« 自負と偏見 | トップページ | クジラの島の少女 »

アメリカの七夜

「アメリカの七夜」ジーン・ウルフ SFマガジン2004年10月号 ☆☆☆☆

 探偵(?)からの手紙。アメリカで失踪した息子ナダンの日記が見つかったとの報告。
その日記が見つかったのはワシントンより北。そして日記の内容は…。

 12日間の船旅。アメリカに近づいてきたら海が緑色から黄色に変わった。
アメリカの立派な建物はどれも老朽化している。ホテルの支配人は小男で醜く、背骨が曲がっている。
アメリカを破壊したのは遺伝子損傷で、ほとんどの人がどこかにその傷跡がある。
そして世界一の意識改変ドラッグの製造者はアメリカだった。
ナダンは自分の中の不安はドラッグを盛られたせいではないかと考える。1時間もただろうそくの炎を見つめる自分。

 劇場に行く。そこで出会った老人は荒れ果てた博物館で機械を扱っていた老人だった。
その老人とコミュニケーション(例えば匂いによる)の事やアメリカ大統領が毎日何百通も来る請願書に対応するため機械を使ったと言うような事を話す。

 老人をベットに寝かせるのを手伝ってくれた女性からアンプルを買う。
そのアンプルの液体を卵菓子の一つに染み込ませ、
卵菓子全体を掻き混ぜどれにドラッグが入っているかわからないようにし、毎晩1個ずつ食べる事にする。

 劇に出ていた女が気になり、彼女が元々売春婦だと言うので、ならねんごろになれるかと、
彼女の名字と同じ人が住んでいる住所を訪ねる。
けっきょくそこにはいなかったが、その家の前で人間のような怪物に襲われる。

 女の共演者が仲を取り持ってくれると言う。
彼はナダンのスケッチブック(財布と勘違いしたのか?)をとろうとして、警察に連行される。

 女が現れ、共演者を刑務所から出すのを手伝ってくれと言う。

 もちろん私に謎はわかりません。そんなに細かく読んでないし、頭の出来の方も…。
日記がナダンが書いたものかどうかもわからないし(機械?)、
ドラッグの影響がどこからあるのかもわからないし(もしかして船から?)、ナダンの真の目的も(写本絵画?)、
女の正体も(奇形だらけの国だし)。

 良くわからなくても、イメージの喚起力が素晴らしいから楽しめます。
一つ一つ、頭に思い浮かべながら集中して読むと、目も眩む様な世界が広がる(この場合はグロテスク)。
非常に重層的で、いくらでも裏読みが出来る。行間が楽しめる。
そう、何回読んでも楽しい。(私自身は深く読んではいないが…)

 「新しい太陽の書」シリーズは私が非常に大切に思っている本の一つです。
ケルベロス第五の首」も買いました(積んでるけど…)。
ジーン・ウルフの本は私にとっては出たら買う本です。
それだけ愛している作家です(サミュエル・R・ディレーニイも出して欲しいな)。
論理に走る男共が謎を解くために買っても良いでしょうが、難しい事は考えず、印象、
感覚を楽しめる女性にこそ向いているのではないかと思います。
良かったら買って下さい(ケルベロス、まだ読んでないのにこんな事言って良いのか?)。
そうすれば、彼の本がこれからも出版されるでしょう。(て言うか、お願いだから出版してくれ!!)

|

« 自負と偏見 | トップページ | クジラの島の少女 »

小説「あ~こ」(18)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/45625/1527519

この記事へのトラックバック一覧です: アメリカの七夜:

« 自負と偏見 | トップページ | クジラの島の少女 »