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邯鄲

武家用心集乙川優三郎 邯鄲 ☆☆☆☆

 輔四郎は家老から忍びの者である剣の使い手谷川次郎太夫を討ち取る事を命じられる。
谷川は中老を暗殺したと言うのだ。
 輔四郎には勝つ自信がない。心残りなのは女中のあまの事である。輔四郎は一度離縁している。
男一人では何かと不自由なので女中を雇う事にしたのである。
あまは14で、11人家族の末子で、ぎりぎりで生き延びてきた少女だった。
浅黒い手は傷だらけで、満足に挨拶も出来ない、あまりに貧しい姿の娘だった。
最初は面倒を雇ったようなものだと思ったが、三年もすると一通りの事が出来るようになった。
そして今は二十歳。嫁ぐ先も見つけていないし、彼女はもちろん実家には帰れない身である。
 友に頼もうかと思うが、結局言い出せず、いくらかの物を売って金を用意する。
彼女はすでに死ぬ覚悟を決めた輔四郎に、少しでもお役に立ちたいという。
谷川を討つ手助けをしたいと言うのだ。もちろん輔四郎はそれを断る。
 
ネタバレ注意

 輔四郎はこれからどうなるのだろう。先行き不安である。
彼はひたすらに生きる決意を固めるのだが、上手くいくのか。
 あまという女が魅力的である。生き残るためにひたすらに努力してきた彼女。
虫の鳴き声をまねる彼女のたたずまいが目に浮かぶ。
 幸せになって欲しい。

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