピローグ レイチェルは息子共々行方不明になり、アンジーはパトリックと別れる。

 テキサス州ポート・メサ 一九九八年十月 レイチェルは家族のためなら人を殺せると言った。

感想

 アメリカでも親権取り上げるのは難しいのかな。
 確かに簡単に親権を取り上げられるのもどうかと思うが、子供の不幸は耐え難い。
 アメリカは日本より虐待には敏感そうなんだけど。
 法律の範囲を超えて正義を守ろうとしたブルサード達は、そのせいで人殺しをする。
 それほど悪くない人までも…。
 でもアマンダはジャック・ドイルの元にいた方が幸せだし、レイチェルの息子もそうだ。
 法がなければ秩序はたちまちに失われる。しかしこの空しさは何だろう。
 法をちょっとずつ直していくしかないのか。

 あちこちのブログを覗いたら、これベン・アフレックの監督で映画化するんですね。
 どういう脚本にするんでしょうか。終わりはどうするの?ちょっと怖い。
愛しき者はすべて去りゆく

      

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