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カワウソ

「カワウソ」ゲド戦記外伝より アーシュラ・K.ル=グウィン ☆☆☆☆
Ⅰ.暗黒時代 Ⅱ.カワウソ Ⅲ.アジサシ Ⅳ.メドラ

ネタばれ注意!

 暗黒時代、魔法使いたちはおたがいに魔術を戦わせては、
自分たちの技をもっとも多額の金を積む者たちに売りつけるようになった。
 疫病がはやり、飢饉が続いた。
 こうなったのはすべて、魔法使いや魔女たちが魔法を使うからだと、人びとは考えるようになった。
 そこで魔法を使うのは危険だということになり、
魔法使いたちにとって唯一安全な場所は強い軍閥の首領の保護下となったが、
より強い魔法使いがあらわれると滅ぼされる事さえあった。
 一般のひとびとになかに入ると、人びとにやられかねなかった。
 村々で行われていたまじない、わけても女たちの手になるまじないかけが嫌われ、いやしめられるようになった。
 ひとびとは災いを魔女やまじない師のせいにし、彼らを殺した。
 人びとは、子供が魔法の才を持って生まれても、それを隠すようになった。

 カワウソはハブナー港の造船所で働く船大工の息子だった。
 息子に生まれつき魔法をあやつる力があるとわかってからは、父親はなにかというと息子をなぐって、
その力を息子のからだから追い出そうとした。
 魔法使いには魔法使いが見分けられる。
 カワウソは魔法をあやつる力を持った者たちから魔法をならうようになった。

 船大工たちは土地の支配者ローゼンのために船を作った。 
 その船は奴隷が漕いで、戦争に行き、新しい奴隷たちを積んでもどってくることになっていた。
 カワウソはそれが我慢ならなかった。彼は船に魔法をかけ、目的地に着けないようにした。

 ローゼンに雇われている者のなかに自分のことをイヌと呼ぶ男がいた。
 イヌは船に魔法がかけられていることを嗅ぎ取った。そしてカワウソを捕まえた。
 カワウソは鉱脈を探すよう鉱山に送られた。
 カワウソが入れられた部屋には魔法がかけられていて、自由にものが考えられなかった。
 やがてゲラックという魔法使いが現れる。彼とローゼンはもう何年もいっしょに仕事をしてきていた。
 ゲラックはカワウソを水銀の坑道に連れて行った。
 そこには髪の毛が一本もなく、
骨と皮ばかりにやせた手足に関節だけがこぶのようにふくらんでいる女奴隷がいた。
 彼女の名はアニエブ。力を持っていた。カワウソはアニエブに助けられ、ゲラックを地中深くにうずめてしまう。
 しかしアニエブは一緒に逃げる途中で死んでしまう。

 カワウソは、魔法の力を持ちお互いに助け合っている“手の女”たちの助けを借りながら、放浪した。
 そして公明正大な政が行われ、“手の女”たちが昔からの技を守り続け、
皆に教えていると言うモレドの島を捜した。
 そしてとうとうモレドの島にたどり着く。彼はそこを拠点として、まず「名まえの書」を見つける。
 そして魔法の才を持っている者を島に連れて来た。
 しかしローゼンに使える魔法使いアーリーがカワウソの事を知って…。

 私にとっての本の理想の読み方は、まず情景を思い浮かべながら、本に寄り添うように読む事です。
 しかし集中力と想像力が足りず、なかなかそうは行きません。
 特にル=グウィンはその物語の奥にもっと深い何かがあるような気がして、なるべく寄り添いながら、
じっくりと読みたいのですが、どうも私では力が足りないと感じます。 
 こんな私でもこの物語は心の奥底に何かを残しているのでしょうか。

 森、門番、水銀によって醜くなった少女、女、男、割れて又閉じる大地。なぜアニエブとカワウソは繋がったのか? 死の世界の石垣の所にいる彼女。

 今もひどい状態の国はあります。良い事をしようとして、他の誰かを巻き込んで犠牲にしてしまう事はあります。
 この話のような残酷な事も今現在無いとは言えません。人は善なのか、悪なのか?どちらとも言えません。

 この話は派手派手しく圧制を倒すと言う話ではなく、地道に輪を広げていくだけです。
 英雄なんて簡単に現れるものではありませんものね。
ゲド戦記外伝


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