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ペロー・ザ・キャット全仕事

ペロー・ザ・キャット全仕事」吉川良太郎 ☆☆☆☆☆

 場所はフランス。第三次非核大戦の後。ペローはなじみの質店(故買屋)でいわく付きのソフトを買った。
どういういわくかって言うとそのソフトを売ったチンピラが三日後にアラブ人によってバラされているのだ。
ペローは1ヶ月かけてその中身を引き出す。
それはサイバネ手術を施した動物を遠隔操作しスパイするための装置だった。
つまりその動物の痛覚を抜きにしたあらゆる感覚を感じる事が出来るものだった。
ペローはさっそく猫を買ってきて改造し、猫として生きる事にする。

 ペローは金を稼ぐために猫の姿で金持ちのプライバシーを記録し、それを元にしてゆするという事をした。
しかしペローがゆすりを行っていたのは強力なギャング・パパ・フラノが支配する街。
ペローはパパ・フラノの部下シムノンに捕まり、彼のために働く事を強要される。

 私にとって非常に面白いものでした。でもこの本売れてません。
私がこの本を買ったのが2003年で、この本は2001年に出版されていますが、初刷で買えました。
Amazonでこの本のページを開いても「この本を買った人はこんな本も買っています」が出ません。
他の方の感想も少し見ました。SFファンには文章が洗練されすぎてて、面白くないらしいです。
SFファンは文章よりもアイデアなんでしょう。実際文は軽快で非常に読みやすいです。ライト過ぎると駄目なのかな。私も軽すぎる文章が駄目な人間ですが、これは軽すぎるとは感じませんでした。洒落た感じがいけないのかな。
猫好きにはこの話の人間猫は猫じゃないと思っちゃうらしいです。
まあ確かにこの主人公、カミュの「異邦人」みたいな奴で、読者が好きになるようなタイプではありません。
私は気になりませんが…。

 女用心棒のシモーヌ、くたびれたコートを着ている探偵、武装弁護士、元外人部隊の軍曹、
ドレスを着た双子のハッカー。
脇役も魅力的だと思うけど…。
猫のアクションシーンも良かったです。
アラブ人、ギャングの強要、電脳という要素は確かに「重力が衰えるとき」を思い出します。
あっちは狂騒的で、こっちは洒落た感じという所が違うかな。主人公がとってもドライだし。
ライトノベルのファンならどうなんでしょう。そっち系でも無いような気がしますが…。

 SFマガジンに載っていた「ぼくが紳士と呼ばれるわけ」も結構面白かったです。
私としてはこの作家、買いですが、売れてないみたいで哀しいです。今に入手困難状態になりそうで怖いです。


 

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