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シティ・オブ・ゴッド

シティ・オブ・ゴッド...CIDADE DE DEUS」ブラジル2002年配給:アスミック・エース ☆☆☆☆☆
監督:フェルナンド・メイレレス(Fernando Meirelles)カチア・ルンヂ(Katia Lund)原作:パウロ・リンス(Pauro Lins)脚本:ブラウリオ・マントヴァーニ(Braulio Mantovani)撮影:セザール・シャローン(Cesar Charlone)音楽:アントニオ・ピント(Antonio Pinto)エヂ・コルチス(ed Cortes)

 ナイフが研がれている。
リトル・ゼ(レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ Leandro Firmino da Hora)達はにわとりをさばいて食べようとしている。
めんどりが逃げ出し、リトル・ゼ達は追いかける。
そこにカメラを持ったブスカペ(アレシャンドロ・ロドリゲス Alexandre Rodrigues)が現れる。
にわとりを捕まえようとするブスカベ。彼の後ろに警官達が現れ銃を構えるリトル・ゼ達。
ブスカベを中心にグルグルと画面が回りながらそのまま過去のブスカベの映像になる。

 優しき三人組カベレイラ(ジョナタン・ハーゲンセン Jonathan Haagensen)、アリカーチ、マヘク。
彼らは弟分のリトル・ダイス(後のリトル・ゼ ドグラス・シルヴァ Douglas Silva)が考えたモーテル襲撃をやる。
リトル・ダイスからサツが来たと言う知らせの銃撃があり、彼らは逃走する。
彼らが行った後、三人組は一人も殺していなかったのに、モーテルにはたくさんの死体があった。
警察がしょっちゅう町に来て手入れをするようになる。
カベレイラは警察に撃たれて死に、アリカーチは神の道に入り(たぶん…)、
ブスカベの兄マヘクはリトル・ダイスに撃たれて死んだ。

 高校生になったブスカベ。彼は友達の恋人アンジェリカ(アリーセ・ブラーガ ソニア・ブラーガの姪)に夢中だった。彼女のためにマリファナを買いに行くブスカベ。そこにリトル・ゼが来る。

 モーテル襲撃事件の大量の死体はリトル・ゼの仕業だった。
彼は親友のベネ(フィリピ・ハーゲンセン Phellipe Haagensen)と一緒にのし上がり、
とうとう町一番のボスになる。
 
 ベネがアンジェリカと恋仲になる。ベネは足を洗って田舎に住むことを決意する。ベネの送別会。
ネギューニュがベネを殺す。
ネギューニュの妻をリトル・ゼの手下が殺したので、
その報復にネギューニュはリトル・ゼを殺そうとしてあやまってベネを撃ったのだ。
ネギューニュはセヌーラ(マテウス・ナシュテルゲーレ Matheus Nachtergaele)に助けを求める。
ベネが止めていたのだが、リトル・ゼはセヌーラを殺そうとしていた。

 セヌーラを襲いに行くリトル・ゼ達。
その途中であったイイ女は二枚目マネ(セウ・ジョルジSeu Jorge)の恋人だった。
リトル・ゼは前々から女にもてもてのマネが気に入らず、会う度に殴っていた(なんと実話だ)。
リトル・ゼはマネの目の前で女をレイプし、弟と叔父を殺す。マネはセヌーラの仲間になり、リトル・ゼに復讐を誓う。

 傑作!!まず、最初のメンドリ逃走劇が素晴らしい。
2羽のメンドリを使って苦労して撮ったらしいが、メンドリが車をよけるシーンは偶然らしい。うまいぞ、めんどり!!
テンポ良く、リズミカルに話が進む。
マトリックス的映像と自分達で言っていた映像表現も成功していたんじゃないかな。
笑いながら人を撃つリトル・ダイスは衝撃的。後半に出て来るがき軍団も怖い。
これは1960年代後半から70年代のお話だが、今のブラジルも治安は相当悪いらしい。
ブラジルのビーチ(リオか?)を楽しむ大人たちを集団で襲って物を奪っていくがき共の映像を最近見たし。
映画を撮っていた時点のシティ・オブ・ゴッドはボスが次々と変わっていて危ないので他の場所で撮ったんだそうだ。相当前だが、
ブラジル以外の中南米の国(コロンビアかな?)のドキュメンタリーで12歳ぐらいのお子様が「人を殺した事はある。両親は僕の稼ぎを当てにしているので危ない仕事をしている事は知っているのに何も言わない。
20歳まで生きれるとは思っていない。」と言っているのを見た事がある
。この映画を撮った監督も実情を知ってから盗みを働く子供達をひどいとは思えなくなったと言っていた。
自助努力で何とかするには相当のリーダーシップを持つ人を必要とするような気がする。
スラム以外の人たちの行動が必要だろう。

 ベネはリトル・ゼのブレーキと言われていたそうだ。リトル・ゼもベネの言う言葉には耳を傾けたらしい。
弟の秀長を亡くして、ブレーキが利かなくなった秀吉を思い出した。
マネがパーティーで強制的に服を脱がされるシーンも実話だそうだ。家も実際にメチャクチャに撃たれたらしい。
それじゃ切れるよな、誰だって。(レイプや弟の死は本当なのだろうか?)
せっかく正業に就いていて、とても好青年だったらしいから、悪の道に走ってしまった事は哀しい事だ。
最後に出てきたほんもののマネの顔は役の人より幼く若く見えた。
リトル・ゼはしもぶくれの不細工だったが、子供の時はそうでもなかった。生活が顔に出たのだろう。
でも以前リオのカーニバルについてのドキュメンタリーに出ていた貧乏な地域の顔役もあんなものだった。
金と権力があればそれなりに女をものにできると思うから、本人がコンプレックスの塊だったのだろう。

 この映画で思い出す映画は「ノー・マンズ・ランド」だ。
どちらも底には悲惨なものが横たわっているのに、明るさ、ユーモアがある。
「ノー・マンズ・ランド」は戦争映画だが、「シティ・オブ・ゴッド」の製作者達もこの映画の事を戦争映画と言っていた。情に傾くウェットな日本人には作れない映画だ。後「ボーイズ’ン・ザ・フッド」も似ている。
一歩間違うとギャングになってしまう環境というところが…。

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コメント

現実は、映画を超えています。
今もリオでは、警察と組織が
毎日撃ち合いをやっています。
それも観光地にも近いので、イメージが落ちるなどと報道されています。
リオだけではないところも、問題です。

投稿: | 2004.10.08 12:45

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